国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

レザー・パーレビ元皇太子が亡命先の米国でイランの現体制の数ヶ月以内の崩壊を予測

2020年01月21日 | 中近東地域
「ロックフェラーの完全支配 ジオポリティックス(石油・戦争)編」の中で著者のウィリアム・イングドールは、1979年のイラン革命が中東を戦乱地域に変える(イスラムのバルカン化構想)に基づいて米英両国や英国大手石油のBP社により実行されたと主張する。同時期にアフガニスタンの親ソ連政権も恐らく西側による反乱誘発で孤立しソ連軍が介入している。イラクではサダム・フセイン大統領が就任しイラクイラン戦争が開始されている。同じ1979年には米国でスリーマイル島原発事故が発生し、それ以後米国で原発の建設が停止されているがこれも西側支配階層による人為的事故だったのだろう。これらの戦争や事故によって1979-80年には第二次石油危機が起こり石油価格が暴騰したが、これが彼らの目的だったと彼は主張する。 ホメイニ師がフランスからエールフランス機によってテヘランに送り込まれたこと、その前の反国王デモをBBCが煽っていたことからは、西側諸国が一致団結してイラン革命を推進していたことが示唆される。それは、鉄道でロンドンから送り込まれたレーニンを指導者としてウォール街などの銀行家達の支援によってロシア革命が遂行されたこととよく似ている。また、モサデク政権を含めて20世紀のイランの政変は全て米英系勢力によるクーデターであったことになる。イランコントラ事件も米英とイランが表向きは対立しつつ裏では繋がっていた証拠なのだろう。その意味で、イラン革命政権はイスラム国と類似している。 ロシアのネオ・ユーラシア主義者のアレクサンドル・ドゥーギンはその著書「地政学の基礎」の中で、ロシアが大西洋主義の覇権に対抗して提携を呼びかける諸国は、既存の国際関係を超えて、純粋に地政学的見地から検討され、その相手とは、ドイツ、イラン、そして意外にも日本の三国で、ベルリンーモスクワー東京、およびモスクワーテヘラン枢軸が、ネオ・ユーラシア主義の外交戦略であるという。 明治維新により米英に事実上乗っ取られた日本政府の中でロシアとの協力を目指す勢力が密かに生き残って活動しているのと同様に、西側によって実行されたイラン革命の後もロシアとの協力を目指す勢力がイランの中に密かに生き残って活動しているのだと思われる。 . . . 本文を読む
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