国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

サルコジ候補の有力化とコソボ問題:近未来の欧州によるコンスタンチノープル奪還の可能性

2007年03月13日 | トルコ系民族地域及びモンゴル
●<07仏大統領選> ドビルパン首相、サルコジ氏支持表明 - フランス AFP  2007年 03月 12日

ドミニク・ドビルパン首相は12日、次期大統領選で、一時期は保守系「国民運動連合(UMP)」の公認候補争いで自身のライバルと目していたニコラ・サルコジ内相を、全面的に支持することを公けに表明した。出演した「ヨーロッパ1ラジオの番組の中で同首相は、「われわれの政治的血統の理念を守るため、今日、わたしはニコラジ・サルコジとともにある。フランス国民にとって、(自身の表明が)可能な限り明確な選択肢を示すことを願う」と述べた。

 前日のジャック・シラク大統領による不出馬表明および政界からの引退発表について触れ、右派勢力を主導するシラク大統領の後継者としてサルコジ氏を支持することが、同首相の「責務」と語った。「われわれは同じ内閣でともに歩んできた。大統領選でも、ともにあるだろう」

 UMP党首であるサルコジ内相は、仏社会党公認候補のセゴレーヌ・ロワイヤル氏、中道派「フランス民主連合(UDF)」候補フランソワ・バイル議長と3人で、大統領選の先頭を争っている。





ニコラ・サルコジ - Wikipedia

ニコラ・ポール・ステファヌ・サルコジ・ド・ナジ=ボクサ(1955年1月28日 - )は、フランスの政治家。共和国連合出身。2002年5月、ラファラン内閣において内務・治安・地方自治相に就任、2004年11月29日、国民運動連合党首選挙で85%の得票率で党首に選出され、2005年5月31日より内務大臣(ド・ビルパン内閣)。パリ出身。父方はハンガリーの下級貴族の家系。母方はギリシア系ユダヤ人で、祖父の代にカトリックへ改宗している。保守強硬派で不法移民に対して厳しい。兄のギローム・サルコジはフランス経団連(MEDEF)の副会長。2007年のフランス大統領選挙の有力候補。

強気な姿勢は国民からも一定の人気がある。治安が安定しない移民の人々が数多く暮らしている地域を視察し、彼等を「社会のくず」呼ばわりした事は大きな波紋を呼んだ。こうした発言はフランス各地で起こった若者達による暴動激化の一因だとされている。しかし彼はそれでもその姿勢を崩さず、批判を浴びてもそれを物ともしないばかりか、逆にますます過激な強硬発言を増やしている。その為、暴動を起こしている若者達、また彼らを心情的に支持する層からは憎悪の対象となっているが、自らも移民2世であり、「私は移民反対のジャン=マリー・ルペン(国民戦線)党首とは違う。この国には優秀な移民が必要だ」と主張している。











コソボ独立調停打ち切り、安保理で来月協議へ 2007年3月11日 読売新聞

セルビア・コソボ自治州の実質的な独立を勧告するアハティサーリ国連事務総長特使の仲介案をめぐり、セルビア、自治州政府双方の首脳が10日、ウィーンで最後の交渉に臨んだが、歩み寄りのないまま終了した。アハティサーリ特使は、「交渉は尽くされた」と述べ、月内に仲介案を国連安全保障理事会に提出する考えを表明した。コソボ問題は今後、安保理に舞台を移す。

 交渉で、多数派アルバニア系住民を代表する自治州政府のセイディウ大統領は、「今こそコソボが主権国家として独立を認められる時だ」と満足感を示したが、セルビアのタディッチ大統領は、仲介案は「根本的に受け入れられない」と主張した。特使が先月初めに提示した仲介案は、「独立」への直接的言及を避けつつ、国連の暫定統治下にある自治州に独立国家と同等の法的地位を与えている。自治州は憲法制定、国際条約締結、国際機関加盟、独自の国歌・国旗を持つことが可能となる。一方で、少数派セルビア系住民の権利が損なわれないよう、欧州連合(EU)主導の国際機構が当面、行政運営を監督することも規定している。仲介案は、昨年2月以来15回に及んだ直接交渉で、自治の枠内での解決を主張するセルビアと、完全独立以外の選択肢を排除する自治州の溝が埋まらなかったことから提示された。特使は、仲介案の修正にも応じる方針を示し、ウィーンで先月下旬、双方の実務レベル代表を招き調整したが、進展はなかった。

 現行の暫定自治の枠組みを定めた1999年6月採択の安保理決議は、セルビアが自治州に主権を有することを認めており、自治州が独立するには、新決議が必要となる。欧米諸国は自治州独立に賛成しているが、セルビアと緊密なロシアは、セルビアの同意がないまま独立を認める決議に反対している。安保理協議では拒否権を持つロシアの動向が焦点となる。







コソボの即時独立求める アルバニア系、数千人がデモ  2007/03/04  産経新聞

 AP通信によると、セルビア・コソボ自治州の州都プリシュティナで3日、国際社会の監督下で同州に事実上の独立を認める国連仲介案に反対し、即時完全独立を求めるアルバニア系青年グループを中心とした数千人のデモが行われた。

 先月10日に同じグループが組織したデモでは、警官隊と衝突した参加者側に死者2人が出たが、今回は整然と行われ、けが人などはなかった。

 一昨年から始まった国連の仲介による同州の最終地位をめぐる交渉は最終局面に入っているが、独立を認めないセルビアとコソボ側の溝は埋まっていない。







米のアルメニア人虐殺非難決議案は、ギリシャ人とアルメニア人が支配階層だった東ローマ帝国の再興が目的?

Unknown (面白い発想だが)  2007-03-12 23:03:28


今回は、東ローマ帝国再建と新レコンキスタ(国土回復運動)ですか。またまたスケールの大きな話です。

管理人氏の読み通り、トルコのEU加盟でこのアルメニア人の問題は、フランスが突如この話を持ち出したことからして、独仏の本音では、トルコのヨーロッパ世界からの放逐を狙っていることは間違いないでしょう。確かに、この点で人工国家であるイラクのフセイン政権を打倒することは必要な条件となります。イランの政権を倒すことは必ずしも必要ではない。現在の状況をうまく説明できています。

しかし、現在のトルコは内戦のような状態にないので、こういった状況を出現させるには、「戦争」が必要でしょうか。またその戦後において、対ロシア戦略のもっとも重要な場所ともいうべき、ボスポラス海峡と小アジアをどう安定させるのかということも問題です。これはロシア側から見ても同じです。

トルコはクルド独立国家の建設には軍事行動を起こすと宣言しているはずなので、やはり、米国とトルコが対立するというのがありふれていますが考えやすい。その後独仏露が仲介という形が望ましいでしょう。イラク領にクルド国家ができると、現在のトルコは常に緊張を強いられるので、長い目でみるとこれは崩壊への第一歩となるはずです。

問題はこのシナリオ描いているのは誰かということです。ただ陰謀は単純ではなく、複数の勢力がお互い影響しながらシナリオを練っているようにも見えますが。

また、民族的に言えば、同じイスラム教徒といっても中東のイランやサウジアラビアは関係は薄く、かつてのロシア、ソ連領だった中央アジアのイスラム国や現在中国領となっている、ウイグル自治区などがが民族的には近いです。トルコが崩壊した場合にこういった国が難民の受け入れ先となるかもしれません。必ず政治的な動揺がユーラシア大陸中心部から東へ波及していくはずです。









【私のコメント】フランスのドビルパン首相がサルコジ氏支持を表明したことで、次期フランス大統領にサルコジ氏が就任することが濃厚になった様に思われる。サルコジ氏はハンガリー下級貴族出身の移民二世で、母方はカトリックに改宗したギリシャ系ユダヤ人という異色の経歴である。一方のドビルパン氏は生粋のフランス人で名前から分かるように貴族出身、しかもエリート養成学校のENA卒業生でもある。次期フランス政権はサルコジ大統領、ドビルパン首相という組み合わせになると思われるが、真に権力を握るのは恐らくドビルパン氏であり、サルコジ氏はドビルパン氏を含むフランスの支配階層の操り人形になるのではないかと想像する。

次期フランス政権では、イスラム移民等によって「フランスらしさ」が失われつつある現状からの揺り戻しが大きなテーマになると想像される。これは、ロシアを含めた全欧州的な運動になることだろう。そして、イスラム教徒を中心とする欧州に同化しようとしない人々を一挙に欧州から追放することになるだろう。アジア系民族であるハンガリー人や異教徒のユダヤ人の血を引きながらカトリック教徒でフランス文化に同化したサルコジは、「フランスに同化しない移民」を追放する運動の指導者として申し分ない経歴である。東欧やアルメニアなどから多くの移民を伝統的に受け入れてきたフランスは、「移民追放」を叫ぶ事に罪悪感があり、サルコジはその経歴故にフランス人から罪悪感を解消してくれるのだ。

なお、最近の欧州ではイスラム教徒だけでなく、中国人や東南アジア人・インド人・アフリカ人の移民も多くなっている。欧州人は心の中では彼らを快く思っておらず、「欧州に同化しない人々の追放運動」の一環として踏み絵を踏ませて、好ましい一部の人々以外を追放することを狙っているのではないかと想像する。前回のフランス大統領選挙で決選投票に進んだルペン候補はフランス人の本音を代弁しているのであろう。

アルメニア人虐殺問題、クルド人迫害問題、米国のイラク攻撃によるイラク北部のクルド人地域の半独立国化、キプロス問題などで現在トルコは苦境に立たされている。これらの動きは、オスマントルコの占領によりバルカン半島に拡がったイスラム教の勢力を弱体化させるとともにトルコの影響力を欧州から一掃することを狙う独仏露などの欧州大陸諸国の陰謀ではないかと想像する。欧州大陸諸国は決してクルド人に同情している訳ではないし、同じキリスト教徒という親近感はあってもアルメニアがトルコ北東部の領土を回復することを強く支持している訳でもないだろう。欧州大陸諸国の真の狙いは、コンスタンチノープルという長い歴史を持つ欧州の大都市や地政学的に重要なボスポラス海峡を異民族・異教徒のトルコが占領していること、アルバニアやボスニアにイスラム教徒が大きな勢力を有していることが許せないのだと想像する。それ故に、「面白い発想だが」氏の言うとおりにトルコやアルバニアを追いつめて対外戦争を仕掛けさせ、敗北させて領土を奪う戦略ではないだろうか。

トルコを追いつめる戦略としては、以下の様な順序が考えられる。

1.イラクを三分割してスンニ派地区はシリアやサウジに、シーア派地区はイランに、クルド人地区は独立国にする。この際、クルド人地区に大油田をもつキルクークを含めることができれば、クルド人国家は一挙に裕福となり、トルコ南東部に多数居住するクルド人の中に新クルド国家への統合を目指す動きが出てくることは避けられない。イランとサウジ・シリアは自国の領土拡大・人口拡大による大国化という利益を約束されることと引き替えにクルド人国家成立に賛成すると思われる。これで、米軍+イラン・クルド人国家・シリア・サウジvsトルコというトルコにとって不利な状況が完成し、挑発に乗せられたトルコが欧米やイラン・サウジ・シリアに支援されたクルド人国家と先端を開くことになる。米軍主導のクルド人国家建設にトルコが反対することで、トルコは事実上NATOから脱退することになるだろう。

2.コンスタンチノープルを欧州が奪還するには、近接するブルガリアとギリシャがトルコに対して戦争を仕掛けることが必要になると思われる。ブルガリアには人口の約10%のトルコ系住民が存在しており、彼らに対する何らかの迫害が引き金になることが考えられる。ギリシャとトルコの間の戦争については、キプロス問題が引き金になりうるだろう。NATOに加盟するブルガリア・ギリシャとの戦争という事態になれば、事実上NATO全体を敵に回すことになる(実際にはNATO諸国の多くは表向き中立で裏で反トルコ勢力を支援するだろう)。

3.更に、トルコ人と戦う汚れ仕事を積極的に引き受ける人々が必要である。私は、セルビア人がこの役目を割り当てられているのではないかと想像する。セルビアはかつてボスニアの戦争でNATOの攻撃を受けた経験があり、現在はセルビア人の故郷であるコソボがイスラム教徒のアルバニア系住民に占拠されて奪われつつあると言う現状に不満が鬱積している。この不満がまずはコソボに向けられ、その次にはトルコに向けられるのではないかと想像する。独仏露などの大国は直接トルコを攻撃するのは名誉に関わるので、セルビアに鉄砲玉の役割をさせるのだ。セルビアがギリシャ・ブルガリア陣営に加わってトルコに宣戦布告するか、あるいはセルビア人義勇兵がトルコ攻撃軍に参加することになると想像する。

4.アルメニア人虐殺問題も同時期に欧州諸国によって国際問題化され、トルコは国際的に窮地に追い込まれる。場合によっては、ロシアが背後で支援するアルメニアがトルコに宣戦布告し、トルコ北東部の領土を奪うことがあるかもしれない。イスラム系少数民族問題を抱える一方で現在はロシアとも対立するグルジア、トルコ系民族でアルメニアと激しく対立する一方イランと同様シーア派が多いアゼルバイジャンの動向は不確定要因である。両国を味方、あるいは好意的中立に引き込めなければトルコの敗北は確定的であろう。

5.欧州諸国では、反イスラムの世論が支配的となり、イスラム教徒に対してトルコと欧州のいずれを支持するのかと言う踏み絵が迫られる。この雰囲気の中で多くのイスラム教徒が自発的、あるいは強制的に欧州を去ることになる。イスラム移民が去った後は東欧からの移民がその穴を埋めることになるだろう。欧州に在住することを強く望むイスラム教徒やインド人・アジア人などは、欧州への忠誠の誓いとしてトルコ攻撃軍に志願することを要求され、最前線に送られて多数の死者を出すことになるかもしれない(これは第二次大戦中の日系米国人部隊や、現在の米国のイラク攻撃軍の中の永住権取得希望者の存在と似ている)。

6.トルコが周辺国との戦争に敗北した後、コンスタンチノープルを欧州側に割譲させる大義名分が必要である。クルド人迫害、アルメニア人虐殺はコンスタンチノープル割譲の根拠にはならない。そこで、「かつての東ローマ帝国の支配民族であり、オスマントルコ時代もこの地域に多数居住していたギリシャ人・アルメニア商人達に領土を返還せよ」という主張を出すしかないだろう。しかし、五世紀以上前に滅亡した東ローマ帝国を引き合いに出すには、何か前例が必要である。そこで考えられるのが、現在ロシアやポーランドが支配している旧プロイセン地域とパレスチナ問題である。

約千年前はドイツ人は旧東独地域にはほとんど居住していなかった。旧東独からプロイセン、バルト三国地域へのドイツ人入植は「東方への衝動」とも呼ばれる中世以後の移民によるものである。従って、第二次大戦後のドイツ東方国境の移動はポーランドの領土奪還的な意味合いもあり、必ずしも正当性がないとは言えないのだ。ここで、もしドイツが「シレジアや西プロイセンは数百年前にはポーランドの領土であった地域であり、近世のドイツ領土化は侵略的側面があったことは否定できないのでこれを放棄する」と宣言し、ロシアも「東プロイセンはかつて一度もロシア人が居住したことのない地域であり、ロシアに領有の正当性はないのでドイツ(あるいは欧州)に返還し、ロシア人住民は全員本土に引き取る」と宣言するならば、モンゴル高原を故郷としておりコンスタンチノープルを領有する歴史的正当性を持たないトルコは窮地に追いやられるだろう。ロシアとドイツは国際平和のために自国の領土の一部を放棄した名誉ある国家として、新たな世界秩序の中で中核的地位を占めることになる。

また、イスラエルを建国したアシュケナジーも東欧地域出身であることを告白し、イスラエルを去る(行き先はロシアからドイツに返還される東プロイセンなどが考えやすい)ことも考えられる。後に残されるスファラディはイスラエル地域を故郷とするアラブ系の生活風習を持つ人々であり、帰還したパレスチナ人と共にイスラエルに住むことの正当性は十分ある。

このように、侵略による領土拡大を反省しそれを積極的に放棄し住民を引き取るという動きをドイツ・ロシア・イスラエルのアシュケナジーなどが示すことで、トルコにコンスタンチノープル及びその周辺領域を返還する様圧力をかけることは可能であると思われる。ただし、彼らはトルコの完全な滅亡は望んでいないだろう。むしろ、トルコがサウジアラビア・シリアなどのアラブ国家やイランなどとの間の緩衝国家として機能することは欧州にとっても、アラブ国家やイランにとっても好ましいのだ。更に、トルコを共通の敵とすることで欧州はイラン・アラブ国家と友好関係を持つ事もできる。

7.上記のトルコを追いつめる動きの中で注目されるのは、グルジアや旧ソ連圏トルコ系国家の動向である。彼らはソ連崩壊後「西側先進国」的な尊大さをトルコに感じており、決してトルコと友好的ではないという説もあるが、同民族の絆をトルコが叫んだ場合に事態がどう動くかは不確定要因であろう。また、最終的にトルコの西部国境がどこになるかも注目される。欧州側としては、コンスタンチノープルの対岸の小アジア地域の一部まで含めた、セーブル条約の海峡国際管理地域全体の奪還を狙っているのではないかと想像する。もし、ボスポラス・ダーダルネス海峡が欧州とトルコの国境になるならば、コンスタンチノープルは安全保障上不安定な状況に置かれ、その商業都市としての繁栄が取り戻されることはなくなるだろう。







【3月21日追記】 
●サルコジ氏「アイデンティティー省」提唱 「愛国心」「移民」争点に 仏大統領選 2007/03/21 西日本新聞

4月22日が第1回投票のフランス大統領選は19日、12人が正式候補として確定、本格選挙戦に突入した。世論調査では与党・国民運動連合(UMP)党首のサルコジ内相、社会党(PS)のロワイヤル元家庭担当相、フランス民主連合(UDF)のバイル議長の「3強」を、極右党・国民戦線(FN)のルペン党首が追う形。支持率トップのサルコジ氏が「移民・国家アイデンティティー省」の創設を提唱したことから、移民問題や愛国心が最大の焦点として浮上している。

 フランスでは2005年10月末から約3週間にわたり、シテと呼ばれる都市郊外の低所得者用団地に住む移民系若者らによる車両放火などの暴動が続いた。サルコジ氏の強力な治安対策で沈静化したが、同氏が若者らに向かって「ラカイユ(人間のくず)」と発言したことも、暴動を拡大化させた要因だった。

 「移民・国家アイデンティティー省」が具体的にどのような内容になるのか、サルコジ氏は明らかにしていない。ただ、18日、パリで開かれた若者対象の集会では「国民はフランスを愛さなければならない。文化の違いや失業を理由にしてシテに引きこもることは共和国を否定することだ」と発言。フランス人が共通の文化やアイデンティティーを形成することを目指すと主張した。

 これに対し、ロワイヤル氏の夫でPS第一書記のオランド氏は「サルコジ氏は移民排斥を掲げるFNの主張に極めて近づいている」と批判。ロワイヤル氏自身も「文化の多様性こそがフランスの未来だ」と主張した。また、人種差別に反対する市民団体「SOSラシズム」なども「ゲットー化や就職差別に悩むシテの若者をさらに苦しい立場に追い込む」と、厳しく非難している。

 しかし、保守系紙フィガロが掲載した世論調査では、55%が「国家アイデンティティー省」構想に賛成している。移民問題に対して一般市民が抱く漠然とした不安を、サルコジ氏が自身への支持へと上手に結び付けていることをうかがわせる。

 ただ、1部のシテではサルコジ氏への反発が強く、同氏は選挙キャンペーンで足を踏み入れていない。バイル氏は「国の中に内相が足を踏み入れることができない地域があっていいのか」と、疑問を呈している。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/world/20070321/20070321_002.shtml



●シラク大統領、サルコジ氏支持を表明  2007年3月21日 読売新聞

フランスのジャック・シラク大統領(74)は21日、テレビで演説し、4月22日に第1回投票が行われる仏大統領選に向けて、保守与党・民衆運動連合(UMP)の大統領候補であるニコラ・サルコジ内相(52)を支持する方針を表明した。サルコジ氏は、UMP創設者でもある同大統領の支持を得たことで、より有利な選挙戦を展開できそうだ。

 シラク大統領は、エリゼ宮(大統領府)からの演説で、UMPが自らの大統領候補のサルコジ氏を全面的に支援していく体制を構築する必要性を強調、「私が彼(サルコジ氏)を支持するのは当然なこと」と述べた。同大統領はまた、サルコジ氏が26日に内相を辞任することも明らかにした。
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070321id23.htm

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4 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-03-14 23:08:02
ヨーロッパ連合は、
トルコ-グルジア-アゼルバイジャン-カザフ-中国へ
と言うロシアを通らないルートを開拓している
とグルジアの大統領は発言しています。

ユーラシア大陸の覇権をみすみすロシアだけに
執らせる気はないのでしょう。

ハートランドの主導権はアメリカ・中国・ロシア
だけに執らせない
ドイツの固い決意が見てとれる。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-03-15 01:38:36
>トルコ-グルジア-アゼルバイジャン-カザフ-中国

さぞかしイラン北部が欲しい事でしょうね
返信する
Unknown (Unknown)
2007-03-16 21:08:09
イラン攻撃派   共和党、スンニ派アラブ、イスラエル、ロシア

反イラン攻撃派  中国、韓国、北朝鮮、アメリカ民主党、フランス

日本の言論界もマネールートにより二つの派閥に分裂するかしら。

「訪日を氷溶かす旅に」温首相、対日関係発展へ意欲
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20070316i112.htm?from=main1

仏国防相:中国との対話促進がアジアの安定化に
 【パリ福井聡】フランスのアリヨマリ国防相は15~16日の訪日を
前に毎日新聞の書面インタビューに答え、防衛協力を巡る日本との対話
の重要性を強調する一方、「中国との対話促進がアジアの安定化につな
がる」として、欧州連合(EU)による対中武器輸出禁止の解除が必要
だと訴えた。また、日本の防衛省が欧州製軍事ヘリコプター導入に関心
を示していることを明らかにした。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070314k0000m030131000c.html

イラン核:安保理の追加制裁決議案を批判 外交顧問
 イラン最高指導者ハメネイ師の外交顧問、ベラヤティ氏は15日、
イラン核開発問題で国連安保理常任理事国(米英仏中露)5カ国と
ドイツが合意した追加制裁決議案を巡り「いかなる決議案の採択も
恥知らずで不法な措置だ」と批判した。国営イラン通信が伝えた。
【テヘラン支局】
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070317k0000m030065000c.html


仏国防相:イラン核問題は「外交圧力で解決を」
 来日中のフランスのアリヨマリ国防相は16日、東京都内の日本
記者クラブで会見し、イランの核問題について「国際社会の一致団
結した外交圧力で解決していかねばならない」と強調した。
 同国防相は「外交圧力の他は軍事介入しかなく、大きなリスクを
伴う。国際社会は、説得できるよう団結し、解決に向けた妥協点を
みつけ、行動していかねばならない」と話した。アメリカとイスラ
エルによる60日以内の空爆作戦に対しての発言と見られる。
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/news/20070317k0000m030043000c.html

Lindsey Williamsの時事通信より

さらには、OPECが最近、これまで米ドルを公式通貨としていたものを、
他国の通貨も使えるように変更すると述べた。といったこともある。
他国通貨の受け入れを可能にし、米ドルでの石油取引を限定する決定をした。

2007年3月21日は、その最も重要な日である。
イランは米ドルの使用を禁止し、その日以降イラン国内で使った者は刑務
所に入れられる。このような決定をした国は世界初であり、不吉な悪評を
浴びている。
http://gooyan.blog92.fc2.com/index.php?q=%A5%A4%A5%E9%A5%F3

返信する
ここは重要な要衝地ですね (パルタ)
2011-07-12 11:24:26
ビザンツとハザールはベネチアの勢力圏でした。
コンスタンチノープルをトルコに奪われたのはベネチアにとっては痛恨だったと思います。
これで黒海貿易は出来なくなり、西地中海に目を向けるしかなくなった。
ベネチアが繁栄を続けるにはジェノバを滅ぼすか、ジェノバと同盟を組むしかない。
スラブ人はコンスタンチノープルを通過しないと地中海には出られません。
この地を欧米が押さえればロシアに睨みを利かせる事が出来ます。
セルビアは直接トルコに接してないので、ギリシャかアルメニア以外にトルコと戦争は出来ないでしょう。
ギリシャ民族主義者には申し訳ないが、米帝としてはここはギリシャ人ではなく
米軍・NATO軍が直接支配したい所です。
海賊が出没するマラッカ海峡(マレーとアチェーの間)やアデン湾(ソマリアとイエメンの間)に匹敵するほど世界支配に重要だと思いますので。
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