●中国軍が北朝鮮・羅先特区に駐屯、港湾施設など警備 2011/01/15 朝鮮日報
北朝鮮の経済特区で中国・ロシアと境を接する羅先特別市(咸鏡北道)に最近、中国軍が進駐したことが14日までに分かった。中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなる。
韓国大統領府(青瓦台)関係者は同日、「中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、少数の中国軍を駐屯させることを中朝が話し合ったと聞いている。中国軍が駐屯したとすれば、政治的、軍事的理由というよりも、施設警備や中国人保護が目的とみられる」と指摘した。
駐屯した中国軍の規模は明らかになっていない。しかし、北朝鮮で突発事態が起きた際に中国軍が介入する可能性が指摘される中、中国軍の羅先駐屯は異例のことだ。これまで北朝鮮は「自主」「主体」を掲げ、韓国に対しては「米軍撤収」を主張し続けている。
中朝国境では最近、中国軍の動きが活発だ。中国の対北朝鮮消息筋によると、昨年12月15日ごろ、夜半に中国製の装甲車、戦車約50台が中国の三合(吉林省)から豆満江(中国名・図們江)を超え、北朝鮮の会寧(咸鏡北道)に入ったという。三合地区の住民は当時、装甲車が走る騒音で目覚めたという。会寧と羅先特別市は直線距離で50キロの距離にある。また、同じ時期に中国側の丹東(遼寧省)から軍用四輪駆動車が北朝鮮の新義州(平安北道)に入るのを目撃したとの情報もある。同消息筋は「中国製装甲車は騒乱鎮圧用に、四駆車は脱北者取り締まり用に使われる可能性がある」と指摘した。
外交通商部の南柱洪(ナム・ジュホン)国際安保大使は「北朝鮮の急変に際し、中国が最も懸念するのは、脱北者の大量流入で東北3省が混乱することだ。羅先駐屯を契機として、中国は有事に際し、自国民保護などを名目として、兵力を大量に投入し、韓半島(朝鮮半島)問題に介入する可能性がある」との見方を示した。
実際に中朝間では、金正日(キム・ジョンイル)総書記の2度の訪中以降、軍事交流が活発だ。昨年10月には中国軍最高幹部の郭伯雄・中央軍事委員会副主席が訪朝し、金正日・金正恩(キム・ジョンウン)父子と会談した。当時金総書記は「中朝の血盟関係」を強調した。
羅先地域には、昨年12月から中国代表部が常設されたと伝えられている。現在中国は、羅先港の埠頭(ふとう)の改良、補修を終え、東北地区の資源を南方に輸送している。今月3日、中国の新華社通信と吉林省の現地メディアは、中国が昨年12月7日に吉林省琿春市の鉱山で生産された2万トンを上海などに輸送する際、羅先港を初めて使用したと伝えた。今年4月からは中国側の電力が羅先地区に供給されるという情報もある。
北朝鮮専門の電子メディア「デイリーNK」は最近、北朝鮮内部の消息筋の話として、北朝鮮と中国が昨年12月、羅先港に埠頭3カ所を増設し、吉林省圏河と羅先を結ぶ高速道路と鉄道を建設する内容の投資契約を結んだと伝えた。住民の間では工事労働者として働くための競争が起きているという。また、羅先には北朝鮮側の要請で入国する中国人の数が増加しているとされる。
消息筋は「中国人に対する北朝鮮保衛部の規制はほとんどなくなった。北朝鮮も中国軍の駐屯は望んではいないが、中国資本を受け入れるためには仕方がない判断したもようだ」と述べた。
http://www.chosunonline.com/news/20110115000009
●「真珠の首飾り」のグランド・ステラテジー:中国軍の北朝鮮・羅先特区駐屯、日本海進出で真珠はいよいよ北極海を目指す: 園田義明めも。 2011/01/16
北朝鮮特区に軍駐留か、中国、日本海に拠点、北東アジア安保に影響も。
2011/01/16 日本経済新聞 朝刊
【北京=佐藤賢】中国が北朝鮮を介して日本海に進出する動きを本格化し始めた。韓国紙、朝鮮日報によると、中国軍は北朝鮮の経済特区で日本海に面する羅先(ラソン)市に進駐した。中国が同市にある港湾の商業利用を開始したことも明らかになった。日本海に出口を得た中国の存在感が高まるのは確実で、北東アジアの安全保障面にも影響を与えそうだ。
中国軍の駐留は中国が投資した港湾施設の警備や在留中国人の保護が目的。ただ、朝鮮半島の有事の際には、在留中国人の保護を目的に機動的に介入する先遣隊の役割を果たす可能性がある。
部隊の規模は不明。これに関連して消息筋の話として、昨年12月15日ごろ、約50台の中国製の装甲車と戦車が中国側から羅先に近い北朝鮮の咸鏡北道会寧に入ったのが目撃されたと伝えた。
中国軍の北朝鮮への駐留は1994年12月に板門店の軍事停戦委員会から撤退して以来17年ぶりという。青瓦台(韓国大統領府)関係者などの話として伝えたものだが、韓国政府は公式にはコメントしていない。
北朝鮮は昨年1月に羅先市を「特別市」に指定。進出を決めた中国は物流拠点と位置付け、同市にある羅津港を10年間使用する権利を獲得した。将来的に同港を海軍基地として利用したいとの思惑もちらつく。
一方、中国・吉林省琿春市の当局者は日本経済新聞に対し、羅津港から中国産の石炭を出荷したことを明らかにした。昨年12月に約2万トンが陸路で北朝鮮入りし、羅津港で荷積みされた貨物船が今月14日に上海に到着したという。
羅津港の利用は初めてで、日本海を経由した輸送ルートが始動する。今回は試運転と位置付けており、輸送体制を点検した後、本格運用する。
中国東北部の吉林省や黒竜江省は海に面しておらず、食料などの積み出し港は遼寧省の大連を利用してきた。琿春市と羅先市は昨年、中朝国境を流れる豆満江(中国名・図們江)にかかる橋を改修し、羅津港へ通じる道路整備も進めている。当面は中国国内向け輸送を中心とする見通しだが、日本や韓国向けへの輸送も視野に入れ、出荷能力の拡大を狙う。
▼羅津港 日本海に面した北朝鮮羅先市の港。3つの埠頭がある。第1埠頭は中国の民間企業、大連創力集団が昨年、10年間の使用権を獲得し、2600万元(約3億4000万円)を投じてインフラ整備を進めてきた。中国吉林省琿春市までの距離は約50キロ。鉄道でロシアとの国境を越え、シベリア鉄道を利用して欧州に物資を輸送するルートもある。戦前、大陸への輸送拠点として注目され関東軍参謀の石原莞爾が開発を唱えた。
北朝鮮特区に軍駐留か―識者コメント、中国軍艦寄港、想定の可能性。
2011/01/16 日本経済新聞 朝刊
金田秀昭・岡崎研究所理事(安全保障・元海将) 中国は自国艦船の利用をも念頭に、インド洋に面した各国で港湾建設など「真珠の首飾り」と呼ばれる海洋戦略を進めている。今回の羅先の拠点化もその延長線と見るべきだろう。マラッカ海峡に依存するリスクを少しでも分散するために、欧州から北極海を経てベーリング海を通り日本海へ抜けるルートを開拓しようとしている。
北朝鮮で石油などの資源や物資を荷揚げし、中国へ運搬するためにも、羅先は将来、要所の一つになり得る。羅津港は伝えられる港湾の規模などからみて、単なる商業港のみならず、軍艦の寄港も想定されている可能性もある。
日本海は今後、安全保障を含めた国際的な海上交通路の要衝としての意味あいが高まるだろう。日本政府は、中国の動きを注意深く観察するとともに、その意図が何であるかを絶えず確認していく必要がある。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/01/16/5638500
【私のコメント】
中国軍が北朝鮮北東部の沿岸都市である羅先特別市に駐屯を開始した。中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなるという。これは中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、あるいは中国海軍の寄港地確保のためとされている。確かにその様な目的はあるのだろう。しかし、私は別の目的もあるのではないかと考えている。それは、韓国軍による北朝鮮の武力統一を阻止することである。
中国が強大化し米国が弱体化する現状で、防衛を米国に依存する韓国は徐々に立場が弱くなっている。このまま手をこまねいていると中国の衛星国に転落することになるが、中国は韓国が中国より繁栄している現状を好ましく思っておらず、結果的に韓国の繁栄が終焉する可能性が高い。それを阻止するにはまずは北朝鮮を統一してしまい、中国に対して軍事的優位を確立するしかない。そして、北朝鮮を先制攻撃して軍事的に統一してしまうならば早ければ早いほどよい。韓国支配階層は北朝鮮占領を真剣に考慮していると私は想像している。
中国も恐らくそれは理解しているのだろう。そして、中国にとっては米国の影響下にあり繁栄している韓国が北朝鮮を併合し中国と国境を接することは絶対に容認できない。明治日本が韓国併合を通じて満州を影響下に置いたように、統一韓国が満州を影響下に置く危険性が高いからだ。
中国は北朝鮮と軍事同盟を結んでおり、韓国が北朝鮮に武力侵攻した場合には軍事支援する義務がある。しかし、この同盟義務がどこまで実行されるかは不透明な部分があった。今回、中国軍が北朝鮮領内に駐屯を開始したことで、将来韓国軍が北朝鮮に侵攻した場合には自動的に韓国軍と中国軍が対決する事態が起きることになった。無論、中国軍が戦争への中立を表明し韓国がそのまま北朝鮮を併合する可能性も残されているが、やはり韓国による北朝鮮武力統一が困難になったことは否めないと思われる。韓国の北朝鮮政策が今後どの様に変化していくかが注目される。
【1月18日追記】
●「人民解放軍が北朝鮮に進駐」報道を中国政府が否定 サーチナ 2011年1月17日
中国政府・外交部の洪磊報道官は17日、中国軍の小規模部隊が北朝鮮の羅先市に進駐したとの一部報道を「根も葉もないもの」と否定した。
羅先市は北朝鮮北東部の港街だ。中国は朝鮮半島のつけ根の東側で、北朝鮮とロシアによって、わずか10キロメートル程度で「海への出口」をふさがれた格好で、吉林省や黒龍江省の発展が遅れる大きな要因になっている。北朝鮮は羅先市を経済特区に指定し、中国から日本海への物流の拠点とする方針を決めた。
一部報道は、羅先市の港湾(羅津港=ラジン港)警備や在留中国人の保護を目的に、小規模な中国軍部隊を進駐させると伝えた。洪報道官は、同報道を「根も葉もないもの」と否定した。(編集担当:如月隼人)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110117-00000079-scn-int
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北朝鮮の経済特区で中国・ロシアと境を接する羅先特別市(咸鏡北道)に最近、中国軍が進駐したことが14日までに分かった。中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなる。
韓国大統領府(青瓦台)関係者は同日、「中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、少数の中国軍を駐屯させることを中朝が話し合ったと聞いている。中国軍が駐屯したとすれば、政治的、軍事的理由というよりも、施設警備や中国人保護が目的とみられる」と指摘した。
駐屯した中国軍の規模は明らかになっていない。しかし、北朝鮮で突発事態が起きた際に中国軍が介入する可能性が指摘される中、中国軍の羅先駐屯は異例のことだ。これまで北朝鮮は「自主」「主体」を掲げ、韓国に対しては「米軍撤収」を主張し続けている。
中朝国境では最近、中国軍の動きが活発だ。中国の対北朝鮮消息筋によると、昨年12月15日ごろ、夜半に中国製の装甲車、戦車約50台が中国の三合(吉林省)から豆満江(中国名・図們江)を超え、北朝鮮の会寧(咸鏡北道)に入ったという。三合地区の住民は当時、装甲車が走る騒音で目覚めたという。会寧と羅先特別市は直線距離で50キロの距離にある。また、同じ時期に中国側の丹東(遼寧省)から軍用四輪駆動車が北朝鮮の新義州(平安北道)に入るのを目撃したとの情報もある。同消息筋は「中国製装甲車は騒乱鎮圧用に、四駆車は脱北者取り締まり用に使われる可能性がある」と指摘した。
外交通商部の南柱洪(ナム・ジュホン)国際安保大使は「北朝鮮の急変に際し、中国が最も懸念するのは、脱北者の大量流入で東北3省が混乱することだ。羅先駐屯を契機として、中国は有事に際し、自国民保護などを名目として、兵力を大量に投入し、韓半島(朝鮮半島)問題に介入する可能性がある」との見方を示した。
実際に中朝間では、金正日(キム・ジョンイル)総書記の2度の訪中以降、軍事交流が活発だ。昨年10月には中国軍最高幹部の郭伯雄・中央軍事委員会副主席が訪朝し、金正日・金正恩(キム・ジョンウン)父子と会談した。当時金総書記は「中朝の血盟関係」を強調した。
羅先地域には、昨年12月から中国代表部が常設されたと伝えられている。現在中国は、羅先港の埠頭(ふとう)の改良、補修を終え、東北地区の資源を南方に輸送している。今月3日、中国の新華社通信と吉林省の現地メディアは、中国が昨年12月7日に吉林省琿春市の鉱山で生産された2万トンを上海などに輸送する際、羅先港を初めて使用したと伝えた。今年4月からは中国側の電力が羅先地区に供給されるという情報もある。
北朝鮮専門の電子メディア「デイリーNK」は最近、北朝鮮内部の消息筋の話として、北朝鮮と中国が昨年12月、羅先港に埠頭3カ所を増設し、吉林省圏河と羅先を結ぶ高速道路と鉄道を建設する内容の投資契約を結んだと伝えた。住民の間では工事労働者として働くための競争が起きているという。また、羅先には北朝鮮側の要請で入国する中国人の数が増加しているとされる。
消息筋は「中国人に対する北朝鮮保衛部の規制はほとんどなくなった。北朝鮮も中国軍の駐屯は望んではいないが、中国資本を受け入れるためには仕方がない判断したもようだ」と述べた。
http://www.chosunonline.com/news/20110115000009
●「真珠の首飾り」のグランド・ステラテジー:中国軍の北朝鮮・羅先特区駐屯、日本海進出で真珠はいよいよ北極海を目指す: 園田義明めも。 2011/01/16
北朝鮮特区に軍駐留か、中国、日本海に拠点、北東アジア安保に影響も。
2011/01/16 日本経済新聞 朝刊
【北京=佐藤賢】中国が北朝鮮を介して日本海に進出する動きを本格化し始めた。韓国紙、朝鮮日報によると、中国軍は北朝鮮の経済特区で日本海に面する羅先(ラソン)市に進駐した。中国が同市にある港湾の商業利用を開始したことも明らかになった。日本海に出口を得た中国の存在感が高まるのは確実で、北東アジアの安全保障面にも影響を与えそうだ。
中国軍の駐留は中国が投資した港湾施設の警備や在留中国人の保護が目的。ただ、朝鮮半島の有事の際には、在留中国人の保護を目的に機動的に介入する先遣隊の役割を果たす可能性がある。
部隊の規模は不明。これに関連して消息筋の話として、昨年12月15日ごろ、約50台の中国製の装甲車と戦車が中国側から羅先に近い北朝鮮の咸鏡北道会寧に入ったのが目撃されたと伝えた。
中国軍の北朝鮮への駐留は1994年12月に板門店の軍事停戦委員会から撤退して以来17年ぶりという。青瓦台(韓国大統領府)関係者などの話として伝えたものだが、韓国政府は公式にはコメントしていない。
北朝鮮は昨年1月に羅先市を「特別市」に指定。進出を決めた中国は物流拠点と位置付け、同市にある羅津港を10年間使用する権利を獲得した。将来的に同港を海軍基地として利用したいとの思惑もちらつく。
一方、中国・吉林省琿春市の当局者は日本経済新聞に対し、羅津港から中国産の石炭を出荷したことを明らかにした。昨年12月に約2万トンが陸路で北朝鮮入りし、羅津港で荷積みされた貨物船が今月14日に上海に到着したという。
羅津港の利用は初めてで、日本海を経由した輸送ルートが始動する。今回は試運転と位置付けており、輸送体制を点検した後、本格運用する。
中国東北部の吉林省や黒竜江省は海に面しておらず、食料などの積み出し港は遼寧省の大連を利用してきた。琿春市と羅先市は昨年、中朝国境を流れる豆満江(中国名・図們江)にかかる橋を改修し、羅津港へ通じる道路整備も進めている。当面は中国国内向け輸送を中心とする見通しだが、日本や韓国向けへの輸送も視野に入れ、出荷能力の拡大を狙う。
▼羅津港 日本海に面した北朝鮮羅先市の港。3つの埠頭がある。第1埠頭は中国の民間企業、大連創力集団が昨年、10年間の使用権を獲得し、2600万元(約3億4000万円)を投じてインフラ整備を進めてきた。中国吉林省琿春市までの距離は約50キロ。鉄道でロシアとの国境を越え、シベリア鉄道を利用して欧州に物資を輸送するルートもある。戦前、大陸への輸送拠点として注目され関東軍参謀の石原莞爾が開発を唱えた。
北朝鮮特区に軍駐留か―識者コメント、中国軍艦寄港、想定の可能性。
2011/01/16 日本経済新聞 朝刊
金田秀昭・岡崎研究所理事(安全保障・元海将) 中国は自国艦船の利用をも念頭に、インド洋に面した各国で港湾建設など「真珠の首飾り」と呼ばれる海洋戦略を進めている。今回の羅先の拠点化もその延長線と見るべきだろう。マラッカ海峡に依存するリスクを少しでも分散するために、欧州から北極海を経てベーリング海を通り日本海へ抜けるルートを開拓しようとしている。
北朝鮮で石油などの資源や物資を荷揚げし、中国へ運搬するためにも、羅先は将来、要所の一つになり得る。羅津港は伝えられる港湾の規模などからみて、単なる商業港のみならず、軍艦の寄港も想定されている可能性もある。
日本海は今後、安全保障を含めた国際的な海上交通路の要衝としての意味あいが高まるだろう。日本政府は、中国の動きを注意深く観察するとともに、その意図が何であるかを絶えず確認していく必要がある。
http://y-sonoda.asablo.jp/blog/2011/01/16/5638500
【私のコメント】
中国軍が北朝鮮北東部の沿岸都市である羅先特別市に駐屯を開始した。中国軍の北朝鮮駐屯は1994年12月に中国軍が板門店の軍事停戦委員会から撤収して以降17年ぶりとなるという。これは中国が羅先で投資した港湾施設などを警備するため、あるいは中国海軍の寄港地確保のためとされている。確かにその様な目的はあるのだろう。しかし、私は別の目的もあるのではないかと考えている。それは、韓国軍による北朝鮮の武力統一を阻止することである。
中国が強大化し米国が弱体化する現状で、防衛を米国に依存する韓国は徐々に立場が弱くなっている。このまま手をこまねいていると中国の衛星国に転落することになるが、中国は韓国が中国より繁栄している現状を好ましく思っておらず、結果的に韓国の繁栄が終焉する可能性が高い。それを阻止するにはまずは北朝鮮を統一してしまい、中国に対して軍事的優位を確立するしかない。そして、北朝鮮を先制攻撃して軍事的に統一してしまうならば早ければ早いほどよい。韓国支配階層は北朝鮮占領を真剣に考慮していると私は想像している。
中国も恐らくそれは理解しているのだろう。そして、中国にとっては米国の影響下にあり繁栄している韓国が北朝鮮を併合し中国と国境を接することは絶対に容認できない。明治日本が韓国併合を通じて満州を影響下に置いたように、統一韓国が満州を影響下に置く危険性が高いからだ。
中国は北朝鮮と軍事同盟を結んでおり、韓国が北朝鮮に武力侵攻した場合には軍事支援する義務がある。しかし、この同盟義務がどこまで実行されるかは不透明な部分があった。今回、中国軍が北朝鮮領内に駐屯を開始したことで、将来韓国軍が北朝鮮に侵攻した場合には自動的に韓国軍と中国軍が対決する事態が起きることになった。無論、中国軍が戦争への中立を表明し韓国がそのまま北朝鮮を併合する可能性も残されているが、やはり韓国による北朝鮮武力統一が困難になったことは否めないと思われる。韓国の北朝鮮政策が今後どの様に変化していくかが注目される。
【1月18日追記】
●「人民解放軍が北朝鮮に進駐」報道を中国政府が否定 サーチナ 2011年1月17日
中国政府・外交部の洪磊報道官は17日、中国軍の小規模部隊が北朝鮮の羅先市に進駐したとの一部報道を「根も葉もないもの」と否定した。
羅先市は北朝鮮北東部の港街だ。中国は朝鮮半島のつけ根の東側で、北朝鮮とロシアによって、わずか10キロメートル程度で「海への出口」をふさがれた格好で、吉林省や黒龍江省の発展が遅れる大きな要因になっている。北朝鮮は羅先市を経済特区に指定し、中国から日本海への物流の拠点とする方針を決めた。
一部報道は、羅先市の港湾(羅津港=ラジン港)警備や在留中国人の保護を目的に、小規模な中国軍部隊を進駐させると伝えた。洪報道官は、同報道を「根も葉もないもの」と否定した。(編集担当:如月隼人)
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AFP=時事 [2015/10/5 17:16]
北朝鮮と国境を接する中国東北部・吉林省南坪村の寂れた目抜き通り(2015年6月27日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】中国東北部・吉林(Jilin)省にある南坪(Nanping)村を北朝鮮と隔てるのは高さ3メートルの鉄条網フェンスと蛇口して流れる豆満江(Tumen River)のみだ。近年、北朝鮮からの侵入者による犯行とみられる殺人事件が後を絶たず、川やフェンスだけでは自分の身を守れないと恐れる住民らが次々に離村している。
中国当局者らや国営メディア報道によると、この1年間、南坪村では少なくとも10人の住民が北朝鮮人に殺害された。強盗目的の北朝鮮兵によるものが大半だったという。
北朝鮮では食料安全保障が慢性問題化しており、経済的に余裕のある中国側の町村は切羽詰まった北朝鮮側の人々から襲撃されるかもしれないとの懸念を募らせている。
■有効策なく廃墟化が進む村
南坪村の人口は公式には6000人以上とされているが、実情ではゴーストタウン化が進んでいる。住宅やビルのほとんどは何年も放置されたままで、窓ガラスは割れ、庭は荒れ放題だ。
村の住民は民族的には朝鮮族だ。複数言語を自在に操る能力ある若い世代は、韓国企業などでのより良い雇用機会を求めて村を離れていく。残るのは高齢者と小規模な中国軍駐屯部隊だけ。同村の共産党支部書記長ウー・シーゲン(Wu Shigen)氏は30代だが、村で一番若いという。
ウー氏には2つの治安維持策がある。一つは自発的な夜間外出禁止、もう一つは情報統制だ。「夜は出歩かず身辺にも気を付けるよう、全住民に呼び掛けている」とウー氏は話す。
しかし、殺人事件の被害者は大半が自宅で殺害されている。
これについて、ウー氏は「どの襲撃事件にも目撃者はいない。われわれも住民には多くを語らない」と語った。事件を詳細には知らない方が恐怖心が薄まるからだという。
国境沿いの2本の道路では防犯カメラによる監視が続けられている。さらに今年に入ってから、中国政府は住民と軍が協力してパトロールを実施すると発表した。
しかし、住民の話ではパトロール隊が結成された事実はない。ある店主によれば、ここ数か月は襲撃事件などに恐れをなして高齢者までが村を後にしているという。
■長きにわたる同盟関係に変化
今年4月、南坪村付近では食料と金銭目当ての北朝鮮の兵士3人によって住民3人が殺害された。
昨年12月にも、北朝鮮兵が村内の高齢夫婦を殺害し、現金100元(約1900円)と少量の食べ物を奪ったあと射殺されるという事件が起きている。
計4人が犠牲になったこれらの事件後、中国外務省の洪磊(Hong Lei)報道官は、北朝鮮に正式に抗議したことを明かすとともに、両国政府が事態を「極めて深刻」に受け止め、北朝鮮が事件に対して遺憾の意を表明したと発表した。中国が長年におよぶ同盟関係にある北朝鮮を公に非難するのは異例のことだ。
新京報(Beijing News)によると、その3か月前にも北朝鮮の民間人が強盗目的で南坪の一家3人を殺害したとして身柄を拘束されている。
識者らは、これらの殺人事件を中国政府が積極的に公表している背景には、北朝鮮当局に対するいら立ちがあるとみる。さらに、過去にも公表されていない同様の事件があった可能性を指摘している。
朝鮮戦争(Korean War)時に中国が100万を超える部隊を派遣して北朝鮮を支援し、強固な関係を築いた両国は、以来、長きに及ぶ同盟関係を維持している。現在も中国は北朝鮮にとって外交上最大の保護国であり支援国だ。
だが、中国には北朝鮮の不安定な現状への危惧がある。一方の北朝鮮は核開発を進めながら、敵対する国々に対し融和策を示したかと思えば脅迫的な態度に出るなど、一貫しない姿勢を取り続ける。
さらに金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記の北京訪問も、いまだに実現していない。【翻訳編集】 AFPBB News
これは難しいですね。ただし、韓国を滅亡させるためには、日本と北朝鮮は緊密に連絡を取り合い、韓国を南北から挟み撃ちにすることが必要不可欠です。正式な国交樹立よりも、緊密な連絡を取り合う関係をきちんと構築することの方が重要だと思います。
>2)現時点の日朝国交樹立は日本にとってプラスか?
正式な国交樹立は無理でも、台湾との関係(連絡事務所=交流協会のような準政府機関)を相互に設置すべきか?
韓国を油断させるためにも、日朝の国交樹立は出来るだけ遅らせた方が良いと思います。現時点では行うべきではありません。現時点では、朝鮮総連関係者を介して日本と北朝鮮の間に既にパイプが存在していると思います。それを維持していけばよいでしょう。公式・準公式の政府機関は不要だと思います。
>3)北朝鮮国民に日本文化“ソフトパワー”はどの程度有効か?
昨日のコメントで、日本文化を少し貶めたことを反省している。
今、アジアで若者を中心に日本のサブカルチャーが人気があるが、これを北朝鮮でも展開できるか?
国交樹立後の経済支援を引き換えに、日本語放送(チャンネル)を確保する、とか色々あるだろう。
北朝鮮の支配階層にはかなり有効なのではないかと思いますが、一般庶民にはあまり影響力がないかもしれません。
>4)可能であれば、上記3)により、北朝鮮国民を親日化する、か最低でも、せめて敵意は緩和させる程度の効果は期待できるか?
北朝鮮国民を親日化させる必要はないと思います。表向きは激しく対立しつつ裏では日本が北朝鮮に強い影響力を行使するといった、冷戦時代の国際金融資本とソ連の関係と類似した状態で構わないと思います。日本と未来の中国内陸国家の関係でも同様のことが言えます。
>5)上記4)により、北朝鮮国民と韓国国民の対日意識が接近することで、かえって、プリンス氏が“心底から嫌っている”韓国との一体化が進む、という逆効果をもたらさないか?
私は、韓国という国は完全に消滅させる必要があると考えています。北朝鮮による半島統一後に、元韓国地域では生活水準の低下に反感を持つ人々の暴動が起きる危険が高いです。それを回避するには、ベトナム統一後の中越戦争の様に、半島統一後に中朝戦争を勃発させ、元韓国地域の反政府的勢力を大量に徴兵して中国との戦場に丸腰で送り込み、全員殺してしまうのが良いと考えています。これは中国が朝鮮戦争で、共産党政権に批判的な勢力を戦場に送り込み、逃げ出す者を後から銃で殺しまくったのと同じ戦術です。これによって反共産党勢力は人民解放軍と韓国・米国連合軍の挟み撃ちに合い、全員が死んでしまいました。
そう言う私も、詳しくは知らないんだ。
以前、北朝鮮の歌曲を聴いた時、ロシア民謡にメロディラインが似ている曲が多いなあ、と感じたことや、国家元首の金永南を筆頭に、北朝鮮の幹部にモスクワ大学などの留学組に偏っていることに違和感を持っただけだ。
ところで、プリンス氏に質問したいのだが、
1)日朝国交樹立の時期は、プリンス氏の言う“韓国滅亡”の前後のどちらが適当か?また、ベストのタイミングは?
2)現時点の日朝国交樹立は日本にとってプラスか?
正式な国交樹立は無理でも、台湾との関係(連絡事務所=交流協会のような準政府機関)を相互に設置すべきか?
3)北朝鮮国民に日本文化“ソフトパワー”はどの程度有効か?
昨日のコメントで、日本文化を少し貶めたことを反省している。
今、アジアで若者を中心に日本のサブカルチャーが人気があるが、これを北朝鮮でも展開できるか?
国交樹立後の経済支援を引き換えに、日本語放送(チャンネル)を確保する、とか色々あるだろう。
4)可能であれば、上記3)により、北朝鮮国民を親日化する、か最低でも、せめて敵意は緩和させる程度の効果は期待できるか?
5)上記4)により、北朝鮮国民と韓国国民の対日意識が接近することで、かえって、プリンス氏が“心底から嫌っている”韓国との一体化が進む、という逆効果をもたらさないか?
北朝鮮に対するロシアの影響力に私があまり触れていないのは、単純に、知識がないからです。質問魔さんが知識豊富でおられるなら是非詳しい分析を伺いたいと思います。
ただし、私の認識としては、首都から遠く離れた僅かな陸上国境で接するだけの小国である北朝鮮にはロシアは死活的な利益は有していません。北朝鮮に死活的利益を有するのは、まずは長大な陸上国境で接する中国・韓国であり、それに次ぐのが近接する日本・米国だと思います。従って、ロシアと北朝鮮の関係はあまり重視する必要はないのではないかと考えています。
以前から気になっていたのだが、プリンス氏のコメントでは、北朝鮮に対するロシアの影響力、があまり語られていない。
北朝鮮の政府、労働党、軍幹部、特に、労幹部は大部分がソ連の大学か軍学校に留学している。
プーチン政権時代は特に、北朝鮮の親ロシア政策が印象的だった。
北朝鮮が最も欲しがっている穀物、石油、新型兵器にいたっては、中国よりもロシアの方が保有している。
など、ロシアの影響力は非常に大きいと思う。
それと、最も重要なのが、ロシアが中国ほどには、北朝鮮への領土的野心がないことだ。
北朝鮮は中国・北朝鮮の歴史的特殊性から、絶対に中国の属国にはなりたくないはずだ。
不動産購入だけでは領土乗っ取りは不可能です。やはり、海軍力がないと済州島支配は無理でしょう。台湾が北京政府の支配下にない現状が続く限りは済州島が中国の影響下に置かれることはないと思います。
大昔は、耽羅国は、日本(大和朝廷)だけでなく中国にも朝貢していたから、中国による歴史的こじつけ、はいくらでも出来るよ。
中国(大国=強者)、韓国・北朝鮮(小国=弱者)という先入観は捨てた方が良い。
この点は全く同意です。人口50万人の満州族からなる清は人口1億を越える超大国明を完全に占領し、3世紀近くに渡って大帝国を維持しました。少数であっても精鋭の軍事力があれば中国は容易に征服されることがあります。
ただし、この強大な満州族は中国支配の間に自国語を失い漢民族にほとんど同化してしまいました。この、征服者を飲み込み同化させる(漢化)力は中国の強大さの証です。中国は歴史上頻繁に異民族の侵入・支配を受けますが、モンゴル族を除く支配者は全て漢化されてしまいました。仮に日本が1931年以後の日中戦争で軍事的に完全勝利していたとしても、長期的に見ると中国駐留の日本人が漢化され、満州のように人口の減った日本本土に中国人が流入して日本自体が消滅していった可能性が高いと思われます。この点から見て、第二次大戦で敗北して大陸から撤退したことは日本の長期的国益からは非常に有用だったと考えています。
>なにしろ、中国人の話を聞いていると、基本的に「金儲け」と「美食」ばかりだ。
金のためには必死で働くというのは中国の優れた国民性です。お隣のロシアと比べたとき、中国人の工場労働者としての素質の高さは歴然としています。
>北朝鮮の「飲まず食わずでも死に物狂いで戦う強靭さ」と韓国の工業力が合体したら、日本は勿論だが、陸続きの中国は極めて危うい。中国領土内の朝鮮族問題も抱えている。
北朝鮮の強靱さと韓国の工業力が合体することはおそらくないと考えています。将来韓国は日本と北朝鮮に挟み撃ちにあって滅亡し済州島に亡命することになるでしょう。韓国の工業力は消滅し、それによって東アジアの過剰な工場設備が一挙に減少して世界デフレが終わるのです。その後に残るのは、強靱な北朝鮮によって統一された半島国家と、日本の海軍力によって辛うじて領土を維持する済州島国家(鬱陵島・巨文島も領有することになるでしょう)の二つと予想しています。
歴史を振り返ると、中国(漢民族)の歴代王朝で、北方の少数騎馬(戦闘)民族にいとも簡単に滅ぼされた例は枚挙にいとまがない。
中国(大国=強者)、韓国・北朝鮮(小国=弱者)という先入観は捨てた方が良い。
なにしろ、中国人の話を聞いていると、基本的に「金儲け」と「美食」ばかりだ。
北朝鮮の「飲まず食わずでも死に物狂いで戦う強靭さ」と韓国の工業力が合体したら、日本は勿論だが、陸続きの中国は極めて危うい。中国領土内の朝鮮族問題も抱えている。
金正日の料理人が書いた本によれば、カラオケ・タイムになると、北朝鮮軍の老幹部連中はこぞって、日本の軍歌ばかり歌うそうだ。旧敵国(日本)の軍歌を歌うなど、中国軍や韓国軍では想像できない。
本当に彼らは生粋の朝鮮人なのか?
もしかしたら、残留日本人や旧帝国軍人やその子孫か、あるいは、現地の朝鮮人女性と結婚して出来た日朝ハーフ達ではないのか?との疑念を持たざるをえない。
もし、そうであれば、北朝鮮軍の精神的強靭性は侮れないと思う。
中国にとっては、統一朝鮮に米軍が駐留して、統一朝鮮軍の暴走(満州侵略)を止めてくれている方が安心なのではないか。
世界は多極化し、アジアには日本・中国・インド・ロシアなどの超大国が出現してきます。これらの超大国の合議でアジアの国際政治は決定されていくことになると思います。1815年以後の欧州のウィーン体制と似ています。従って、日本は外国に追随することなく独立すべきというのが私の意見です。
中国がアメリカの代わりの超大国になり、日本はそれに追随するべきだと主張しているようです。
氏とは正反対の主張をされていますよね。
嵐の前の静けさだろうか。
世界最大の債権国が「諸国民の信義と公正に期待」するというのは非常識(世界基準で)なんですね。
(しかしもしかするとこの縛りは日本人をより一層ずる賢く悪辣にする契機となるかも、とも思ったりしますw)