与謝野経済・産業相のテレビ会見を見た。国民が節電を継続するための措置として、電力料金の値上げをすると言う。呆れてものが言えなくなった。
与謝野氏を、もっと賢い政治家だと思っていたからだ。懲らしめの意を含む値上げを、政府が東電と言う一企業に代わって実施するなど、あって良いものだろうか。
もしそれを言うのなら、「4月から一年間」あるいは「2年間」と、期間を区切った上で、「値上げ分の金額は政府に集約し、被災地援助のため速やかに使う」と発表するのが筋でないか。与謝野氏の言葉では、値上げ料金がそのまま東電に入ることとなり、誰も納得できない。
東電は、今回の原発事故の当事者で、私たちは損害賠償をしてもらいたいくらいの気持ちでいる。もし与謝野氏が、差額料金の活用方法を言い忘れたと言うのであれば、国民の気持ちを逆なでするような発表はしないで欲しい。期間も区切らず、差額料金の活用方法にも言及せず、これが政府の見解だと、恥ずかしげも無くテレビ放映する民主党の感覚を疑いたい。
そしてまた、今日のテレビ会見だ。
原発に真水を注水するという、北沢防衛大臣の発表だ。彼によると、海水から真水へと変更するのは、米軍の強い要望だという。その説明を聞き、日本の国防を担う大臣の言葉かと失望した。政府は米軍の強硬な要求により、仕方なく海水から真水へと変更をするという、主体性の無さの暴露だった。
日本は国の安全に拘ることにも、まだ米軍の言いなりになのかと、国民の士気を削ぎ落とす発言だった。国への矜持がないから、こうした情けない発表ができるのだろう。自民党の大臣なら、このような卑屈な発表はしないはずと考えてしまう。
北沢氏の防衛大臣らしくない姿は、先日の自衛隊の原発放水時にも見られた。結果論でしか無いが、東京消防庁の隊員を派遣した石原氏と、自衛隊を出動させた北沢氏の対応には、天と地ほどの開きがあった。
石原都知事は涙をこらえ苦渋の決断をし、「国のため命をかけて欲しい」と隊員を送り出した。隊員たちにはその思いが伝わり、懸命の活動が展開された。
それなのに北沢氏は、自衛隊の海水投下作業を中途半端にやめさせ、理由を、隊員の身の安全を考えたからと説明した。その直後に、東京消防庁の決死の作業が放映され、自衛隊より都の消防隊の方が、身を呈して頑張るのだと思わされた。
防衛大臣より都知事の方が、国や部下のため心を砕いていると、結果だけの感想で申し訳ないが正直そう思った。自衛隊を暴力装置としてしか見ない党の大臣は、隊員を指揮する気力も熱意も低かったかと、偏見と言われても言わずにおれない。
最後の愚策は、前回のプログで述べた、枝野官房長官の「自宅退避」措置だ。これまでは、民主党も頑張っていると好意的に見ていたが、ここまでお粗末な閣僚たちを目の当たりにしていると、言わずにおれなくなる。
「馬鹿な大臣の任期をいくら伸ばしても、馬鹿な施策が増えるだけ」。
自分の国の大臣を口汚く非難するなど、私の人格も、民主党に負けずスッカリ低下したと嘆きたくなる。
異常事態の今こそ、冷静になるのが人格者と言えるのだが、「きまぐれ手帳」の名称そのままに、きまぐれな放言をしている私だ。やがて自己嫌悪に陥ると思うが、今は勢いのまま、ブログで発信する。