15日のASEANにトランプ大統領は出席せず。このすきを狙ってプーチン大統領と習主席が太平洋職区に対する積極外交を展開している。プーチン大統領も習主席も国内での指示がなくなるどころか、反対勢力が勢いを増しているという報道も多い。以下はAEAN会議後のプーチン、習主席の動向を二け機が報じていた。
【シンガポール=永井央紀、モスクワ=小川知世】シンガポールで開催中の東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議で、中国とロシアはトランプ米大統領の不在をつく形で存在感を強めた。李克強(リー・クォーチャン)首相は南シナ海問題で融和姿勢を示して懐柔を画策。ロシアはプーチン大統領が15日の東アジア首脳会議に初参加し経済協力を改めて表明する。米国はペンス副大統領を派遣した。
「南シナ海の行動規範に関する交渉を3年で完了させたい。工程表を作ろう」。李氏は14日の中国―ASEAN首脳会議の冒頭、各国に笑顔で呼びかけた。南シナ海の紛争解決ルールを定める行動規範の策定交渉は5年前に始まった。中国の抵抗で妥結のメドがついていなかっただけに驚きをもって受け止められた。
李氏は「我々の間には広範な共通利益がある。立場の違いを適切に管理する方法も見つけた」と強調。「域外国は域内国の意志を尊重してほしい」とも述べ、トランプ米政権をけん制した。中国側の発表によると、ASEAN側は「なるべく早く交渉を完了させよう」と応じた。
中国は8月にまとめた行動規範の「たたき台」に、南シナ海での軍事演習や石油探査から域外国を排除する項目を入れた。米国排除が狙いだ。ASEAN側が受け入れる可能性は低そうだが、米国の関与を弱めようとする中国の姿勢が目立つ。
中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は17~18日にパプアニューギニアで開くアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席した後、フィリピンを訪問する。ASEANの外交官の一人は「行動規範策定のASEAN側議長を務めるフィリピンを取り込む狙いだ」と警戒する。
実際、調整のため10月末にフィリピンを訪問した王毅国務委員兼外相は、南シナ海での共同資源開発を「協議する用意がある」と表明した。権益確保にこだわる中国にとって異例の融和姿勢だ。
一方、ロシアはASEAN関連首脳会議にプーチン氏が出席。14日のロシア―ASEAN首脳会議では「政治的な結びつきを強めたい」と秋波を送った。ロシア主導の経済協議体「ユーラシア経済連合」とASEANとの連携を期待。15日にはASEAN加盟10カ国に日米中ロなど域外8カ国を加えた東アジア首脳会議に初めて出席する。
ロシアは武器輸出でASEANでの影響力を強めている。ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によると、13~17年に東南アジアへの最大の武器供給元はロシアだった。南シナ海問題やテロ対策などで防衛力を強めたい東南アジアと、武器輸出を伸ばしたいロシアの利害は一致する。
ASEAN側では、外交上のバランスをとるためロシアとの関係強化に期待する声も出る。フィリピンのドゥテルテ大統領は「プーチン氏は私のヒーロー」と公言。カンボジアなど強権的な政治体制の国にとっては人権や民主主義を強調する欧米と比べ、ロシアはつきあいやすい相手にもみえる。米大統領の「不在」はASEANをめぐる大国間のパワーバランスを不安定にしかねない。
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