圧倒的な説得力の『ファルスタッフの響き』を実現した アベル の魔法の棒
招聘外国人キャスト4名が揃いも揃って素晴らしく、4名ともブラヴォーを盛大に受けていたが、最もブラヴォーが大きかったのは、何と 指揮者 = アベル であった。
「ファルスタッフの音楽」は「オテロ」までのヴェルディの響きの延長線ではなく、モーツァルト「ダ・ポンテ3部作」の続編、と考える アベル
が、全ての音符にリズム感を与え、あたかもオケ(東フィル)もソリスト陣も終始『踊りまくった』かのように、ノリ良く進む。「ファルスタッフ」ってこんなにテンポ良く進むオペラだったっけ? が正直な感触。休憩後に アベル が指揮台に登ると、ブラヴォー が4階と1階から同時に盛大にかかったほどだった。
前回のファルスタッフを遥かに越えた今回のファルスタッフ。オケは、弦楽器を基本的に控え目にして左の木管楽器と右の金管楽器を浮かび上がらせ、左右の息を合わせる。まさにモーツァルト「ダ・ポンテ3部作」の続編!
4公演しか無いのに、毎日チケットは大いに余っている。本日も「学生団体」を1階の左右に分けて大量に座っていたので「売れなかった後の営業」は歴然。この公演は是非是非聴いて欲しい。