夜中にレースのカーテン越しにほのかに浮かび上る
白い淡い光がとても好きだった。
あぁ、今年も春が来たんだと、毎年思って来た。
それだけで、どんなに疲れていても、眠くても
心が熱くなって幸せだった。
眼下の桜が目の前の桜になり
花は少しずつまばらになって来てはいたけれど
それでも、手を伸ばせば触れる事の出来るのは
満ち足りた気分にさせてくれた。
今年に入ってすぐ、堤防の補強の為に土手の裾にコンクリートブロックが積まれ
夜中に白く浮かび上がるのが、風に揺らぐ花だけではなく
無機質な直線が加わって、興醒めも甚だしく
写真も一枚だけしか撮らなかった。
今年の桜がいつもより嬉しくなかったのはそんなちっぽけな事が原因だった。
今日、背の君のアジトに向かう時にはいつもの様にそこにあったのに
まだ新しい青い葉が強い風に吹かれているのを目にしたのに
買い物巡りして帰って来たら、無くなっていた……
隣の八重桜まで無くなっていた……
二つの新しい切り株があまりにも哀しい。
「構内の古木、老木の高木の整理伐採の件」
慌ててピロティに走って行って目にした文字。
あぁ、こんな事なら、ずっと我慢して手折らなかった事が悔やまれる。
せめてひと枝なりと頂いて置けばよかった……
窓の外の風景が一変してしまった。
これに慣れるには少し時間が必要だな……
白い淡い光がとても好きだった。
あぁ、今年も春が来たんだと、毎年思って来た。
それだけで、どんなに疲れていても、眠くても
心が熱くなって幸せだった。
眼下の桜が目の前の桜になり
花は少しずつまばらになって来てはいたけれど
それでも、手を伸ばせば触れる事の出来るのは
満ち足りた気分にさせてくれた。
今年に入ってすぐ、堤防の補強の為に土手の裾にコンクリートブロックが積まれ
夜中に白く浮かび上がるのが、風に揺らぐ花だけではなく
無機質な直線が加わって、興醒めも甚だしく
写真も一枚だけしか撮らなかった。
今年の桜がいつもより嬉しくなかったのはそんなちっぽけな事が原因だった。
今日、背の君のアジトに向かう時にはいつもの様にそこにあったのに
まだ新しい青い葉が強い風に吹かれているのを目にしたのに
買い物巡りして帰って来たら、無くなっていた……
隣の八重桜まで無くなっていた……
二つの新しい切り株があまりにも哀しい。
「構内の古木、老木の高木の整理伐採の件」
慌ててピロティに走って行って目にした文字。
あぁ、こんな事なら、ずっと我慢して手折らなかった事が悔やまれる。
せめてひと枝なりと頂いて置けばよかった……
窓の外の風景が一変してしまった。
これに慣れるには少し時間が必要だな……
桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿…とかなんとかって言葉があったけどやねぇ。
駐車場に面してる訳もないのに何故切らんとあかんかったんか
堤防を行き交う人達からの目隠しにもなってたんよねぇ。
ほんで、西陽からの日除けにもなってたんよねぇ
おかげで、夕方まぶしくて仕方ない。
まぁ、良いように考えれば
夕陽が綺麗過ぎるくらい見えて
満月の頃にはダイレクトで寝ながら見られるから良い事にしよう。
……とは、まだまだ考えられないよー
近所の人達も、何で切りはったんや!と寂しがってはるわ
慣れるまでちょっと時間が必要やわぁ。
ある日突然、そこにあった風景の一部が無くなってた時の寂しさとか
違う物が増えていてそれを避けては写せない残念さとか
切ないよねぇ
でもどうしようもないんよなぁ