田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

「鹿沼の四季」5 麻屋与志夫

2019-02-21 16:31:16 | ブログ
5

 五月十五日、朝から雨が降りだした。
 これで、今年の春も終わりだ。
 
 表庭にある水道の蛇口の下に木製の桶が置いて在る。
 雨垂れがしたたり静かな音をたてて桶にたまった水面に波紋を広げている。
 
 膝にのせたブラッキ―と二人で、縁側から、ながいこと雨垂れの音を楽しんだ。
 
 五月も下旬ともなれば、藤の花も終わり。
 ちいさな鞘をつけた。
 
 椿が雨どいにつまったのをとりのぞいたり、伸び過ぎた庭木の枝を剪定したりなかなか忙しい。そして、その忙しさのなかで、晩春の寂しさにひたっている今日このごろである。
 
 こういう生き方ではない未来をかんがえていただけに、哀愁はひとしおである。
 年を重ねるというが、こころにつみ重なる悔恨の情にながされるのは、やはりこの季節だ。 
 春は残酷な季節。
 
 ああ、今年も春がきわまった。


●ここまでが2003年に、はなはだ断片的だが、書きとめてあった。でも、これでは「鹿沼の四季」というタイトルとしては詐欺的行為ですよね。だってこれは、わが家の春の寸描ということですもの――。

●ようし、この続きを書くぞとGGははりきっています。

●いまかんがえていることは、これを随筆ふうに書き継ぎ、カクヨムに載せていこうかな。ということです。

●こんどこそ、鹿沼の町をあちこち散策して2019年の季節の移り変わりを書きとめたいものです。

 

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「鹿沼の四季」4  麻屋与志夫

2019-02-21 13:54:59 | ブログ
2月21日

4
 
 白いカバーをかけたソファから黒猫のブラッキーが立ちあがった。
 なんだ。そこにいたのかと、声をかける。
 庭では藤の花が降りだした雨に濡れていた。
 黒猫と藤の花。夢二の絵にありそうな風情。
 雨 が降りだして、今年の藤もこれでおわりになるだろう。
 寂しくなる。
 雨どいに椿の落ちた花がつまっている。
 しとしとと降る雨ではあるが、たまってあふれ、大粒の雨が降っているような激しい音となって雨どいからながれおちている。
 明日晴れたら、掃除をしなければならないだろう。

 屋根にはいあがったツル薔薇が咲きだした。
 黄色と白のモッコウバラだ。
 妻が背伸びしをしてながめている。
 もちの木や箱根ウヅキの葉でかくされてしまい、バラがさだかにはみえないらしい。
 妻は背伸びをして屋根に咲いたバラをみようとしている。
 そういえば、今週の金曜日十六日には、西部ドームの薔薇展に息子の学に招待されている。楽しみだ。 




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「鹿沼の四季」3 麻屋与志夫

2019-02-21 07:03:21 | ブログ
2月21日 暖かな朝 

「鹿沼の四季」3


 わが家の深岩石の塀の上で藤の花が咲きだした。藤の花はながいこと咲いているので、ゆったりとしたこころでたしむことができるのはうれしい。
 連休の五月三日(土)となりもう一週間も咲きつづけている。垂れ下がった花房の下のほうは咲ききっていないから、まだ至福のトキメキはつづくだろう。
 桜をながめていると、酒がのみたくなる。
 藤の花房をめでていると、雲水となり放浪の旅にでたくなる。

 藤咲きて雲水としてたつこころ
 
 藤垂れて雲水として立志こころ

 藤の花仏ごころに揺れる宵


「都忘れがきれいに咲いたわ」

 咳のやまない妻が庭から摘んできた都忘れを花瓶にいけた。
 朝のうちはまだ肌寒い。
「風邪がまたぶりかえしたらどうするんだ」

 わたしの言葉にはとげがある。

「庭の花がみんな枯れそう。このところ晴天つづきだったから。花がかわいそう。わたし死んでも花のせわするから」

 妻の言葉には過激なひびきがある。

 草花に水くれをしないわたしへの非難がある。

 いつも、小説のことばかりかんがえていて、こころのゆとりのないわたしをゆるしてください。

「三色あるのよ。それぞれきれいでしょう」

 花瓶に挿した都忘れ。この花には、わたしなりのおもいでがある。

 黒川の河畔を散歩していた。可憐な花が咲いていた。妻がすきそうな花だ。

「うれしいわ。あなたから贈られた一茎の花。この花でも、うちの庭にたくさん咲いているでしょう。都忘れよ」
 






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