日産は昨年発表した新型「スカイライン」に高速道路での手放し運転機能を搭載した
日産は今後発売する全新型車に簡易な自動運転機能を標準装備する。高価格車は高速道路での手放し運転、低中価格車は前方車の追従が可能になる。2023年度までに20以上の対応車を世界で投入する。簡易とはいえ全ての新車へのシステム搭載は大手では日産が初めてとみられる。次世代技術とされる自動運転が身近になりそうだ。
日産は16年から高速道路で前方車を自動追従する運転支援機能「プロパイロット」を一部車種向けに導入してきた。昨秋には新型「スカイライン」に高速道限定でハンドルから手を離して運転できる「プロパイロット2.0」を搭載。今後は来年発売の電気自動車(EV)「アリア」など高価格車には「2.0」、それ以外は「プロパイロット」を標準装備する。
23年度までに制度や高速道路などのインフラが未整備の国・地域を除き、それぞれの機能に対応した車を世界で20車種以上投入し、年150万台の販売を目指す。
日産は走行位置や周囲の車の状況を認識する画像処理で、イスラエルの自動運転技術ベンチャーのモービルアイの技術を活用し、技術開発も進めている。
業界団体は自動運転の技術を5つのレベルで区分しており、プロパイロットの技術は人が運転の主体となるレベル1と2にあたる。米アルファベット傘下のウェイモや米ウーバーテクノロジーズはレベル3以上の技術開発を進めるが、業界内での安全性が確立されていない。日産は簡易であっても普及でデータ収集や部品コストの引き下げにつながるとして標準搭載を決めた。
他社では、トヨタ自動車が追従支援などの技術を国内で売る6~7割とみられる45車種に搭載。手放し運転は年内に発売する「レクサス」の最上級セダン「LS」の新型車に初めて載せるが、有料オプション対応になる。米テスラは廉価車「モデル3」に自動追従や車線維持を担う機能を標準搭載するが、より高度な機能はオプションだ。
調査会社によると、レベル1以上の機能を持った自動運転車の世界販売台数は18年に全体の2割だが30年には8割に達する。ただ30年時点でも大半はレベル1~2の運転支援にとどまる見通しだ。
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