詩人PIKKIのひとこと日記&詩

すっかりブログを放任中だった。
詩と辛らつ日記を・・

「日本低国」

2007年04月15日 | Weblog
木の芽どきには
他の季節と違った屈折率のせいなのか
それとも
自分だけはまともだという鍍金が
剥がれやすい季節なのか

錆付いた槍が
列島のあちこちに
突き刺さったままの「日本低国」

君は
そこを左回りで
未来を目指し
君以外の家畜たちは
声もなくオロオロと
右回りで過去を目指し

ぼくはといえば
操り人形たちの
操りの糸を
裁ち切ることが無上の楽しみ

誰が 誰を操り
どこから どこまでが
仮面の人形たちの
「日本低国」人形劇場なのか

風に吹かれて

2007年04月15日 | Weblog
風のなかでは
草原のように
そよぐしかない

ときどき
風のなかに立ち尽くしては
樹々のように
振りかえることがなければ
人間など
ただの思い上がった
残虐な生き物でしかない

風のなかで生まれ
風のなかの君を愛した

風のなかへと
環リゆくもの者たちの
なにひとつ所有しない輝かしさよ
そのときこそ
微塵に散りゆく人生もまた
新しい風の
生まれる場所となる