ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

メタンハイドレード問題 - 4 ( トランプ大統領の再登場 )

2025-03-13 16:55:12 | 徒然の記

  経 済 界  ・・・ 石油各社  経団連

  省  庁 ・・・ 経済産業省 国土交通省 環境省 文部科学省 外務省 厚生労働省など、

  研究機関 ・・・ 明治大学 :「知財機構ガスハイドレート研究所」

           日本財団 : 東京財団政策研究所

 安倍氏の国際協調路線に協力しながら、氏の「自前資源開発」政策に後ろ向きな省庁・組織と団体名を見ながら、検討作業を進めます。

 研究機関の一つは明治大学 :「知財機構ガスハイドレート研究所」で、残る一つは日本財団 : 東京財団政策研究所です。

 すでに過去記事で紹介していますが、同財団の動きを確認する意味で、もう一度検討します。

  〈 東京財団政策研究所・主任研究員・平沼光氏の意見 〉   ( 令和3年「中央公論」 3月号掲載 )

  ・今後日本においても、再エネを主力にしたエネルギー転換の方向に向かうことになるが、現状日本の再エネの普及率は低い。

  ・再エネ普及で先行する欧州では、既に平成30年で、発電電力量構成における再エネ比率、30%以上を達成している国も多く、EUでは、2030年に57%にまで普及すると推計されている。

  ・一方日本の普及率は、平成30年の17%にとどまっているばかりか、2030年の目標も、22~24%とかなり低い。

  ・これまで地中に埋蔵された天然資源に乏しい日本は、資源の調達を海外からの輸入に依存せざるを得ず、常に資源の供給不安定化におびえてきた。

  ・一方エネルギー転換がめざすものは、化石燃料依存から再エネ利用に転換し再生資源を循環させる経済モデルである。

  ・すなわち、「資源調達を輸入に依存せざるを得ない」という、これまで日本にとって、圧倒的に不利であったゲームのルールが根底から覆されようとしているのだ。

 氏の意見は欧米に倣った「脱炭素」、「再生エネルギー」への転換であり、「資源のリサイクル」、「資源の再利用」で、「メタンハイドレート」は視野にありません。

  ・日本は、地下に埋蔵された化石燃料や鉱物資源に乏しくとも、地下から掘り出された天然資源の純度を高めて作られた製品が、膨大な量の廃棄物として地上に蓄積されている。

  ・これは都市の中に存在する「都市鉱山」とも呼ばれており、資源として位置づけるなら日本は紛れもない資源国となるだろう。

   ・日本には、再エネを主力化できる十分な資源ポテンシャルと技術がある。

  ・先進諸国の中でも、レアメタルのリサイクル、省資源化の高い技術を持つ日本は、国内の都市鉱山を最大限活用することで、資源を生み出す資源大国へと進化するチャンスなのだ。

 令和7年現在欧米諸国では「脱炭素」「再生エネルギー」政策が見直され、平沼氏の意見が流行遅れとなりつつあります。

 「アメリカはこれから、石油を掘って掘って、掘りまくる・」

 大統領に再選されたトランプ氏が、拳を振り上げて叫んでいます。化石燃料関連の投資からの撤退を加速し、「脱炭素」と「再生可能エネルギー」を言い出したのは、もともとアメリカの「石油スーパーメジャー」と「国際金融資本」です。

 彼らの政治力と資金力に逆らえず、しかも正論なので反対できず、他の国々は従ってきました。「脱炭素」と「再生エネルギー」一辺倒では国民生活に支障が生じているときに、「石油回帰」のトランプ氏の登場です。

 見えてきたのは、次の事実です。
 
 ・「メタンハイドレート問題」は、「戦後日本史の大河」だけでなく、「戦後世界史の大河」を同時に眺めないと解決策が出てこない。
 
 矛盾した政策で国民を戸惑わせ、社会を混乱させたのは故安倍首相だけでなく、アメリカの大統領も欧州諸国の首相や大統領も似たようなものでした。そうなりますと、「青天の霹靂」も日本だけの話でなくなります。
 
 日本だけが間違った国ではないという事実認識は、勇気と希望をもたらします。同時に、忘れていた賀屋興宣氏の言葉と姿を思い出し、次回も頑張りたくなりました。
 
  「恨みと憎しみを離れた、客観的な事実の整理と検討」
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メタンハイドレード問題 - 3 ( 松本教授の意見 )

2025-03-13 12:37:01 | 徒然の記

 松本教授の経歴を調べますと氏は明治大学勤務が最終でなく、東京大学が出発点で、現在は沖縄科学技術大学院大学の評議員であると同時に、東京地学協会の副会長になっている地質学の専門家でした。

 書かれている氏の経歴は、以下の通りです。

  昭和19年4月 -     昭和60年     東京大学理学部  地質学教室助手

  平成  2年    -     平成4年        東京大学理学部  地質学教室助教授

  平成  4年    -     平成24年3月     東京大学理学部  地球惑星科専攻教授

  平成24年    -     令和 2年3月       明治大学  ガスハイドレード研究所特任教授 (所長)

  平成23年    -     現 在                    沖縄科学技術大学院大学  評議員

  令和元年    -     現 在                      東京地学協会  副会長

 日本の本格的「海洋資源開発」が始まっのたは、昭和51 ( 1976 ) 年に、アメリカ、日本、イギリス、フランス、西ドイツ、ソ連が共同して、「国際深海掘削計画」( IPOD) を、国際プロジェクトとして作った時からでした。

 平成7年の村山内閣の時、突然日本が独自で「海洋資源開発」に乗り出したのでないことは以前の検討作業で知りました。「ねこ庭」の過去記事で、次のように書いています。

  ・我が国の深海底鉱物資源の開発事業は、1974 ( 昭和49 ) 年の地質調査船白嶺丸竣工、深海底鉱物資源開発協会 ( DOMA ) の設立等により、官民の力を結集したナショナルプ ロジェクトとして本格的となる。

  ・1980 ( 昭和55  ) 年、探査専用船第2白嶺丸が完成、

  ・1982 ( 昭和57  ) 年、深海底鉱業暫定措置法が制定され、深海底鉱物資源開発(株) ( DORD ) が設立

 経歴に書かれていませんが、松本教授はもしかするとこの頃から海洋資源調査に参加していたのかもしれません。明治大学が紹介している「知財機構ガスハイドレート研究所」の下記説明を読みますと、その感が深まります、

 〈 明治大学 「知財機構ガスハイドレート研究所」 〉

  ・深海堆積物中には膨大な量のメタンガスが氷状の固体物質ガスハイドレートとして広く分布することが知られています。

  ・ガスハイドレート研究所は、ガスハイドレートの起源と分布、集積のメカニズムを海洋調査と観測、実試料分析を通じて明らかにすることを目的として明治大学研究知財戦略機構内に設立されました。

  ・平成24年から令和2年には、駿河台グローバルフロントを拠点とし日本海の東縁海域において稠密な海洋調査を展開し、令和2年からは「ガスハイドレート研究ユニット」として拠点を生田キャンパスに移し、基礎データの取得・分析と解析、研究成果の統合と発信を行なっています。

 松本教授が専門家として多くの経験と知識を持っていることを確認した上で、今度は別の視点から考察してみます。

 「石油スーパーメジャー」と「国際金融資本」が、化石燃料関連の投資からの撤退を加速し、「脱炭素」「再生可能エネルギー」へと舵を大きく切ったのは、平成27 ( 2015 ) 年フランスで行われた「COP21パリ会議」以後でした。

 「地球温暖化」を止め、「異常気象の発生から地球を守る」というスローガンが瞬く間に世界に広がりました。

 「地球にやさしいエネルギー」「自然を破壊しないクリーンなエネルギー」への転換

 誰もが納得し、誰もが反対できない正論で、良心的な知識人たちが率先して賛成意見を述べました。

 当時の日本は「地球儀を俯瞰する外交」を掲げる安倍内閣でしたから、朝野をあげて国際協調を進めました。「パリ会議」の宣言に協力した国内の省庁・組織・団体名を挙げると下記になります。

  経 済 界  ・・・ 石油各社  経団連

  省  庁 ・・・ 経済産業省 国土交通省 環境省 文部科学省 外務省 厚生労働省など、

  研究機関 ・・・ 明治大学 :「知財機構ガスハイドレート研究所」

           日本財団 : 東京財団政策研究所

 なんとこれらの省庁・組織・団体は、同時に安倍元首相と青山氏の「自前資源開発」に非協力的な敵対勢力と同じです。

 このような結論になるとは、予想していませんでしたので驚いています。「政治の世界は一寸先が闇」と言いますが、そのまま故安倍首相の政治も語っていたのでしょうか。

 「青天の霹靂」としか、思いつく言葉がありません。

 「戦後日本史の大河」を眺めながら、しばらく考える時間を頂きたいと思います。

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