そして、ホテルに男娼を呼び込んだギールグッドが傘を落として警官に呼び止められた際に「妖精」呼ばわりされた件。 「妖精」はゲイの隠語ですが、そのまま訳してしまうとちょっとわかりにくくなかったかなと心配。 (ゲイが集まる誕生日会の騒動を描いた舞台"The Boys in the Band"にも出てきました。)
そういえば、昨日NT Live見て、ギールグッド卿が帽子をクルリとやってからかぶってるのを見て、あ、そういえばやってた!って思い出した。Three Days in the Countryの時もやってたんだよね。素敵。 (私の作ったGIFだと分かりにくいけど…) pic.twitter.com/R7p4SyUEkK
スティーヴを探しにきたリース・シェアスミスはトイレでロビン・アスクイズに遭遇。 リースはIN9が終わった後はスティーヴとBBCのクライムコメディドラマ『Plodding On』を手がけることをロビンに明かす。 一方、ロビンはリースにフェイクとして発表されていた幻のエピソード"Hold on tight"をドラマ化しようと持ちかけ、 企画メモ持参で下ネタ満載なアイディアを提案。
●感想/引用元●
"Hold on tight"は視聴者が待ち焦がれていた? バスを舞台にしたS8エピソードの一つとして ロビン・アスクイズがゲスト出演すると発表されていましたが、 実はこれがフェイク情報で、実際に放送されたのは全く違う、クイズ番組を舞台にした"3 by 3"(S8E5)だったのです。 リースは長年「9番のバスを舞台にしてと言われるけど、そんなの作れるかよ!」と言い続けていたので、 ついにバスエピソードが!とみんなの期待が大きかったこともあり、すっかり騙されたのでした。
ロビンのアイディアはほとんど下ネタばかりで 「クレバーな部分は2人でやってくれ。死んでるとか幽霊とか…いつもやってる手だろ」と人任せ。 リースは「("実は死んでる"ネタは)3回しかやってない」と答えますが、 この3つは"Tom & Gerri"(S1E3)と"The 12 Days of Christine"(S2E2)と"Bernie Clifton's Dressing Room"(S4E2)でしょうか。
【スティーヴの野望】
スティーヴは電子タバコを吸いながらトイレの洗面鏡に向かって役作り。 実は"Ctrl Alt Esc"(S9E4)の撮影中に倒れたのは、ダンテの「神曲」のショーランナーと会うために使った仮病で、 役を得ただけでなく、LAとカナダで7年間にわたる撮影に参加することになったとロージー・カヴァリエロに明かす。
●感想/引用元●
ロージーは"The Understudy"(S1E5)でスティーヴ演じる舞台俳優トニーの着付け係に扮していたため、 ここでもスティーヴの忠実な着付け係に徹しています。 ロージーがバーから持ってくるカクテルは、"Diddle Diddle Daiquiri"や"Bloody Merrily Merrily"、 "Riddle of the Aprerol Spritz"といった過去作をもじった名前ばかり。 こんなカクテル出すお店を作って欲しい! ちなみにこの後に出てくるバーカウンターにあるメニューには "Mothers Ruin Martini"、"Whisky Sourdekatriaphobia"、"Last Night of the Pimms"といったものもあったみたい
ニック・モハメッドはポッドキャスト"Mountain to Mohammed"第279話をトイレで収録中。 インタビューされるスティーヴはAmazonのドラマに出演することを明かすが、偶然個室に入っていたリースに聞かれてしまい、 動脈瘤の疑いで倒れたのはオーディションのための仮病であったことがバレてしまう。
●感想/引用元●
つい最近までチャンネル4のゲーム番組"Taskmaster"でスティーヴが仲良く共演してたニックの登場! ニックは出演したエピソード"Simon Says"(S6E2)のようにポッドキャストを録音しています。 全部自分の話にすり替えがちなニック(笑)。 合間で唐突にCMを入れるのはポッドキャストあるあるですね(笑)。タイミングが絶妙。 そのCMの中に"Wills Unlimited"と出てきますが、これは"Dead Line"(ハロウィーンSP)のラジオで流れる保険会社名と同じ。 スティーヴがパーティーについて表現した'I feel like my life is flashing before my eyes'は、 "The 12 Days of Christine"(S2E2)のクリスティーンのセリフを彷彿とさせます。
クラブの壁には"Misdirection"(S5E4)や"Mr. King"(S7E2)等の過去のポスターが飾られています。 テーブルには"Nana’s party”(S2E5)のケーキが。 前述のカクテルと同様に、フードメニューの中にもシリーズにちなんだもので、 "Zanzibar"(S4E1)で催眠術師がかける魔法の言葉「スパゲッティボロネーゼ」 "To Have and to Hold"(S4E4)に登場する「カップヌードル」 "Lip Service"(S6E3)のホテルに置いてある「ロータスビスケット」 "How Do You Plead"(S6E5)の会話の中に登場する「みかん」 "Kid/Nap"(S7E4)の合言葉の一つ「グラノラ」 "Mulberry Close"(S9E3)に出てくる犬の名前「ポップコーン」があるとか。(解読した人すごい!) また、バーのテーブルには"Wuthering Heist"(S6E1)のコメディア・デラルテの仮面や "Mr King"(S7E2)のマスクも置いてあります。
ビデオに使われている曲は"The 12 Days of Christine"(S2E2)で使用された'Time To Say Goodbye'。 鑑賞しているゲストもこれまでの出演者ほとんど勢揃いで豪華! よくこれだけのメンツが一堂に会したもんだ! そしてスクリーンには亡くなったThe Harrowing”(S1E6)のヘレン・マックロリーの姿も…(涙)
マーク出てきたー!! しかも”The Motive and the Cue”のジョン・ギールグッドの格好で!! それにしてもドラマの話に興味のないマークの力のない表情といったら!表面的な愛想笑いもたまらない。 そしてクライムドラマの誘いを断っておいて、現実世界では今クライムドラマ"Bookinsh"を撮影しているマーク(笑)。 通話が切れてないまま「危ないところだったわ…」と呟いているのをリースに聞かれたマークが 「マーク… 電話切れてないよ…」と言われ、画面に通話を切る指だけがオロオロと映るのが最高。 視聴者の「指だけで恥ずかしそうに見えるもんなんだ」ってツイートを見て笑ってしまった。さすがオリヴィエ賞俳優(笑)。
トイレのドアをノックするスティーヴにリースが答える'I’ve taken some tablets.'は"Cold Comfort"(S2E4)の"クロエ"のセリフで、 'My mum's ordered me biryani.'は"Once Removed”(S4E3)からの引用。 二人が'Fortunately'と'Unfortunately'を交互に使うのは“The Stakeout”(S5E6)の引用で、 スティーヴが呟く'Plodding on - Double D'は “A Random Act of Kindness”(S7E5)に出てくる単語の中の連続した文字を見つけて言ってしまう口癖の再現。 スティーヴが歌い出す'If you're going to cry...'は(リースとスティーヴが自分の葬式にかける予定の) "Bernie Clifton's Dressing Room"(S4E2)でチーズ&クラッカーが歌う"Tears of Laughter"。 リースが“There is a third option”と提案するセリフは、”The Trolley Problem”(S9E2)から。
最後に出てくる「第三の選択」であるドラマのオープニングは、前述のバスエピソード"Hold on tight"そのもの! スティーヴが玉ねぎを齧っているのはリーグ・オブ・ジェントルマンのタブスの真似で、車両番号には“3 by 3”(S8E5)の文字が! "The Referee’s a W***er"(S5E1)のようにサッカーチームのマフラーを巻いているところにも注目! シアンが出てくる背後には”The Trolley Problem”(S9E2)に出てくる「ソンディ・テスト」の額が。 キャサリン・パーキンソン(字幕はティムの間違えと同じ、アマンダ・アビントンになってる!)は “Hurry Up and Wait”(S6E4)のドナ・プレストンの役と同じ牛乳でついたヒゲがあるし、 横に“Wise Owl”(S6E6)の"WASH YOUR HANDS"ポスター! アマンダ(こっちはキャサリンの字幕になっている)がニンジンを齧っているのは、リースによると"Mr King"(S7E2)の引用。 ロビンの横のバスの広告"Visit summerland"は"Seance Time"(S2E6)のアリソンのセリフから。 ティムの持っているネズミは“The Trial of Elizabeth Gadge”(S2E3)、に出てくるネズミSnowflakeにちなんで。 ロージーの横には“Curse of the Ninth”(S9E5)でエディ・マーサンが演じた作曲家の鏡像が置いてある。 ニックが持っている新聞の見出し"Lonely Hearts Killer"は“Love Is a Stranger”(S8E4)からの引用。
Reece & I are truly overwhelmed with the love being shown to #InsideNo9 right now and throughout its 10 year run. Working with such talent on both sides of the camera has been an unparalleled privilege and joy & your reactions to the eps made my heart sing ❤️ pic.twitter.com/Hit5yktwae
I managed to watch #insideno9 S9E6. What a lovely episode. My heart is filled with bittersweet feelings. As a fan who has been watching the series since S1, I really appreciate what @ReeceShearsmith and @SP1nightonly have done. I’ll really miss it… pic.twitter.com/EKxiPL0lHq
シリーズの最初のコンセプトだった「閉鎖空間に閉じ込められた人たち」という設定に原点回帰したエピソード。 地下鉄という英国らしい場所を舞台に、これまたお馴染みの「急な運行休止」に巻き込まれる乗客を描いている。 日本では考えられないけれど、ホームレスが紙コップを手に歩いて回るのもよく見る光景。 ドラァグクイーンに扮しているスティーヴのメイクがものすごい!一瞬誰かわからないけれど似合ってる! 最後に出てくる"See it. Say it. Sorted."(見て、言って、解決する)は、ロンドンに生活した者が1日に何回も地下鉄で耳にするフレーズ。 あまりに何度も聞くので、意味も考えなくなってしまっているけれど、 このエピソードを見た後だと、とても重い意味に思えてきてしまう。 ちなみに、スティーヴ演じるウィルマが出演している"The Purple Socks"は 前シリーズの”The Last Weekend”で言及があったゲイバーの名前。
Myself and Oisín had an amazing time shadowing on #InsideNo9 as part of the BBC Comedy Collective.
The episode we shadowed on, CTRL ALT ESC, aired tonight on BBC. It was such a privilege to see behind the curtain, and meet Steve and Reece (and the Hare!) pic.twitter.com/j4wBJ9jW4o
TIFFで「異人たち」All of Us Strangers観てきた。原作の「異人たちの夏」は10代の頃読んだ大好きな小説の一つだけど、長いこと読んでおらず、内容を忘れかけてた…そうだ、こういう話だった。大好きだったわ。涙が止まらんかった。静謐で美しく、痛みと温かさが入り混じった作品。 pic.twitter.com/NeCQRzttkB
Andrew Scott is Tom Ripley Johnny Flynn is Dickie Greenleaf Dakota Fanning is Marge Sherwood Eliot Sumner is Freddie Miles Maurizio Lombardi is Inspector Ravini
”Three Days in the Country”といい、 ロシア演劇ってこういう家族&出入りする地元民の報われない一方通行の恋(そして立ち去っていく)が多いよなー。 そして土地や相続問題… あらすじの内容だけを考えると気が滅入りそうな物語ですが、 アンドリューの演技の巧みさで、とても楽しめる舞台になっています。
アンドリューはこの「ワーニャ」でLondon theatre Critics Circle Awardsの最優秀男優賞を受賞。 実は同年に前述の「異人たち」の演技でLondon Film Critics Circle Awardsでも主演男優賞を受賞しており、 同年に映画・演劇の両方を受賞するのは史上初の快挙なんだそうです。すごい!!
This afternoon, Andrew Scott was awarded his third Critics’ Circle Award for Best Actor following his solo Vanya.
In receiving it he became the first performer to ever win the #CriticsCircleAwards for Film and Drama in the same year. Here is just some of his beautiful speech… pic.twitter.com/pYCAneL6T0
そしてオリヴィエ賞でも演劇主演男優賞にノミネートされていて最有力かと思われていましたが、 結果的にはこれも前述の"The Motive and the Cue"のマーク・ゲイティスが受賞し、 「ワーニャ」はリバイバル演劇賞の方を受賞しました。 "The Motive and the Cue"もNT Liveで今夏上映予定です
正面入口のモニターには"The Motive and the Cue”のポスター画像が表示されています。 劇場の前にはアイスクリーム売りのバンが止まっていたけど、営業はまだしてなかった。
さて、"The Motive and the Cue”について。 この舞台は1964年にジョン・ギールグッド演出、リチャード・バートン主演でブロードウェイで上演された シェイクスピア劇「ハムレット」のリハーサルの様子を描いています。
‘That is what we will make. A new Hamlet for our time, held on our shoulders.’ Just released: the brand-new West End trailer for #TheMotiveAndTheCue, 'London's hottest new play' (Deadline). pic.twitter.com/MaSSkZPRZ4
この1964年の「ハムレット」ブロードウェイ公演は興行的に大ヒットし、 ギールグッド自身がタイトルロールを演じていたハムレットの公演記録を塗り替え、17週間も上演されましたが、 実はその舞台裏では、ギールグッドとバートンの確執があったという、 緊張感あふれるリハーサルについての出演者の証言が残っており、 舞台「ハリー・ポッターと呪いの子」などで知られる劇作家のジャック・ソーンは その証言をもとに"The Motive and the Cue”の戯曲を完成させました。
今回の舞台の元になった書籍の一つ、書簡集「Letters from an Actor」の中で、 「ハムレット」のギルデンスターンを演じたウィリアム・レッドフィールドは、ギールグッドとバートンの関係を 「二人の男の間には芸術的な不一致、美的感覚の不和がある。それは信念と技術の本質的な違いである」 と表現しています。
装置が上下して稽古場やホテル、ギールグッドのオフィスへと切り替わる舞台機構も面白かった。 実はこの上演中にThe Motive And The Cueをフューチャーした劇場ツアーがあったのですが、 私の滞在中はちょうど日程が合わず参加出来ませんでした。 その代わり、通常の劇場ツアーには参加したので、また後日記事に出来たらと思っています。
"The Motive and the Cue”は、2023年4月20日〜7月15日までNTで上演され、 その後、ウエストエンドのノエル・カワード劇場にもトランスファーされ、2023年12月9日から2024年3月23日まで上演されました。 この日は昼夜の2回公演の日。 ちょうどマチネ上演中に戯曲を復習していたのですが、劇場出入口に撮影が入るとお知らせが出ていました!
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