田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

魔闘学園  麻屋与志夫

2008-09-24 06:39:44 | Weblog


武が御殿山に駆けつけた時には。
闘いはすんでいた。

「三津夫がいない。
番場そのへんをさがせ。
傷ついて倒れているのかもしれない」
めずらしく、麻屋が大声で叫んでいた。
焦っていた。

「三津夫さん、三津夫さん」
公園のおくで声がする。
ケイコの声だ。
武も。
アサヤ塾のコンパであった。
ことのある少女だった。
ふっくらとした娘なので、声にもふくらみがある。

ケイコは無事だった。
武はあんどした。
「さあ、みんなのところにもどろう」
「刑事さん。いない。彼がいない。三津夫が捕まった」
「おちつけ。どうなっている?  はじめから話して」

三津夫がいないとは?
どうしたことだ。

「黒い特攻服の男こたちにつれていかれた。
あいつら、山陰げにバイクをかくしていたの。
ふいに沸いてでた。
なんにんかの男たちに拿捕されたの。
あいつら。
スタンガン使ったの。
それで。
三津夫は動けなくなった。
倒れた。
ひきずられていった。
わたし間に合わなかった。
どうしょう」      

ケイコは地面に鼻をおしつける。

犬が遺臭を追いかけるときの動作だ。

       

       

       

      
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