国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

北方領土問題と先住民の権利保護に関する国連決議

2007年09月17日 | ロシア・北方領土
●交渉加速で一致 北方領土で日ロ首脳  2007/09/08  共同通信

安倍晋三首相は8日午後、訪問先のシドニーでロシアのプーチン大統領と会談し、北方領土問題を解決し平和条約を締結する日ロ間の交渉を加速するよう、それぞれの実務担当者に促していくことで一致した。

 首相は「日ロ関係を新たな次元に引き上げるためには、平和条約締結が不可欠だ」と強調。大統領は「双方が受け入れ可能な解決策を見いだすことに関心がある。(来年3月の)大統領選後も作業を続ける」と応じた。

 首相が6月の首脳会談で提示したロシアの極東・東シベリア地域開発での官民協力の強化構想をめぐっては、物流、貿易促進に向けた鉄道分野での日ロ官民会議を開くことで合意。また(1)9月に東京で密漁、密輸防止に関する日ロ協議を開催(2)10月下旬に東京で日ロ外相会談を開き、11月上旬にナルイシキン副首相が来日(3)年内にモスクワで外務次官級の戦略対話を開催-することを確認した。
http://www.47news.jp/CN/200709/CN2007090801000678.html





●プーチン大統領、2島決着を主張 北方領土問題 2007年09月15日

 ロシアのプーチン大統領は14日、南部の保養地ソチで、毎年恒例の外国のロシア専門家を招いた懇談会に出席し、北方領土問題について、平和条約締結後に歯舞、色丹2島の引き渡しを定めた1956年の日ソ共同宣言を基本に解決したい意向を改めて示した。

 出席者によると、プーチン氏は「日本との間にある問題も双方受け入れ可能な形で解決して、全面的な関係を作りたい」と発言。56年宣言について自ら言及し、「(歯舞、色丹2島を除く)他の島については極東の他の地域と同様、日本人に完全なアクセスを認めるつもりだ」と述べた。択捉、国後両島は日本に引き渡す余地がないことを確認する意図と見られる。
http://www.asahi.com/international/update/0915/TKY200709150102.html






●好調なロシア経済、北方領土の島でも経済活動は活況 国際ニュース : AFPBB News 2007年9月15日 AFP

好調なロシア経済の恩恵は、北方領土にも波及しているようだ。現地の住民は拡大する国内景気を最大限にしようとしている。

■島民は「国家の経済発展」を「自分の財布」で実感

 日本が北方領土と主張する北方4島の最大の島・択捉(Iturup)島で、バスの運転士をするRoman Kazachikovさん(27)は、「経済の拡大を実感する。物価も上昇しているが、少し前には職場全員の給料が引き上げられた」と笑みを浮かべて話す。

 銀行員のIrina Sypkinaさん(40)は、「国家予算の拡大に従い、住民の貯金も増えているが、この傾向はまだ続く」と話す。

■地場産業の好景気から電力需要も急速に増加

 また、大量消費国・日本と地理的に近いことで、漁業により島の経済が支えられ、牽引されている。択捉島最大の企業で、漁業・水産加工を中心に、建設業や不動産業も手がけるギドロストロイ(Gidrostroy)は、昨年には最先端技術を使ったコンベヤーシステムを導入した水産加工工場を建設した。

 年間400トンの加工能力を持つこの工場では、作業用の上着と白い帽子を身に着けた女性中心の従業員100人以上が、港に横付けされた漁船から巨大掃除機のような仕組みでパイプの中を吸い込まれるように運ばれてくるマスやサケを加工している。

 工場長は「水産加工品の需要は急速に拡大している」と話す。また、ギドロストロイの幹部によると、同社の加工品は、ロシア国内だけでなく、日本、中国、韓国に輸出されている。新工場の建設費は明かではないが、すでに投じた額は回収済みだという。

 一方、自治体は、蒸気と温泉を至る所で吹き出す活火山・バランスキー山(Mount Baransky)を活用した地熱発電所の改修を進めている。発電所のVasili Lebedev所長は、「電力需要が急速に伸びているため、この発電所に非常に大きな期待が寄せられている」と改修の重要性を強調した。

■北方領土返還交渉で日本の経済支援は切り札にはならない?

 交流事業の一環で、まれにこの島を訪れる日本人も、めざましい経済の発展を認めている。

 8月中旬、2日間にわたって行われた交流会に参加した教育関係者の1人は、「北方領土の島々は、時代に取り残されているものだと思っていた。しかし、今は経済支援ではなく、経済交流を考えることが必要かもしれない」と述べている。

 また、別の参加者は、現地住民が「強い経済」に自信を深めていると感じたという。領土交渉を有利に進めるために、「援助を差し伸べる」という手法は通じにくくなるのではと話していた。
http://www.afpbb.com/article/economy/2283190/2142084







●民族の誇りかけ国際社会を見据えるアイヌ民族 北方領土問題で存在感示せるか 2007年09月14日  AFPBB News


日本とロシアの長年にわたる懸案事項である北方領土問題が行き詰まるなか、第三の当事者としてアイヌ民族が声をあげた。北海道および北方領土の先住民であるアイヌが、北方領土問題で声をあげることによって民族の存在を改めて主張したい考えだ。

 アイヌ民族の社会的地位向上などを目的とする北海道ウタリ協会(Hokkaido Utari Association)の加藤忠(Tadashi Kato)理事長は、北方領土問題の対象となっている千島列島(Kuril islands)の先住民はアイヌであることを指摘。アイヌも北方領土交渉に加わる権利があると話す。「北方領土問題の日露交渉で、アイヌが鍵を握ることだってあり得る」

 同協会の佐藤幸雄(Yukio Sato)事務局長も、「北方領土の領有権を要求しているわけではないが、日露両政府が当事者のアイヌを交渉から除外しているのは不自然だ」と疑問を投げかけた。

 北海道の阿寒湖畔でアイヌの人権問題に取り組む秋辺日出男(Hideo Akibe)アイヌ工芸協同組合専務理事は、領土問題にアイヌを巻き込むことで日本が外交的に優位に立てることを日本政府に示したいという。そのためにはまず日本政府がアイヌを先住民として法的に認める必要があると秋辺氏は強調する。

 しかし、日本政府は、こうした主張に応える用意はないようだ。

 外務省は「北方領土問題はロシアと日本政府間で解決すべき問題」との立場をとっている。また、「アイヌ民族が北方領土の先住民である事実は認識しているが、『先住民』の定義が確立されておらず、アイヌ民族を北方領土の先住民と法的に認める根拠がない」との見解を示している。

 一方で、日露関係を専門とする木村汎(Hiroshi Kimura)北海道大学名誉教授はアイヌを交渉に参加させることは、領土問題で強固な態度をとり続けるロシアに対する有効な戦略になりうると語る。

 「たとえば、ロシアが日本に北方領土を返還するのが難しいというのであれば、日本にではなく先住民のアイヌ民族に返還するという形にして、ロシアの面子を保つという方法も考えられる」との見解を示したうえで、「現時点で、アイヌが領土問題交渉に直接参加することは考えにくいが、領土交渉においてアイヌが果たしうる役割を考えてみる価値はある」と述べた。

 第二次世界大戦末期、旧ソ連が北方領土4島に侵攻した際、アイヌを含む日本人は同島から追放された。一方、日本政府は一貫して、北方領土の領有権を主張し返還を要求している。

 領土問題が障壁となり、日露政府は戦後60年を経た現在も平和条約を締結していない。 

 現在、日本国内に居住する約7万人のアイヌは、「単一民族国家」観が根強い日本社会で民族固有の文化に対する無理解などに苦しんでいる。

 そうしたなか、北海道ウタリ協会事務局の佐藤幸雄事務局長は、2008年に北海道洞爺湖で開催される主要国(G8)首脳会議を「先進国の首脳にアイヌ民族をアピールする好機会」と期待する。「2008年をアイヌ民族の一大転換期とするべく、積極的に活動中」だという。

 このほかにも、国連(UN)での「先住民族の権利に関する宣言」採択に向け、アイヌ民族は世界各地の先住民と団結して活動を続けている。
http://www.afpbb.com/article/politics/2282854/2142065








●先住民族宣言 アイヌ復権に生かそう 北海道新聞社説 2007年9月15日

 世界の七十数カ国に、合わせて三億七千万人の先住民がいるといわれる。 この人々の諸権利を確認した「先住民族の権利に関する国連宣言」が、国連総会で採択された。

 宣言は、植民地化など歴史的な不正義によって、先住民族の土地や資源が奪われたことに憂慮を表明した。そのうえで、先住民族の政治的自決権や土地・資源に対する権利、文化を復興し発展させる権利を掲げている。 宣言の採択を目指し、長い間運動を続けてきたアイヌ民族の人々にとっては大きな喜びだ。

 考えねばならないのは、アイヌの人々の権利が、この国で十分に尊重されているかだ。 政府は「先住民族」としての位置づけを拒んでいる。社会の中にも偏見と差別が根強く残る。

 私たちは、多民族が共生できる社会の実現を目指したいと思う。アイヌ民族の復権に向け、さまざまな議論と行動を積み重ねる必要がある。 北海道ウタリ協会は、諸問題について審議する機関の新設を訴えている。政府は真剣に対応すべきだ。

 北海道旧土人保護法が廃止され、十年前にアイヌ文化振興法(新法)が施行された。新法は「アイヌの人々の民族としての誇りが尊重される社会の実現を図る」とうたい、共生へ踏み出した意義を持つ。 しかし新法は、役割を文字通り文化振興に限定している。新法の誕生でアイヌ文化に対する理解が広がったことは評価したい。

 一方で、アイヌ文化振興という国家レベルの課題が、北海道という一地域の問題に置き換えられた感もある。 先住民族問題の根本である土地・資源、政治的自決権などを、いつまでも避けて通るわけにはいくまい。 国連の先住民族宣言は各国に対し、法的拘束力を持つものではない。しかし政府は、条件付きながらも賛成票を投じた以上、宣言の精神に立ってこれらの問題と向き合わねばなるまい。 「先住民族」として認定するかの問題はその象徴となろう。

 政府が十二年前に設置した「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」は、アイヌの人々の「先住性」も「民族性」も認めている。 政府は先住民族について「国際的定義がない」というが、こうした硬直的考えでいいのか。アイヌ民族代表や有識者などを集めて、検討する機関を設ける意義は十分にある。

 たしかに「先住民族の諸権利」を考えていけば、現行の法律では解決できない問題も発生するだろう。 しかし「多民族の共生」はこういう努力なしに実現できない。時間はかかるかもしれないが、アイヌの人々の復権を、着実に進めていこう。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/49590.html






【私のコメント】
北方領土問題が再び日露両国の政治日程に上り始めた。1956年の日ソ共同宣言で日本は一度国後・択捉両島を事実上放棄しているが、その後四島一括返還に方針を変更している。この日本の政策転換には、米ソ両国内の国際金融資本の勢力変化が関係していると思われる。

1953年にはスターリンの死後にジューコフ元帥がハザール系のベリヤとカガノビッチを逮捕する事件が起きており、この事件以後ソ連に於ける国際金融資本勢力は一挙に弱体化したと想像される。米国でも1953年のアイゼンハワー大統領登場で国際金融資本はやや弱体化したと想像される。

私は、反国際金融資本の立場で1956年の日ソ両国は共同歩調をとっていたが、そのことを隠蔽するために北方領土問題の対立が演出されたのではないかと想像している。天安門事件以後に日中両国が実際には友好関係にありながらそれを隠蔽するために歴史問題での対立が演出されたのではないか、という仮説と同様の想像である。もし私の想像が正しいならば、北方領土問題は国際金融資本の世界覇権が消滅する近未来に解決されることだろう。

しかし、日ソ共同宣言を根拠に二島返還を主張するロシア側と、固有の領土論(侵略により得た領土ではないという点で一定の根拠あり)を根拠に四島返還を主張する日本の間には余りに大きな隔たりがある。そして、仮に一方ないし両者が譲歩して妥協点に至る場合、その譲歩は他の国境問題にも影響を及ぼしかねないという危惧がある。例えば中国が固有の領土論を根拠にロシア領沿海州やアムール州の返還を要求すれば、ロシアは反論困難になってしまう。

・北方領土問題と先住民の権利

この問題を解決する一つの鍵は、最近国連総会で可決された「先住民の権利」を根拠にすることだろう。アイヌ人の子孫はほぼ全員が日本国内に居住しており、ロシアにはアイヌ系文化は残っていない。この点を利用して、領土交渉にアイヌ人を参加させて決着させるのだ。この場合、アイヌ人が居住していた千島全部+樺太南部についてアイヌ民族が先住民族としての一定の権利(漁業権・林業権・鉱業権など)を主張できることになる。無論、日本側でも北海道についてアイヌの権利を認めねばならない。鈴木宗男の「新党大地」が候補者にアイヌ系女性を擁していたのはこの伏線だったのかもしれない。


・中露国境問題と先住民の権利

ロシア領沿海州やハバロフスク州、アムール州にはツングース系の先住民族が多数居住している。彼らはロシア政府によって先住民族と認められ一定の保護を受けている。この状態は中国に置ける満州族の状態と変わりない。従って、先住民を承認し保護している限り、ロシアは現在の中露国境を先住民の権利に基づいて主張可能となる。

・マレーシアやシンガポールの華僑問題と先住民の権利

シンガポールやマレーシアはマレー人が先住民族である。従って、シンガポールに対してマレーシアは一定の権益を主張できる。また、マレーシアの「プミプトラ政策」も正当性を手に入れることになる。


このように、東アジアに於いて先住民の権利を認めることで多くの領土問題・民族問題が一挙に解決可能になってくる。同様のことはユーラシア大陸西部でも言える。



・コソボ問題と先住民の権利

コソボ地区はセルビア民族の伝統的な居住地域であり、アルバニア系住民が多数居住するようになったのは最近のことである。コソボの独立は先住民族セルビア人の権利に反する。従って、コソボをセルビア領土とすることが可能となる。

・パレスチナ問題と先住民の権利

パレスチナ地区は第二次世界大戦前は少数のユダヤ人とキリスト教徒を除くと大部分の住民がアラブ系のイスラム教徒であった。この先住民の権利を根拠すれば、パレスチナに於いてアラブ人を中心とする国家の建設が可能となる。これはパレスチナ問題を一挙に解決するものである。そして、シオニズムを旗印に欧州から移住したアシュケナジー系のユダヤ人たちはパレスチナから欧州等へ移住を迫られることになるが、それは果てしのないパレスチナ紛争からアシュケナジーを解放することに繋がる。スファラディについてはパレスチナが故郷であるとも言えるので引き続きイスラエルに住むこともできるし、パレスチナへの移住前の国に帰還することも可能だろう。

・トルコのEU加盟問題と先住民の権利

トルコのEU加盟問題で問題になっているのは北キプロスの分離独立問題、キプロスの承認問題、クルド人迫害問題である。しかし、キプロス島は1571年のオスマントルコの占領前はギリシャ系住民がほとんどであったことを考えると、北キプロスはギリシャ系の南キプロスに統一されるべきである。また、同様にギリシャ系住民が先住民族であったイスタンブール地区やイズミル地区もギリシャ人・アルメニア人が先住民族としての権益を主張できることになる。両地区の住民は「ギリシャへの割譲を容認しキリスト教徒と共存可能と主張する世俗派」と「ギリシャへの割譲を否認しキリスト教徒と共存できない原理主義派」に分かれて争い始めるかもしれない。それは、JJ予知夢に示された「トルコ・ギリシャあたりの戦争」の引き金となる。アルメニア共和国もトルコ北東部について同様の権利を主張できるだろう。

・カレリア問題

第二次大戦後にフィンランドがロシアに割譲したカレリア地区についても、先住民族がフィンランド人であることから領土問題の解決(フィンランドへの返還)が可能になると思われる。

・東プロイセン問題

現在はロシア人だけが住んでいる東プロイセンだが、先住民であるプロイセン人はドイツ人に同化してしまったことを考えるとドイツが先住民としての領有権を主張可能である。その他の現在ポーランド領・チェコ領となっている旧ドイツ人居住地域については、中世以降のドイツ人の東方植民活動によるものであったことを考えると現在の国境線をそのまま維持することが正当であるとも考えられる。いずれにせよ、この問題は欧州統合の中で解決されるべき問題であろう。



上述のように、先住民の権利を考慮することで従来の国際条約ベースで解決困難であった多くの領土問題・民族問題が一挙に解決可能になる。従来の軍事力を背景とした条約万能の時代には顧みられなかった先住民という弱者の権利が容認されることの意味合いは大きい。これは、国際政治に於ける覇道から王道への転換とも言える。特に、長期化したパレスチナ紛争の解決に根拠を与えることは重要だ。また、日本の国益から考えても北方領土の返還に加え、沿海州やアムール州がロシア領として確定することで北東アジアに二つの超大国が安定して並立することになり好ましいと思われる。日本、ロシア、欧州といった強者が自国の領土や文化を保全し移民流入を防止するためにこの弱者の権利を応用する可能性もあるだろう。

大きな問題となるのは北アメリカやオーストラリアなどの新大陸である。従来の先住民保護は決して十分とは言えなかったことを白人たちは認め、過去の迫害を謝罪する必要があるだろう。先住民との混血が進んでいないために先住民としての権限が全くない多くの白人の立場の弱さは旧大陸や中南米の先住民族問題とは全く異なっている。これらの国々はあらゆる政策を施行する際に「先住民の同意」を得る必要が出てくると思われる。それは、米国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドの国力を確実に低下させることになる。JJ予知夢に示された米国の国力低下の原因の一つになるかもしれない。







【9月17日夜追記】

GENERAL ASSEMBLY ADOPTS DECLARATION ON RIGHTS OF INDIGENOUS PEOPLES; ‘MAJOR STEP FORWARD’ TOWARDS HUMAN RIGHTS FOR ALL, SAYS PRESIDENT

上記リンクによると、決議を棄権した11カ国はロシア連邦、ウクライナ、グルジア、アゼルバイジャン、バングラデシュ、ブータン、ケニア、ナイジェリア、ブルンジ、サモア,コロンビアである。 また、決議を欠席した国々の中にはモンテネグロ、イスラエル、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンなどの重要な国々が含まれる。中国は賛成している。

上記リンクは決議に反対した4カ国、棄権したロシア、賛成投票にあたり意見を表明した日本・トルコなど、投票に関する全ての意見表明を含んでいる。ロシアは棄権した理由として土地・天然資源の問題と補償の方法を挙げている反対した四カ国の反対理由はロシアと同様の土地・天然資源や補償の問題に加えて、先住民族が民主的な議会に拒否権を行使できるという条文を挙げている。これは日本では北海道の地域問題でありロシアでは各民族自治区の地域問題だが、新大陸四カ国では国家全体の問題となり、事実上国家主権が先住民に譲渡されるに等しいからであろう

この決議は拘束力はないが、大多数の国が賛成したことは重要である。ロシアのサハ共和国は連邦政府との間で域内からのダイヤモンドや金の輸出代金の分け前を取り決めている。国際社会の圧力によって、同様の事態がアメリカやカナダ、オーストラリアでも起きる可能性がありうるだろう。

その他、トルコは賛成の意思表明に際して「自国には先住民族はいない」「民族自決権に関する項目は国家主権、国家の全体性、政治的統一に合致すると信じる」と述べており、クルド人の分離独立運動を恐れていることが分かる
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5 コメント

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国家から経済圏へ (おじさん)
2007-09-17 12:16:37
人をまとめる単位を経済圏とすることで、固有の少数民族文化を消滅させなくとも良くなる。単位を国家にすると正義の独占が必須となり、次には少数民族価値観の絶滅、となる。アイヌと江戸幕府、中共とチベットのように。そうすると闘争が激烈となりテロルは必至になってしまう。以前は抵抗側は弓矢かせいぜい狩猟用ライフルだったがここ20年の爆発物の進歩と普及で自爆テロが最も破壊力のある武力であることが判明し、国家権力に基づく超強力な集中的軍事力でも勝てないことが判明した。そのうえTV時代では皆殺しは正義になれないため政治手段としては行えない。このような状態のため世界史的に、イラク戦争以前と以後を分ける可能性がある。核兵器の拡散が均衡平和を起こしているのと同じ理屈。
少数民を統治する方法として奪うのでなく、共存するという価値観が見直されているのだろう。外国にあおられたりしてへそを曲げられるとえらいことになる。
軍事力の均衡化の結果、交渉による平和の達成というモデルで、日本の縄文時代や明治以前の天皇制にモデルがあり、世界が日本史に注目する理由である。
知らぬは日本人ばかりなり、とはいつものこと。

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「おじさん」さんへ (princeofwales1941)
2007-09-17 21:53:59
>人をまとめる単位を経済圏とすることで、固有の少数民族文化を消滅させなくとも良くなる。単位を国家にすると正義の独占が必須となり、次には少数民族価値観の絶滅、となる。



私は貴方の御意見には反対です。

経済圏で人がまとめられると、その経済圏の中で優勢な人々が弱小勢力を飲み込んでしまいます。また、経済圏の中では国境の障壁が無くなって人の自由な移住が認められることになり、シンガポールのように移民に乗っ取られる国も出てくるでしょう。

私は、先住民族の権利や文化を守るためにこそ、国家という枠組みや先住民族の一定の自治権を認めていく必要があると思います。また、支配的民族に圧迫される先住民族だけでなく、日本に於ける日本人、ドイツに於けるドイツ人の様な支配的な先住民の権利や文化、安全などを守ることも同様に重要であると考えます。
返信する
Unknown (Unknown)
2007-09-17 23:04:45
多くのことは全て彼らの計画通りに進む。
プーチン支配下のロシアで男性平均寿命は50代まで低下した。作用と反作用の為にこうなる。
日本は福田内閣から小沢内閣となり次で地獄化(プーチン化)するだろう。

パイクが1871年に、イタリアの革命指導者、ジュゼッペ・マッチーニに送った書簡(手紙)には「世界を統一するために、今後3つの世界大戦と3つの大革命が必要だ」と書かれていたそうです。

 パイクの計画は実際、効果的かつ簡潔なもので、共産主義、ナチズム、政治的シオニストなど国際的な運動が組織され、三つの世界戦争と三つの大革命が誘発されることを求めていた。第一次世界大戦はイルミナティがロシア皇帝の権力を打倒し、かの国を無神論者的共産主義の拠点とすることを実現するために戦われることになっていた。この戦いを生じさせるにはイルミナティの代理人が英国とドイツの二つの帝国のあいだに対立を煽ることが必要とされた。終戦後には共産主義が確立され、それを利用して他の政府を破壊したり、宗教を弱体化させることになっていた。

 第二次世界大戦を生じさせるにはファシストと政治的シオニストの対立が利用されなければならなかった。この戦争はナチズムを破壊し、政治的シオニズムの権力を増大させてパレスチナにイスラエルという主権国家を樹立するために戦われることになっていた。さらにはこの世界戦争によって国際共産主義が強化され、一致協力したキリスト教世界の権力に匹敵する力を備えるまでに成長させることになっていた。また、このときキリスト教世界は最終的社会変革が必要とされるまで自重、自制することになっていた。事情をわきまえた人々には、ルーズベルト、チャーチルがこの方策を実践したことを否定できないはずである。

 第三次世界大戦を生じさせるには、イルミナティ代理人が政治的シオニストとイスラム世界の指導者との対立を煽ることが必要とされる。この戦争ではイスラム世界(イスラム教を含むアラブ世界)と(イスラエル国家を含む)政治的シオニズムがお互いに滅ぼしあう一方で、この問題に関して他の国家も対立し合い、さらに分立させられて戦いを強いられ、肉体的、精神的、経済的に疲労困憊状態に陥るよう指揮されなければならない。公平で理性的な見方のできる人には、近東、中東、および極東で生じている策略が、悪魔的なこの目的を果たそうと目論まれたものであることを否定できないはずである。

 1871年8月15日、パイクはこう告げた。「第三次世界大戦が終結したのち、世界の完全支配を切望する人々は未曾有の社会変革を引き起こすはずだ」と。
返信する
そうですね~ (おじさん)
2007-09-19 11:50:40
>私は、先住民族の権利や文化を守るためにこそ、国家という枠組みや先住民族の一定の自治権を認めていく必要があると思います。

同じことを裏からと表とから言っているのでしょう。一極集中は生物としての人間繁栄モデルとしては望ましくない、ではどうすれば、ということ。
国家権力の暴走、EUの暴走、国連の暴走としてのNWO。世界はこれで苦しんできたわけ。これをどうとめるのか、ということ。国家を構築するときに、権力を共通集合で組む、和集合で組む、それとも「自分だけ」、という方向がありますが、結局、米国の「自分だけ」が崩壊しつつある現状ですから和集合を大枠にして個別を共有集合でだろうなと思うわけで、それは武力と生産力が貧弱でかつ対等な石器時代のあり方に近くなるな、と思っているわけです。
そうすると経済圏のような国家のようなはっきりしないものになるだろう。警察力はなければならないし、独自性も尊重される、構造でないといけないな、それはまだ出来ていないな、と思いますね。
案外「武装自営農民」と「強力な警察力」という組み合わせになるのかも。
これはスターウォーズのジュダイ軍ですね。
身分制のない江戸幕府のようなものになるのでしょうか?。
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北方4島に直行便を ビザなし交流、冬も (共同通信) (Unknown)
2007-11-03 20:00:35
http://news.www.infoseek.co.jp/politics/story/03kyodo2007110301000228/

政府は3日までに、北方4島との「ビザなし交流」のため、冬の一定期間、北海道-4島間を直接結ぶ航空機を就航させる方向で検討を始めた。空路での4島訪問は、2000年に外務省幹部らがサハリン方面に迂回して国後島を往復した例はあるが、実現すれば、一般の日本人による直行便での4島入りは戦後の旧ソ連による実効支配開始以来初めて。交流の通年実施が目的だが、領土問題の交渉進展への狙いも。

[ 2007年11月3日17時43分 ]
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