先端技術とその周辺

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宇宙エレベーター実現へ=ロボット着陸実験成功!

2018年08月15日 23時06分33秒 | 日記

一般社団法人に「宇宙エレベーター協会」なるモノがあって、宇宙エレベータのミニ実験に成功したという。

そもそも、宇宙エレベータは、FSの世界のものであったが、米空軍の研究者JEROME PEARSONが1975年に、以下のイメージを物理的数学的に解析し実現性を説いたのがきっかけのようだ。その後カーボンナノチューブが開発され、世界中で宇宙エレベータの実験が行われるようになった。

地球を周る人工衛星は、地球の重力で下(内側)へ引っ張られている力と、遠心力で上(外側)に飛び出そうとする力が一致して釣り合っているため、高度を維持して周回し続けています。このうち赤道上の高度約3万6000㎞を周る人工衛星は、周期が地球の自転と同じで、地上に対して天の一点に静止しているように位置するため、「静止衛星」と呼ばれます。

 そこで静止衛星から、地上へ向けてケーブルを垂らすと、ケーブルを吊り下げた分、下の方がやや重くなり、このままでは徐々に地球の重力に引かれて落下してしまいます。それで、反対側にもケーブルを伸ばしてバランスをとれば、衛星は静止軌道の高度を維持して回り続けられるという寸法。地球上まで伸ばすと同時に同じ長さのケーブルを反対側に投げ出し、地球側のケーブルにエレベーターを反対のケーブルには重しをつければ、エレベータを楽に宇宙に挙げられるというわけ。

宇宙うエレベーター協会の実験は、以下の通り:::

 地上と宇宙ステーションをケーブルで結び、人や物を運ぶ「宇宙エレベーター」の実現に向けた実験が14日、福島県南相馬市の大規模試験場「ロボットテストフィールド」で行われた。

 実験は「宇宙エレベーター協会」(東京都港区)などが実施した。上空の気球からつり下げたケーブルを伝って、四つ足ロボットを載せたクライマーと呼ばれる昇降機が上昇。火星などに着陸することを想定し、上空約40メートルからロボットが飛び降り、パラシュートを開いて着地した。

 宇宙エレベーターは、ロケットに代わる大量輸送手段として期待されるが、協会によると、実際に宇宙まで行けたとしても、月や惑星に着陸するには技術的な課題が多いという。実験を通して、パラシュートや逆噴射などを使った安全な着陸方法を模索する考えだ。

 この日の実験を終え、協会の大野修一会長は「技術的な開発が追いついていないが、理論的には実現可能だ。2050年までには実現したい」と語った。

 

民間企業でも研究がおこなわれていて、建築会社の大林組も下記のような宇宙エレベーター建設構想を発表している:::::::

「2050年エレベーターで宇宙へ」大林組プロジェクトチームが2050年の完成を想定して構想をまとめたのが、「宇宙エレベーター建設構想」です。人や物資を経済的かつ大量に宇宙へ搬送するため、ロケットの代わりに建設。地球と月との距離の約10分の1の上空3.6万kmにターミナル駅、地球の海洋上に発着場を設置、総延長9.6万kmのケーブルでつないでエレベーターを運行させます。この構想が実現すれば、宇宙太陽光発電、宇宙資源の探査や活用、宇宙観光旅行など、さまざまな分野での可能性が広がっていくことでしょう。

地球上に構築する限り、建設物は自重によって壊れる限界点があります。しかし、9万6,000kmかなたの宇宙へと伸びる宇宙エレベーターは、理論的には実現可能と言われています。大林組は建設の視点から、宇宙エレベーターの持つ未来への可能性を探求しています。

 


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