田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

大人になった雄猫の野生の誇り。  麻屋与志夫

2017-12-18 07:34:18 | ブログ
12月18日 Mon.

●今朝も寒い。「白」のためにデッキに置いた餌皿の水に氷が張っている。この寒さではどこもかしこも氷が張っている。水を飲まなかったら死んでしまう。野生の野良ネコはいかなる行動で獲物や餌を獲得しているのだろうか。野良ネコの場合は、何代にもわたってズット野生なのだろうから、野生動物としての習性が身についているのだろう。餌をくれるネコ好きもいる。この寒さの中をなんとか生き伸びている

●そういえば、飼い猫といえども、野性味はのこしている。ミュー、ムック、リリ、ブラッキ―歴代のわが家のネコちゃんたちも、モグラやノネズミをよくくわえてきた。それも、寝床や、ときには、食卓に獲物をポトンと置いて「どう……たまには、レアでいきましょうよ」ときたもんだ。もちろん、絹をさくようなカミサンの悲鳴が家の空気をふるわせ隣近所にひびきわたった。でも――この冬の寒さのなかでは、獲物を捕獲するのは困難だろうな。

●「白が寒くて、かわいそう」いまはすっかりわたし以上の愛猫家になっているカミサンが、まず、園芸道具を置く棚に発泡スチロールで小屋をつくってやった。それでも、外の温度が零度以下になってきたので、白は風邪をひきクシャミをしている。鼻水をたらしている。

●数日前の夜、そんな白を憐れみ、カミサンが部屋に連れこんだ。カミサンに抱かれて、静かにしている。だいぶ馴れてきている。――わたしは感心した。そのまま、いまは亡きリリのネコベットにソット寝かせた。

●ところが、夜なかになってから、がたがた音がする。白が外に出たがっている。カミサンも起きだして白を呼ぶ。おとなしくまたカミサンの胸に抱きしめられて彼女の部屋にもどっていった。

●翌朝、床におしっこ、フン。「かわいそうに、トイレにいきたかつたのよ」とカミサンは解釈した。

●ところが、それいらい、白はカミサンをさけるようになった。野生の野良ネコとしての矜持をもちつづけようとしている。野生の習性を、生活を――誇りをもって、つづけようとしている。ぼくは、コノママデイイモン」そういっているようだ。

●部屋のなかがよほど恐かったのだ。燃えるストーブの火がおそろしかったのだ。恐怖の一夜を明かした白はいまもスチロールの小屋だけで、満足している。





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