まったく、旅なんて考えていなかった。
ただでさえ、日常の些事に追われて、時間的余裕も無く、せいぜい、手賀沼の自然の中をウォキングするのが、やっとのこと、思いもしなかった。
ある日、新聞で足立美術館の記事を見て、日本一の庭園と、横山大観の絵が多数展示されている事を知り、是非行ってみたい、じゃ行こう。
話が、まとまれば、早い。
早速、柏市のJTBに駆け込むと、ツアーに、ちょうど二人分の空きがあり、ホイホイと参加することにした。
思いがけなく、とは、こんなことだ。
昔も、黒姫高原のコスモスが綺麗だと言うと、すぐさま車を駆って、長野の善光寺をぬけて、高原へひた走りした思い出がある。
若かりし頃は、そんなこともあった。
しかし、この歳で、思いつきで行動できたのは、気持ちが若い所為だと悦にいっていた。
いざ、ツアーの参加者35人が、空港で添乗員さんの前に揃って集合してみれば、全員高齢者のペアばかり。
爺、婆、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジジ、ババ、ジバ、ジバ・・・・・・・・・・・~~
若いカップルは、一組も見られない。
せっかく、縁結びの神様である出雲大社にも、お参りするのだから、婚活の組み合わせあってもいいんじゃん。