ニュージーランド移住記録:みたび

移住は帰らなくてもいい終わりのない旅。人生そのものも旅。そして気づき始めたあの世への旅。旅と夢限定ブログ

夢見:命の灯

2023年05月14日 | 浅き夢見し

「私」は死期迫る熟年男性と
知り合いになりました。年齢
からすれば高齢者なのでしょ
うが、そんな気配が微塵もな
い、洒脱で能弁な人でした。


闊達な雰囲気と裏腹にふとし
た動作が緩慢だったり、一呼
吸置かないと動けなかったり
して、男性の健康状態への配
慮が怠れませんでした。しか
し、それがなければ男性のこ
の世の日々が限られているな
どまったく感じられません。


ただ男性は痩せていました。


「私」は時間がないのを惜し
むように話し続け、「もっと
早く知り合えていれば」とさ
え思いましたが、男性はこち
らの急いた思いをくみつつ淡
淡と受け応えをしています。


「病気に同情してるのかい」
と時には厳しい質問も飛び、
「私」はできる限り真摯に誠
実に接しようとしています。


それが死と向き合う重圧に黙
って耐える男性に示せる、唯
一の誠意に感じられました。


男性が見せてくれたらしく、
私たちは肉体を失った魂が戻
っていく生命の川を見ます。


そこは仄暗い場所で、無数の
笹舟のような小舟が一定方向
を向いて浮かんでいます。そ
の一艘一艘にホタルのような
小さな灯りが灯っています。


灯こそが永遠の魂で、一定方
向を向いているのは生まれ変
わりを待っているからだと男
性に教えられた気がします。


命の灯を目にした「私」は肉
体は滅びても魂は滅びないこ
とをはっきりと自覚し、すで
に来世を目指す男性の前向き
さに畏敬の念を抱きました。


何度か会った別れ際、「私」
は初めて男性にハグをしまし
た。「これが最期かも」とい
う覚悟があった気がします。


白いシャツの中は骨格が一式
収まっているだけのように感
じられ、男性の肉体が消えて
いくのは疑いようがなく、切
なさで胸がいっぱいでした。


=============


「坂本龍一さんみたいな人」
というのが男性の第一印象で
したが、痩せた白髪の男性の
顔を見た記憶がありません。


夢は瞬間の印象が記憶に残る
かどうかの決め手なので、坂
本龍一さんらしい人は闘病の
末に御霊となっていく人のシ
ンボルとして登場したのか。


それが誰かに深い意味はなく
小さな灯を乗せた無数の笹舟
を見たことこそが核心です。


「ホタルの光みたいだ
と、はっきりと感じました。


目覚めた時さらに感じたのは
自分には笹舟がいらないこと


今生が終わったら、永久にふ
わふわと漂い続けるホタルの
でありたいと思います。



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