我が家に届かなかった品物から
すでにおよそのことは理解できました。
クリスマスブーツやクッキーを喜ぶ人間が存在する家庭。
家族で食べるお餅やおせち料理を
よそからポンともらって、誰も違和感を感じない家庭。
…大黒柱が存在しない家庭…
夫は確かに家庭人としては
極悪非道で悪行三昧の悪代官みたいな存在ですが
本来の性質は、涙もろくマメで優しいのです。
その長所は結婚前、私にも充分に施行されました。
今は長所を家でなく、よそでご披露したがるので
家族にとっては「そんなご無体な…」
という結果になってしまうだけなのです。
釣った魚にエサをやらないどころか
釣った魚にエサの催促をするようなものです。
力の入れどころのズレと移り変わり…。
ぼんやりの私にも
さすがにそろそろ夫の心理がわかってきました。
夫のスイッチは「ちょっとかわいそう」がキーワードです。
「とってもかわいそう」では手に負えず
「まったくかわいそうじゃない」には自信がないので近づきません。
それは、夫独自の物差しであって
一般社会では通用しない基準です。
弱い自分が、JAS規格に認証されないオリジナルの物差しで
格下に思える相手を探す。
たいへん失礼なことです。
それは、差別心と英雄願望と歪んだボランティア精神が混濁した
一種の優越感ではないかと思います。
私もまた、夫と交際していた頃は
どこかに「格下感」「ちょっとかわいそう臭」が漂っていたのかもしれません。
そんなことを考えついたところで、何の解決にもなりませんが。
人に迷惑がかかるだの、みっともないだの思えるうちは
まだ愛なのです。
馬鹿は馬鹿のまま、馬鹿を道連れにどこまでも落ちて行けばいいのです。
悪代官には、越後屋がお似合いです。
そのまま日は過ぎて行きました。
義母は、夫に荷物をことづける時は
事前に連絡してくるようになりました。
私は休日になると、時々義母に呼び出され
家まで迎えに行っては
車で用事や買い物に連れて行くことがありました。
ガソリン代を経費で払ってもらっているので
たまにはお返しのつもりで足の役を買って出ていました。
義姉は、デパートやスーパーなど
物を買ってもらえる時は必ず義母を連れて行きますが
他の雑用の時は、急に仕事が忙しくなるらしく
たいていの用事は、私と一緒の時に済ませます。
その日は、美容室まで迎えに行って
その後、知人のお見舞いの予定です。
店に行って声をかけると、今おしゃべりが楽しいと言うので
少し離れた共同の駐車場で待っていました。
車を運転しない義母は
待つ身のつらさを知らないので、平気で人を待たせます。
よって義母と行動する時は、文庫本必携です。
シートを半分倒し、読書にふけっておりました。
すぐ隣に一台の営業車が入って来ました。
某レンタルモップ会社の軽ワゴン車です。
制服を着た30代半ばの女性が降りて来て
「わっ!」
と言いながら、おどけた仕草で
私の車のフロントガラスに覆い被さりました。
こっちが「わっ!」です。
びっくりして飛び起きた私を見て、女性も驚いたようです。
急いで営業車に乗り込むと
すごい勢いでバックして走り去ってしまいました。
なんだ…あれ…
重要なことを思い出しました。
その日、私の車は点検に出す予定だったので
夫と車を交換していたのでした。
夫とお間違えになられたのね…
すでにおよそのことは理解できました。
クリスマスブーツやクッキーを喜ぶ人間が存在する家庭。
家族で食べるお餅やおせち料理を
よそからポンともらって、誰も違和感を感じない家庭。
…大黒柱が存在しない家庭…
夫は確かに家庭人としては
極悪非道で悪行三昧の悪代官みたいな存在ですが
本来の性質は、涙もろくマメで優しいのです。
その長所は結婚前、私にも充分に施行されました。
今は長所を家でなく、よそでご披露したがるので
家族にとっては「そんなご無体な…」
という結果になってしまうだけなのです。
釣った魚にエサをやらないどころか
釣った魚にエサの催促をするようなものです。
力の入れどころのズレと移り変わり…。
ぼんやりの私にも
さすがにそろそろ夫の心理がわかってきました。
夫のスイッチは「ちょっとかわいそう」がキーワードです。
「とってもかわいそう」では手に負えず
「まったくかわいそうじゃない」には自信がないので近づきません。
それは、夫独自の物差しであって
一般社会では通用しない基準です。
弱い自分が、JAS規格に認証されないオリジナルの物差しで
格下に思える相手を探す。
たいへん失礼なことです。
それは、差別心と英雄願望と歪んだボランティア精神が混濁した
一種の優越感ではないかと思います。
私もまた、夫と交際していた頃は
どこかに「格下感」「ちょっとかわいそう臭」が漂っていたのかもしれません。
そんなことを考えついたところで、何の解決にもなりませんが。
人に迷惑がかかるだの、みっともないだの思えるうちは
まだ愛なのです。
馬鹿は馬鹿のまま、馬鹿を道連れにどこまでも落ちて行けばいいのです。
悪代官には、越後屋がお似合いです。
そのまま日は過ぎて行きました。
義母は、夫に荷物をことづける時は
事前に連絡してくるようになりました。
私は休日になると、時々義母に呼び出され
家まで迎えに行っては
車で用事や買い物に連れて行くことがありました。
ガソリン代を経費で払ってもらっているので
たまにはお返しのつもりで足の役を買って出ていました。
義姉は、デパートやスーパーなど
物を買ってもらえる時は必ず義母を連れて行きますが
他の雑用の時は、急に仕事が忙しくなるらしく
たいていの用事は、私と一緒の時に済ませます。
その日は、美容室まで迎えに行って
その後、知人のお見舞いの予定です。
店に行って声をかけると、今おしゃべりが楽しいと言うので
少し離れた共同の駐車場で待っていました。
車を運転しない義母は
待つ身のつらさを知らないので、平気で人を待たせます。
よって義母と行動する時は、文庫本必携です。
シートを半分倒し、読書にふけっておりました。
すぐ隣に一台の営業車が入って来ました。
某レンタルモップ会社の軽ワゴン車です。
制服を着た30代半ばの女性が降りて来て
「わっ!」
と言いながら、おどけた仕草で
私の車のフロントガラスに覆い被さりました。
こっちが「わっ!」です。
びっくりして飛び起きた私を見て、女性も驚いたようです。
急いで営業車に乗り込むと
すごい勢いでバックして走り去ってしまいました。
なんだ…あれ…
重要なことを思い出しました。
その日、私の車は点検に出す予定だったので
夫と車を交換していたのでした。
夫とお間違えになられたのね…