ロンドン留学中は節約のために観劇はなるべく控えめにしていたのですが、
それでも2回見に行ってしまったミュージカルがあります。
それが"Everybody's Talking About Jamie"!
日本でも邦題「ジェイミー!」で2021年8月に日本版が上演され、
9月17日にはプライムビデオで映画化作品も配信されます。
↓映画版の予告編
Everybody’s Talking About Jamie | Official Trailer | 20th Century Studios
↓日本版ミュージカル「ジェイミー!」のHP
ミュージカル作品としては、2017年2月に英国北部シェフィールドのクルーシブル劇場でオープンし、
11月にはロンドン・ウエストエンドのアポロ・シアターにトランスファー。
3年に渡って上演されていましたが、2020年3月に新型コロナウイルス感染拡大の影響で休演。
その後、2021年5月再開し、2021年9月からは全英ツアーが予定されています。
作曲はシンガーソングライターのダン・ギレスピー・セルズ、
作詞・台本は脚本家のトム・マックレイ。
(トム・マックレイは「ミス・マープル」の『バートラム・ホテルにて』
「ドクター・フー」の『サイバーマン襲来/鋼鉄の時代』『無情に流れる時間』の脚本家でもあります。)
プライムビデオで配信される映画で主役のジェイミーを演じるMax Harwoodはこれが映画デビューとなる新人。
ミュージカルのオリジナル・キャストはジョン・マクリー。
彼は映画版にも出演しています。
■■■事実に基づいたミュージカル■■■
このミュージカルは、英国北部に住むドラァグクイーンになりたいゲイの高校生ジェイミーが、
クラスメイトのいじめや、自分を受け入れてくれない父親の存在に悩みながらも
お母さんや友人たちの協力を得て密かに「プロムにドレスを着て参加する」計画を立てる物語。
2011年にBBCで放送されたドキュメンタリー“Jamie: Drag Queen at 16”が元になっています。
私は舞台を見た後にこのドキュメンタリーを見たのですが、
思った以上にジェイミーの実体験に沿って物語が作られていました。
↓モデルとなったジェイミー・キャンベルとママ。ドキュメンタリーの映像も。
Jamie the drag queen: The gay teenager who wore a dress to prom
↓こちらが本物のジェイミーが初めて舞台に立った時の動画。
Jamie: Drag Queen At 16 - Unseen/ Full Boulevard Performance Footage - Part 1 of 2
(ちなみにETVで「11歳、僕はゲイとして生きていく」という番組を見た時に、
"Jamie: Drag Queen At 16"に似ていると思いました。
こちらは2017年の作品なので6年近く後のお話で、
ジェイミーと比べて、プロムでもすんなり受け入れられていたりしています。
再放送された時はぜひチェックしてみてください!)
■■■英国生まれの学園ミュージカル!!■■■
ドラァグクイーンが出てくる名作ミュージカルというと、
「RENT」や「キンキーブーツ」などが思い浮かびますが、
"Everybody's Talking About Jamie"は学園ミュージカルとしても楽しめるのです。
英国の学校らしく日本のように生徒は制服を着ていたり、
クラスメイトが人種多様で、ジェイミーの親友プリティは
ヒジャブをかぶったムスリム系の女の子だったりと、
アメリカの学園モノとはまた趣が違うところが魅力。
(椅子がスライドして中に入るようになっている教室の机が
想像上のステージのように並べ替えられたり、
裏返すとレンガの塀になったりする、装置演出の工夫も楽しい)
母マーガレットと友達のレイがジェイミーのセクシュアリティに対して寛容で、
彼の将来を全面的に応援しているのも素敵。
その一方で、クラスメイトのディーンからからかわれたり、
子供の頃に女装をした姿を見た父親に「気味が悪い」と言われたショックが忘れられなかったりと、
ジェレミー自身は今でも問題を抱えていたりもしますが、
家族や親友、ドラァグクイーンの先輩からの励ましを受けながら、パフォーマーとしての第一歩を踏み出すのです。
↓第一幕冒頭の曲"And You Don't Even Know It"。オリジナル・キャストによるオリヴィエ賞でのパフォーマンス。
Everybody's Talking About Jamie performance at the Olivier Awards 2018 with Mastercard
■■■ウエストエンド公演について■■■
"Everybody's Talking About Jamie"が上演されているアポロ・シアターは
ロンドンのシャフツベリー・アベニューの劇場街の真っ只中にあります。
チケットは劇場のボックスオフィスでも購入出来ますが、
私はレスター・スクエアの公園に隣接しているTKTSの窓口で当日券を購入していました。
定価よりも割引でチケットを購入出来ます。
私が見に行った際にはジョン・マクリーから交代し、
レイトン・ウィリアムズが主役のジェレミーを演じていました。
彼はUKツアーのオリジナル・キャストとして今後は全英を巡る予定になっています。
当時のキャスト表(左)&劇場のトイレ(右)。
↓レイトンがメインのUKツアー用の予告編
Everybody’s Talking About Jamie UK Tour Trailer
■■■私のお気に入りジェイミー、レイトン・ウィリアムズ!!■■■
このレイトン君、「ビリー・エリオット」で主役デビューし、
「RENT」の20周年UKツアーではエンジェル役をやっていた人。
彼がエンジェルなんてイメージにピッタリすぎる!
↓2017年にSOHOのゲイクラブ"G-A-Y"で行われた「RENT」打ち上げパーティで、"Today 4 U"と"I'll Cover You"を歌うレイトン。
Rent the Musical at G-A-Y
見よ、この身体能力! そして歌唱力も確か!
↓2021年2月にBBCで放送された"Musicals: The Greatest Show"より
Layton Williams - ‘The Wall In My Head’ - Everybody’s Talking About Jamie
この半端なく華やかなレイトン君のジェイミーにすっかり魅了されて、
劇場に2回(2019.3.22/2019.7.2)足を運んでしまった私ですが、(本当はもっと行きたかった)
その他にも、6月に行われたロンドン・プライドのステージや
夏に行われる無料野外イベントWest End Liveでも
"Jamie"のステージを見たので、実質?4回は見に行ったことになります。
自分好みのキャストに出会えるのもミュージカルの醍醐味だったりしますよね。
海外にもツアーが出るらしいので、万が一日本にレイトン君が来たら絶対見に行きたい…
もちろん「ジェイミー!」の来日があったらレイトン君じゃなくても、
是非たくさんの人に、生のジェイミーを楽しんでほしいです!!
楽屋口でサインに応えるレイトン(左)&開演前の劇場(右)
念願だったミュージカル“Everybody’s Talking About Jamie”を観に行ったよ!最高だった!
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) March 23, 2019
今年からジェイミー役に抜擢されたLayton Williamsがめちゃめちゃファビュラスでかっこよかった!
母役のRebecca McKinnisや親友役のSabrina Sandhuも。機会があればもう一回観たい!https://t.co/O0vjX8khYT
昨日Everybody’s talking about Jamieを改めて観に行って、本当に本当に楽しかった!
— ミウモ 𝕄𝕖𝕨𝕞𝕠🌈 (@notfspurejam) July 3, 2019
レイトン君は真のスターだなぁ。歌もダンスも抜群だし、長くて鍛え上げられた脚👠を天高く蹴り上げる姿が美しいのなんの。毎日でも観に行けるよ!https://t.co/f9JIODjAj0
↓レイトン含むキャストのアポロ・シアターでのラスト・ステージ
Layton Williams' FINAL bow as Jamie in the West End!
■■■パワフル&美しい楽曲■■■
"Everybody's Talking About Jamie"はジェイミー&アンサンブルの歌のような
元気になれる曲が印象的ですが、脇役たちの曲もキラリと光っています。
私が特に好きな曲は、親友のプリティが歌う"It Means Beautiful"。
女装で着飾らなくてもジェイミーは美しいと励ます、美しい歌です。
↓COVID-19で多くの犠牲者を出したインドのためのチャリティ・セッション。
"It Means Beautiful" | West End charity single for India Covid Relief
そして、ジェイミーと喧嘩した母マーガレットが歌う"He's My Boy"。
どんなに傷つけられても我が子を愛する、母の深い愛情を感じさせる一曲。
私が見に行った公演はRebecca McKinnisがマーガレットを演じていましたが、
とてもパワフルで、この時期に私が見たミュージカルでベスト3に入る感動のパフォーマンスでした。
↓BBCのチャリティ番組"Children in Need"でのパフォーマンス。この時は劇場ほどパワフルじゃないけど…
He's My Boy - Everybody's Talking About Jamie - Rebecca McKinnis live at Children in Need
噂によると、プライムビデオの映画版では
劇場のオリジナル楽曲を一部省略しているらしいのですが、
そんな選曲になってるんだろう…。
そんなところも気にしながら映画版を鑑賞したいです。
Everybody’s Talking About Jamie – Release Date Announcement I Prime Video
映画やツアーを通じて、ますます"Jamie"が世界的にメジャーな作品となり、
ジェイミーのようなセクシュアリティに悩む子達の助けにもなるよう願うばかりです!
本編をご覧になった方も、どんな曲があるのか気になった方も、
下のリンクからチェックしてみてください!
Everybody's Talking About Jamie: The Original West End Cast Recording
夜のレスター・スクエア
《追記》
↓映画版、見ました。
参考:
https://www.everybodystalkingaboutjamie.co.uk/
Drama Resource Pack