訪問記 「北陸朝鮮初中級学校を訪ねて」
梅雨のはじまった6月16日、私は詩人の河津聖恵さんと共に北陸のウリハッキョを訪問した。
今年の2月ごろツイッタ―で、日本の行政の除雪車がウリハッキョの前だけ素通りしていってしまったという、ある女教師の投稿に怒った河津さんが、その教員と交流をしている間に北陸のウリハッキョを訪問して詩の特別授業をする話がどんどん進み、現実に企画されたのだ。
河津さんから北陸に一緒に行かないかというお誘いを受け、私は即座にOKした。なぜなら日本中のウリハッキョを訪ねて子供たちと口演の楽しさを一緒に味わいたいというのが私の老後のささやかな夢であったし、又この学校はうちの婿が9年間寄宿舎生活をし、少年期を過ごした場所だったので、一度行ってみたいと以前から思っていたのだ。
雨は降り続けたが、運動場に着いたとたん、私の視野に入ってきた風致に心奪われ、ひととき夢の中にいるようだった。こんな素晴らしい地にウリハッキョが建っているなんて、なだらかな山々が目の前に連なり、広々とした運動場の周りには青々とした樹木がうっそうと茂っていた。思いっきり息を吸い込むと胸がすっきりし、いつまでも佇んでいたかった。
校舎の中に入ると又校内が学生たちに対する愛と優しさに満ち溢れていた。私たちは到着してすぐに息つく間もなく校内を見て回った。古くはあるけれど、建物がセンス抜群で、3階までの高い吹き抜けは曇っている日でさえ校舎の中を明るくした。
洗面所の前にも、トイレの前にも色彩の良い掲示物が貼られていた。「勉強に励む模範学校を築こう」という学校の目標はもとより
全校生と教職員のお誕生日も写真と共に飾られていたし、1年間の学校生活の様子、ウリマル勉強の資料、模範紹介、学美展,漢検、英検の入賞者掲示等色々な内容の掲示板がとても調和良く飾られていた。
その中でも特に目を引いたのは5月25日からの三日間、この場所で行われた「ヘバラギ学園」の美術の時間に学年別に集まって描いた一坪ほどの大きなひまわりの絵が壁にずらっと貼られていた。
授業2時間目の各教室では秩序良く授業が行われていた。1階の理科室では理科の実験が、2階では各教室で算数、国語などの授業が行われていた。中級部の教室でも7名の生徒たちが積極的に授業に参加していた。いたずら一つするでもなくあまりにもおとなしいのがかえって心配だった。
やっと3時間目、河津さんは中級部の学生を対象に「比喩の文を作ってみよう」というタイトルで講義と創作の指導をし、私は初級部を対象に「他人に頼ってばかりいた狸さん」の朗読の指導をした。2時間目には1年生も一緒に李芳世作「ねごと」の朗読をウリマルと日本語で行った。1年生の女の子が感情を込めてこの詩を朗読したときは本当に驚いた。日常的に朝の読書運動も全校生が行っているという。
次に昔話「金の斧、銀の斧」の登場人物の配役を決め練習した後、みんなで一つの昔話を仕上げてみた。楽しい時間があっという間に過ぎさり最後は日本語の「あいうえお。ん」と「ことばのけいこ」と言う童詩をリズムをつけて練習した。子供たちも楽しんでくれたかなぁ。
午後は河津さんが2年間展開してきた「無償か除外反対」の運動内容を報告した。私は報告の途中で日本語で初めて書いた詩「ふるさと」を朗読させていただいた。講演は同胞たちに少なからず考える空間をつくってくれたようだ。ある同胞は日本の詩人がこんなに親身にウリハッキョのために尽力してくれたことを初めて知った。私たちがもっと主導的に動かねばならないのではないかと感想を述べられた。
講演会後希望者だけを募って二つの詩の朗読の練習を一緒にした。一つは李芳世の「寝言」、もう一つはユンドンジュの「序詞」、短い時間だったけれど今日の詩の朗読がこれからのウリマル運動の良いきっかけになってくれることを心から願った。
今回の学校訪問を通じて一番感じたことは、学生数が少ない学校でも教員たちの責任感と深い愛情と工夫があれば子供たちを立派に育てられることを教えてくれた。又同胞全体で学生を増やす運動を繰り広げるだけだはなく広範な日本の人たちと連帯し行政との交渉を続けて行かなければならないと思った。又人数が少ないと悲観するのではなく、メリットをいかし、もっともっと外部に発信していくべきだと思った。
又今回積極的に動いた趙先生の様にみんながアイデアを出し合い、行動し、ウリハッキョが支持を受けることができるよう具体的な運動を繰り広げなければならないことを学んだ意義深い訪問になった。
子供さんを抱いてこられたあなたの姿は、眩しいほど素敵でした。これからも頑張ってくださいね。又来年行きます。ブログに遊びに来てどんどんコメントくださいね。一言でもとってもうれしいんです。
河津さんのお話、そしてソンセンニムの詩を聞きながら・・・感じることの多い一日でした。
もっともっと知らなければ!感じなければ!と思いました。
ソンセンニムもとてもお元気そうで、ブログを通して見るソンセンニムの活躍は素晴らしいです。
これからはブログに遊びに行きますね^^
子供たちの笑顔は日本全国どこでも守らなければなりません。小さな力でもみんなで考えてみんなの心を一つにして行動していきましょう。
いつか一緒にウリハッキョを訪ねませんか?あなたもフルートを持参して
先生のおっしゃる通り、学校や教育とは人数や物の豊かさだけではないと思います。
学校問題、多々あると思います。一言では言い表せませんが、この子供たちは心配ないというのだけは解ります。
本当に幸せな1日でした。
たった11人の子供たちのために福井の同胞たちが
力を合わせて学校を支えていました。
感動で胸がいっぱいになった一日でした。
学習熱心な生徒たちに囲まれたオンニョさんと河津さんは楽しく充実感を感じたのだなと読みながら思いました。