国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

NATO+ロシア+日本、つまりG8による世界支配の確立

2010年11月22日 | 米国
●皆さんとディスカッション(続x1020) 太田述正コラム#4387(2010.11.20)

本日は、珍しくもロシアの話から。 全NATO加盟国をカバーするミサイル防衛網の整備が決まり、これにロシアも招待されることになった。 日本は、いつまで国後択捉にこだわって、欧米諸国によるロシア宥和政策に背を向け続けるのかね。↓

 ・・・The missile defense system approved on Friday is different from the fixed-missile defense that President George W. Bush initiated and that proved controversial. The idea is to have a phased system of mobile radars and anti--missile missiles, like the Patriot system, that would be less expensive than the Bush system. The NATO spokesman・・・said the nearly $1.5 billion cost could be managed over 10 years.・・・
 Russia will be formally invited to participate in the missile defense system, especially with intelligence and radar sharing.・・・
http://www.nytimes.com/2010/11/20/world/europe/20prexy.html?pagewanted=print
http://blog.ohtan.net/archives/52041898.html




●NATOSource: NATO Missile Defense System Dependent on U.S.-Japanese Cooperation April 22, 2010

Army Lieutenant General Patrick O'Reilly said on Wednesday he had held several high-level program reviews with Japanese government officials since the Democratic Party of Japan's victory in the Aug. 30, 2009, elections for the legislature's lower house.

"They have indicated that they are in full support and their commitments are solid," he told the Senate Appropriations Defense subcommittee, referring to a Standard Missile-3 upgrade program in its fifth year of development.

Published reports from Japan have said the coalition government of Prime Minister Yukio Hatoyama that took power in September plans to reduce overall missile-defense spending.

Japan has spent just over $1 billion to help build a more capable SM-3 version, said Richard Lehner, a Missile Defense Agency spokesman. It is being co-developed with Waltham, Massachusetts-based Raytheon Co (RTN.N), the world's biggest missile maker.

The new version, dubbed SM-3 Block IIA, is key to U.S. plans to be able to defend all of NATO's European territory from a perceived Iranian ballistic-missile threat as soon as about 2018. ...

By 2015, the Obama administration plans to buy 436 early-generation SM-3 interceptors and 431 Lockheed-built Terminal High Altitude Area Defense systems, the building blocks of regional antimissile shields. It also plans to have 38 ballistic-missile-defense ships available. (graphic: Missile Defense Agency)
http://www.natosource.com/2010/04/nato-missile-defense-system-dependent.html





●MADE IN CHINA終了のお知らせ
http://www.h6.dion.ne.jp/~ct-labo/china%20life/77th.html






【私のコメント】
北米と欧州をカバーする北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛網にロシアが招待されることになった。そして、このミサイル防衛網には日本も全面的に協力している。NATO+ロシア+日本、つまりG8によるミサイル防衛システムが動き出したことになる。

ミサイルという飛び道具は銃弾のようなもので、防衛することが難しいが、高性能の防弾チョッキを共同開発しようということだ。なぜG8がミサイルを恐れているかというと、途上国やテロ集団がミサイルでG8諸国を脅迫する可能性があるからだ。G8諸国は先進国集団であり(ロシアだけは微妙だが、その広大な領土と資源は先進国にとって必要不可欠だ)、それ故に脅迫にあう可能性が高い。防犯装置が必要なのは金持ちだけなのだ。

中国やインドに代表される新興国は不安定要因を抱えている。中国経済は今がピークという見方もある。田中宇氏はG8からG20に世界支配権が移ったと主張しているが、私の意見は異なる。世界支配権は依然としてG8にあり、少なくとも今後20-30年はその状態か続くだろう。G8諸国は北極圏や流氷域に近接した北半球の中高緯度に集中しており、環北極圏同盟という見方もできるだろう。





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11 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-11-22 11:34:45
フランスから揚陸艦を購入することやパイプラインで旧敵国の西側諸国へガスも売ってますし経済的にも軍事的にも良好な関係が成り立っている事が極東へ注力しやすい環境が整っているようです。

北方領土を4島一括にしたのはアメリカの差し金だと思います、構成員がほとんど朝鮮人の右翼が北方4島返還を主張することからして怪しいです。

そうだとしてもロシアが返還に応じないのはいずれ北海道を狙っているからでしょうか。
ロシアにとってアメリカの差し金を唯々諾々と承知し返還するというのは考えてみればあり得ないことですし。

今ロシアは石油も高く売れプーチンの支持率も高く国内基盤も安定、チェチェン問題も下火、西方関係も良好ですので現在の日本の状況とは真逆、譲歩など必要なし、我が国はしばらくは防戦一方もやむなしですな。

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Unknown (もんたろう)
2010-11-22 16:26:42
いずれ北の先進国よりも南の海洋国家が経済の中心に成るでしょうけど、やはり20年30年後でしょうね。田中宇さんは、中国が超大国に成るとかおっしゃっていますが、どう見てもそうは思えません。しかし、中国が経済発展した事は日本にとっては良かったですね。もし日本だけが有色人種の中で経済発展した国だったら、今回の大戦のターゲットは日本だったかもしれない。今の中国の発展は全て日本のおかげですが、中韓を発展させたのは正にこの時の為だったんでしょうね。
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Unknown (もんたろう)
2010-11-22 16:47:50
だとすると、小泉は今回の恐慌で、必ずどこかにいちゃもん付けて戦争ふっかけるアメリカから日本を守る為に媚びたのかもしれないですね。あの時にアメリカに抵抗していたら、今回のアメリカの景気回復戦争のターゲットは日本を含めた東アジアだったのかもしれないですね。
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Unknownさんへ (princeofwales1941)
2010-11-22 17:13:09
>そうだとしてもロシアが返還に応じないのはいずれ北海道を狙っているからでしょうか。ロシアにとってアメリカの差し金を唯々諾々と承知し返還するというのは考えてみればあり得ないことですし。


ロシアは北海道は狙っていないと思います。人口も減ってますし、拡張主義ではなく、現在の領土を維持することに汲々としている状態でしょう。

あと、もしロシアが日本に四島を返還すると言い出せば、日本とロシアの関係改善を快く思わないアメリカが横やりを入れて恫喝してくることは必至です。従って、日本側から、ロシアに対して北方領土問題解決を先延ばしにするように頼んでいるのではないかと思います。

ただ、今回の記事で触れたように、NATOに代わってG8が世界覇権を握る軍事同盟として機能しはじめています。従って、G8内部の軋轢を回避するために、米国が日本に対して北方領土問題の解決を許可する可能性も出てくると思われます。

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Unknown (Unknown)
2010-11-22 18:27:06
1コメのunkwonです

>日本側から、ロシアに対して北方領土問題解決を先延ばしにするように頼んでいるのではないかと思います。

ロシア担当者の心理としたら領土問題を解決しようとしたらアメリカから横やりが入る、左遷される、ムネオのように消される事がわかっているのででもし返還というロシア側の好意があったとしてもサボタージュもしくはいい加減な態度でごまかすはぐらかす等散々ロシア側を弄んできたのかもしれません。
そんな態度ならロシア側も真剣に取りあう訳ないですわな。

ロシアの西側へは長大なパイプラインがのびており極東でもパイプラインが作られまた港から原油その他の積み出しも行われるというユーラシアの東西でロシア資源が川の流れのように染み出ている様に見えます。
ロシアの戦略でしょうか。


アメリカが東アジアから撤退すると沖縄は中国に、北海道はロシアに取られるという最悪のシナリオも考えましたがもし強大な敵アメリカがいなくなればアメリカと言う存在によりくっついていた中ロ関係が敵対に向かうことも考えられます。
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アメリカ撤退後 (読書貧乏)
2010-11-23 01:14:51
やはりアメリカがいなくなれば、
尖閣、沖縄は中国に盗られると考えるのは安易なのでは。

アメリカがいなくなれば、凶暴な大日本帝国が
再び復活することになるのですからね。
日米安保は日本の首をつなぐ鎖でもあります。

幕末、維新でロシア恐怖症はありましたが、
支那恐怖症は聞いたことがありません。
いくら弱くても不思議なことです。

小室直樹先生が言っていたように
日中関係は日米関係なのでした。
アメリカという後ろ盾をなくして困るのは
支那の方じゃないのですかね。
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読書貧乏さんへ (princeofwales1941)
2010-11-23 03:18:08
>幕末、維新でロシア恐怖症はありましたが、支那恐怖症は聞いたことがありません。いくら弱くても不思議なことです。


日清戦争前の明治日本は清の海軍力をかなり恐れていました。長崎事件はその典型です。また、尖閣諸島に清の支配が及んでいないことを確認してからも日清戦争で日本の海軍力の優位が確立するまでは尖閣諸島の日本領有を宣言しなかったことも、清を刺激することを恐れていたことを反映していると思います。

現在の中国は、西洋の科学技術を取り入れて強大化しています。また、かつての大陸指向から海洋指向に変化しています。アメリカが弱体化すれば中国が今後尖閣・沖縄を取りに来ることは十分考えられます。日本の対策としては、在日米軍への支援拡大、独自の軍事力開発、中国の内乱誘発といったところでしょうか。
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Unknown (ウタリ)
2010-11-23 11:35:29
その内乱誘発の材料としての尖閣問題とゆう訳か。
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Unknown (Unknown)
2010-11-23 17:31:56
>>鳩山内閣が出現したらいよいよその時が近づいた時であると、昭和十八年一月に警告されている。

首相に就任してから「友愛の海」で同盟を揺らがせ、
(出来もしないのに)北方領土を解決するしようと足元を見られて2010年4月にフランス製ミストラル級強襲揚陸艦の5隻導入体制が発表されました。2010年6月2日辞任。辞任後も領土解決の名誉欲願望が捨てきれずに、度々、ロシアに渡航。

それから尖閣と中露会談後の対日戦勝記念日制定とメドベージェフ大統領の国後島訪問と北方領土を太平洋艦隊の基地にする計画のリークで日本に揺さぶりをかけてきました。

日本の血税を使って沖縄海兵隊がグアムに再編完了後は、同盟が有耶無耶になり米軍は日本を防衛しない可能性があります。
近年の米国の対アジア外交戦略は中国などを周辺国と争わせて国力を削ぐ方針ですから

戦前から神道での、鳩山が動く時が日本の終わりの始まりと警告があります。丁度、鬼門と裏鬼門になります。

>>北海道から三陸へ なだれの如く押しよする
との警告もあり

在日米軍削減後、宣戦布告無しにロシアが侵略してくるかもしれません。

ロシア宥和政策などは愚の骨頂ですね。信用なりません.

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Unknown (ななし)
2010-12-07 14:43:42
在日米軍及び日米同盟は日本封じ込めの為の瓶の蓋だと私は思っております。
結局、アメリカ人(支配層であるユダヤ系)は今でも日本の事を恐れてるんでしょう。
何故なのかはわかりませんが。
私に言わせれば、元安を放置して中国を強大化させる方がよっぽど脅威になると思うんですが。
歴史的にはユダヤと中国は結びつきが深くて、自分達に弓を引く事は無いとタカをくくってるんでしょうけど。
それに終戦直後、中国が赤化するまでの連合国の方針は日本は二度と牙が剥けないように1920年代の経済水準に抑え込んで中国をパートナーにするというものでした。
冷戦が終わってこの方針に立ち返ったのだと私は見ております。
最近の円高ウォン安元安はその意思の表れじゃないでしょうか。
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