田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

家庭を死守せよ イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-09-24 14:59:46 | Weblog
5

息子のおかれた状況を把握できなかった。
息子が自殺を考えるほど苦しんでいることに。
どうして気づかなかったのだ。
父親が守ってやれないで。
だれが家族を守るのだ。
翔太のように、転校させるのも。
一つの戦い方なのだ。
イジメのある現実を受け入れない。
そうした心の表現をすることなのだ。
なにかできたはずだ。
転校させればよかったのだ。
小野崎、どうしてぼくに相談してくれなかったのだ。

ほんとうに、なにも気づかなかったのか。

慧くんに、死なれてから嘆いても。
もう遅い。
なんにもならない。
家族を守る。
それが穴居生活の――古来から男に課せられた義務だ。
論理ではない。
本能だ。
男のぎりぎりの生存意義を忘れてはいけないのだ。
家族は命がけでまもる。
単純なことだ。
単純だからこそ、むずかしいことなのかもしれない。
そして敵がはっきりとしない場合は。
敵の意図が見え難いこともある。
敵の姿が感じることすらできない。
それほどあいてはひそやかに近付いてくる。
そういえば、北小学校にいた体操教師が。
滝が原中学校に転任している。
あいつが、あの教師が慧君をイジメタのか。



 今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿