ニューズウィークが、アメリカの科学者も、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が提示した21世紀を通じて温室効果ガスの排出量が増え続けるとする「RCP8.5シナリオ」が妥当とする記事を載せている。日本のマスコミは近年の異常気象は、数十年に一回起きるか起きないくらいの異常気象というが、この数年来続く、梅雨時の線状降水帯なんてのは、勝ってない現象でそれが毎年、強くなっていて、数十年間にない現象というのは間違っている。政治家が地球温暖化を無視し続けた結果で、これから、異常気象は規模が大きくなるのは明らか。どうやって災害から身を守る? その手立てはない!と思う。
地球温暖化は+4.8℃の最悪シナリオへまっしぐら?
温室効果ガスの排出量はRCP8.5とほぼ一致 Ekaterina_Simonova-iStock
<科学界でも否定的な見方があるIPCCの「最悪の想定」が短期的には最も正確な予想だと米科学者らが主張>
米科学者らは8月3日、米国科学アカデミー紀要に新たな研究報告を発表。気候変動が地球にもたらすリスクについて、国連のIPCC(気候変動に関する政府間パネル)が提示した「最悪のシナリオ」が、今後30年のリスクを最も正確に評価しているとの見解を示した。21世紀を通じて温室効果ガスの排出量が増え続けると想定するIPCCの「RCP8.5シナリオ」のことだ。
ウッズホール研究所(マサチューセッツ州)のクリストファー・シュワルム率いる研究チームが発表した報告は、温室効果ガスの排出量を(特に短期間にわたって)追跡する上で、「RCP8.5シナリオ」が重要な意味を持つ理由を説明している。
IPCCは、温室効果ガスの排出量とそれを削減するための対策について、複数のパターンに基づく気候変動の予測シナリオを提示。それが代表的濃度経路(RCP)と呼ばれるシナリオだ。このうち最も楽観的な「RCP1.9シナリオ」は、2100年までの地球の平均気温の上昇を、産業革命の前と比べて1.5℃未満に抑えることを目指す内容だった。RCP8.5シナリオは最悪のケースを想定した内容で、2100年までに地球の平均気温が2.6℃~4.8℃上昇すると見込んでいる。
否定するのは「偏った考え方」
研究チームはRCP8.5シナリオについて、最近では否定的な見方もあり、科学者の中にも「人騒がせ」で「人々を誤った方向に導く」シナリオだと指摘する声があると説明している。1月に科学誌ネイチャーに掲載された解説記事は、同シナリオについて「起こる可能性が低い最悪の想定」と捉えるべきだと主張した。ブレークスルー研究所(カリフォルニア州)の気候およびエネルギー問題担当ディレクターであるゼキ・ハウスファーザーは、当時BBCに対して、同シナリオが作成された2005年以降、状況は大きく変わっていると語っていた。「当時、現実になる可能性が10%に満たないとされた最悪の想定は、今ではきわめて可能性が低い想定だ」
だがシュワルムと同僚の科学者たちは、RCP8.5シナリオを否定することは「残念なだけでなく、偏った考え方だ」と主張する。報告書の中で彼らは、現在の二酸化炭素の累積排出量の実態とRCP8.5シナリオの誤差は1%未満だと指摘。また2050年までに気候変動によってもたらされるリスクを評価する上でも、実態やこれまでに表明されている政策と「最も合致した」正確なシナリオがRCP8.5だと説明した。
研究チームは、RCP8.5は短期的な気候を評価する上で重要なシナリオであり、「起こりそうもない事象」として否定すべきではないと主張。シュワルムは、ネイチャーの解説記事はシナリオの組み立て方法に焦点を当てた内容だが、「私たちは今ここにある現実の気候リスクを懸念している」と述べた。
気候変動に関する多くの予測モデルは、2100年の気候がどうなっているかに焦点を当てたものだ。シュワルムと同僚の科学者たちは、そこまで先に焦点を当てる考え方は必ずしも有益ではないと主張。さまざまな社会的決定を下していくためには、より短期的なアプローチの方が有益だと指摘した。
シュワルムは、2100年までにRCP8.5シナリオの想定が現実になっていることはないだろうと「用心しつつも楽観的な見方」をしていると語った。それでも、RCP8.5シナリオを否定することは間違いだと研究チームは主張する。「2005年から2020年までの合意やRCP8.5シナリオの二酸化炭素累積排出量、現在の各国の政策と同シナリオが想定する2050年までの二酸化炭素排出量予測は一致する。それを考えると、気候変動の影響やリスクを考える上で、RCP8.5シナリオが最も役に立つ。もしもRCP8.5シナリオがなかったら、私たちが同様のものを作成していただろう」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます