田舎住まい

吸血鬼テーマーの怪奇伝記小説を書いています。

吸血鬼浜辺の少女外伝/魔闘学園

2008-08-29 06:31:46 | Weblog
 だから勉強がつらいわけがない。
 ケイコにかぎって、塾がいやなわけがない。
 男の子とトラブッテいるわけがない。

 だからこそなにかいやな予感がする。  
 頼まれもしないのに、麻屋が動いた。  
 分厚い防音扉を押した。
 広い。
 天井からおちてきた光りが複雑に交差する。
 店内はむろん若い客ばかりだ。
 中学生もいる。
 耳をつんざくハードロック。
 ゴシック系の衣装もいる。
 ごていねいに体に包帯をまきつけた群れがいる。
 スモークがたかれ、もうもうとした煙りにアルコールの匂いがする。
 大麻タバコの匂いまでまざりあっている。
 そして妖気。
 クラブにはいるにはもっとも怪しまれる中年オヤジの顔と体に、妖気がうちよせてきた。
 麻屋には覚えのある妖気だった。     
 情報をくれた二荒タカコがきてくれてよかった。
 ケイコがクラブにいたらしいの。    
 中年のオジン。
 ひとりでは入店できなかった。

 ……もしやと疑念をいだいていた。   
 
 この妖気を予感したことが……おれの動いたモチベイションなのか。
 
 もしや、とうたがっていた。

 震源地不明の直下型の地揺れがあった。

 あのあと微震がつづいた。       
 街がゆれている。
 不吉な余震がつづいた。
 体に感じられるだけでも100回は越えている。

 あれが現れたのか?          
 麻屋の予感はそこにいきつく。

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