― コナン・ドイルの事件簿 : シャーロック・ホームズ誕生秘史 ―
”Murder Rooms: Mysteries of the Real Sherlock Holmes” (2000~2001)
この作品は シャーロック・ホームズ誕生の背景とそのモデルになった実在のベル博士と
コナン・ドイルの物語です。
大分前に興味を持って何気なく見たドラマで 感想を書き残して置いたのですが なかな
かアップする事が出来ず 時期を逸して居りました。
そんな時、AXNミステリーで再度放映の予定があるとの事で、あ、そうそう・・・思い出した
のでこの機会に載せて置こうと思います。
このシリーズは『シャーロック・ホームズ』ではなく、『シャーロック・ホームズが生み出さ
れた背景と、そのモデルとなった博士の物語』です。
シリーズは全5エピソードからなり
第1話 ”Dr.Bell and Mr. Doyle” : 「ドクター・ベルの推理教室」
第2話 ”The Patient's Eyes” : 「惨劇の森」
第3話 ”The Photographer's Chair” : 「死者の声」
第4話 ”The Kingdom of Bone” : 「謎のミイラ」
第5話 ”The White Knight Stratagem” : 「暴かれた策略」
モデルとなったベル博士がホームズで、ドイルがワトスンというような形で事件に取り組む
という話になっています。ジョセフ・ベル教授は実在のエディンバラ大学医学博士であり、
ドイルはその教え子でした。
↑ 実際のドクター・ベルです。
ドイルがこのベル博士をモデルにホームズ物語を作り上げたのは良く知られた話ではあ
りました。
内容は史実を元にしたフィクションですが、正典に描かれているエピソードが多数含まれ
ているので その一つ一つに気付く度に嬉しくなります。
例えば、ベル博士が遺体をムチ打つシーン、懐中時計を見てその持ち主の特徴を推理す
るシーン、塩漬け耳のエピソード、不審な男に追われ自転車に乗る女性のエピソード、その他
色々、あ~、あのシーンは正典のあの部分ね、等と気付く度に独りごちながら嬉しく観ていま
した。
キャストは:
Dr. Joseph Bell(ジョセフ・ベル博士) =イアン・リチャードソン
イアン・リチャードソンはシェイクスピア劇出身で 自身もホームズを演じた事もあるそうです。
流石に重厚であり素晴らしい演技力を感じます。
白髪で素敵な教授ですが、鋭い観察眼と推理力の持ち主です。情熱と冷静さを併せ持ち犯罪捜査
に挑みます。
Arther Conan Doyle(コナン・ドイル) =ロビー・レイン(E1のみ)&チャールズ・エドワード(E2以降)
若い医学生のドイルは熱血漢ではあるが、家族に問題を抱え、女性に惚れっぽい。
ベル教授の助手として忠実に協力し、父と息子の様な関係を築いていく。
ドイルの描写に関しては、史実に基づき実像に近い描き方をしている様に思われます。
↑ 第一話のロビー・レイン版ドイル
↑ 第二話以降 チャールズ・エドワード版ドイル
ドイルの恋人になるエルスぺスが医学を志すものの 女性が大学に通う等もってのほかとい
う時代男装をして大学に通う等当時の女性蔑視の時代背景が描かれます。 この逸話はBBC版
「忌まわしき花嫁」でモリーちゃんが男装をしていた事からも良く伺えます。
このエルスぺスが早々に死んでしまいドイルは大きな傷を負う事になりますが この事が後日
大きく影響し ドイルが小説を書き始めるきっかけになるという事になっています。
全体を貫くテーマは ベル教授の卓越した推理力と、ベルとドイルの師弟愛があげられると思います。
父親に対して複雑な感情を持つドイルが ベル博士を師と仰ぎ尊敬し、その鋭い観察眼と推理力に
影響を受けつつ、親子の様な関係から良い友人関係へと発展していきます。
オシャレで熱い老紳士と若いドイルは格好いコンビで、こんなベル教授とドイルがホームズと
ワトソンの姿に被ります。
そして時代背景として、当時の女性蔑視、階級制度による労働者階級蔑視が強く押し出されて
いて 重苦しい思いもさせられます。
グラナダ版やBBC版のホームズの様な冒険活劇という訳にはいかないかも知れません。
画面全体も暗いトーンで描かれていますが、ヴィクトリア朝の雰囲気、セット、衣装等は詳細に
綺麗に描かれている様に思います。
内容は全体にシャーロッキアンの為のドラマとも見受けられますが、第一話はドイルの回想から
始まります。
1893年ストランドマガジンに掲載された「最後の事件」でホームズを死なせてしまいその結果
ロンドンの街には号外が配られ、ストランド社には脅迫めいたものを含め、抗議の手紙が殺到
しました。
「ホームズを殺す事は無かったのに」という編集者に 「潮時だよ」というドイルの言葉からの
回想から始まり、ベル教授との出会いへと遡ります。
今回それぞれのエピソードには触れる余裕がありませんが、兎に角シャーロッキアンは元より、
ホームズ好きにはこたえられない作品です。
好みは分かれるかもしれませんが、個人的には大変面白かった作品でした。
気力、時間の余裕があれば再度個々のエピソードに触れる機会があるかも(あるかな?)です。
↑ コナン・ドイルとドクター・ベルです
(ドクター・ベルはホームズその者にしか見えないのですが、モデルだから当然か・・・)
最後に、ご参考までに AXNミステリーでの放映予定をお知らせしておきます。
4月16日(土)朝08:00 ~となっています。(朝って言うのがチョット・・・・)
↓ こちらが公式ページです。
http://mystery.co.jp/programs/mr_doyle
”Murder Rooms: Mysteries of the Real Sherlock Holmes” (2000~2001)
この作品は シャーロック・ホームズ誕生の背景とそのモデルになった実在のベル博士と
コナン・ドイルの物語です。
大分前に興味を持って何気なく見たドラマで 感想を書き残して置いたのですが なかな
かアップする事が出来ず 時期を逸して居りました。
そんな時、AXNミステリーで再度放映の予定があるとの事で、あ、そうそう・・・思い出した
のでこの機会に載せて置こうと思います。
このシリーズは『シャーロック・ホームズ』ではなく、『シャーロック・ホームズが生み出さ
れた背景と、そのモデルとなった博士の物語』です。
シリーズは全5エピソードからなり
第1話 ”Dr.Bell and Mr. Doyle” : 「ドクター・ベルの推理教室」
第2話 ”The Patient's Eyes” : 「惨劇の森」
第3話 ”The Photographer's Chair” : 「死者の声」
第4話 ”The Kingdom of Bone” : 「謎のミイラ」
第5話 ”The White Knight Stratagem” : 「暴かれた策略」
モデルとなったベル博士がホームズで、ドイルがワトスンというような形で事件に取り組む
という話になっています。ジョセフ・ベル教授は実在のエディンバラ大学医学博士であり、
ドイルはその教え子でした。
↑ 実際のドクター・ベルです。
ドイルがこのベル博士をモデルにホームズ物語を作り上げたのは良く知られた話ではあ
りました。
内容は史実を元にしたフィクションですが、正典に描かれているエピソードが多数含まれ
ているので その一つ一つに気付く度に嬉しくなります。
例えば、ベル博士が遺体をムチ打つシーン、懐中時計を見てその持ち主の特徴を推理す
るシーン、塩漬け耳のエピソード、不審な男に追われ自転車に乗る女性のエピソード、その他
色々、あ~、あのシーンは正典のあの部分ね、等と気付く度に独りごちながら嬉しく観ていま
した。
キャストは:
Dr. Joseph Bell(ジョセフ・ベル博士) =イアン・リチャードソン
イアン・リチャードソンはシェイクスピア劇出身で 自身もホームズを演じた事もあるそうです。
流石に重厚であり素晴らしい演技力を感じます。
白髪で素敵な教授ですが、鋭い観察眼と推理力の持ち主です。情熱と冷静さを併せ持ち犯罪捜査
に挑みます。
Arther Conan Doyle(コナン・ドイル) =ロビー・レイン(E1のみ)&チャールズ・エドワード(E2以降)
若い医学生のドイルは熱血漢ではあるが、家族に問題を抱え、女性に惚れっぽい。
ベル教授の助手として忠実に協力し、父と息子の様な関係を築いていく。
ドイルの描写に関しては、史実に基づき実像に近い描き方をしている様に思われます。
↑ 第一話のロビー・レイン版ドイル
↑ 第二話以降 チャールズ・エドワード版ドイル
ドイルの恋人になるエルスぺスが医学を志すものの 女性が大学に通う等もってのほかとい
う時代男装をして大学に通う等当時の女性蔑視の時代背景が描かれます。 この逸話はBBC版
「忌まわしき花嫁」でモリーちゃんが男装をしていた事からも良く伺えます。
このエルスぺスが早々に死んでしまいドイルは大きな傷を負う事になりますが この事が後日
大きく影響し ドイルが小説を書き始めるきっかけになるという事になっています。
全体を貫くテーマは ベル教授の卓越した推理力と、ベルとドイルの師弟愛があげられると思います。
父親に対して複雑な感情を持つドイルが ベル博士を師と仰ぎ尊敬し、その鋭い観察眼と推理力に
影響を受けつつ、親子の様な関係から良い友人関係へと発展していきます。
オシャレで熱い老紳士と若いドイルは格好いコンビで、こんなベル教授とドイルがホームズと
ワトソンの姿に被ります。
そして時代背景として、当時の女性蔑視、階級制度による労働者階級蔑視が強く押し出されて
いて 重苦しい思いもさせられます。
グラナダ版やBBC版のホームズの様な冒険活劇という訳にはいかないかも知れません。
画面全体も暗いトーンで描かれていますが、ヴィクトリア朝の雰囲気、セット、衣装等は詳細に
綺麗に描かれている様に思います。
内容は全体にシャーロッキアンの為のドラマとも見受けられますが、第一話はドイルの回想から
始まります。
1893年ストランドマガジンに掲載された「最後の事件」でホームズを死なせてしまいその結果
ロンドンの街には号外が配られ、ストランド社には脅迫めいたものを含め、抗議の手紙が殺到
しました。
「ホームズを殺す事は無かったのに」という編集者に 「潮時だよ」というドイルの言葉からの
回想から始まり、ベル教授との出会いへと遡ります。
今回それぞれのエピソードには触れる余裕がありませんが、兎に角シャーロッキアンは元より、
ホームズ好きにはこたえられない作品です。
好みは分かれるかもしれませんが、個人的には大変面白かった作品でした。
気力、時間の余裕があれば再度個々のエピソードに触れる機会があるかも(あるかな?)です。
↑ コナン・ドイルとドクター・ベルです
(ドクター・ベルはホームズその者にしか見えないのですが、モデルだから当然か・・・)
最後に、ご参考までに AXNミステリーでの放映予定をお知らせしておきます。
4月16日(土)朝08:00 ~となっています。(朝って言うのがチョット・・・・)
↓ こちらが公式ページです。
http://mystery.co.jp/programs/mr_doyle
シャーロック・ホームズにモデルが居るという事はうっすら知識があったのですが、このドラマは知りませんでした。正典を詳しく知っていると内容楽しめそうですが 昔読んだ事はあるのですが詳細はすっかり忘れている為 少しずつ読み直しているところです。このドラマは面白そうだし放送日のご案内頂いたので是非見たいと思います。
確かに朝8時はチョット難しいので、録画します(^-^)
ようこそおいで下さいました。
そうなんですよ、このドラマもやはり正典を知っている方が楽しめますね。
私も読んでは忘れの繰り返しでして(汗) 何かある度に又読み直しです。
白髪のベル教授は素敵で シルクハットの姿はサー・イアンのホームズを彷彿とさ
せます。
少し地味なドラマですけど、ななかな興味深いと思いますので ご覧下さいね。
録画、ですよねぇ。 私は今どき録画が出来ないので(涙)あの時間帯どうしようか
と悩んでいます。
実際のベル教授、ステキな紳士という感じですね!このドラマのベル教授、見た感じはかなりご本人に近いのでは…と、今さらながら思いました。そして、ホームズそのもの~
一時動かなくなっていた録画機が回復(?)したので、前回録画し損ねた回を録画しようと思っていたのですが、記憶違いで結局見られてない第三話をまた録画しそこねました(涙)第二話を見そこねたと思い込んでいた私は、ハードディスクの容量を5話分は空けられなかったので1~2話だけ録画予約…で、後で気がつきました。せっかくタイトルのリストをこの記事に載せてくださったのに…もっと注意して見れば気がついたかもしれないです~バカバカ!しょうがないので、またの機会を待ちます。
ホワイトチャペルは、猟奇殺人とか残酷なシーンとかが多いというのが苦手かも…と。基本刑事物や推理ものは好きだし、ホラーは苦手と言いながら、ちょっとホラーテイストで不思議な話というのは好きなので、その辺のライン、微妙かもしれないんですが…でも今回は、見た友人が(彼女は楽しんだそうです)Γあなたにはちょっと無理かも」と言ってたので。でも、このΓシャーロック・ホームズ誕生秘史」はすごく好きです! いつかは全話制覇したいです。
あ、それから、録画機がとりあえず動いてくれたので、ベネさんのΓ新世界」を再放送で録画しました。まだ第一話しか見てませんが…貴族のお坊ちゃまが本当に似合いますね~
このドラマでのベル教授は本当にホームズそのものという感じで素敵な紳士
ですね。でも、時々オチャメだし 突っ走ったりでそれも又魅力です。
内容はフィクションだとしてもホームズを彷彿とさせる作りで好きです。
録画機回復したんですね、良かった、良かった。 でも、色々録画したい作
品が多いから大変ですよね。録画出来ない時代遅れのワタクシは別の意味で
大変(涙)
大丈夫ですよ 又きっと放映してくれますよ。
ホワイトチャペルは確かに仰る通りでね、私も本来はあの手の内容は苦手な
んです。なので残酷なシーンは眼を瞑っています。
が、ペンリー・ジョーンズが出ているから見始めたので彼の主演でなければ
絶対観られない作品です。Mistyさんのお気持ちは良く分かりますデス。
「コナンドイルの事件簿」もかなり残酷なシーンが多い様に思いますし「死
体が多すぎる」という意見もありましたね。でも、私もこのドラマ気に入っ
てます。なんたって、シャーロック・ホームズ関連は何であれ飛びつくオタ
クですから(汗)
「新世界」ご覧になったんですね。 ですよねぇ、貴族のお坊ちゃまなんて
全くはまり役ですもん。若いし可愛かったです(遠い目)。と言いながら
今回見逃しました(バカ)随分前に観たのでもう一度ゆっくり観ようと思い
つつ観られませんでした。何しろ録画出来ないもんで(泣)
ところで「ルイス警部」の録画は大丈夫ですか?