オレンジな日々

広島在住のシンガーソングライター&ピアニスト
三輪真理(マリ)のブログです。
音楽大好きな日常を綴っています。

新老人の会広島支部コンサート

2010-02-06 | ほほ笑みと感謝の会(パレスチナ子供支援)

今日は新老人の会の広島支部のパンフルートコンサートに出かけました。
新老人の会は、東京の聖路加病院の名誉院長、日野原重明先生の提唱で始まった75歳以上の会。65歳~75歳はジュニア会員、75歳になって初めて正会員という、やる気と元気でいっぱいな老人のみなさんの会です。
いろんな催しをされているのですが、今日はほほ笑みと感謝の会の協力でパレスチナからやってきたオリーブのパンフルートの演奏会が開催されました。

オリーブのパンフルートについてはこちらこちらに以前書きました。

今日は日本福音ルーテル教会事務局長の立野泰博牧師によるパレスチナの話と、パンフルートのいろんな曲の演奏がありました。新老人の会広島支部に2年前に結成されたコーラスグループによるコーラス披露もありました。
私は会の最後にオリーブのパンフルートのために書いた『Peaceful Wind』を中村先生と一緒に演奏させてもらいました。
原子爆弾の壊滅的な被害から平和の街として蘇った広島の街からパレスチナへ向けて、そしてイスラエルに向けて、平和というメッセージがどこまでも届くように・・そんな気持ちをこめて演奏しました。(写真はこちら。)

日野原先生と言えば、たまたま先日『十歳のきみへ―九十五歳のわたしから』という本を読みました。
とてもいい内容だったのでその一部を紹介しますね。

(本文より)
「戦争を体験したわたしたちに、なぜ平和を実現することができなかったのかを、わたしはきみに率直に話したいと思います。わたしたちがよいと思ってやって来たことの中に、気づかぬうちに大きな取りこぼしがあったことを、わたしは反省をこめて、きみたちに聞いてもらいたいと思うのです。

平和が、ここにはあって、あそこにはないとしたら、
それは「平和」ではないのです。


戦争の悲しみを体験したわたしたち老人は、平和の大切さをおそらくきみたち以上に痛感しています。だから、ほんとうは平和への思いを強くもつわたしたちが平和を実現して、それをきみたちにバトンタッチすべきでしょう。けれども、わたしたちはその平和をいまだに実現できていません。
 たしかに、六十年前に大きな戦争が終わってから今日まで、日本には戦争はありませんでした。人々のくらしはゆたかになって、だれもがあたりまえに学校で学ぶことができるようになり、平均寿命は世界一にもなりました。
 けれども、これが「平和」ではありません。
 きみの目を自分や自分の周囲にとどめておかずに、どうか外にも向けてみてください。世界にはまだあちこちで争いが起こっています。何年も何十年も続いている戦争もあります。新聞を開けば、毎日のように武力による衝突でいのちを落とした人の記事がのっています。
 たとえいま戦争はなくとも、とても貧しく、食べるものもなく、医療も受けられずに、五歳までも生きられない子供たちが、世界におおぜいいます。
 その一人ひとりが、きみやわたしたちと同じ人間であり、同じようにかけがえのない、この世でただひとりの大切な存在であるにもかかわらず、です。自分や自分の住む国だけが安全で快適ならばそれでいいんだと思っているかぎり、わたしたちはいつまでたっても世界の平和を実現できません。
 平和というのは、世界のどこかある場所にはあって、ほかのところにはない、というような状態をけっして指しません。
 世界中のすべての人がおたがいに平和でありたいと手をつなぎ、助け合うときに、みんなの見つめる視線の先にあるのが「平和」です。世界のどこか一か所でも、人々のいのちがおびやかされているような国や地域があるのならば、世界はまだ平和ではないのです。」(150~152ページより)

まだ平和ではない。
私たちの地球はまだ平和ではない。
それを感じる想像力が大切なんだと思います。

私たちが次から次に買い替える携帯電話のレアメタルのために今、世界で戦争やテロが起きているという事実を。
イスラエルとパレスチナを戦わせることで漁夫の利を得ている国があるという事実を。
目を見開いて真実を見ること。子供のような澄んだ目で諦めずにできることを探すこと。

『Peceful Wind』(平和の風)を、ぜひまずみなさんの心の中から吹かせてほしいと思います。
どんなに弱くてもそれはだんだん強い風になっていくはずだから・・。
そして自分が地球に生きているうちに平和な地球にできるように。

『にくい相手をゆるす。その勇気で、
争いをおわらせることができます。』
(『十歳のきみへ』日野原重明著より)