日常観察隊おにみみ君

「おにみみコーラ」いかがでしょう。
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◎本日の想像話「話し合い」

2020年09月15日 | ◎本日の想像話
 話し合い


 私の妄想はあまり歓迎すべきものではない。
 被害妄想気味かもしれない。
 自分でもそう思う。
 近所のおばさんが前からやってくた。
俺A(やばい、挨拶しなければ)
俺B(いや、挨拶しなくてもいいよ。この路地を自然に曲がっちゃおう)
俺A(ここで曲がったら絶対に不自然だよ)
俺B(じゃあどうするんだ。ほら、くるぞ、くるぞ)
俺A(だから挨拶すればいいんだって)
「こんにちは」私は努めて明るい声で挨拶した。
「こんにちは。お出かけですか」
「ええ、ちょっとそこまでエヘヘ」
俺A(おれのこと絶対暗いと思っているねあれは)
俺B(ひとついいこと教えてやろうか)
俺A(なんだよ)
俺B(お前が思っている以上に、人はお前のことには興味なんてないぞ)
俺A(興味がない?)
俺B(そうだ、無関心といってもいい。だから、人がお前のことをどう思っているだろうかと考えること自体が無意味なことだ)
 もう一人の俺、Cが口をはさむ。
俺C(なら自由に振る舞っていいってことか)
俺B(Cよ、そこが難しいところだ)
俺C(どこだ?)
俺B(そこだ。他者のなかでしか自分は存在できない。やはり他者の存在は無視してはならない) 
俺D(深いな)
 普段は無口な俺、Dも熱くなってきたようだ。
俺A(そうだな。深いな。しかし、あまり深く考えないで生きるということが重要だな)
俺BCD(けんのん、けんのん同感だ)
 
 ミニチュアサイズの迷路の前に博士はいた。
 自身が開発したおもちゃを観察していた。
 迷路をお散歩できるマウス型ロボット。
 赤外線通信でほかのロボットとやりとりすることができる。
 迷路の中には現在、複数のロボットが放されていた。
「博士、中央の広場でロボットが集まっています」
「どれどれ」
 博士と助手は興味深くのぞき込んだ。 
 迷路の広場には、4台のマウスが集まっていた。
 4台は同じロットの同じ機械だ。
 うなずきあうように4台は頭をつきあわせて話しているように見える。
 この4台は男性に設定されている。
 女性の設定のマウスが1台だけ、迷路の中を自由に動いていた。


コメント
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