田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

リリ、危篤。なんとか生きて。夫婦は老いの眼に涙。 麻屋与志夫

2016-04-29 04:09:18 | ブログ
4月29日 Fri.

●風呂上がり洗面所で歯を磨いていた。
「パパ、きて。パパ」とカミさんが絶叫している。

●おおきなホリゴタツのある部屋をぬけ、
離れの引き戸をあけ、
渡り板を踏み、
キッチンを通り過ぎ、
テレビのある居間にかけこむ。
こういうときは、家が広いのも、考えものだ。ありがたくはない。

●カミさんは、リリに餌を、注射器でやろうとしていた。
いやがる。
それでもムリに口をこじ開けようとした。
リリの呼吸があらくなって、ぐったりとしてしまった。
……ということだ。

●「ねえ、どうしよう。どうしよう」もう涙声だ。

●どうみても、リリは黄泉比良坂をとぼとぼとあるきだしている。
「リリ。おいで。まだはやすぎる。もどっておいで。まだはやすぎるよ」

●こんなに呼吸が荒く、
苦しそうなのに、
ムリにでも生きていてもらいたい。
これは飼い主のエゴかもしれない。
このまま死なせてやった方が、
ラクニなるのだから、
いいのかもしれない。
安楽死ということばが、またもやわたしの脳裏をかすめた。

●心配なので、離れの部屋にわたしもフトンを敷いてもらった。
夫婦でリリを中に入れて、川の字になって寝た。

●いまのところ、なんとかリリは落ち着いている。
呼吸もすこし荒い程度。

●でも、食事はとらない。
水ものまない。

●カミさんとわたしは老いの眼に涙の夜を過ごしている。

●リリ、げんきになってよ。
おねがいだ。

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