国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

人余りの金融業、人手不足のコンビニ店員・建設労働者・バス運転手に見る労働市場ミスマッチの顕在化

2019年11月22日 | 日本国内
貸出先・運用先が乏しいからマイナス金利になっているという現状と、貸出先・運用先が豊富で貸し出す資金が不足していた高度成長時代の店舗網、そしてそれを支える高給与で多数の職員という金融業の置かれた状態は明らかに異常である。そして、住宅ローンや消費者金融などの定型的業務はRPAで一挙に合理化可能となる。今後金融業では大規模な失業が発生することは避けられない。 生産性のない老人を対象とする介護職は別だが、建設業・運輸業の現場の肉体労働職は日本にとって必要不可欠であり、今後賃金の大幅な引き上げが行われることだろう。そして、かつて高賃金に目がくらんで実業たる製造業ではなく虚業である金融業に就職した大卒文系事務職の人々は、一部は実業たる製造業等の事務・営業職に転職できるだろうが、その他は肉体労働への不本意な転職を強いられるだろう。若手で体力のある男性は建設業・運輸業などである程度給与を維持できるだろうが、中高年男性や女性にはそれは難しく、コンビニ店員や介護職で低賃金の生活を強いられることだろう。 製造業やサービス業などの他の職種でも事務作業の機械化が進行すると思われる。それは、経済学部・経営学部・商学部・法学部などの大学文系学部(特に首都圏、次いで他の大都市圏の有力私立大学)の凋落をも意味する。これらの大学が日本の民間企業就職で寡占状態を形成しており、そこに進学するための高額の授業料と生活費が首都圏以外に居住する高校生にとって非常に不利になっていたからである。また、これらの私立大学の高額な授業料は少子化の原因の一つであることは間違いない。更に、国際金融資本の命令で強制的に東京に集められていた大企業の本社の多くが発祥の地に戻ることだろう。これらの動きが意味するのは、東京が素晴らしいというプロパガンダの時代の終わりである。東京は首都機能や大企業本社機能の多くを失って日本の一地方都市に転落する。地価は暴落する。東京の私立大学の多くが廃校や専門学校への転換を余儀なくされる。明治維新で天皇が貴族を連れて東京に移動した時、京都は一挙に寂れた。第一次大東亜戦争で日本が敗北した時、それまで高い人気を誇った陸軍士官学校や海軍兵学校などの軍事系学校は消滅した。これから東京に起きるのはそれと同レベルの変動であることを私は予言する。 . . . 本文を読む
コメント (75)