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半夏生のころ。

2012年07月02日 | 一行法師

         半夏生 母を偲びて 細工貼り

夏至から数えて、十一日目の七月二日が例年の「半夏生」(はんげしょう)であるが、今年は閏年で七月一日が半夏生である。

毎年は七月二日で、誕生日の前日である。

母は「さいこん貼り」と称して、障子の小さな穴や破れを、桜の花や、花びらに切り紙をして、器用に綺麗に貼っていたのを思い出す。

「さいこん貼り」とは、辞書で引いても出てこない。

どうやら、「細工貼り」のなまったものと思われる。

自分も、半夏生の昨日、三か所ほどの障子の穴を、花の模様に障子紙を切り、細工して塞いでみた。

母ほどではないが、思ったより、うまく貼れた。

別に、半夏生の日にと限ったことではないが、たまたま亡母のことを思い出し、さいこん貼りをして見たまでだ。

          片白草 ほんにお前は 半化粧

何年か前に、知人から半夏生草(はんげしょうそう)を頂いたことがある。

その後、近くの農家の生け垣の下から、覗いているのを見かけたことがある。ちょうど今頃であった。

ドクダミ科の多年草で、半夏生のころ、茎の先の方の葉が、二、三枚半分ほどが、白く色が変わる。

別名、片白草、三白草ともいう。草全体が、臭気がするので切り花にして飾れない。

淡緑色の葉なのに、半分白く化粧したようになるのでハンゲショウソウと言われたりするとも。

やはり、このころに生じる烏柄杓「カラスビシャク」(サトイモ科)も別名「半夏」。