5月28日 Sat.
●「リリ、おでかけするからね。ブラッキ―とおるすいしててね」
これでいいのだ。
カミサンにはまだリリとのわかれが、現実のものとしてみとめられていない。
もう二度とリリに会えない。
かなしすぎる。だから、リリの死をみとめられないでいる。
●リリはカミサンにべったりのねこだった。
家の中をかみさんの行く先々についてまわっていた。
わが家の玄関に迷いこんで来た時から、カミサンが世話してきたからだろう。
スリコミみたいなものだ。
カミサンを親か兄弟、友だちのように思っていたのだろう。
●リリを失ったかなしみ、ペットロスはカミサンのほうがひどい状態だ。
すっかりとりみだし、泣きつづけていた。
あまりはげしく泣くので、こちらも呆然として、抱きしめてなだめることを躊躇するほどだった。
一月ほどたつので、さすがにいまはリリの遺影に話しかけるくらいになった。
あるいは、わたしの目のとどかないところで、ひそかに泣いているのかもしれない。
●「リリ、ただいま。ブラッキ―ちゃんと、仲良くしてた」
カミサンがリリに呼びかける声が離れのほうでしている。
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カミサンを親か兄弟、友だちのように思っていたのだろう。
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すっかりとりみだし、泣きつづけていた。
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一月ほどたつので、さすがにいまはリリの遺影に話しかけるくらいになった。
あるいは、わたしの目のとどかないところで、ひそかに泣いているのかもしれない。
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