Piano Music Japan

シューベルトピアノ曲がメインのブログ(のはず)。ピアニスト=佐伯周子 演奏会の紹介や、数々のシューベルト他の演奏会紹介等

岡原慎也指揮シリーズ vol.7 2018.09.05 批評(No.2545)

2018-09-12 23:43:23 | 批評

14年ぶりに出会った衝撃のピアニスト&指揮者=坂口航大、法貴彩子、岡原慎也


  私高本の58年の音楽人生で、心の底から全身を揺さぶられた演奏家が4名いる。出会った順に 岡原慎也+ディートリヒ・ヘンシェルのシューベルト「冬の旅」、川上敦子のリスト「ダンテソナタ」、佐伯周子のシューベルトピアノソナタ第15番「レリーク」D840 である。4名の演奏家の内、ドイツ人のヘンシェルを除き、日本人の3名は「初めて聞いた演奏家ではない」のが共通点。最も遅い 佐伯周子シューベルト が2004年8月22日 だったので、14年前となる。1997年の 岡原慎也;ヘンシェル が初めてであり、7年の間に次々に出会った。その後で合わないのは、私高本の感性が老化しているのだろう、と思っていたが、どうも違う。演奏会を聴く回数が大巾に少なくなっているために、出会い頻度が下がっていたようだ。
 坂口航大の指揮はこの日が初めて聴いたが、坂口航大のピアノ、法貴彩子のピアノ、岡原慎也の指揮 は既に聴いたことがある。皆素晴らしい演奏であったのだが、「心の底から揺さぶられる演奏」とはならなかった。演奏の質が高くなった可能性が大きいが、もしかすると、私高本の感性が「特定の作曲家」にしか反応しない可能性も高い。現在、完全全曲演奏会を佐伯周子で実行しているシューベルトが最も好きな作曲家を不動としているが、2番目に好きな作曲家は直前に名演を聴いた作曲家である。リスト、モーツァルト、グリーグ は大好きである。他には、伊福部昭、シャブリエ、チャイコフスキー、プロコフィエフ、ハイドン、シューマン などが挙げられる。この日、ブラヴォーが最も多かった 松井萌 の ラフマニノフピアノ協奏曲第2番には感動したが、坂口航大、法貴彩子 ほど心を動かされなかったのは、おそらく私高本の感性が「ラフマニノフには不向き」だった可能性が高い、ことをここに明記しておきたい。


 「岡原慎也指揮シリーズ」は記憶を辿ると第2回を聴いた。ベートーヴェンピアノ協奏曲第2番が最後で、その前にモーツァルトピアノ協奏曲が2曲。トランペットとティンパニの無い曲を選曲していた。その時の岡原慎也指揮を見ていると「音量を絞ってピアノを消さない」棒を振っているように感じたのだが、棒が悪いのか?、リハーサルが悪いのか?、集めた奏者の技量が悪いのか? は全くわからないが、音が膨らんでいて、「ピアニストの余芸」と感じたので、その後、聴きに足を運んでいなかった。
 坂口航大のピアノと、法貴彩子のピアノも既に聴いている。どちらも素晴らしい技巧で、作曲家の意図する深部をえぐり取る素晴らしいピアニストである。だが、この日の演奏は全く予想だに出来なかった。


 
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