田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

翔太君のおとうさん、寒いよ イジメ教師は悪魔の顔/麻屋与志夫

2011-09-25 03:42:56 | Weblog
6

とりこまれたときはもう遅いのかもしれない。
あいつだろう。
慧君を、イジメタのは。
あの体操教師だろう。
慧君をイジメタのは。
女子生徒にイタズラをして話題になった。
あいつだろう。

小野崎よ。
男の家長としての存在理由。
戦う責任を。
忘れてはいけないのだ。
 
フロントにさげたアクセサリー。
針金細工のピエロがゆれている。
ロープのさきでゆれていたはずの慧。
の。
イメージがピエロと二重になっていた。

針金細工のピエロが等身大の立像となった。
左に右にはげしくゆれる。
外は、あいかわらず吹雪いている。
いや、雪ははげしくなっている。 

おじさん、寒いよ。   
翔太のおとうさん痛いよ。
痛いよ。     
毎日なぐられたんだよ。   
なにも……わるいことしないのに。
おもしろがって。
女の子のまえで。
なぐられていたんだよ。

女の子の前で殴られたという屈辱は。
誠のものでもあった。

橋田はわざと女子生徒のいる前で。
誠をなぐった。
誠が小学生のときに担任の橋田からうけた。
虐待の数々がよみがえる。

いまはPTSDとなっている。
精神的外傷体験後遺症がよみがえる。

慧と誠の体験が重なる。  

誠がきいた父の体験。
集団疎開の児童を引率してきた先生の首吊り自殺の話し。

翔太も担任の女教師のイジメにあった。
翔太が泣いた。
女性の教師だから、いじめかたがジメジメしていた。
あのまま神沼にいたら性格が歪んでしまった。
それどころか、慧君のようなことが起こらなかったといえるか?
勝平、誠、それに翔太。
親子三代にわたってうけてきた教師からの迫害。
……の。
記憶が。
慧のうけたであろう迫害と重なった。    



 今日も遊びに来てくれてありがとうございます。
 お帰りに下のバナーを押してくださると…活力になります。
 皆さんの応援でがんばっています。

にほんブログ村 小説ブログ ホラー・怪奇小説へにほんブログ村

最新の画像もっと見る

コメントを投稿