国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

IHO総会での韓国の敗北:日本海呼称問題を主導したのは金泳三か?

2012年04月26日 | 韓国・北朝鮮
日本海呼称問題は結局韓国の敗北で終わった。韓国のマスコミは先送りと報道しているが、国際会議で韓国の主張が否定され日本の主張が承認された意義は大きい。 そもそも、日本海を東海と呼ぶことは韓国国民の支持は得られても周辺大国の支持を得ることは不可能であった。14億の人口を持つ中国は東シナ海を国内名称では東海と呼んでおり、日本海が東海と公式に呼ばれることになると二つの東海を巡って大混乱が起きることは確実だ。ロシアはエストニア出身のドイツ系と思われるロシア海軍提督アーダム・ヨハン・フォン・クルーゼンシュテルンが世界で初めて日本海("MER DU JAPON)という呼称を用いた経緯から賛成しないだろう。米国は一貫して日本海の呼称を変更することに反対している。日本も自国名の入った呼称を捨て去ることに賛成はしない。この周辺4大国を全て敵に回す韓国の政策は成算がないことは確実であった。唯一北朝鮮は韓国を支持しているとされるが、北朝鮮は自国内では東海ではなく東朝鮮海という呼称であり、中国人が東海と呼ぶ東シナ海との混同を避ける工夫が見られる点で賢明だ。 韓国が初めて「東海」という呼称を用いることを主張したのは1992年8月25日から9月3日までの第6回国連地名標準化会議(ニューヨークで開催)であった。当時の韓国大統領は盧泰愚であったが1993年2月24日の任期切れを控え既に政権末期で求心力を失っており、与党である民主自由党の次期大統領候補に実権が移行しつつあったと思われる。金泳三は5月19日に次期大統領候補に選出され、8月25日に盧泰愚が総裁を辞任、8月28日には金泳三が総裁に選出され盧泰愚は名誉総裁になっている。金泳三は大統領在任中の1995年に竹島に関する日本との密約を破って強硬姿勢を取るとともに離於島の海洋基地建設を決定している。日本と中国という朝鮮半島に死活的利害を有する二つの超大国を同時に敵に回すという自滅的政策を決定した金泳三こそ韓国滅亡の立役者であるというのが以前からの私の認識である。権力移行時期のために盧泰愚と金泳三のどちらが決定を下したのかはわかりにくいが、経緯から考えると東海呼称問題も金泳三が韓国を確実に滅亡させるために決定したのではないかと思われる。 . . . 本文を読む
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