BBC ”The Witness for the Prosecution”
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2016年12月英国初放送
エピソード1&2
アガサ・クリスティーによる短編小説、それをもとに書かれた戯曲で、1925年発表された後、1933
年書籍として刊行され、後に1953年に戯曲が初演された作品です。
この作品もかなり大昔に読んだのですが、最後のどんでん返しでビックリさせられた記憶がある
ものの細部は何時もの通り霧の彼方なので 今回のドラマ放送を前に再読しました。
又、この作品は1952年ビリー・ワイルダー監督により映画化されており、日本語タイトルは『情婦』。
(この日本タイトルもどうだかなぁと思うのですが・・・)
出演は、タイロン・パワー、マリーネ・ディートリッヒ。 (さすがにこの映画は観ていません)
日本でもこの原作をもとにリメイクされた様ですが、これも観ておりません。
今回のBBC版ドラマのキャストは :
監督 : ジュリアン・ジャロルド
脚本・制作総指揮 : サラ・フェルプス他
原作 : アガサ・クリスティー
出演
レナード・ヴォール : ビリー・ハウル
エミリー・フレンチ : キム・キャトラル
ジョン・メイヒュー : トビー・ジョーンズ
チャールズ・カーター卿 : ダヴィッド・ヘイグ
ロメイン・ハイルガー : アンドレア・ライズブロー
ジャネット・マクリンタイア : モニカ・ドラン
「シャーロック」S4の「臥せる探偵」”The Lying Detective”でシャーロックの宿敵カルバートン・スミス
を演じたトビー・ジョーンズが弁護人のジョン・メイヒューを演じています。
脚本のサラ・フェルプスは、同じくBBCで2015年に放送された「そして誰もいなくなった」の脚本も手掛
けています。
(「そして誰もいなくなった」も後日機会があれば触れてみるつもりです)
原作は、金持ちの初老(中年?)の夫人を殺害した容疑で起訴された青年(ヴォール)とその妻(ロメイン)、
そしてヴォールの無罪を信じる弁護士を中心に展開する法廷サスペンス戯曲です。 かなり短い作品ですので
2エピソードのドラマにするにはかなりの肉付けと事件の背景が追加されていると思ってはいました。
が・・・・、
ドラマは弁護士のメイヒューにフォーカスが当てられていると感じます。
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戦争から帰還し 仕事も失う状況にあるヴォールがフレンチ未亡人に見込まれ 屋敷に入り浸る様になる。
そのフレンチがある日殺害され、メイドの証言によりヴォールが起訴されるが、ヴォールの妻ロメインが彼
のアリバイを証明する。
無実を訴えるヴォールだが、フレンチ夫人は莫大な遺産をヴォール宛てに送る遺言を残しており、ヴォール
の殺意が疑われる中 弁護士のメイヒューは彼の無実を信じ それを裏付けるための調査を開始する。
妻のロメインが彼のアリバイを証明するも、妻の証言はアリバイとしては認定されにくく、又ロメインは
オーストリア人でショーガールをしているという立場で裁判での印象は良くないだろうと、メイヒューは
ロメインの周辺も調査し始めるうち、ロメインにも感情移入をしてしまう様に見受けられる。
メイヒューは若い息子を戦地に送り、戦死させてしまったことにより罪の意識にさいなまれ、又その事に
より妻との関係も拗れ 冷たい夫婦関係を送っている。
又、自分の健康状態の不安も抱える中、ヴォールに自分の息子を投影させて 何が何でも彼の無実を証明
しようと奔走する。
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裁判が始まり ロメインも証人としてヴォールのアリバイを証言する場に立つが、突如これまでの証言を
覆しレナードのアリバイを否定する。
驚愕するレナード、メイヒュー・・・・・
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そして・・・・・
なのですが、
この先ネタバレになりますので書かずに置きますが、、
原作でも 良く知られた2転、3転のどんでん返しがあって、最後の最後で衝撃の展開になるのですが、
このドラマでは終盤オリジナル部分でさらなるどんでん返しが用意されており、 予想もしなかった驚
愕の展開となります。
(そんなに どんでん返さなくても・・・と思ってしまう程)
これにはビックリさせられました。
原作では、余りにも夫を愛した女性が 愛ゆえに犯した罪と 受けた裏切りに翻弄される哀れさ等がテー
マだと感じて、裁判の情景、時にユーモラスに交える会話も楽しめる短いながらも流石クリスティーと
驚かされる作品だと思っていたのですが、今回のドラマは初めにも書いた様に メイニューに重点が置
かれていた為 翻弄されるのがメイヒューであったという事。 その為原作の様なロメインの心情、行
動がぼやけた感もあります。
原作を読まずに、或は読んでも原作には拘らないのであれば、このドラマ自体は良く色付けられた法廷
ミステリードラマとして最後まで引っ張られる内容になっているのかとはおもうのですが、
全く個人的な感想なので反論もあるかも知れませんが、ワタクシは原作の方が良かったと感じました。
尚、このドラマは AXNミステリーのオンデマンドで 12月26日から1月20日迄配信されていますので
機会があればご覧頂ければ と思います。
こちらが原作翻訳本です。
「検察側の証人」 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫 2004年
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1952年公開 ビリー・ワイルダー監督による映画版「情婦」DVDです
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これを機会にビリー・ワイルダー版の「情婦」も観てみたいと思ってるところ。
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2016年12月英国初放送
エピソード1&2
アガサ・クリスティーによる短編小説、それをもとに書かれた戯曲で、1925年発表された後、1933
年書籍として刊行され、後に1953年に戯曲が初演された作品です。
この作品もかなり大昔に読んだのですが、最後のどんでん返しでビックリさせられた記憶がある
ものの細部は何時もの通り霧の彼方なので 今回のドラマ放送を前に再読しました。
又、この作品は1952年ビリー・ワイルダー監督により映画化されており、日本語タイトルは『情婦』。
(この日本タイトルもどうだかなぁと思うのですが・・・)
出演は、タイロン・パワー、マリーネ・ディートリッヒ。 (さすがにこの映画は観ていません)
日本でもこの原作をもとにリメイクされた様ですが、これも観ておりません。
今回のBBC版ドラマのキャストは :
監督 : ジュリアン・ジャロルド
脚本・制作総指揮 : サラ・フェルプス他
原作 : アガサ・クリスティー
出演
レナード・ヴォール : ビリー・ハウル
エミリー・フレンチ : キム・キャトラル
ジョン・メイヒュー : トビー・ジョーンズ
チャールズ・カーター卿 : ダヴィッド・ヘイグ
ロメイン・ハイルガー : アンドレア・ライズブロー
ジャネット・マクリンタイア : モニカ・ドラン
「シャーロック」S4の「臥せる探偵」”The Lying Detective”でシャーロックの宿敵カルバートン・スミス
を演じたトビー・ジョーンズが弁護人のジョン・メイヒューを演じています。
脚本のサラ・フェルプスは、同じくBBCで2015年に放送された「そして誰もいなくなった」の脚本も手掛
けています。
(「そして誰もいなくなった」も後日機会があれば触れてみるつもりです)
原作は、金持ちの初老(中年?)の夫人を殺害した容疑で起訴された青年(ヴォール)とその妻(ロメイン)、
そしてヴォールの無罪を信じる弁護士を中心に展開する法廷サスペンス戯曲です。 かなり短い作品ですので
2エピソードのドラマにするにはかなりの肉付けと事件の背景が追加されていると思ってはいました。
が・・・・、
ドラマは弁護士のメイヒューにフォーカスが当てられていると感じます。
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戦争から帰還し 仕事も失う状況にあるヴォールがフレンチ未亡人に見込まれ 屋敷に入り浸る様になる。
そのフレンチがある日殺害され、メイドの証言によりヴォールが起訴されるが、ヴォールの妻ロメインが彼
のアリバイを証明する。
無実を訴えるヴォールだが、フレンチ夫人は莫大な遺産をヴォール宛てに送る遺言を残しており、ヴォール
の殺意が疑われる中 弁護士のメイヒューは彼の無実を信じ それを裏付けるための調査を開始する。
妻のロメインが彼のアリバイを証明するも、妻の証言はアリバイとしては認定されにくく、又ロメインは
オーストリア人でショーガールをしているという立場で裁判での印象は良くないだろうと、メイヒューは
ロメインの周辺も調査し始めるうち、ロメインにも感情移入をしてしまう様に見受けられる。
メイヒューは若い息子を戦地に送り、戦死させてしまったことにより罪の意識にさいなまれ、又その事に
より妻との関係も拗れ 冷たい夫婦関係を送っている。
又、自分の健康状態の不安も抱える中、ヴォールに自分の息子を投影させて 何が何でも彼の無実を証明
しようと奔走する。
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裁判が始まり ロメインも証人としてヴォールのアリバイを証言する場に立つが、突如これまでの証言を
覆しレナードのアリバイを否定する。
驚愕するレナード、メイヒュー・・・・・
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そして・・・・・
なのですが、
この先ネタバレになりますので書かずに置きますが、、
原作でも 良く知られた2転、3転のどんでん返しがあって、最後の最後で衝撃の展開になるのですが、
このドラマでは終盤オリジナル部分でさらなるどんでん返しが用意されており、 予想もしなかった驚
愕の展開となります。
(そんなに どんでん返さなくても・・・と思ってしまう程)
これにはビックリさせられました。
原作では、余りにも夫を愛した女性が 愛ゆえに犯した罪と 受けた裏切りに翻弄される哀れさ等がテー
マだと感じて、裁判の情景、時にユーモラスに交える会話も楽しめる短いながらも流石クリスティーと
驚かされる作品だと思っていたのですが、今回のドラマは初めにも書いた様に メイニューに重点が置
かれていた為 翻弄されるのがメイヒューであったという事。 その為原作の様なロメインの心情、行
動がぼやけた感もあります。
原作を読まずに、或は読んでも原作には拘らないのであれば、このドラマ自体は良く色付けられた法廷
ミステリードラマとして最後まで引っ張られる内容になっているのかとはおもうのですが、
全く個人的な感想なので反論もあるかも知れませんが、ワタクシは原作の方が良かったと感じました。
尚、このドラマは AXNミステリーのオンデマンドで 12月26日から1月20日迄配信されていますので
機会があればご覧頂ければ と思います。
こちらが原作翻訳本です。
「検察側の証人」 ハヤカワ文庫―クリスティー文庫 2004年
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1952年公開 ビリー・ワイルダー監督による映画版「情婦」DVDです
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これを機会にビリー・ワイルダー版の「情婦」も観てみたいと思ってるところ。
>どんでん返し大好物・・・・
そうですか、では、十分にご期待に添えるかも(笑) でも、原作でも十分にどんでん返しなのに、
このドラマの最後の部分は”以外な”どんでん返しですよ。 原作では全く触れていないオリジナ
ルで、多分予想を裏切るのではないかと・・・。
ご覧になったら 又感想を聞かせて下さいマセ。
それから、「モース」ね、そうですよね、やっぱり吹き替えでしょ? なので多分観ないと思います。
ジッと我慢で字幕版S4を待つことにします。
BBC 版はメイヒューに視点を置き過ぎの様に思えますね。 最後は「やりすぎ」←仰る通りだと感
じます。
従って原作のロメインの健気さとか想いが薄れてしまった様にも感じました。
>英国のミステリーは・・・・
全く同感です。ワタクシ自身も英国ドラマ一辺倒なのですが、人によっては重過ぎるとか暗すぎる
とかいう感想も持たれるようですね。
でも、どのドラマ背景も含めもしっかりと描かれているので色々感じる事も多く 又安心して観る
事が出来ます。
又英国ドラマに関してご意見や感想をお聞かせいただければ嬉しいです。
コメントありがとうございました。
今後ともどうぞよろしくお願い致します。
今、2話目を見ています。
クリスティーはそれほどは読んでいませんが、情婦、のTV版だったのですね。
Tパワーのたぶん、みています。
洋画歴は53年くらい、リバイバルかTV放映で~。
星さんも書かれているように、英国のドラマはそのエピソードの社会的背景、経済、そして歴史、戦争など、いろいろ勉強にもなりますし、それが捜査へつながるところも興味深いです。
モース、ダウントン、フォイルなど、埋もれる殺意などすべてそうですね。
古い記事にコメント有難うございます。 NHKの再放送があったせいか、又連日多くの方にご訪問頂いて
いますが、あの時何書いたかしら?と不安になったりしています(笑)
アガサ・クリスティーは大昔殆ど全部読みましたが、あちこち忘れています。そんな訳でBBCの放送を機
に再読始めました。
BBC版(サラ・フェルプス版)は他の作品もそうですが 原作を大きく変えています。 それが良いかどうか
は好みが別れるかも知れませんが、個人的には原作の方が好きですね。 強いて言えば『そして誰もいな
くなった』はまぁ良かったかと。 この後の『ABC殺人事件』は初めての放送なので どの様に描いている
か興味と不安が一部ですが、兎に角観るつもりです。
タイロン・パワーの『情婦』は観ていなかったと思います。 タイロン・パワー自身は知っていますけど(笑)
古い話は多分アリエルさんにも負けないかと(笑)←威張るところじゃないですね。
仰る通り、英国ドラマはどのドラマも時代背景、人間関係、等々が作品に根強く影響しているので奥行が
深いですね。 そんな点がアメドラの派手さとは異なる点で、そこが大好きなんです。 まぁ、暗いというご
意見もあるとは思いますが。