殿は今夜もご乱心

不倫が趣味の夫と暮らす
みりこんでスリリングな毎日をどうぞ!

疑惑と倒錯

2008年11月26日 12時33分01秒 | 不倫…戦いの記録
語気に強弱をつけながら、自分本位の理屈をこねて押したり引いたり…。

本人はご満悦でしょうが

ごくオーソドックスなユスリのパターンにそろそろ飽きていました。



        「証拠があると言ったろう!」


「なんだと…」


め○かは、乾燥した薄い唇を曲げて

こちらをにらみつけます。
     


    「あんたの奥さん、太ももの内側に赤いアザがあるよね。

      おへその横に二つ、ホクロが並んでるよね」


「…どういうことだ…」



     「それを私が知ってるってことだよ!」


             キマッた~!






「…レズか…?」




          えっ…

    写真のことなんですけど…。





「…おまえら…レズなのか!」



め○かは細い目をまん丸に見開いて、呆然としています。



行きがかり上、ここでひるむわけにはいきません。


     「なんでもいいさね。とにかく裁判やってみようや。

      そこで証拠を全部出すわ」



「…」


め○かは、まだ立ち直れないようです。



     「多分、びっくりするよ」



「…見せろ…その証拠を見せてみろ!」

   

       見せられるか…とっくに捨てとるわい…
   
   

     「出る所へ出てから公開するわ。
   
      それがスジってもんでしょ。あんたの好きな」       

       

「…」



    「あんたも女房の監督不行き届きだよね」




その時です。


「みりこんちゃ~ん!大丈夫~?」

大家さんがドアをドンドン叩きました。

アパートの隣人が騒ぎを聞いて大家さんを呼んでくれたようです。


め○かを押しのけてドアを開けると

大家さんとその娘、隣人…

その後ろに幽霊のような顔をしたE子が立っていました。



「ハ~ッ!」

空手2段の大家さんの娘は

め○かに向かって

ウルトラマンのスペシウム光線みたいなポーズでかまえています。


「ちょっと!なによ、あんた!」

大家さんはバットを持っていました。



め○かは黙ってその横をすり抜け

ずんずんと大股で車のほうへ歩いて行きました。

E子も無言で後を追います。


車が走り去るのをみんなで見送りました。


この後、あの夫婦には

疑惑と倒錯の世界でおおいに戸惑っていただきましょう。


思わぬ展開になりましたが

多分誰も深く傷つかないように思えるこの結果に

私はひとまず満足していました。

こっちのほうが断然おもしろいです。



泣きわめいて責め合ったり、なにもかも暴露して傷つけ合うなんて

初心者のすることです。

同じパターンを繰り返していては、進歩が無いと思いました。

芸人の血が騒ぐと言ったら、不謹慎でしょうか?


色事で問題の多い夫を持つ身としては

レスビアンと間違えられるくらいなんでもありません。


夫は、いつの間にか騒ぎを抜け出し

寝転がってテレビを見ていました。


それにしても…

私はちょっぴり残念なのです。


め○かにはぜひ

「今日はこれくらいにしといてやらぁ!」

と言って欲しかった…。           
コメント (6)
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