啄木鳥の詩

里山の自然と山野草・高山植物、低山歩きと野鳥観察

「トキソウ」と「シシウド」

2012-09-02 08:31:50 | 山野草

高山植物、固有種の自生など尾瀬一帯は植物の宝庫。訪ねる時期に応じて花の種は多様な展開を見せてくれる。鳩待ーアヤメ平、富士見下ー富士見峠(アヤメ平)、至仏山、笠ヶ岳、尾瀬ヶ原一周と今年5回訪ねているがそれぞれの場所、時期によって変化があり満足させてくれる。

「トキソウ」はラン科トキソウ属の多年草。地下に横に這う根茎があり、所々から地上に茎を立てるのだという。草丈は10センチぐらいの低いものから30センチ弱まで。葉は少し厚味を感じさせる笹の葉のようなラン科らしい形でひと茎に一枚。オサワ田代から笠ヶ岳に向かう登山道脇で、小笠の南面に広がる草原の縁に咲いていた。淡い紅紫の色にトキの舞う姿を重ねて名が付いているのだろう。

花期は5-7月。薄いピンクの花が印象的。外側に広がる羽?に見えるの部分がガク(?)で、中央にある花弁は唇形。内側に肉質の毛状突起を密生させている。写真を撮ったのは8月上旬。時期が少し遅かったのか、数株しか見られなかった。かつては、平地の湿原などでも見られたのだそうだが、環境変化や盗掘で激減。私も、鬼怒沼と尾瀬でしか見たことが無い。


「シシウド」はセリ科シシウド属の多年草。北海道を除く全国の日当たりの良い山地に生える。草丈が1-2メートル以上の大型。草原から頭ひとつ高く飛び出すが、シシウド越しに眺める山々の遠望など趣が深い。鳩待峠から至仏山方面に歩き出し30分ほど。日光白根山など奥日光の山々が最初に展望できる辺りに咲いていた。高原に秋を感じさせる花でもある。

山菜の“ウド”に対し、大きくて美味しくないのでこの名が付いたと勝手に理解していたがそうではないらしい。根を乾燥し漢方薬として使い「独活」という名で頭痛薬などに使われる。人間が食べると苦味があるのだそうだが、冬場に“猪が根を掘り起こして食べる”という強鋼なイメージからこう呼ばれるのだそうだ。


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「上高地」から「美ヶ原」-「霧ケ峰」へ

2012-09-01 10:42:27 | 旅行

今日から9月。時折雨がバラつく妙な天気だが、お陰で気温は少し下がっている。クソ暑い上州を離れ、上高地から美ヶ原ー霧ケ峰を回ってきた。高原の花のシーズンはピークを過ぎているが、未だ咲き残っているものも多くあり、高原の冷気と合わせ結構楽しめた。宿泊地を“敢えて上高地にせず、浅間温泉”にしたことも正解。「和泉荘」は気配りの行き届いた、上質な宿だった。

「上高地」は昨年バスハイクで夏に訪ねており、連続での訪問。カミさんと妹夫婦による4人連れ。松本ICを出る頃には空が曇っていたが、沢渡でタクシーに乗り換え、大正池に着くと青空が広がっていた。池に溜まる土砂の浚渫工事費用を負担している東京電力の原発事故で“費用の負担が難しくなり、池が無くなる心配?“(朝日新聞)が出ていると言う。“何で東電なの?”と思っていたが、沢渡に向かう途中に東電の発電所やダムがあったので納得。

大正池ー河童橋ー明神池ー河童橋というコースは昨年と同じ。途中での休憩やコーヒータイムを含む昼食時間を入れてノンビリと約4時間の散策。上高地の標高は約1500Mで大正池と明神池の標高差は30M。歩行距離は約12-13キロMか。帰路、バスターミナル直前300Mのところで夕立。「藤岡は降っていないだろうね」と雨が羨ましかった。

花のシーズンは終わっていた。梓川の清流に「バイカモ」が咲いていた。水草なのだがキンポウゲ科キンポウゲ属なのだそうだ。日本の固有種。冷水を好み、北日本では河川や水路まで見られると言うが、西日本では湧き水などのある清流にしか生息できないという。


「美ヶ原」は宿泊した浅間温泉の裏手(北東)の高台??に広がる高層台地。百名山に数えられており、最高峰は玉ヶ頭の2034Mで、茶臼山2006mなどあるが、牧場など含めて平坦な高台となっている。シンボルの“美しの塔”は遭難防止のための道標および避難所として建てられたという。ヤナギラン、ウメバチソウ、ハクサンフウロ、アキノキリンソウ・・・標高が高いだけにいっぱい花が咲いていたが、何故か写真を撮らなかった。
「車山高原」(1500M)「霧ケ峰高原」(1600M)をビーナスラインで走った。大分昔の話だが、有料道路の料金としてしこたま徴収された記憶があったが、今は無料で快適。無料化されたのはもう大分前(2002年)のことらしい・・・・。
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