4
「翔太こそなにもわかっていない。
アナログなのはおまえら人間のほうだ」
おもわぬ成りいきとなった。
「ああやめた。
やめた。
こんな小娘の血をすったところでコウフンしないからな。
だったら大麻でもやってトリップしてたほうがましだ。
おい、プレスの男。
翔太とついてくる勇気はあるか。
吸血鬼バンドの出演している地下演奏会の会場へ招待してやる」
「わたしもいく」
悲鳴をあげて青ざめていたのが嘘みたいだった。
「ヒロシ。
わたしだって野州新聞の記者よ。
記者魂はもっている。
吸血鬼さん。
ごいっしょさせて」
「天国の薔薇園の園丁をしていた元祖吸血鬼集団のひとり。
ミヤだ」
ニヤニヤ笑いながら、肩に刺さった矢をぬく。
サツキの矢はこのVにはなんの傷害もあたえていなかった。
翔太はぶるっと武者震いした。
これはたいへんな敵だ。
いままで戦ってきたVと根本的にできがちがっていた。
5
駐車場の地下だった。
いや、地下が駐車場になっているというのではない。
降り口など、案内してもらわなければ。
わからない。
東武デパートの裏手。
昭和の30年代に。
「チャイナタウン」というキャバレーの在ったあとだ。
「もじどうり……。地下演奏会かよ」
ヒロシがイキがっている。
防音の厚い扉をはいる。
耳をつんざく音響がひびいてきた。
デスメタル。
吸血鬼にこそふさわしい場所だった。
仮装の面も服装も必要としないものたちであふれかえっていた。
飲み物はすべて真っ赤だった。
むろんトマトジュースにアルコールをいれたものを飲んでいるのは。
人間だ。
血液パックを一気飲みしているのは吸血鬼だ。
だがそれすら。
この地下にさそいこまれた人間には。
遊びとしかおもえない。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
「翔太こそなにもわかっていない。
アナログなのはおまえら人間のほうだ」
おもわぬ成りいきとなった。
「ああやめた。
やめた。
こんな小娘の血をすったところでコウフンしないからな。
だったら大麻でもやってトリップしてたほうがましだ。
おい、プレスの男。
翔太とついてくる勇気はあるか。
吸血鬼バンドの出演している地下演奏会の会場へ招待してやる」
「わたしもいく」
悲鳴をあげて青ざめていたのが嘘みたいだった。
「ヒロシ。
わたしだって野州新聞の記者よ。
記者魂はもっている。
吸血鬼さん。
ごいっしょさせて」
「天国の薔薇園の園丁をしていた元祖吸血鬼集団のひとり。
ミヤだ」
ニヤニヤ笑いながら、肩に刺さった矢をぬく。
サツキの矢はこのVにはなんの傷害もあたえていなかった。
翔太はぶるっと武者震いした。
これはたいへんな敵だ。
いままで戦ってきたVと根本的にできがちがっていた。
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駐車場の地下だった。
いや、地下が駐車場になっているというのではない。
降り口など、案内してもらわなければ。
わからない。
東武デパートの裏手。
昭和の30年代に。
「チャイナタウン」というキャバレーの在ったあとだ。
「もじどうり……。地下演奏会かよ」
ヒロシがイキがっている。
防音の厚い扉をはいる。
耳をつんざく音響がひびいてきた。
デスメタル。
吸血鬼にこそふさわしい場所だった。
仮装の面も服装も必要としないものたちであふれかえっていた。
飲み物はすべて真っ赤だった。
むろんトマトジュースにアルコールをいれたものを飲んでいるのは。
人間だ。
血液パックを一気飲みしているのは吸血鬼だ。
だがそれすら。
この地下にさそいこまれた人間には。
遊びとしかおもえない。
one bite,please. ひと噛みして!! おねがい。
↓
ああ、快感。
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