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リース・シェアスミスが「ブリティッシュ・ベイクオフ」GBBO有名人大会で優勝した!の巻

2021-03-30 | TV/9から始まる奇妙な物語

「9から始まる奇妙な物語」リーグ・オブ・ジェントルマンのクリエイターである、
我らがリース・シェアスミスがお菓子作りコンテスト番組「ブリティッシュ・ベイクオフ」(GBBO)のチャリティ回に出演すると知って、
3月23日のチャンネル4での放送を楽しみにしておりました。(S7まではBBCで放送してたんですよね。)

↑このツイートは、リーグ・オブ・ジェントルマンでリース演じるエドワードのセリフ
"We'll have no trouble here!"に引っ掛けています。

以前、料理番組に出演していた時に、
普段料理するか訊かれて「子供みたいな料理をする」と語っているのを見たことがある気がしましたが、
実際どれほどの腕前なのかあまり知りませんでした。
(ちなみにスティーヴ(・ペンバートン)やマーク(・ゲイティス)は全然料理しないみたい。)

インタビュー記事によるとコロナ禍でスコーンを焼いたり、番組に備えてスポンジやアイシングの練習をしたみたいです。
目分量ではなく、かなりレシピに厳密に作るみたいですね。
ペイストリーやパンは未経験なので、スポンジ以外を出題されると未知の領域だとも。
家庭科の授業でアップル・クランブル用のりんごを忘れちゃったエピソードが可愛いです。

Reece Shearsmith: "I'm big on following recipes to the letter"

Actor Reece Shearsmith fills us in on his previous baking experience a...

Yours

 

今回のシリーズはStand Up to Cancerと言うガン研究の資金集めのための番組とのコラボ企画で、
全5回のエピソード中に募金先の電話番号が告知されます。
日本で放送している24時間テレビの中にある特番ドラマやバラエティ企画のようなものでしょうか。
他のエピソードではデイジー・リドリーやジェームズ・マカボイも参加してました。

そして今回のエピソードの出場者はラッパーのディジー・ラスカル、心理療法士で作家のフィリッパ・ペリー、
ラジオ・プレゼンターのニック・グリムショー、そしてリースです。


(公式ツイッターアカウントからの画像は元ソースにリンクしてあります)

まず第一回戦は12切れの野菜ケーキ作り。制限時間は1時間

ニックはチョコレート&ビートルート・ケーキ、
ディジーはグラサンをかけた人参の飾りがついたキャロット・ケーキ、
リースはスパイスパンプキン・ケーキ(ステムジンジャーとフォンダンリーフの飾り付き)、
フィリッパはレモンシロップとピスタチオのかかったアボカド・ケーキ

かぼちゃケーキは「毎日ハロウィーンならいいのに」と言うほどハロウィーン好きなリースらしい選択です。

↓ケーキのスポンジを(ひっくり返りながら)ひっくり返すリース。

横のスペースで作業しているフィリッパが気になって仕方ないリースは
「彼女が優勝に決まってる!」「下手なふりしてる!」
「お菓子なんて作らないのー、なんて言いながらピスタチオが出てくる!」
とちょっかいを出しまくっていましたが、
肝心のパンプキン・ケーキの出来栄えは、審査員のプルー・リースにはスポンジが重いと言われつつも、
ポール・ハリウッドには高評価で、握手まで求められていました!

 

第二回戦はレシピ通りに作る4つのクイーン・オブ・プディング作り。制限時間は1時間半

クイーン・オブ・プディングは英国人なら知ってるデザートなのかと思いきや、
出場者でも聞いたことがない伝統菓子のよう。
ベースのカスタードクリームにジャムを乗せ、
その上に小人の帽子のようにとんがったメレンゲキッスをトッピングして焼いたもので、
本家GBBO(S3 Week.6)でも登場したことがあるみたいです。

Mary Berry's queen of puddings recipe

Mary Berry's step-by-step recipe for this retro British pudding o...

BBC Food

 

これは…絶対うまい!! 夜に目に入れちゃいけないスウィーツだ!!

 

「皿をお湯を入れたトレイに立てるぅ…?」とレシピを読みながら、周りの様子を伺うリース。

トレイを入れたオーブンを覗いてメガネを曇らせつつ、

待っている間にフィリッパとピラティスに講じる。

メレンゲを作る間、ディジーがずっと「stiff peakってなんだよ」とつぶやいていたのですが、
beat to stiff-peak「角が立つくらいに泡立てる」の意味だそうです。
Ex.) Put the egg whites in a clean mixing bowl and beat to stiff peaks with an electric whisk.

名詞としても使えるようで、例えば…
Make meringue with egg whites and sugar till stiff peaks are formed.
Whisk the egg whites using an electric hand whisk on full speed until stiff peaks form when the whisk is removed.
とレシピで説明されています。

つまり、メレンゲキスのトンガリを作るのに必要な粘り気ですね。

ジャムの上にstiff peaksしたメレンゲを乗せたら再度オーブンへ。メレンゲがほんのり茶色く色づいたら完成。

結果は、4位が見た目はよかったけどカスタードがスープ状だったニック
3位がメレンゲが足りなかったディジー
2位がメレンゲのトンガリ(kisses)がなかったリース
1位がフィリッパでした!

 

2日目、第3回戦は仕事中の自分を描いた自画像ビスケット! 制限時間:3時間半!

冷やしてデコレーションする時間も大切な課題。

ニックはオレンジとジンジャーブレッドビスケットで作ったグラストンベリーの様子、
ディジーはファースト・アルバムを模したチョコレートガナッシュ&ビスケット、
リースは劇場でセルフィーを撮るハムレットの衣装を着た自分。
ジンジャーブレッドを土台にしてビスケットのプロセニアム・アーチとカーテン、チョコレートの観客付き。
フィリッパはPCでメールに返信する姿をチョコレートガナッシュベースで、レモンビスケットの絵文字と愛猫付きで飾る。

まず土台の大きなビスケットを焼いて、次に装飾のパーツになるビスケットを焼き、
最後にアイシングなどの装飾をつけていく順番。

作品の説明中、
リーグ・オブ・ジェントルマンでエドワードを演じてた時に、
反り返った鼻はどうやって作っていたのかポールに訊かれ、
一日中テープで頭の後ろまで引っ張ってたと答えるリース。
「もう鼻が戻らない!ご覧の通り20年後には豚だ!」

一方で司会のマット・ルーカスはビートボックスにチャレンジ。

30分前になると土台は完成し、デコレーションへと進む参加者たち。

そして終了の声でこの表情。

それぞれの完成品は↓の画像をクリック。

そして、最終審査で出た結果は… なんとリースが優勝!
記事のタイトルでネタバレしちゃってますが。

「信じられる? 誰がはじめに想像出来ただろう!
 優勝してここに立ってるなんて。本当に信じられなくて興奮してる!」

散々リースにちょっかい出されてたフィリッパも
「リースの作品は、本当に賞に値します。よくやったね、リース!」と賞賛のコメントを残してました。

リースの敬愛するヴィクトリア・ウッドもBBC時代の放送で同じエプロンをゲットしていたみたいなので、
(コメディの脚本とは関係ないけど)嬉しいでしょうねー。

司会が気心知れたマット・ルーカスだったのもやりやすかったのかなーなんて勝手に思ったりして、
このコロナ禍で、マットがFeedNHSのチャリティのために作った歌
"Thank You Baked Potato"をリーグ・オブ・ジェントルマンのキャラの一つ、
女優志望のパムに扮してリースが歌い、話題になっていたのを思い出しました。

Matt Lucas & Pam Doove - Thank You Baked Potato #FeedNHS

パムはオーディションに来ては大胆なダミ声演技(笑)を披露して驚かせる子なんですが、
マットとのデュエットでも、その才能を遺憾なく発揮しています(笑)

「パムでもパメラでも(どっちで呼んでも)いいです」
「ちょっと緊張してます」がお決まりのやりとり。

前にも書いたけど、カトケンの歌舞伎俳優コントを彷彿とさせる、ある意味定番のスケッチです。

Jedd Hunter's Commercial | The League of Gentlemen | BBC Studios
↑オレンジジュースのCMのオーディションに来たパム。

それはさておき。
スティーヴもクイズ番組で何度も優勝していたりするので、2人とも多彩だなと感心します。
トーク番組とはまた別で、好きな役者が素で特技にチャレンジする姿が見られるのは嬉しいですよね。
特にリースはコンテストの勝敗にすごくこだわりそうだから(BAFTAとか笑)優勝して本当によかったなー。



個人的には、お菓子作り初心者のディジー・ラスカルが健闘していたのも印象的でした。
自分だったら経験者に囲まれてビビっちゃうわー。
「ソーイング・ビー」もいいけど、たまにはGBBOも楽しいなー。(そもそも本家だし。)

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「9から始まる奇妙な物語」第3シリーズ Q&A特集

2021-03-26 | TV/9から始まる奇妙な物語

前回の「9から始まる奇妙な物語」第3シリーズ(以下S3)エピソード・リストで入りきらなかった
番組クリエイターのリース・シェアスミス&スティーヴ・ペンバートンのQ&Aでの回答をまとめました。
(第3シリーズのエピソード・リストはこちら。)

このQ&Aはツイッター上で第5話”Diddle Diddle Dumpling"の放送後、2017年3月14日に行われたものです。
特にネタバレな内容はないのでご安心ください。
区別しやすいようにリースは青スティーヴは緑で表示しています。
クリックすると、元ツイートを見ることが出来ます。

 

今夜10時は「9から始まる奇妙な物語」、
その後は、僕とスティーヴのライヴQ&Aがあります。
ハッシュタグは #insidequestions 。1時間の予定です。
(2017年3月14日 午後2:14)

さて、子供たちを寝かしつけに行かなくちゃだけど、
今夜の放送をお楽しみに。後で会いましょう。

(2017年3月14日 午後9:33)

好きなエピソードは訊かないでね。選べないよ?
(2017年3月14日 午後9:34)

 


 

【執筆について】

執筆はどこから始まるのか? ちょっとしたアイデアの核から

書いている時にうまくいくことはわかっている。うまくいって当たり前

BBCが書き直しを迫ったこと? ない。いつも放っている

僕らは男性より女性を多く書いている

過去作と比べて普通のキャラクターを書くのはかなり楽

執筆時に「これは暗すぎる」と思ったことは、ない

納得するまで3、4回書き直しをする

2人でたくさん考えて、変えに変えている

何ヶ月も詳細を考えて脚本を作っているから、見返してショックを受けることはない

考えすぎたと思うこともある。が、それは細かい人が何を見ているか知っているから。
 すべてに答えを出してなきゃいけない

最初から結末がわかっている場合と物語の行く末を見守る場合と両方ある

ボツにしたエピソードは多くない。無駄なものはない

僕らの脚本はかなり規範的

嫌いなエピソードなんてない。全部好き

執筆のヒントは特にない。20年の経験が役に立つ。明確な特徴を一つ決めて、それを主役に据えよう

古いキャラクターの再利用は多分ない。アンソロジーの目的を破るから。前に進み続ける。
 それとも同じキャラを新しい名前で使うか!

 

【相方について】

スティーヴが演じた役でやってみたかったと思ったものは「全部」

(だけど)「招かねざる客」のミグを演じてみたかった

執筆パートナーから得る刺激? 裁定者としてスティーヴは必要不可欠だ

演じたいリースの役? いい質問だ。「地獄降り」のヘクターを選ぶ!

喧嘩をしたらどちらが勝つか? 僕らは愛し合ってる、喧嘩相手じゃない。そういう意味じゃないけど

議論して時には意見が合わないこともあるけど、最終的には平和的な結論に達するよ

 

【製作について】

エピソードにノーと言った俳優? 少数いる、けどちょっと衝突しただけ

BBCがアンソロジー番組に対する考えを変えたかはわからない。が、S4(の製作決定)はかなりの成果だ

(毎回セットに置かれてる)野ウサギはプロデューサーが保管してる

S1で壊れた野うさぎは僕が持ってて、2つ目は(プロデューサーの)アダムが持ってる

 

【スピンオフについて】

シリーズ化できる可能性のエピソードはあるけど今のところは1話完結だね。
 「おばあちゃんの誕生パーティー」はシリーズ化を希望されてた

舞台のツアー化は、考えたことがある。でもどのエピソード?

(長編作品より)舞台の方が楽しそうだ

舞台化するなら「かくれんぼ」がいいだろう。もしくは「招かねざる客」

スクリーンに出てこない話を本やグラフィックノベルで出すのはいいかも

スピンオフを作るなら「エリザベス・ガッジの魔女裁判」

生中継エピソードへの興味? 無駄にストレスがたまる。汗だくで成し遂げようとしても誰もそれに気づかない
(ところが1年後に生放送スペシャルを放送することに…)

 

【他の番組・作品について】

「ゲーム・オブ・スローンズ」は見たことがない

「ブラックミラー」ははじめの数本だけ見ている。豚の回が好き

素晴らしいと思うプロット・ツイストは、映画「隣人は静かに笑う」の結末

スティーブン・キングの映像化は「シャイニング」が好き

 

【番組の将来について】

S4のシチュエーションについて? 言えない!撮影さえしてない!そのために5時起きだ!

SF回は、もしかしたらやるかも

興味があれば若い演出家とコラボしたい

ベン・ウィートリー演出もいいね。また一緒に働きたい。彼はエースだ
(リースは「ハイ・ライズ」や"A Field in England"など、ベン・ウィートリー監督作品に出演しています)

S5の放送は、S4が好かれて評価されたら、もしかしたら。もちろんやろう
(S5はその後2020年に放送されました)

 

最後に
【リースのポリシー】

心に残ったアドバイスは「諦めるな」

自分の子供に「9から始まる奇妙な物語」は見せない!

 


 

 

さて、S4の撮影のために午前5時に起きなきゃならない。
すべての質問にありがとう。もし答えてなかったらごめん。
おやすみ、子供たち
(2017年3月15日 午前0:32)

 


 

【おまけ】
第2話の放送前にもBBC Comedyが質問を募集しており、2人がビデオで回答していました。
上述のQ&Aとかぶる質問もありますが、素の2人のトークをお楽しみください

内容を荒っぽく紹介しますと…

ダークでひねくれたユーモアのセンスをお互い共有していると知ったのは、
大学時代にパーティーに行って、片方がトイレから出てきた時に映画「赤い影」のドワーフの真似をして待っていた時

執筆に影響を受けたのはヴィクトリア・ウッドにアラン・ベネット…
でも僕らの脚本はストーリーテリングに寄ってきているので、コメディから離れてきている

S3はホラーの要素がかなりたくさんある。直球のホラーをやるとコメディの要素がなくなってしまう
これはコメディ、これはホラーと、レッテルを貼らない方がいい。どっちも含まれていい

よりダークな題材を思いつくのは、たぶんリース。
しょっちゅう「もし〜したらもっと恐ろしい、こうしたらもっと怖いぞ」って言ってる

確かに
それで僕は「全く、リースは…」ってなる
本当だ!それよくあるね

演技と執筆、リースは演技の方が好きだって知ってる。僕は執筆の方が好きだ。
だから僕らは完璧なチームなんだ

ミュージカル回は、ある意味今回のS3でやってる。
カラオケボックスの回は、ミュージカルが出来ないかと考えたところから到達した
でもちゃんとしたミュージカルがやりたい
ララランドみたいな
なんて呼ぶ?
キルキルランド? ブーブーランド?

現場でNGを出すことはない。その時間がない。
他の番組の映像を見ると「みんな笑ってるし楽しいな」って思う

毎回異なるキャラクターを出して、全部使いつくしてる!
でも再利用しているキャラクターのタイプはある。2人の役者がそのタイプの役を演じれば異なる解釈が生まれる。
するとうまく2つのキャラを作り上げたようになるが台本の上では同じなんだ

 

ストーリー性のある"Psychoville"より、1話完結の「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)の方が難しい。
"Psychoville"も毎週物語を続けながら同じキャラで驚かせるのは難しかった。
でも、(例えば)ミスター・ジェリーは子供の嫌いなピエロで…と、一旦役を決めてしまえば毎週訪れることができる
"Psychoville"は異なる1話1話がうまくいくよう、どこで交わり、どれがどこのエピソードに入るかをもっと悩んだと思う。
一方で、IN9は40ページで物語を語るだけだ。それにもっと速い
翌週に続かないから全く違うものを追加してもいい

やりたかったけど悪趣味だからやめたってことはそんなにない。よく訊かれるけど。
僕らはよく心得ていて自己検閲する頭を持ってるから。抑えた方がいいと思う。
どう怖くするか注意深くなると物事は難しくなる

SFをやろうと話したけど、2人とも特別SFファンじゃない。
すごくよく出来たロマコメがやりたい
つまんねー!

筋書きは文字どおりあらゆるところからくる。一つの場所に収まっていればなんでも「9号」になりうる。
だから、ヒントが目の前に現れるのを願うだけだ
僕らは仕事部屋に行って座り、苦悶の何時間かを過ごすこともあるし、
アイディアがあってすぐに書けてしまうこともある。
書く前にたくさん話し合う。それが行き詰まらないためのコツだ

リーグ・オブ・ジェントルマンの20周年には何かやりたい。
みんながリーグ・オブ・ジェントルマンにすごくいい思い出を持ってるからちょっと怖いんだ。
復活するか、何をやるかはよくわからないけど、
マーク(・ゲイティス)やジェレミー(・ダイソン)と会って、何かしようと話し合うつもりでいる
(その後、2018年に特番が放送されました)

どのような環境で仕事や復習をすればいいか? 
復習、ね… もし十代ならやることは一つだ。
フェイスブックを見ながら出来るとは思わないこと。音楽もイヤホンもなし。テレビも見ない
一画面だけだ!
画面もいらない!本だけだ。紙と鉛筆
引き返してもページしかない

IN9の映画化? 一つの部屋の中の映画なんて見たいかな?
…棺の中の男の映画ってあったね?
…俺見たな。あんまりよくなかった。忘れた
もし誰かが「さあ、資金はあるから映画を作ってくれ!」って言ったら、作るだろうね
僕ら率直だから

以上、Q&A特集でした!

ちなみにInside No.9はこのシリーズでついにBAFTA Craft Awardsのコメディ脚本賞を受賞!


https://x.com/ReeceShearsmith/status/988325112163262465

ライターズギルドのベストシットコムにも"The Bill"で選ばれました!

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「9から始まる奇妙な物語」第3シリーズ エピソード・リスト

2021-03-22 | TV/9から始まる奇妙な物語
「9から始まる奇妙な物語」(以下IN9)のリスト、まだ配信されていないS3も作成しました。
日本語のタイトルは私が勝手につけたものです。
当時Twitter上で行われたクリエイターのリース&スティーヴによるQ&Aも各回ごとに紹介。
リースは青スティーヴは緑で色分けしています。)
 
その他番組の記事はこちら
リース&スティーヴ関連の投稿は、記事カテゴリー「リーグ・オブ・ジェントルマン」をご参照ください。
 
今回もおすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、
もし配信されたら実際に見て、好きな回を見つけてくださいね!
UK版BD/DVDはこちらで購入可。
 
※このシリーズは第1話のみ、先行して2016年12月に放送されています。 
 
↓第2話以降のシリーズ予告編

 

第1話
"The Devil of Christmas" 「クリスマスの悪魔」(27 Dec. 2016) 

あらすじ:
オーストリアの山荘にジュリアン(スティーヴ・ペンバートン)、妊娠中の妻キャシー(ジェシカ・レイン)、
母のセリア(ルーラ・レンスカ)、息子トビーの4人家族がやってくる。
壁に飾られた恐ろしい悪魔の絵を見つけたトビーに、ガイドのクラウス(リース・シェアスミス)は伝説の悪魔クランパスの話を聞かせる。
クランパスは1日目に悪い子を見つけたら、警告の為に靴に小枝の束を入れ、
2日目にまだその子が悪い子のままなら傷をつけ、
3日経っても悪い子のままなら、子供を袋に詰め、地獄の炎で焼くという。
その話を聞いたキャシーは、絵の中のクランパスの瞳の中に何かを見つけるが他の家族は気づかない。
翌朝、小枝の束が刺さったトビーの靴が見つかって…
 
オススメ度:
 
ポイント:
前述の通り、このエピソードはクリスマス特番扱いで先行して放送されました。
特殊なのは、70年代のB級映画のコメンタリーとして描かれている点。
本編の途中で監督のデニス(声:デレク・ジャコビ)のコメントが挟まれ、
撮影のミステイクや裏話の解説のために時折巻き戻されます。
役者が食事シーンで冷えた料理に手をつけていないとか(実際全然食べようとしてなくて笑える)赤裸々に語る監督。
この回はストーリーもよく出来てて怖いのですが、一番怖いのはエンディング。
実はこれ、ただの音声解説ではないんです…。夢に出てきそう。
リースが言う「フィル・スペクターくらい怖い」とはこのことだ…。
このエピソードは衣装や小道具だけでなく、昔のホラーのスタイルで撮影するために
70年代のカメラや照明を使っていて、たった2日間で撮影されたそうです。

https://x.com/ReeceShearsmith/status/982696817031819266


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/812082330345017348

【Q&Aネタ】
(ついていけなかったと言う視聴者に)
 「色合いもスタイルも全く異なるので、向き不向きはある。"Devil"は技術的勝利だったけど、俺もついていけなかったかも」

(好きなホラーTVシリーズについて)
 「お気に入りの『悪魔の異形』シリーズは『美の迷路』」

(『悪魔の異形』に9は悪魔の番号と信じる男が出てくることを指摘されて)
 「俺らが知らないとでも思ってんの!?」

「TVシリーズ"Beast"のエピソード"Baby"は最高」 ("Beast")
「Armchair Thrillerや『予期せぬ出来事』を見て育った」

 

第2話
"The Bill"「お勘定」(21 Feb. 2017) 

あらすじ:
北部出身のアーチー(リース)、マルコム(スティーヴ)、ケビン(ジェイソン・ワトキンス)の3人は、
ロンドナーのクレイグ(フィリップ・グレニスター)を連れてタパス料理店で夕食を済ませるが、
誰が支払いをするかで口論になり、東欧訛りのウェイトレス(エリー・ホワイト)は困惑。
アーチーがカードを渡すが、カードリーダーからレシートが出てこない。
次に支払いをケチっていると指摘されたケビンが意地になって支払おうとするが、小銭を探す時間がかかってしまう。
するとクレイグが金持ちの自分が支払うと宣言するも、カードが支払不可。
そしてアーチーが脳腫瘍であることを告白し、自分に払わせて欲しいと願い出るが、
同情を買うための嘘であることがマルコムにバレてしまう。
最終的にマルコムはまな板と包丁を持ち出し「ナイフ・ゲーム」で支払う人間を決めようと提案する…
 
オススメ度:
 
ポイント:
第1話放送の翌年2017年2月に放送された第2話。ここから通常通り毎週の放送になっています。
着想はリースとスティーヴがいつも食事しているマスウェル・ヒルのレストランで
勘定で口論するグループを見たのがきっかけ。
彼らも演じたことのある舞台「Art」もインスピレーションの一部になっているそう。
またこのエピソードは訛り(出身)が裏テーマ?になっていますね。
無理やり例えると、東北人の飲み会に東京育ちの人が放りこまれたような感じでしょうか。
ちなみにリースとスティーヴは北部出身、ジェイソンは中部出身、フィリップは北西ロンドン生まれ。

【Q&Aネタ】
 
第3話
”The Riddle of the Sphinx”「スフィンクスの謎」(28 Feb. 2017) 

あらすじ:
ニーナ(アレクサンドラ・ローチ)は、ケンブリッジ大学に侵入したところを
ナイジェル・スクワイアズ教授(スティーヴ)に発見される。
クロスワード好きの恋人サイモンに答えを教えてあげたくて
学生新聞に「スフィンクス」の作者名で暗号クロスワードを提供している教授の部屋に忍び込み
明日掲載される問題の答えを盗もうと思ったらしい。
教授は、掲載予定のクロスワードを使って解き方を教えながらも、
ニーナにサイモンと言う恋人がいないことを見抜くが、突然彼の体が麻痺し始め…
 
オススメ度:
 
ポイント:
教授がカップをすり替えたことを意図する"ISWAPPEDCUPS"など、
クロスワードの答えが登場人物のセリフとシンクロする、手の込んだクレバーな回。
「ニーナ」と言う名前も「縦読み」みたいな、クロスワードに隠された単語やフレーズを示す言葉だそうです。
暗号クロスワード好きのスティーヴは、クイズ番組問題作成者だったアラン・コナーの本を読み、
「劇的ではないクロスワードを劇的に見せられないか?」と考えたそう
そのアランとガーディアン紙の作家がスティーヴに協力して作成された問題は、
劇中だけでなく、実際にガーディアン紙に掲載されました。
ガーディアンに担当者以外の作家が参加するのは珍しいことらしいです。
撮影場所は「地獄降り」や「交霊会」と同じアボッツ・ラングリー。
 
【Q&Aネタ】
 


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/835444745182851075

 

第4話
"Empty Orchestra"「カラ・オケ」(7 Mar. 2017) 

あらすじ:
マネージャーのロジャー(スティーヴ)の昇進を祝うための仮装カラオケパーティー。
力士スーツを着たグレッグ(リース)が到着し、ヒューマン・リーグの"Don't You Want Me?"を歌い始める。
彼は、ブリトニー・スピアーズに扮したフラン(サラ・ハドランド)と付き合っているが、
実はエイミー・ワインハウスに扮したコニー(タムジン・アウトウェイト)と浮気している。
仮装せず赤鼻だけつけているロジャーは何故か浮かない様子で、
グレッグは彼が持っている封筒に解雇される人間の名前が書いてあるのではと疑う。
ロジャーのアシスタントでボーイ・ジョージの扮装をしたジャネット(エミリー・ハウレット)は聴覚障害者。
コニーがマイケル・ジャクソンの仮装をしたドウェイン(ジャボン・プリンス)の携帯を使い、
いたずらで「僕のために歌ってほしい」をメールを送ったため、ジャネットは彼に向けて"Only You"を歌い始める…
 
オススメ度:
 
ポイント:
IN9には珍しく?ハッピーエンドな回。
曲の歌詞が、歌っている人の心情を表してセリフ代わりになっている、ある意味「ミュージカル回」。
青春映画「THIS IS ENGLAND」の中で音楽を楽しむシーンに影響を受けています。
エピソードの性質上、登場人物がずっとカラオケで歌っていることになるため、
歌だけ別撮りし会話とかぶらないようにするなど、撮影はなかなか難しかったらしい。
ジャネットを演じたエミリー・ハウレット自身も聾者の為、歌を歌うシーンはかなり訓練したそうです。

↓このエピソードで歌われた曲のリストを見つけた!ありがたい。
OGPイメージ

Inside No. 9 Season3 Episode 4 "Empty Orchestra" Karaoke Music

 

YouTube

 

【Q&Aネタ】
魔女裁判よりカラオケ回の方が撮影が難しかった
DVD化のための音楽著作権はオールクリア済

 

第5話
”Diddle Diddle Dumpling"「片っぽの靴」(14 Mar. 2017) 

あらすじ:
専業主夫のデヴィッド(リース)は、ジョギング中に片方だけの紳士靴を見つける。
拾ってきたその靴に異常な執着を見せる彼は、持ち主を探すため、
迷い犬探しのように電話番号を載せた靴のポスターを貼り、妻のルイーズ(キーリー・ホーズ)を怒らせる。
夫婦に家へ招かれた友人のクリス(スティーヴ)はデヴィッドに仕事を紹介するが、
靴の持ち主を探すための「プロジェクト」に夢中な彼は全く興味を持たず、
クリスに持ち主探しを協力してもらうことばかり考えている。
そして、ついに靴の持ち主を名乗る男が現れて…。
 
オススメ度:
 
ポイント:
スティーヴが通勤途中に片方の靴を見つけたことから着想を得て作られたエピソードで、個人的にお気に入りの回。
ヴィヴァルディの「四季」に乗せて、春夏秋冬に渡ってデヴィッドの「執着」を追っています。
この番組はいつも部屋や番地に「9」がついていますが、今回は靴のサイズが「9」。
持ち主として現れるマシュー・ベイントンは、魔女裁判回のジム・ホウィックと同じく、
子供向け番組"Horrible Histories"でリースたちと共演しています。
タイトルの"Diddle, Diddle, Dumpling"は、同題の童謡(ナーサリー・ライム)から。

【Q&Aネタ】
エンディングの血は「テッドの。もっとダークなのが好みなら娘の」
「少し長かったためカットしなければならなかったがエンディング自体は変わっていない」
「靴をモチーフにしているために全てを対照的にした」
靴について2分考えないようにするのは映画「マジック」(1979)の引用
「執筆時点で視覚化はしているけど規範的ではない。
  演出家は、今夜のシンメトリーのように、アイディアを許されている」


 

第6話
"Private View"「内覧会」(21 Mar. 2017) 

あらすじ:
彫刻家エリオット・クインの回顧展に、リアリティ番組の元出演者キャリー(モーガナ・ロビンソン)、
視覚障害のある官能小説家パトリシア(フェリシティ・ケンダル)、
美術評論家のモーリス(リース)、安全衛生局員のケネス(スティーヴ)、
学校給食係のジーン(フィオナ・ショー)の5人が特別招待される。
5人は面識もなく、何故招待されたのかもわからない。
すると、キャリーとモーリスは展示されている椅子の上に座った男の死体を発見。
そしてケネスとジーンはエレベーターの中で給仕係の女が死んでいるのを見つける。
5人は別行動で会場から逃げ出す方法を探すのだが…。
 
オススメ度:
 
ポイント:
冒頭で殺される男としてカメオ出演しているのはコメディアンのピーター・ケイ。
リースとは人気番組"Peter Kay's Car Share"で共演。
(リースのインチキ日本語が聞けます。)
大体シリーズ最終回はホラー作品でしたが、これはIN9版「そして誰もいなくなった」なミステリー?回。
この回のエンディングの最後(たった30秒)はちょっとわかりにくいけど、
ネタバレにならない範囲で説明すると、真犯人の目的を別の人間が掠め取った、という感じでしょうか。


https://twitter.com/ReeceShearsmith/status/830106429688279041

https://x.com/ArtyBagger/status/844329338543755265

エピソードはここまでですが、紹介しきれなかったQ&Aがまだまだ残っているので、
こちらにまとめました。よかったら引き続きどうぞ!(字数制限が憎い!)

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「9から始まる奇妙な物語」第2シリーズ エピソード・リスト

2021-02-28 | TV/9から始まる奇妙な物語
「9から始まる奇妙な物語」見放題配信を記念して、第2シリーズのエピソード・リストも作りました。
このシリーズの放送当時は、第1シリーズにあったQ&A企画がなかったので、
当時ウェブ上で公開されていたコメンタリーや、記事から拾った裏話をご紹介します。
 
今回もおすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、
このシリーズは第2話が飛び抜けていて、その他はおしなべて好き、って感じ… 
実際に見てお気に入りを見つけてくださいね!
 
Inside No 9 Series 2 Trailer BBC Two

 

第1話
「寝ていた男」"La Couchette" (26 March 2015) 


あらすじ:
フランスを走る寝台車の9号室。
静かに眠りたいイギリス人の医師マックスウェル(リース・シェアスミス)は、酔っ払ったドイツ人(スティーヴ・ペンバートン)や、
娘の結婚式に参列する夫婦レスとキャス(マーク・ベントン、ジュリー・ヘズモンドハルグ)が入ってくるたびに起こされてしまう。
やっと皆が寝静まった頃、バックパッカーのショーナ(ジェシカ・ガニング)が
行きずりで出会ったヒューゴ(ジャック・ホワイトホール)を部屋に連れ込んでくる。
2人が狭い寝台で事に及ぼうとした時、2段目のベッドから死体が転がり落ちてきて…
 
オススメ度:
 
ポイント:
スティーヴが寝台車でフランスを旅行した経験がきっかけで作られたエピソード。
第1シリーズの「かくれんぼ」以来の狭い環境での撮影で、寝台車の臭いがこちらまで漂ってきそう(笑)。
臭くて下品なシーンが苦手な人にはオススメ出来ないですね…
 
この回は内部の様々な角度からのショットが必要だったために、寝台横の壁を何度も取り外しながら撮影しています。
寝台車セットは実際に揺らされていたため、ジャック・ホワイトホールは撮影初日に酔って吐いてしまったそう。
リース&スティーヴはキャストを想定した「当て書き」をしませんが、
ジャックは執筆途中からヒューゴ役としてイメージされていたようです。
 
マックスウェル医師は元々はスティーヴが演じる予定でしたが、
レス役になるはずだったリースが演じたいと希望したため、彼に譲ったそう。
 

"ドクター・マックスウェル" reece shearsmith (@ReeceShearsmith) March 29, 2015

”(バネの上の)「寝台車」のセット” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 21, 2015

 

第2話
「幸せな人生」"The 12 Days of Christine" (2 April 2015) 
あらすじ:
クリスティーン(シェリダン・スミス)は新年パーティーでアダム(トム・ライリー)と出会う。
アダムとの交際、結婚、子供の誕生、そして別離…
平凡ながらささやかな幸せにも恵まれたクリスティーンの人生に、
時折不吉な、見知らぬ男が姿を現す…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
ファンの評価が高い、初期の人気エピソードの一つ。
スティーヴのお気に入りでもあり、私も大好きな回です。
このエピソードのような描写や展開を見せる映画はありますが、
30分の間で無駄のない筋立てを見せるのは素晴らしい技術だと思います。
謎めいた男や投げつけられる卵、そして消防士、火花といったものが
彼女の記憶を引き出している描写も効果的。
 
リース&スティーヴは執筆段階で主役にシェリダン・スミスをイメージしていて、
彼らと("Benidorm"などで)共演経験があり、ファンでもある彼女は一緒に仕事が出来て嬉しかったと語っています。
トゥイッケナム・スタジオでは「寝ている男」と「幸せな人生」の2つのセットが組まれました。
シェリダンいわく、そこで作られた70年代風の「ファンキーな」アパートの内装は、
寝室も浴室も揃っていてそのまま引っ越し出来そうなほどだったそうです。

 
”見知らぬ人” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 10, 2015

第3話
「エリザベス・ガッジの魔女裁判」"The Trial of Elizabeth Gadge" (9 April 2015) 

あらすじ:
舞台は17世紀、リトルハプンズ村でエリザベス・ガッジ(ルース・シーン)が娘夫婦から魔女だと告発される。
判事のアンドリュー・パイク卿(デヴィッド・ワーナー)は
有名な魔女ハンターのウォーレン氏(シアースミス)とクラーク氏(ペンバートン)に
エリザベスの調査を依頼し、同時に魔女裁判を利用して村に注目を集めようとする。
 
オススメ度:
 
ポイント:
番組初の時代物。
今回アマプラで見直して、ぱっと見の印象とはずいぶん異なる
モンティ・パイソンのようなくだらなさに頭を抱えて笑ってしまいました。
 
魔女裁判をテーマに取り上げたのはリースで、2人は実際の裁判の資料を参考に脚本の執筆を進めていったようです。
「乳首」や「ミルク」に関するとてもくだらないと思えないセリフが、実は実在の裁判を忠実に表していたりするので、
現在の目線から見るといかに当時の魔女裁判がばかばかしいものであったのかがわかります。
 
エリザベスの娘婿役で出演しているジム・ハウィックはリース&スティーヴと
このエピソードも、"Horrible Historries"で使われているチルターン野外博物館で撮影されています。
娘夫婦の苗字ナッターは、ペンドルの魔女裁判で絞首刑となったアリス・ナッターにちなんだもの。
途中で傍聴人が外に出されたのは、エキストラ予算の制約のためだったとか。

”世紀の魔女裁判にお集まりください” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 8, 2015

第4話
「背筋の凍るホットライン」"Cold Comfort" (16 April 2015) 

あらすじ:
アンディ(スティーヴ)は話し相手を必要とする人のための「悩み相談ホットライン」で働き始める。
上司のジョージ(リース)や、話好きな同僚リズ(ジェーン・ホロックス)、
実際的なジョアン(ニッキー・アムカバード)に教わりながら電話対応に慣れていくアンディ。
そんな時、薬を過剰摂取した10代の女の子からの電話を受けて…
 
オススメ度:
 
ポイント:
第1シリーズで演出を務めたデヴィッド・カーが参加出来なかったため、
リース&スティーヴ自身が演出家デビューを果たしたエピソード。
4視点の防犯カメラの映像で構成され、2日半で撮影を終えています。
前述の通り、普段あまり「当て書き」をしない2人は、
この回に関しては、もともとはリースがアンディを、スティーヴがジョージを演じるのが
「納得の」キャスティングだと考えていましたが、
いつもと違った配役にするためにあえて逆にしたようです。
 
リズを演じたジェーン・ホロックスのセリフは、ほとんどがアドリブ。
新人が「ウッド・グリーンから送られてきた」というセリフは、
「リーグ・オブ・ジェントルマン」に登場するキャラ、ポーリーンが
舞台版ではウッド・グリーンの職業安定所の講師だったため、
元々は「ウッド・グリーンのポーリーンから」と言わせようとしていたらしい。
 
個人的にコールセンター勤務経験があるので、いろんな意味で怖いエピソードでした。
我慢できずにデスクの下でおしっこしたことはありません!


”ジョージとアンディはこのエピソードの演出家でもあります” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 20, 2015

 

第5話
「おばあちゃんの誕生日パーティー」"Nana's Party" (23 April 2015) 

あらすじ:
高級志向で潔癖気味のアンジェラ(クレア・スキナー)は
79歳の誕生日を迎えた母マギー(エルシー・ケリー)のためにパーティーを準備。
一方、夫のジム(スティーヴ)はイタズラ好きの義兄パット(リース)に日頃の仕返しをしようと
紙で出来たケーキの下に隠れ、驚かせようと企む。
アンジェラの姉でパットの妻のキャロル(ロレイン・アッシュボーン)はアルコール依存症。
何も知らずにマギーがパーティーを楽しむ中、アンジェラは姪のケイティー(イヴ・ゴードン)やジムに絡み始め…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
こちらもリース&スティーブの共同演出回。
一番最初に書かれた脚本で、BBCのプロデューサーはシットコム・シリーズの第一話にふさわしいと考えていましたが、
2人はこの話をシリーズ化する気にはならず、保留に。
最終稿に至るまでは、小包にマギーが隠れている設定が、娘夫婦がケーキに隠れることになったり、
ケーキに誰も入っていないことがわかるエンディングからさらにシーンを追加したりと、いくつか変更があった模様。
 
うまくいかない家族のパーティーを描いた物語は、英国の芝居のプロットとしておなじみ。
スティーヴは劇作家のアラン・エイクボーンの影響を受けていると明かしていて、
執筆していたのも、リースがエイクボーンの舞台"Absent Friends"に出演していた頃だったとか。
(↑第1話「かくれんぼ」に出演しているキャサリン・パーキンソンと共演。)
 
私はやけを起こしたアンジェラが酒ではなくて本当に日焼け止めをガブ飲みしてるのかと思っていました。(笑)


”素晴らしい紹介文。(自分で言うのもなんだけど)これもいい話。スティーヴと僕がまた演出してる” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 18, 2015

第6話
「交霊会」"Séance Time" (29 April 2015) 

あらすじ:
姉の紹介で霊媒師のタルボット夫人(アリソン・ステッドマン)を訪れたティナ(ソフィー・マクシェラ)。
ヴィクトリア朝の屋敷の中でハイヴス(リース)に誘われ夫人と対面する。
降霊の儀式を始めると、テーブルの上のろうそくは激しく燃え、
引き出しが勝手に開閉し、人形の赤ん坊が泣き出して…
 
オススメ度:
 
ポイント(ネタバレ含む):
いやみな怒りんぼキャラが得意なリースの本領発揮回。
Séanceはフランス語で「交霊会」の意味。
タイトルは第3話に出演しているデヴィッド・ワーナーが、映画"From Beyond the Grave"で発したセリフから拝借。
ハイヴスと言う名前はローレル&ハーディの喜劇に使われた執事の名前から。
S1第6話「地獄降り」で使われたのと同じ、ハートフォードシャーにある屋敷アボッツ・ラングリーで撮影されています。
 
2番目に騙される男ピート(スティーヴ)がドワーフの男(ダン・スターキー)を殴るのは、
YouTubeにあった、仮装した人が飛び出し、騙す相手に殴られてしまうイタズラ動画に影響を受けています。
どんな結末にするかは執筆開始段階では分からず、決まるまでは15〜20の候補があったそう。
ちなみにリースと夫人役のアリソンは「ミス・マープル:無実はさいなむ」で共演しています。


”ハイヴスとメアリーはあなたを歓迎しています” reece shearsmith (@ReeceShearsmith) April 27, 2015

 

第3シリーズ(日本未配信)のリストはこちら
リース&スティーヴの出世作「リーグ・オブ・ジェントルマン」についてはこちらをどうぞ。
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「9から始まる奇妙な物語」第1シリーズ エピソード・リスト【クリエイターによるQ&Aつき】

2021-02-25 | TV/9から始まる奇妙な物語
9から始まる奇妙な物語見放題配信を記念し、各回を振り返りながら、
放送当時にツイッター上で行われた、クリエイターのリース&スティーヴによるQ&Aの回答内容を紹介します。
おすすめ度合いに合わせて星をつけてみましたが、あくまで個人的な評価ですので、
みなさんもお気に入りの回を見つけてみてくださいね。
 
第1話
「かくれんぼ」Sardines (5 Feb 2014) 

あらすじ:
ジェレミー(ベン・ウィルボンド)との婚約パーティーを開いたレベッカ(キャサリン・パーキンソン)。
屋敷の中で子供の頃に遊んだ「イワシ」というかくれんぼに興じ、
クローゼットの中にいるジェレミーの同僚イアン(ティム・キー)を見つける。
レベッカの兄(スティーヴ・ペンバートン)や彼の恋人スチュワート(リース・シェアスミス)たちも
レベッカたちを見つけ、次々とクローゼットに加わっていくが、
見つける参加者が増えるほどに、窮屈になったクローゼットの中で彼らの隠された秘密が暴かれていく…
 
オススメ度:
 
ポイント:
気まずい雰囲気が漂う大人のかくれんぼと、その先にやってくるダークな結末。
"Macabreマスター"と呼ばれるリース&スティーヴの番組にふさわしい第一話です。
 
"Sardines"は創作ではなく、実際にあるかくれんぼの一つ。
まずはじめに一人が隠れて、他の参加者が探す。
見つけた人は、発見した場所で一緒に隠れなければならず、
隠れているグループを最後に見つけた人が次の潜伏者になる、と言うゲーム。
イワシの缶詰のように、誰かが隠れている場所を見つけるほどに狭くなっていくのが特徴。
 
すでに他のエピソードに着手していたリース&スティーヴは
シリーズの「人が空間に閉じ込められる」一貫したテーマを元に、
自分たちの執筆部屋にあるタンスに目をつけ、
「なぜタンスに人が閉じ込められているのか?」をまず考えたそうです。
 
ちなみに、ジェラルディンが歌う"Why am I always the bridesmaid"は、
1930年の、ヒッチコックが共同監督で参加している英国映画"Elstree Calling"の中の歌
父のアンドリューが歌うイワシの詩は、スパイク・ミリガンの"A Baby Sardine"。
 
イアンがつぶやく「ターディス」はもちろんSFシリーズ「ドクター・フー」の宇宙船ですが、
ジェラルディンが叫ぶ「ジェロニモ!」も11代目ドクターの決め?セリフの一つ。
 
アンドリューを演じるティモシー・ウェストは
この番組がオマージュを捧げている「予期せぬ出来事」にも出演しています。
 
第2話
「ある静かな夜に」- A Quiet Night In (12 Feb 2014) 

あらすじ:
ある絵画を盗むために豪邸に侵入したドジな泥棒コンビ、エディ(スティーヴ)とレイ(リース)。
2人が絵画を回収しようと奮闘する一方で、
家主ジェラルド(デニス・ローソン)と妻サブリナ(ウーナ・チャップリン)は口論に。
夫婦や家政婦や犬(!)の目をくぐりながら、エディとレイは絵画を盗むことが出来るのか?

オススメ度:

ポイント:
ほとんどセリフのないスラップスティック・コメディ。

リースとスティーヴの息のあった演技が楽しいエピソードです。

第1シリーズの中でも特に評価&人気の高いエピソードで、
放送後にカナダのBANFF World Media Awardsを受賞しています。
(これが番組としての最初の受賞作だったはず。)

無声のエピソードは、以前彼らの手がけたTVシリーズ"Psychoville"の時に構想していて、
当時は使いたいギャグが多かったために断念したそう。

サブリナが見ているテレビ番組は、長寿ソープオペラ「イーストエンダーズ」。
夫がクラシック聞いてる横で、妻が「渡る世間」見ようとしてる感覚でしょうか。ちょっと古いか。

Q&Aネタ:

スティーヴによると、冒頭でラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が使われた理由は
 「iTuneに入っている曲の中で、一番演奏時間が長い曲だったから」

セリフを使わない回にサイレント喜劇王チャーリー・チャップリンの孫である
 ウーナ・チャップリンが起用されたのは意図したわけではなく
 「この役にあってると思ったし、実際あっていたから」とスティーヴ

 
第3話
「招かねざる客」- Tom & Gerri (19 Feb 2014) 

あらすじ:
作家志望の小学校教師トム(リース)の元に、
ホームレスのミグ(スティーヴ)が落とした財布を届けにくる。
嫌々ながらもミグを部屋に招き入れるトム。
その日から、彼の人生と恋人のジェリー(ジェマ・アータートン)との関係が崩壊し始める。 

オススメ度:

ポイント:
もともとはリースとスティーヴが無職で同居していた時に芝居の脚本として書かれた話で、
求職者が経験する人生のエネルギーの消耗をトムに投影させている。
トムを演じるリースの、ホームレスを軽蔑する演技が巧み!

アマプラの日本語字幕には出てきませんが、
オリーが芝居のタイトルを変えた」というジェリーのセリフがあります。
これは「リーグ・オブ・ジェントルマン」でリースが演じた劇団主宰者のオリーのこと。
こういう過去作の小ネタもたまに出てくるのが嬉しい。

Q&Aネタ:

リースいわく、髭のつけ心地は「最悪」。

冒頭のミグの絵はリース自身が描いている。

ホームレスの名前は、自分をミグと呼ぶリース&スティーヴの知り合いから取っている。(本名はマルコム)

リース「(ミグは幻想なの?の質問に)現実だ。湯船の中にいるのを見られてた。わかりやすいだろ?」

ドアの横の鏡にトムの姿が映る演出は、1970年代にITVで放送されたアンソロジー・シリーズ"Thriller"への目配せでは?
 という視聴者の意見に、プロデューサーのアダム・タンディーは「撮影中にも言われました」。
 一方、演出家のデヴィッド・カーは映画「召使」(1963)への目配せだと回答。


 

第4話
「最後の息」- Last Gasp (26 Feb 2014) 

あらすじ:
ポップスターのフランキー・J・パーソンズがアシスタント(アダム・ディーコン)と
WishmakerUK代表のサリー(タムシン・グレイグ)を連れて病気の少女タムシンのお見舞いにやってくる。
憧れのスターを目の前に舞いあがる母のジャン(ソフィー・トンプソン)。
ところが、タムシンのために風船を膨らましていたフランキーは突然倒れてしまう。
父のグレアム(スティーブ)は死んだフランキーの最後の息が入った風船が高値で売れると気づき、
風船の争奪戦が勃発する。
 
オススメ度:
 
ポイント:
現在(S5まで)の所、リースが出演していない唯一のエピソード。
「風船に入った有名人の息」のアイディアは、スティーヴが子供向け番組"Multi-Coloured Swap Shop"で見た、
空の瓶にいろいろな場所の空気を入れて集めている女性と、
マイケル・ジャクソンやエイミー・ワインハウスのような
亡くなった著名人に関わる記念品収集が結びついて出来上がったそう。
ちなみにスティーヴとソフィー・トンプソンは舞台"She Stoops to Conquer"でも夫婦役で共演。
 

 
第5話
「微笑む悪党」- The Understudy (5 Mar 2014) 

あらすじ:
シェイクスピアの「マクベス」に主演する売れっ子俳優トニー(スティーヴ)。
ところが、酒の飲み過ぎで舞台から転落してしまう。
婚約者のローラ(リンジー・マーシャル)に励まされながら
代役として控えていたジム(リース)にその大役が廻ってくる。

 オススメ度:

ポイント(ネタバレ含む):
劇中で演じられている「マクベス」になぞられて、
5幕構成になっています。
この回の巧妙なところはジムと視聴者に、物語が「マクベス」と同じ道を辿ると思わせるところ。
最後に謙虚だったジムが野心家で策略家の「リチャード3世」を演じているのが興味深いです。

他のエピソードが家を舞台にしているのと異なり、これは劇場の楽屋の出来事。
舞台設定に悩んで一番執筆に時間がかかったという回。


https://x.com/ReeceShearsmith/status/990572584004669440

 

Q&Aネタ:

放送当時「リーグ・オブ・ジェントルマン」の仲間であるマーク・ゲイティスが
 劇中でトニーが言及するドンマー・ウェアハウスでシェイクスピア悲劇「コリオレイナス」に出演し、
 ジムが撮影していると話すドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」にも出演していたため、
 マークへの冷やかしかと思われましたが、「何ヶ月も前に撮影してる」ので深い意味はないそう。本当かな?(笑)。

スティーヴ?は2回「マクベス」に出演経験があるとか。
 ただしどちらも酷い公演だったらしく、
ジェイミー・ロイドのマクベスがよかったと付け加えています。

 
第6話
「地獄降り」- The Harrowing (12 Mar 2014) 



あらすじ:
ゴシック様式の邸宅にやってきたケイティは、
家主のヘクター(リース)とタバサ(ヘレン・マッコリー)が外出するため、
障害を持つ彼らの兄アンドラスの邪魔せずに留守番をするよう頼まれる。
家は恐ろしい絵画が飾られ、アンドラスのために温度が氷点下3度になるよう設定されていた…。

オススメ度:

ポイント:
現在の所、スティーヴが出演していない唯一のエピソード。
古典ホラー好きのリース&スティーヴの趣味全開。
気味の悪い話ではありますが、ヘクターとタバサの怪しさが可笑しい(笑)。

この回のポスターを手がけたのは「死霊のはらわた」などのポスターデザインで知られるグラハム・ハンフリーズ。
彼は他のエピソードのポスターやリーグ・オブ・ジェントルマンのレコード・ジャケットも描いています。

【その他のQ&Aネタ】

この記事で取り上げたQ&Aは第5話「微笑む悪党」の放送後に行われました。
(そのため「地獄降り」についての質問は出てきていません。)

ブログの文字制限のため、見出しのように短くなってしまいましたが、
最後にシリーズ全体についての回答をご紹介します。

第2シリーズについてはQ&Aが行われた時点で決定済
 「今夏(2014)に書き始めて今年撮影出来たらいい」

どちらがどの役を演じるのかについては
 「分担してバラエティに富んだものにしようと心がけている。プラス、僕(スティーヴ)はいつも年上でないといけない」

タイトルに9を選んだのは「韻を踏んでいる」から。

執筆はお互いに影響を与えあっている

シリーズの前からあったアイデアを使った回は2つ(「ある静かな夜に」と「招かねざる客」?)

このシリーズより"Psychoville"の第1話を書く方が難しかった

馬鹿げた登場人物にならないようにするのは「いい演技」

撮影は1話ごとに一週間。シリーズ全体の執筆&書き直しに6ヶ月かかる

お互いにけしかけあって作っている

自分たちでキャスティングもする

マスウェル・ヒルにあるオフィスで毎日執筆して、同じカフェで一緒にランチを取っている

DVDにコメンタリーは入っていません…

リースとスティーヴは演出にも関わったが演出家も尊重

あくまで台本にこだわる。成り行き任せにはしない

 

続いて、第2シリーズのリストはこちら
リース&スティーヴのTVデビュー作「リーグ・オブ・ジェントルマン」については
こちらをご覧ください。

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「9から始まる奇妙な物語」 Amazonプライムビデオで見放題始まった!

2021-02-21 | TV/9から始まる奇妙な物語

我らがリース&スティーヴのオムニバス・ドラマ"Inside No.9"
「9から始まる奇妙な物語」の邦題でいつの間にかAmazonプライムビデオで配信されていることに気づきました!
どうも昨年の11月からレンタルは始まっていたらしい。知らなかったー!!

9から始まる奇妙な物語(字幕版)

この日を待って約8年。配信されるなんて期待は微塵もありませんでしたよ。
プライム会員やめる前でよかったー。

(2020年3月25追記)
huluでも配信始まりました!
https://www.hulu.jp/inside-no-9

 

それで、取り急ぎ布教用シートを作成しました
思いついたまま重要どころを盛り込んだので、うまく説明できてないところがあるかもしれませんが、
とりあえずプロトタイプということで。
布教は苦手だけど、うまく伝わるといいなー。

最近だと「ブラック・ミラー」に似ているとも言われますが、
リースは比べられるのが相当嫌そうなので、ファンの間では禁句です!
(ハロウィーン特番でも「ブラック・ミラーとは違うんです」ってセリフにまで入れてたし)

"Inside No.9"は毎回異なるゲストが出演していますが、
リースとスティーヴは今まで出演したことがない役者を起用する決まりを立てているんです。

個人的に初めて見た時に「うまい!さすが!」と思った3本です。
"The 12 Days of Christine"はしばらくの間ベストエピソードだったけれど、
S3の"The Riddle of the Sphinx"や、S4の"Zanzibar""Bernie Clifton's Dressing Room"
ハロウィーン特番の"Dead Line"、S5の"Misdirection"と出てきて、
最近は「うわー!もうベスト1なんて選べない!」となってます。
シリーズを重ねるほどにどんどん面白くなっていくんですよね!

ちなみにS3の"The Riddle of the Sphinx"はスティーヴが得意なクロスワード、
S5の"Misdirection"はリースが得意なマジックを主題にしています。

S4までの私のベストエピソード10本はこれでした。順不同。

探したけど見つからない!という方はリンクから答え合わせをどうぞ。

OGPイメージ

Find the Inside No. 9 hare - British Comedy Guide

Every episode of Inside No. 9 features a common prop. Can you find all...

British Comedy Guide

 

ちなみに野ウサギの像は£44くらいします。いつか余裕がある時に買いたい。

リーグ・オブ・ジェントルマンの詳細は過去記事
「【今熱く語りたい】リーグ・オブ・ジェントルマン(The League of Gentlemen)とは何ぞや!【長文注意】」
をご覧ください。

「マークからメッセージ来てる」というセリフはハロウィーン特番"Dead Line"から。
リーグ・オブ・ジェントルマンのライヴ・ツアー中に、
他のメンバーには特番(ネタバレ禁止の生放送)の内容を話していたらしいですよ。

マークが製作総指揮を務めるNetflixの「ドラキュラ伯爵」には
船の客室に9号室が出てきたり、マーク演じるレンフィールドが、
スティーヴが作ったクロスワードを車の中で解いているシーンがあります。

BBCでの今後の"Inside No.9"の放送ですが、
現在のところ第6・7シリーズまで製作が決まっていて、
今年2021年放送予定の第6シリーズは、すでにキャストが発表されています。(2021年2月現在)

 

というわけで、
留学で2年くらいInside No.9関連の更新が滞っていたので、
これを期に少しずつ新しい情報を投稿していこうと思います。
2年の間の

留学中もInside No.9のプレビュー上映やトーク・イベントに行ったり、
BAFTAのレッドカーペットを覗きに行ったり、リースと写真撮ってもらったり、
いろいろファン活動をしていたので(笑)、
留学日記とは分けて、詳しくこちらのブログにも記録を残していきたいです。

といいながらも、リンクの留学生活ブログの方もよろしくお願いします。
TLoGやInside No.9についても度々言及しています。

OGPイメージ

ミウモのロンドン留学体験記

2018年9月からUK渡航。チャレンジに遅すぎるなんてことはない!がモットーの女30代による留学準備&体験記

ミウモのロンドン留学体験記

 

 

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【英語の勉強】Inside No. 9 「9から始まる奇妙な物語」 "Tom and Gerri"

2020-11-16 | TV/9から始まる奇妙な物語

留学中に英語の勉強をしていて一番苦手意識を感じたのは、句動詞(phrasal verb)でした。

難しい単語ならその構成でなんとなく意味を予想することもできますが、
句動詞は「動詞+副詞」か「動詞+前置詞」take up, take off, take onなどなど、
ずっと前に覚えている簡単かつ多くの意味を含む動詞が元になっているので、その違いがわかりにくい。
副詞や前置詞の意味を頭に入れておいても混同しがち。
そのため、自分で句動詞ノートを作ったりもしたのですが、見直しても記憶に残りにくい。

そこで、自分の好きな映像作品から句動詞を探し出して、そのシーンと句動詞を頭に結びつけて覚え直すことにしました。
今までもそうやって単語を覚えて来たので、これが一番のやり方なのです。
記事にして続けていけるかは分かりませんが、
未来の自分のためと同じ悩みを持つ人のためにここに残してみたいと思います。

今回の教材は、オムニバス・ドラマ"Inside No.9"から"Tom and Gerri"
(追記:邦題では「招かねざる客」になっています)
2014年のエピソードで、当時から好きなエピソードでしたが、今回改めて見直してみました。
この中から句動詞(phrasal verb)と、印象的な単語や英国独特の言い回しを拾っておきました。


以下がその一覧。

frumpy
Piss artist
get on with
steady on
Grands
bitter
leave on
stay up
booze
phone in sick
throw out
sort out
go amiss
one recorded delivery
wash up
buzz somebody in
come in handy
a whip around
cut off

 

そして以下は日本語訳から思い出したい単語とフレーズ

運が良かった (諺)
窓の外を眺める
まるで足りない
失礼なことをいいたくはないけど
おせっかい屋
隔週に郵便為替で支払われる失業手当
(友人の不幸やお祝いのための)寄付集め
お団子に結う

 

まずは本編をご覧ください。
9から始まる奇妙な物語「招かねざる客
 
 
 
それでは本編に出てきた句動詞(phrasal verb)や単語を振り返ります。
 
 
frumpy = 時代遅れの(adj)
ジェリーがオーディションを受けようとしているのが時代遅れの農婦役。
'She's meant to be a frumpy spinster.'
 
piss artist=酔っ払い(n)
おしっこで絵を描く様子から発生した言い方なんでしょうね(笑)
トムが「路上アーティストというより酔っ払い」と言っています。
'Could be a pavement artist.' 'Piss artist more like.'
 
get on with = どんどんやっていく、なんとかやっていく
生徒の採点の進行具合を気にするジェリー。
「SHERLOCK」でもメアリー(の幻)が 'John Watson... Get the hell on with it.'って言ってましたね。
'How are you getting on with your marking?'
 
steady on = 落ち着いて、ちょっと待って!
英国独特の言い回し。ミグの名前を知ったトムが言います。
'Steady on, I've just given you two 20s.'
 
Grands = 1000ポンド
トムが実際にミグへ差し出すのは40ポンド。
'No, I was making a joke about the Gs being like Grands.'
 
bitter = 凍えるほど寒い
ミグが買ってきた酒を飲んだ言い訳として使います。
'It's bitter out there tonight.'
 
leave on = 着たままにしておく
靴を脱ごうとしたミグの足の汚さを見たトムがこう言います。
'Actually, fuck it, leave them on. It's fine.'
 
stay up = (遅くまで)起きている
ミグに帰ってもらいたいトムが、時計を見ながら夜更かし出来ないと伝える場面。
'I've actually got an assembly tomorrow, so I can't stay up too long.'
 
booze = 大酒を飲む
ミグがトムに、酒臭いまま学校に行くのはまずいとそそのかします。
'...you might make it worse if you turn up stinking of booze.'
 
phone in sick = 病欠の連絡を入れる
自分なら病欠連絡を入れる、とミグ。
'I'd phone in sick if I were you.'
 
threw out = 捨てる
ミグいわく、トムは彼の洋服を全て捨ててしまったとか…
'You put them all in a bin bag and threw them out last night.'
 
sort out = 整理する
ミグのために自分の服を見つけてこようとするトム。
'I'll sort some stuff out for you.'
 
go amiss = うまくいかない (英 informal)
wouldn't go amissで「ありがたい」の意味に。
(It would be useful and might help to improve a situation)
ミグがトムにワインを買ってくるように頼みます。
'A couple of bottles of red wouldn't go amiss.'
 
one recorded delivery = 簡易書留 [英]
誕生日なのに祖母が簡易書留を送ってこないことをトムが心配します
一方、ミグは普通郵便(the second post)だと決めつけています。
'Grandma normally sends me one recorded delivery...'
'Maybe it's in the second post.'

wash up = 洗い物・皿洗いをする
洗濯物をするは、"do the laundry"。
英国では"wash the clothes"を使う、と書かれているのを見たことがありますが、
イギリスでも"do the laundry"で伝わりました。
本編ではミグが洗い物をしないトムを責めます。
'Well, why don't you do the washing up?'

buzz somebody in = (ブザーを使って)中に入れる
個人的に好きな句動詞。
スティーヴィーがトムのフラットに寄った時に使っています。
'Can you buzz me in?'

come in handy = 役に立つ
handyだけでも「便利な」の意味があります。
スティーヴィーがクーポンについて説明する場面。
'And don't forget about those Body Shop vouchers. They might come in handy.'
 
cut off = 中断する(v)
トムが使っているように「電気を停められた」の意味でも使えます。
'We've been cut off.'
 
 
 
日本語訳から思い出したい単語とフレーズ
 
運が良かった (諺)
= There, but for the grace of God.
ホームレスの話を聞いたジェリーがトムに一言。
トムには、一歩間違えば彼も同じだと聞こえたらしく…
'Yes, well, there but for the grace of God.'
'What? Saying I could be a tramp?'
 
窓の外を眺める
= stare out the window
まさに冒頭のトムの行動そのまま。
'What would rather be doing? Staring out the window at your little...'

まるで足りない
= nowhere near enough
ミグの施し用のカップを覗いたトムが一言。
'Nah, (there is) nowhere near enough (money).'

失礼なことをいいたくはないけど…
= I'm not being funny, but...
トムを学校へ行かせないためにミグがこの前置きを使い説得
'I'm not being funny, Tom, but is that wise?'

おせっかい屋
= a nosy parker
トムの暮らしぶりを心配するスティーヴィー。
前述の 'I'm not being funny, but'の使い方と似ていますね。
'Not being a nosy parker, but how are you getting on for money?'

隔週に郵便為替で支払われる失業手当
= Giro [英]
仕事を辞めてお金が尽きたトムは失業手当を頼り始めます。
Waiting for my Giro to come through. I'm running out of money.

(友人の不幸やお祝いのための)寄付集め
= a whip around
トムのために学校の仲間でお金を集めたらしいスティーヴィー。
'Well, a few of us at the school have had a whip around.'
 
髪をお団子に結う
= put one's hair in a ban
ジェリーはDデイドリス役のために髪のセットをしてもらうらしい。
'I've got to go. I've got to put my hair in a bun for D-Day Doris.'
 
 
 
こんな感じで、次回も復習したい単語をまとめられたらいいなと思ってます!
コメント (2)
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