国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

社会不安、保護貿易、ブロック経済化、そして戦争

2009年03月07日 | 中国
ブログ「ヤスの備忘録」がLEAP/E2020の最新レポートの要約を掲載している。4月に開催されるG20が失敗に終わると世界が地政学的秩序が流動化すると言う内容だ。具体的には、経済面では保護貿易やブロック経済化、社会面では暴動・内戦などによる社会秩序崩壊、国際面ではIMF、OECD、WTO、国連などの国際組織の解体が列挙されている。中でも、米国の経済的繁栄の終焉と混乱、暴力の爆発の指摘は重要である。田中宇氏もブログで同様の事を述べているし、地政学者の奥山真司氏も昨年の講演会で同様の指摘を行っていた。これだけ多くの分析者の分析が一致するということは、それが実現する可能性が非常に高いことを意味する。恐らく、今年夏以降の米国国内の混乱は治安維持のための米軍の国内引き上げに繋がり、米国はイラクだけでなくアフガン、欧州、韓国などから撤退することを迫られるだろう。在日米軍も海兵隊や空軍は引き上げ、小沢一郎氏の言うように第七艦隊だけが日本の経済的支援によって残留することになると思われる。これにより米軍の後ろ盾を失ったイスラエルはユダヤ人が一斉に逃げ出し滅亡、韓国も近い内に北朝鮮に併合される形で滅亡すると私は想像している。この米軍引き上げで最も危険になるのが台湾と尖閣諸島であろう。台湾・尖閣諸島の安全保障は米国の海軍力と空軍力に大きく依存しているが、米国国内の混乱によって米軍の機能が低下し、中国が侵略しようとした場合の抑止力が低下する危険性がある。無論、米国の混乱が対米輸出激減を通じて中国の国内を不安定化させ、中国も内乱・分裂に向かうシナリオも考えられるが、国民の目を外に向けるために台湾侵略を中国政府が選択する危険性もある。米国の混乱と中国の分裂の間の期間が台湾や尖閣にとって最も危険であろう。米国の混乱期に台湾や尖閣を中国から守るには日本はどうすればよいのだろうか。独自核武装とロシアとの同盟がその答えになるだろう。ロシアはかつて清国から奪った極東を奪還される危険性を感じている。中国にとって第一に奪還すべき領土は台湾であり、極東はその次の候補である。日露の軍事同盟締結に引き続いて、ロシアを日本が説得して台湾との軍事協力を実行させることで中国の野心をくじくことが可能だろう。そして、中国が分裂すれば、日本は台湾や上海を衛星国として東アジアで繁栄を続けることが出来るだろう。 . . . 本文を読む
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