『あざみの歌』は まだ歌えますか

泣いて、笑って、歌って介護!!そんな日常の過去の記録と
新たに今一度自らを見つめてぼちぼちと戯言なりを綴ります。

安かれわが心よ

2015年09月24日 11時05分53秒 | 日々の出来事
一月ほど前、
春に足の手術をして、ようやく杖無しで歩けるようになったカナリヤ姫からミニコンサートの知らせが届いた。
お礼のメールをすると
「あんた、出にくいのは分かってるねんけどな、今回で最後やから送るだけ送ってん。」
と、返事が来た。

若い頃からのベリーショートはすっかり銀色になって、
色白の少しエキゾチックな顔立ちにとてもよく似合っている。
姫は私よりも16歳年上で、奇しくも高校の先輩。
ずっと若い頃はとてもパンチのあるソプラノだったそうだけど
素晴らしく声が通るのだけれど、その響きがたまらなく優しい歌声しか私は知らない。
何より、言葉の一つ一つが心に染みる歌い手さんなのだ。

まぁ、普段はバリバリの大阪弁を操り、私のファーストネームを呼び捨てで呼んでくれる唯一の姫姉さま。
あかん事はあかん!とはっきり言ってくれるのに、心配りが半端ない素敵な人

出会ってから36年。鶯姫が逝ってしまった時も随分心を助けてもらったし
毎年誕生日月には忘れずにランチのお誘いをしてくれる。


ただ・・・駄目なのだ。
彼女の歌声を聴いていると、勝手に涙が溢れてしまってどうしようもなくなる。
それが分かっているので
昨日、3時間の自由時間をもらって駆けつけた会場では後ろの壁際の席に張り付いた。

そしたら・・・彼女が歌うのだ「安かれわが心を」と
私は泣いて、ぽろぽろ泣いて
頭が痛くなる程泣いて、嗚咽を漏らさないようにするのが精一杯。
時間の都合で挨拶もしないまま会場を飛び出したけど、もう・・・

姫、駄目だよ、最後なんて言っちゃぁ。

ラストコンサートは何度でもだからね。



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もう無理って思う事もあるもんだなぁ・・・ってくらい
一日中バタバタしていた、シルバーウィークも最後の素敵な締めくくりで全てリセット。

おい、お前達、母も歌ってやろう「お前らの心安かれ」とドスを利かせて唸りを入れて

そうそう、いつもと違ったのは、かぁちゃんの表情。
見慣れない顔を見ると、わざと視線を逸らす事が多いのに、今回は・・・
孫達の顔をじーっと見つめて、顔をくしゃっ!
またまた、じーっと見つめて、口をぱくりっ!
「おっ!よしよし、ばぁちゃん分かっとる。」・・・って、おめぇ

うん。そういう事にしておこう。
それって、けっこう幸せだったりするものね。
うん。それでいい
うん。それがいい




コメント
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