田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

おーい。鴨が来たぞ/麻屋与志夫

2011-12-30 11:20:54 | ブログ
12月29日 木曜日
プログです。アップが一日遅れです。
おーい。鴨が来たぞ。

●待ちわびた鴨が飛来した。
鶴首してまっていた鴨がいつもの川岸にやってきた。

●これでこの街でのわたしの冬景色が補完された。
どうも黒川対岸の鴨の家族をみるまでは冬が来たという実感がわかなかった。

●かみさんは帝国繊維(幸橋)の橋の彼方で青鷺を撮っている。
呼びかけても聞こえる距離ではない。
「おーい。鴨が来たぞ」と大声をだしたいのを堪えて石のうえに腰を下ろした。
「ほら、オジイちゃんのところへいかないで」野太い声がした。
みればわたしの足もとでバグが愛嬌のある顔で、尻尾をちぎれんばかりにふっている。三匹の小型犬を散歩させている男が会釈してわたしをおいこしていった。

●カミサンがこちらに歩いてくる。
わたしは高く手を上げた。
そして直角に下ろして鴨をゆびさした。
わたしの喜びがカミサンにつたわった。
カミサンがカメラを片手にはしってくる。
少女のような身のこなしだ。
最近ではわたしがかなり老いこんだので、
二度目のカアチャンけ? などと冷やかされる。
聞かれる。
そうした質問には「いや歳の差婚です」とジョークをとばすことにしている。
カミサンが、歳よりも若くみられるというのは、うれしいものだ。

●「こんどは一眼レフをもってこよう」
「望遠でとれば鴨の種類がわかるわよね」

●この黒川は日光の渓流を集めて鹿沼の里に流れてきている。
詳しくは、小来川地区から流れてきているのだ。
若き日ソノ源流を遡ったことがあった。
いろいろと懐かしい思い出のある川だ。

●カミサンは鶏肉ならず、鳥と名のつくものはいっさいたべない。
わたしも鴨のなかむつまじい家族をみているうちにそんな気持ちになってきている。

●歳で草食系になってきたらしい。
これであごの白い無精ひげを延ばしつづければ。
仙境に遊ぶ仙人さながらの心境に至るのだろうかなどと、
埒もないことを、
寒風の中でかんがえたものだ。


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