ドコモ、2020年1月22日に6G に関するホワイトペーパを2つ出した。
①6Gに向けた技術コンセプト ::こちらの概要はひとつ前のブログで記載。
②ホワイトペーパー5G の高度化と 6G::以下に要約してみる。5G, 6Gでは単なる通信ではなく、社会解決の解決と人間中心の価値の創造が求められていると説く。まず、10年ごとに、無線通信技術は進歩してきたと説いている。更には従来と異質な使い方、たとえばIoTなど、が行われ、装置側からデータを送信する速度や信頼性が求められると説く(図2.1)。
6Gでみんなが期待するのは、4G、5Gで、他国に後れを取ったが、その轍は踏まないで貰いたいと言う事。ところが、ドコモとあろう無線技術の最先端企業のコンセプトとしては全くの肩透かし。すでにNTT が300GHzのミリ波で実験をしているのはそのサイトで解説していて、まだ10mの通信しか出来てないと記述している。以下に100GHz以上のミリ波通信を確実に高信頼で実現するかが6G実現の要なのに、その課題解決のめどを示していない。次世代無線企画の使い方は、ドコモの問題ではない。ドコモは以下に6G wo実現化するのに、その事を一切触れていない。
以上の要請に基ずいて、10年後の無線通信方式である6Gに対する考察として、要請される要求を実現するとどうなるかを述べている。しかしながら、高速無線通信が実現されたこういう使い方が新たに考えられるだろうと言う事は、色々な人が解説しており、今更、珍しいものでもない。
6G への考察
6G に関する要求条件,ユースケース,さらには技術発展を検討するうえで,6G が導入されるであろう
2030 年代の社会や世界観について考察する.5G にて期待されたユースケースや課題解決策は 2020
年代中にかなり実現され,普及すると考えられる.それらは 2030 年代においてもさらなる発展型として
より広く深い普及が求められると考えられる.また信号処理の高速化や各種デバイスの進化等とともに
さらなる高度なサービスや複数のユースケースの融合,新たなユースケースのニーズが創出されると考えられる.
以下にいくつかの具体的な世界感を述べる.
社会課題解決
5G で期待されている多くの社会課題解決やニーズへの対応が 2020 年代中に実現されていると考え
られる.地方創生,少子高齢化,労働力不足等の社会課題に対して,高速・低遅延な通信ネットワーク
により,テレワーク,遠隔操作,遠隔医療,遠隔教育,車含む多様な機器の自律運転などの様々な解決
策が 2020 年代中に提供されることが予想される.2030 年代には,解決策のさらなる普及やより高度な
対応により,完全なる課題解決と発展が求められる.国内外のどこにいても超リアルな体感であらゆる
人,情報,物にアクセス可能となり,働く場所や時間の制約を完全に撤廃できる世界となることが期待さ
れる.これにより,地方と都市部の社会格差や文化的格差が劇的になくなり,人々の都市集中を回避し,
地方の発展が進むとともに,人々の暮らしをストレスのないより豊かなものにすることができる.
人,モノの通信
XR(VR, AR, MR)デバイス含むウェアラブルデバイスの高機能化,8K やそれを超える高精細映像や
ホログラム,触覚含む新たな五感通信等が普及し,人と人,人とモノとの通信が超リアルでリッチなもの
となる.これにより,ゲーム,スポーツ観戦,などで革新的なエンターテイメントサービスやエンタープライ
ズサービスが場所と時間の制約なく提供される.
IoT サービスの飛躍的な普及と発展により,モノの通信の需要が極めて大きくなる.高精細映像を含
む大量のデータ処理や超低遅延での機器の制御がモノ同士で行われ,人の能力をはるかに超える高
速・低遅延性能が通信に求められる
通信環境拡大
もはや通信は空気と同様あって当たり前のものとなり,かつ電力や水と同様もしくはそれ以上に重要
なライフラインとなる.ゆえにユーザは通信の設定や通信サービスエリアを意識する必要がなくなる.通
信環境は,人や物の活動領域の拡大に伴い,あらゆる場所で必要となる.高層ビル,ドローン,空飛ぶ
車,飛行機,さらには宇宙までも当たり前の活動領域となり,地上だけでなく空や宇宙までも必須の通信
エリアとなる.海上,海中までも通信エリアにするニーズが高まる.各種センサネットワークや無人工場,
無人建設現場などのニーズにより,人がいない環境での通信エリアの構築も必要となる.結果的に,地
上,空,海のあらゆる場所が通信エリアとなる.
サイバー・フィジカル融合の高度化
2020 年代にサイバー・フィジカル融合を活用した多くのサービスが創出され,あらゆる環境で実用化
されると考えられるが,2030 年代にはさらに高度なサイバー・フィジカル融合が求められるだろう.サイ
バー空間とフィジカル空間の間で大量の情報が遅延なく伝送かつ処理されることで,両空間のさらに密
な連携が実現され,究極的には両空間の隔たりのない融合が実現される.人に対しては,ウェアラブル
デバイスや人体に装着されたマイクロデバイスにより,人の思考,行動をサイバー空間がリアルタイムに
サポートすることが可能となる.車含む輸送機器,建設機械,工作機械,監視カメラ,各種センサーなど,
あらゆるモノがサイバー空間と連動し,安心安全,社会課題解決,人の豊かな暮らしをサポートする.
上記の世界感を実現するための 6G に向けた未来への技術発展のイメージを図 2-5 に示す.将来的
には,5G でも達成できないような究極の超高性能に加えて,5G の eMBB, URLLC,および多数接続
(mMTC: massive Machine Type Communication)といった 3 つのカテゴリーに収まらない新しい組み
合わせの要求条件が必要なユースケースも想定される.
3. 要求条件とユースケース
図3-1に,5G evolutionを経て,6Gで実現を目指す無線技術への要求条件を示す[3-1].これらは5G
の要求条件をさらに高めたものであることに加え,5G では考慮されていなかった新しい要求条件も加わ
り,より多岐に広がっている.さらに,5G と同様,全ての要求条件を同時に満たす必要はないが,ユース
ケースによって求められる要求条件の組み合わせについては,新しい組み合わせが必要になってくるで
あろう.以下,各要求条件について,ユースケースを挙げつつ概説する.
図 3-1. 6G で目指す無線技術への要求条件
3.1. 超高速・大容量通信
さらなる通信速度の向上,例えば 100Gbps を超える「超高速・大容量」の無線技術によって,現実の
体感品質と同等,もしくはそれを超えるような新体感サービスを実現できると考えられる.このようなサー
ビスを具現化するユーザインタフェースもメガネ型端末の進化によって,よりウェアラブルなものへと進化
していくことが予想される.このような新体感サービスは複数ユーザ間でもリアルタイムに共有され,サイ
バー空間上での仮想共体感,仮想協調作業など新たなシンクロ型アプリケーションも期待できる.また,
産業向けユースケースやサイバー・フィジカル融合などのトレンドを考慮すると,様々なリアルタイム情報
を「頭脳」であるクラウドや AI に伝送する必要があるため,前章で述べたように上りリンクの性能改善が
肝になる.
図 3-2. 超高速・大容量通信のユースケース例
3.2. 超カバレッジ拡張
現在の移動通信システムがカバーしていない空・海・宇宙などを含むあらゆる場所でのユースケース
を想定した「超カバレッジ拡張」を将来的には目指していく.これによって,さらなる人・物の活動環境の
拡大と,それによる新規産業の創出が期待できる.また,空飛ぶ車や宇宙旅行など,未来的ユースケー
スへの応用も期待できる.
図 3-3. 超カバレッジ拡張のユースケース例
3.3. 超低消費電力・低コスト化
ネットワークおよび端末デバイスの「超低消費電力・低コスト化」は,ビジネスおよび環境双方の観点
から 5G と同様に重要な要求条件である.6G のような未来に向けては,無線の信号を用いた給電技術
の発展によってデバイスが充電不要になるような世界も期待できる.
図 3-4. 超低消費電力・低コスト化のユースケース例
3.4. 超低遅延
サイバー・フィジカル融合において,AI とデバイスをつなぐ無線通信は,人間で例えると情報伝達をす
る神経に相当すると言え,リアルタイムかつインタラクティブな AI によるサービスをより高度に実現する
には,常時安定した E2E (End to End)での低遅延性が基本的な要件になると考えられる.6G に向けて,
具体的には E2E で 1ms 以下程度が目標値として考えられる.これによって例えば,ロボティクスによる
店舗無人化において,お客様の表情を見て人間のように気の利く対応するようなインタラクティブな遠隔
ロボット接客が実現できるかもしれない.
3.5. 超高信頼通信
前章で述べたようにベストエフォート型のみならず品質保証型の通信が要求されていくトレンドが 5G
evolution および 6G で想定される.産業向けユースケースの中には,遠隔制御や工場自動化など,必
要な性能を担保することが要求されるものが多くあるため,高信頼な制御情報の無線通信は重要な要
求条件であり,6G では 5G よりもさらにレベルの高い信頼性や高セキュリティの実現が期待される.さら
にロボットやドローンの普及や,空,海等への無線カバレッジの拡大に伴い,工場等の限られたエリアだ
けでなく,より広いエリアでの高信頼通信が求められる可能性もあり,様々な場面での高信頼通信の実
現も期待される.
3.6. 超多接続&センシング
ウェアラブルなユーザデバイスや,実世界の映像およびセンシング情報などを収集する超多数の IoT
デバイスが 6G の時代にはさらに普及していくものと想定され,5G の要求条件のさらに 10 倍程度(= 平
方 km 当り 1,000 万デバイス)の超多接続が想定される.また,多数の IoT デバイスをネットワークにつ
なぐというアプローチ以外に,無線通信のネットワーク自身が電波を用いて測位や物体検知など,実世
界をセンシングする機能を備えていくような進化も想定される.特に測位については 5G evolution に向
けて既に検討が進んでおり,環境によっては誤差数センチメートル以下の超高精度な測位が実現できる
ものと期待される.
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