国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

2012年4月11日韓国総選挙の行方:米国を黙って信じる最高に愚かな韓国保守派

2012年04月02日 | 韓国・北朝鮮
●【コラム】中国を「黙って信じる」韓国の左派 朝鮮日報  2012/04/01 09:00

李河遠・政治部次長
 済州海軍基地や離於島(中国名:蘇岩礁)に関する取材をしていると「中国は韓国の左派のおかげで本当に幸福だろう」と思わずつぶやきそうになることがある。韓国の左派関係者は、指切りをして約束でもしたかのように、ひたすら「中国を刺激してはならない」と主張し続けているからだ。

 「建国以来、南方海域ではただの一度も紛争が起こらなかった。(韓国)海軍の力を増強するためのこうした無謀な挑戦は、中国を刺激して対立を誘発する、安全保障を脅かす行為だ」。中国外務省報道官の発言のように聞こえるが、これは統合進歩党のシム・サンジョン共同代表がある集会で述べたものだ。済州海軍基地は中国を怒らせる可能性があるため、すぐに工事を中断すべきという論理だ。

 「離於島をめぐる排他的経済水域(EEZ)確定紛争は、反中感情をあおって領土紛争化すべき事案ではない」。簡易投稿サイト「ツイッター」上で広まったこの書き込みの主人公は、左派の代表的「ポリフェッサー(政治に参加する大学教授)」、チョ・グク・ソウル大学教授だ。反米感情の拡大には決して消極的ではなかったこの人物が、反中感情の拡大を警戒して動き出したという点が目を引く。こうした人物のほかにも、大勢の左派関係者が、中国批判は自制しながら韓国政府を非難したり、米国を議論に引きずり込んだりしている。

 左派関係者の耳には、作戦半径が1000キロ、排水量が6万7000トンに達する中国初の空母が、今年8月に出港するというニュースが聞こえていないようだ。さらには中国が「列島線」という概念を打ち出し、済州島近海だけでなく東アジア周辺を自国の海域にしようとしている事実からも、目をそらしている。中国政府の大臣クラスの人物が、国営通信を通じ「蘇岩礁を定期監視の対象に含めた」と語ったという報道に対しても「朝中東(朝鮮日報・中央日報・東亜日報の略)が“安保商売”をしている」と声高に叫んでいる。

 済州島に海軍基地を建設せず、離於島をめぐる問題について沈黙してこそ、韓中間の対立を回避できるという論理は、中国を百パーセント信頼していなければ出てこない発想だ。ずっと以前に建設されているはずの海軍基地を放棄し、中国が韓国に配慮してくれるだろうと考えるのは、「浪漫的平和主義」に近い。同盟を結んでいる国家間であっても、互いの信頼関係を定期的にチェックする必要があるのが、国際政治というものだ。にもかかわらず、韓国の左派が中国を「黙って信頼」するのは、どういう理由からか。左派が中国の代弁者のように行動する一方、米国が関係する事案が浮上すると、すぐさま街頭デモに繰り出すのは、中国と社会主義の理念を共有しているからだ。

 中国との貿易額が年間2000億ドル(約16兆4620億円)に達し、韓米間の貿易額の2倍を超えているからといって「今は中国を刺激してはならない」というのは、また別の事大主義にすぎない。「韓国外交の全ての問題は、中国に帰結する」という意味を込めた「事必帰中」という言い回しが登場するほどに、中国は韓国に「巨大な壁」として迫っている。だがこういう時こそ、いかなる国家に対しても、韓国の主権や安全保障に関する問題では確実な立場を取り、話すべきは必ず話すというバランスの取れた思考が必要だ。左派勢力が米国に対して叫ぶ声の一部でも、中国に向けて発信すれば、確実な韓中関係の構築にもつながっていくだろう。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/01/2012040100074.html





 
●巻き返す与党 韓国総選挙、焦点は親北左派  - MSN産経ニュース 2012.3.28 22:44

 【ソウル=黒田勝弘】韓国の総選挙が29日、公式の選挙戦に突入する。4月11日の投票に向け与野党の宣伝戦はすでに始まっているが、選挙演説など戦いはこれから本格化する。

 12月の大統領選の前哨戦で、保守派が政権を維持するのか、それとも親北・左派勢力が再び政権を握るのか、今後の韓国政局を占う重要な選挙だ。

 現時点の選挙情勢は劣勢が伝えられた与党セヌリ党(旧ハンナラ党)が盛り返し、最大野党の民主統合党を追撃している。一方、親北・社会主義路線の統合進歩党(旧民主労働党)の進出が目立ち、韓国政治を左右する存在になるのではとの観測も出ている。

 韓国の国会は一院制で任期は4年、議席数は300(地域選出246、比例代表54)。現在、与党セヌリ党が過半数を占めているが、政権末期の李明博政権への飽きや各種疑惑などから与党は苦戦を強いられている。

 マスコミ世論調査によると、党支持率では一時、民主統合党が上回っていたが、このところセヌリ党が巻き返しほぼ伯仲の状態だ。ただ民主統合党は統合進歩党と選挙協力を進め、統一候補がかなりいるため、全体的には依然、野党陣営の支持率が上回っている。

 なかでも統合進歩党の動きが注目される。支持率は10%未満だが、前身の民主労働党時代に10議席を占めたことがある。今回、院内交渉団になる20議席の確保が関心の的になっている。

 また選挙協力で民主統合党への影響力も拡大しているため、総選挙および大統領選で野党陣営が勝った場合、次期政権は“民主・進歩連立政権”になるとの見方さえ出ている。

 統合進歩党は旧民主労働党内で「主体思想派」といわれた親北朝鮮派など急進左派が中心。米韓自由貿易協定(FTA)破棄、済州島海軍基地反対、米韓同盟反対、財閥解体など反米・反企業路線で知られる。

 民主統合党はセヌリ党と接戦の選挙区では統合進歩党の票がほしい。このため統一候補作りや政策公約などで統合進歩党にかなり引きずられている。

 セヌリ党は朴槿恵=パククネ=・非常対策委員長が陣頭指揮で選挙戦に臨み、野党陣営の親北・左翼ぶりを攻撃している。民主統合党(韓明淑=ハンミョンスク=代表)、統合進歩党(李正姫=イジョンヒ=共同代表)も党代表は女性で“女の戦い”になっているが、とくに次期大統領を狙う朴槿恵氏にとっては背水の陣だ。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120328/kor12032822440001-n1.htm






●政権に批判的な市民を組織的に「監視」 韓国、総選挙直前に疑惑浮上 - MSN産経ニュース 2012.3.31 23:40

 【ソウル=加藤達也】韓国政府機関の国務総理室が、反政権的な国民や盧武鉉前政権下で就任した政府系企業の幹部らの素行を盗聴や尾行などで組織的に監視・調査していた疑惑が浮上、11日の総選挙の投票を前に左派・革新系の民主統合党など野党側は追及姿勢を強めている。

 疑惑の発端は韓国放送公社(KBS)の労組などが入手した約2600件に及ぶ監視報告書。報告書は、2008~10年に国務総理室が作成し、10年7月に検察が押収していたが公にされなかった。

 監視対象はメディア幹部や経営者、政治家、労組関係者らで、警察幹部も含まれていた。李明博政権に批判的な言動が目立つ国民の銀行口座利用状況や通話内容など、私生活に踏み込んで調査していた。

 韓国メディアによると監視対象は数千人にのぼり、国務総理室は調査で把握した言動を理由に職員を退職に追いこんだり、逆に忠誠心を引き出して昇進させたりしていたという。

 調査に当たっていたのは日本の内閣府に似た行政機関、国務総理室の「服務機構管理チーム」。本来は公務員の綱紀維持のため、汚職や癒着、怠勤行為などを監察する部署で、大統領の執務を補佐する青瓦台とは指揮命令系統が別。

 青瓦台(大統領府)は31日、「報告書の8割は盧前政権が行った監視に関するもので前政権に責任がある」と反論したが、報告書には青瓦台の隠語とみられる「BH(ブルーハウス)」が命令したことをうかがわせる記載もあり、今後、李明博政権を直撃する可能性もある。
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120331/kor12033119340004-n1.htm





●韓国で総選挙の運動入り 与野党の支持拮抗  :日本経済新聞 2012/3/29 19:34

 【ソウル=島谷英明】韓国で29日、4月11日に投開票する国会議員総選挙(定数300)の運動が正式に始まった。結果は12月の大統領選の行方や次期政権の政策遂行力を左右する。保守系与党のセヌリ(旧ハンナラ)党と革新系の最大野党、民主統合党の支持率はほぼ拮抗。第1党の座をかける両陣営の争いは大接戦になりそうだ。

 世論調査機関リアルメーターによると3月第3週時点の政党支持率は、4年前の前回総選挙で過半数を獲得したセヌリ党が37.4%と首位。民主統合党は33.3%だが、統一候補擁立などで共闘する統合進歩党の7.5%と合わせるとセヌリ党を上回る。

 韓国メディアが報じている現時点の獲得議席予想は、セヌリ党が130~135、民主統合党が133~138。いずれも過半数には届かない見通し。

 セヌリ党の事実上の代表で、有力な大統領候補の朴槿恵(パク・クンヘ)選挙対策委員長は29日、ソウルで「国民の生活のために我が党の選択を」と支持を呼び掛けた。

 一方、民主統合党の韓明淑(ハン・ミョンスク)代表は「国民生活を破綻させた李明博(イ・ミョンバク)政権と与党に審判を下す」と訴え、本格的な舌戦が始まった。

 両党はともに李政権の大企業を軸とする成長重視路線から脱却し、格差解消などへ福祉の充実を主張。政策面での対立軸は曖昧で、総選挙は12月の大統領選に与える影響が最大の焦点になっている。

 国会議員の定数は前回選挙より1増の300議席で、小選挙区246と比例代表の54。小選挙区には全体で918人が立候補した。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE0EBE2E6868DE0EBE2E1E0E2E3E09494E3E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000







●【社説】主体思想を信じる国会議員の当選が有力に 朝鮮日報 2012/03/31 07:51

 統合進歩党比例代表名簿2位のイ・ソッキ候補が、かつて北朝鮮の地下組織員として活動していた事実が明らかになった。イ候補は故・金日成(キム・イルソン)主席が1927年に結成したとされる組織名をそのまま使った「反帝青年同盟」と、後に名前を変えた「民族民主革命党(民革党)」という地下組織を立ち上げ、いずれも幹部として活動してきた。イ候補は盧武鉉(ノ・ムヒョン)前政権当時の2003年3月、いわゆる「民革党事件」に関与したとして、「反国家団体構成罪」によりソウル高裁で懲役2年6月を言い渡され、後に大法院(最高裁)に上告したが、裁判を放棄して服役した。しかし、高裁判決から5カ月後の同年8月15日に特赦で仮釈放された。

 当時の判決文によると、1989年に結成された反帝青年同盟は「金日成主体思想を指導理念とし、金日成将軍様と(北朝鮮による対南革命前衛隊である)韓国民族民主戦線の指導を仰いで活動する金日成主義青年革命組織」で「(韓国から)米帝国主義を追い出し、現政権を打倒して連邦制による北朝鮮との統一を成し遂げ、社会主義国家を建設する」ことを目標として掲げていた。反帝青年同盟は3年後に同じく主体思想を指導理念とする民革党として生まれ変わり、企業、学生、農民などの団体や組織を掌握した上で「暴力革命による政府の打倒と社会主義政権の樹立」を目指したという。イ候補は反帝青年同盟で中央委員、民革党では道党組織の一つ、京畿南部委員会の委員長を務めた。

 統合進歩党の前身である民主労働党は、2004年の国会議員選挙で得票率13.8%を獲得し、比例代表から8人の議員を輩出した。また、08年には5.7%の得票率を得て3人の議員を当選させた。政界関係者の間では、統合進歩党の最近の支持率は全国平均7-12%のため、比例代表で5-7人の当選が見込まれるという。つまり比例代表名簿2位のイ候補も、選挙後は大韓民国の国会議員となる可能性が高いということだ。そうなるとイ候補は、主体思想を信じる韓国初の国会議員として記録されるだろう。

 国会議員はさまざまな国家機密を知ることのできる特権を持っている。ところがイ候補はもちろん、統合進歩党も、イ候補が反帝青年同盟や民革党当時の思想を持ち続けているのか、あるいは考え方を変えたのかについて、公の場で明言していない。イ候補は大韓民国の国会議員となった場合、「暴力革命」「政府打倒」「主体思想に基づく北朝鮮式の社会主義建設」を目指すこれまでの活動を続け、国会を北朝鮮による赤化統一の拠点とするつもりだろうか。有権者はこれについて説明を聞く権利があるはずだ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/31/2012033100343.html






●【コラム】宋襄の仁 朝鮮日報 2012/04/01 08:57 金泰勲(キム・テフン)国際部次長

 中国の著名な時事週刊誌「財経」が昨秋、米国アトランタでカーター元大統領に対しインタビューを行った。そのとき、このような質問と応答が飛び交った。同誌が「中国の台頭は米国の地位に対する大きな挑戦になると思うか」と尋ねたのに対し、カーター氏は「中国はかつてのソ連とは違う。中国が頭角を現すことが、米国の世界的な地位に対する脅威や挑戦になるとは思わない」と答えた。さらに同誌が「脅威ではないにしても、挑戦になるとは考えられないか」と尋ねたところ、カーター氏は「米国の軍事力は中国の6倍に達する。経済的にも、米国の全世界に対する影響力は中国を大幅に上回る」として、このような見方を一蹴した。これは「中国は米国の敵にはなり得ない」ということを示唆する発言で、中国にしてみれば自尊心を傷つけられたも同然だ。

 だが、同誌はこのインタビュー内容を大々的に報じた。理由は簡単だ。カーター氏が明確に、同誌が望む通りの応答をしたからだ。その後、中国の次期最高指導者に内定している習近平国家副主席は昨年12月8日、北京の人民大会堂で行われた、米中両国のピンポン外交40周年記念行事にカーター氏を招いた。この席で習副主席は「『同舟共済(同じ船に乗って川を渡る)』というのが、米中両国の唯一かつ正しい選択だ」として、米中両国の平和共存を強調した。そして、カーター氏を隣に座らせ「わが国が米国に追い付くには、まだ道のりは長い。だから安心してほしい」というメッセージを米国と全世界に向けて発した。

 だが、中国は内心、別のことを考えているはずだ。英国の軍事情報会社・IHSジェインスが2月初めに発表した報告書によると、中国の国防予算は、昨年の1198億ドル(約9兆8000億円)から、2015年には約2倍の2382億ドル(約19兆5000億円)に増えるという。軍事大国への道を歩もうとする意思が明確に表れた数値だ。習副主席がカーター氏にメッセージを託したのと同じころ、胡錦濤国家主席は「海軍の変化と近代化を通じ、戦争に対する準備体制を確立しなければならない」と述べた。米国務省はすぐさま「わが国が中国の意図に対して持っている疑問に答えるためには、中国が軍事的な透明性を高める必要がある」として、懸念する反応を見せた。だが、米国の元国家元首はこのような状況を察知できず「中国は(米国に追い付くには)まだ道のりが長い。親しく付き合っていこう」というメッセージを発した。

 カーター氏の愚かな平和主義は「仁(儒教における人間関係の基本)」に固執したため、戦争に負けたという古代中国・春秋時代の「宋襄の仁(不必要に情けをかけ、その結果、自分が痛い目に遭う)」の故事を思わせる。川を挟んで対峙していた楚の軍隊が、川に飛び込んで進撃してきたのに対し、宋の襄公は「正々堂々と戦って勝つ」として、楚軍が戦列を整えるまで待ち、その結果敗北を喫した。こんな笑い話のような歴史が、今日の韓半島(朝鮮半島)でも繰り返される可能性がある。カーター氏のように、表向きにはきれいごとのような平和主義を叫びながら、実際には国家の安全を脅かす勢力が存在するからだ。それは、金大中(キム・デジュン)元大統領から盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領、そして李明博(イ・ミョンバク)大統領へと政権が変わるたび、西海(黄海)で挑発行為を行い、韓国の海軍将兵たちの命を奪った者たちから謝罪を受けることもなく、和解に言及する人たちで、また、隣の国が航空母艦を建造し、ステルス戦闘機が飛び交う中で、自国の海を守る軍艦が入港できる軍港を建設するのをやめさせようとしている人たちだ。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/04/01/2012040100071.html






●[社説]野党連帯を理由に大韓民国の根幹を揺さぶるのか 東亜日報 MARCH 10, 2012 07:55

民主統合党が統合進歩党と4・11総選挙での「野党連帯」に向けて、韓米自由貿易協定(FTA)と済州海軍基地に反対することで方針を固めたことは、深刻な自己否定だ。韓米FTAの場合、民主党は「全面再交渉」、進歩党は「破棄」を強調している。韓米FTAを施行し、問題点が明らかになれば部分的な再交渉は可能だが、全面再交渉は再び原点に戻ることも同然だ。米国大使館の前に集まって破棄スローガンを叫び、世論の悪化を受けて全面再交渉に変更したが、自分たちが立てた盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府が推進した韓米FTAを軽視する態度だ。

韓米FTAは、経済領土の拡張を越え、韓米同盟を堅固にするためにも必要だ。済州海軍基地は韓国の海上主権と国家利益を守り、大洋海軍の道に進むためのものだ。盧武鉉前大統領もその重要性を知るゆえに、進歩左派勢力の一部の反対を押し切って積極的に推進した。盧政府で首相を務めた韓明淑(ハン・ミョンスク)民主党代表も、当時は「韓米FTAは韓国経済を世界一流に引き上げる新しい成長モメンタムになるだろう」、「大洋海軍を育成し、南方航路を保護するために海軍基地の建設は避けられない」と賛成した。李海瓚(イ・ヘチャン)、鄭東泳(チョン・ドンヨン)常任顧問をはじめとする民主党の人々も同じだった。

李明博(イ・ミョンバク)政府に政権が交代し、民主党の態度が急変したのは、進歩左派の民主労働党との野党連帯の話が出てからだ。連帯の地ならしのために、民主党は10年10月と11年12月の2度の全党大会を通じて、従来の「中道改革」路線を捨て、左派の色彩を強化する方向に政治綱領を変更した。野党連帯に欲を出して国益と安保を投げ出し、進歩党に振り回されている状況だ。

旧民主労働党が主軸を成す進歩党は、綱領に、普遍的な福祉社会の実現、大学序列の解体、住宅公営制の実施、生産手段の所有構造の公共性強化、在韓米軍の撤収、韓米同盟体制の解体などを明示している。その基底には、反米と従北主義があり、事実上「社会主義体制」を志向していると言っても過言ではない。野党が連帯し、総選挙と大統領選挙で勝利する場合、多数の進歩党の人々が国会に入り、長官にもなるだろう。今のように民主党が進歩党に振り回されるなら、この国の安保と外交、経済を心配せざるを得ない。

民主党は、進歩党より国民の支持率が5~6倍リードしている。しかも、進歩党と違って2度政権の経験を持つ民主党は、国政の責任、国益と安保がどれほど重大かを十分に承知している。民主党が自尊心を知り、自負心を持つ政党なら、総選挙で数席の議席に目がくらんで大韓民国の根幹を揺さぶる愚は犯してはならない。
http://japanese.donga.com/srv/service.php3?biid=2012031090058






●【社説】平壌で「主席様」と口にした人間は平壌で生活させよ 朝鮮日報 2012/03/30 09:27

 故・金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去から100日(今月25日)を前後し、韓国政府の許可なく北朝鮮を訪問した祖国統一汎(はん)民族連合(汎民連)韓国本部の盧修熙(ノ・スヒ)副議長は26日、故・金日成(キム・イルソン)主席の生家である平壌市内の万景台を訪問した。そこで盧副議長は芳名帳に「国葬の最中に反人倫的蛮行を犯した李明博(イ・ミョンバク)政権に代わり、祖国人民から万景台に丁重に謝罪します」と書き込んだ。

 盧副議長はさらに金総書記が建造を命じたとされる平壌凱旋(がいせん)門を訪問し「一つ一つが科学的、具体的、しかも体系的で、歴史的意味まで全てが含まれている。いかに卓越した哲学だろうか」と述べ、金総書記をたたえた。さらに金日成総合大学では、電子図書館の液晶パネルに「主席様の魂と人民愛の結晶体である金日成大学は、民族の生きた教育の場だということを栄光として受け入れ抱く」と書き込み、金日成主席に向けた愛慕の情を表現した。

 盧副議長は統一部(省に相当)の承認を受けないまま24日に平壌に到着した。盧副議長の平壌での行動は、2010年に北朝鮮を訪問した進歩連帯常任顧問で牧師の韓相烈(ハン・サンリョル)受刑者の倒錯的な言行を思い起こさせる。韓受刑者は哨戒艦「天安」が爆沈してから3カ月後の2010年6月に平壌に入り「李明博こそ天安号で犠牲となった生命を殺した元凶」と発言した。韓受刑者は国家保安法違反で懲役3年を宣告され、現在服役中だ。

 北朝鮮は「金日成主席と金正日将軍様」を心から慕いたたえる盧副議長の様子を連日報じている。盧副議長が立ち上げメンバーでもある汎民連は、1997年に大法院(最高裁)から利敵団体との判決が下されたが、今なお解散せず、その後も米国産牛肉輸入に反対するキャンドル集会に力を入れ、さらに京畿道平沢の米軍基地反対や済州海軍基地建設反対を叫ぶなど、常に大韓民国政府に対する闘争の先頭に立ってきた。

 韓国政府は盧副議長を韓国入国と同時に逮捕し、取り調べを行う方針だというが、このような人物は大韓民国の税金を使ってまで処罰する価値さえない。盧副議長は自らの口で朝鮮民主主義人民共和国を「祖国」と叫んでいるからだ。

 子どもの10人に5人が栄養失調状態で発達障害を抱えるとされる北朝鮮で、金日成・金正日・金正恩(キム・ジョンウン)の親子三代の恩恵に感激し、涙を禁じ得ないという盧副議長のような人間は再入国を拒否し、平壌で金氏一族の胸に顔を埋めながら生活させるべきだ。もし家族を連れて北朝鮮に住みたいと言うなら、それも許可してはどうだろうか。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/30/2012033000745.html







●【社説】日本は若者に虚偽の独島領有権を植え付けるのか 朝鮮日報 記事入力 : 2012/03/28 08:34

 日本の文部科学省が27日に検定を通過させた来年度用高等学校教科書39種のうち、21種に「竹島(独島)は日本の領土」と掲載されている。この結果、独島歪曲(わいきょく)教科書はこれまでの18種から、さらに3種増えることになった。この日検定を通過した教科書は、日本が周辺諸国と領有権を争っている独島、尖閣諸島(中国名:釣魚島)、クリル諸島(千島列島)の四つの島(北方領土)について「わが国(日本)が正当に主張している立場に基づき、領土問題に対する理解を深める必要がある」という2009年改訂学習指導要領に従って執筆されている。

 日本は2010年、「竹島は日本の領土」と記載された5種類の小学校教科書について検定を通過させ、11年にも同じく「竹島は日本の領土」と虚偽の記載がされた12種類の中学校教科書を通過させた。日本政府は現在103種類ある高等学校用教科書について、14年までに3回に分けて検定を行う計画を進めているが、今年はその中から39種の検定を終えた。14年までに残り64種の検定を終えると、独島歪曲教科書はさらに増えるだろう。日本政府は歴史を捏造(ねつぞう)して作成したウソの資料に基づき、小中高校の児童・生徒に対し「竹島は日本領土」という虚偽の事実を教え込み、将来に禍根を残そうとしている。

 ソウル核安全保障サミットに出席した野田佳彦首相は、文部科学省が教科書検定の結果を発表する2時間前に日本へ帰国した。李明博(イ・ミョンバク)大統領はサミット期間中、ホスト国首脳として22カ国と首脳会談を行ったが、野田首相とは会談を行わなかった、日本の複数の主要メディアは「韓日首脳会談が開催されなかったのは、従軍慰安婦問題で両国関係が悪化しているのが原因」と指摘している。野田首相はサミット出席のために来韓する直前の26日午前、在韓日本大使館前に設置された慰安婦「平和碑」に刻まれた「日本軍性的奴隷問題」という表現について「正確なことが記されているかというと大きく乖離(かいり)している」と述べた。つまり、日本軍慰安婦を「性的奴隷」とした国連や国際労働機関(ILO)の決議さえも否定しているのだ。

 日本は韓国が実効支配している独島を「自分たちの領土」と主張し、中国が日本の実効支配下にある尖閣諸島の領有権を主張すると「挑発」として反発している。これはまさに前後が合わない論理だ。日本政府が日本の将来を担う世代に「竹島は日本領土」というウソを洗脳すれば、その子たちは国際秩序を知らないまま道に迷う「世界の迷子」になってしまうだろうし、その世代による日本の将来も暗くならざるを得ない。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/28/2012032800559.html







【私のコメント】
今年2012年12月の大統領選の前哨戦として4月11日の韓国国会議員選挙が注目される。現状では与党セヌリ党の支持率は最大野党の民主統合党をわずかに上回るが、統一候補擁立などで共闘する統合進歩党の7.5%と合わせると民主統合党はセヌリ党を上回る。現状ではセヌリ党・民主統合党ともに過半数は取れないと予想されており、議会の主導権を失った李明博政権は12月まで機能不全に陥ると予想される。

韓国の保守系マスコミである朝鮮日報・中央日報・東亜日報の三社は日本に対する情報工作目的と思われるが日本語版を電子版で保有している。この記事を見る限り、韓国保守派の知能の低さには愕然とせざるを得ない。彼らが激しく糾弾する左派の野党勢力、特に親北朝鮮の統合進歩党こそ、最も現実的で優れた政治勢力である。保守派は超大国である中国に軍事力で対抗するために済州島の海軍基地建設や離於島基地の維持を主張し、中国に融和的な米国のカーター大統領を激しく批判する。しかし、歴史的に見て朝鮮半島国家は一度として大陸国家に軍事勝利できなかったことを考えれば、軍事力で中国に対抗するのは愚の骨頂であり、中国を刺激せず、中国の属国という朝鮮半島国家の伝統的地位を重視する統合進歩党こそ最も保守的で賢明な政治集団である。朝鮮日報は左派を「中国を黙って信じている」と非難するが、米国を黙って信じている保守派は自分の立ち位置が理解できていない。重要なのは軍事的にも経済的にも米国が衰退傾向にあり中国が隆盛傾向にあることだ。米軍が撤退した時どうするのか、彼らは何も考えていない。

朝鮮日報は日本の竹島領有権主張を虚偽のものとして糾弾するが、サンフランシスコ条約とそれに関連するラスク書簡によって竹島の国際法上の帰属が日本であることは明らかであり、虚偽の主張を行って国際法を踏みにじっているのは韓国の方だ。韓国のような小国は軍事力では周囲の超大国には対抗不可能なので、国際法を味方につけて戦争時には弱者に対する同情を集めるのが賢明な政策である。しかし、現状では韓国の方が国際法を踏みにじっており、弱小国の保有可能な最後の武器を韓国は自ら投げ捨てている。このような極めて愚かな韓国支配階層は日本の友人として不適切である。米軍が撤退したら日本は竹島問題で、中国は離於島問題で韓国に宣戦布告するのが良い。そして、日中両国の海軍力による海上封鎖で韓国が食料も石油も枯渇し戦車や軍用艦や軍用機が稼働不可能になった所で北朝鮮軍の南進と親北朝鮮勢力の内応によって半島統一を実行するのが良い。現在の韓国保守派は北朝鮮の統治下で敵対階層として迫害を受けるべきだ。女性は嫁不足の中国に性奴隷として送られ、男性はベトナム戦争後の中越戦争の様に半島統一後の北朝鮮と中国が延辺民族自治区を巡って戦う戦争に兵士として送り込んで全員殺してしまうのが良い。韓国保守派の様な愚かな人々は存在する事自体が悪である。彼らが地獄に落ちて塗炭の苦しみを味わう近未来に私は快哉を叫びたい。







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北朝鮮はセヌリ党の味方? (四葉のクローバー)
2012-04-02 15:30:15
選挙期間中に北朝鮮がミサイルを発射したら、セヌリ党に有利に働くはずだが、、、、

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Unknown (Unknown)
2012-04-02 16:42:26
>韓国の左派関係者は、指切りをして約束でもしたかのように、ひたすら「中国を刺激してはならない」と主張し続けているからだ。

民主党にも居るよな、こういう輩

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Unknown (Unknown)
2012-04-02 19:19:23
しかし日本国内じゃ南朝鮮の選挙戦を全く報じてないな。
不穏だな。
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Unknown (Unknown)
2012-04-03 22:26:39
日本の保守で親韓派(換言すれば、 アメポチ)は、韓国の保守派と仲がいいのです。
一緒に滅びればいいと思いますね。
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Unknown (Unknown)
2012-04-04 15:24:55
>彼らが激しく糾弾する左派の野党勢力、特に親北朝鮮の統合進歩党こそ、最も現実的で優れた政治勢力である。

それなら、特に親北朝鮮・親中国の社民党こそ、日本で最も現実的で優れた政治勢力、なのか?
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Unknown (朱雀)
2012-04-05 01:16:04
今回は特別に過激だ。



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Unkownさんへ (princeofwales1941)
2012-04-05 08:16:30
>それなら、特に親北朝鮮・親中国の社民党こそ、日本で最も現実的で優れた政治勢力、なのか?

私はそう考えています。

北朝鮮は帝国陸軍勢力が建国し支配している国で今も大東亜戦争を戦い続けているのです。社会民主党は前身の社会党時代から帝国陸軍の伝統を引き続き、中国や朝鮮に居住する親日勢力と交流を続けてきました。南京大虐殺記念館建設が日本社会党の支援によって行われたのはその一例で、謝罪を名目に、汪兆銘政権関係者と交流していたのだと想像しています。
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いつものように (万里眼)
2012-04-05 10:24:05
セヌリ党が北朝鮮に金渡して
「投票日に38度線で暴れてくれ」
と頼めば、セヌリ党は勝てると思う。
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Unknown (Unknown)
2012-04-05 11:27:58
>Unkownさんへ (princeofwales1941)

貧乏国と科学力が弱い国とつきあって、何が得があるの。?
勝海舟が明治政府の朝鮮政策に対して、同じようなことを言っている。
 状況が不利な時出てくる理屈か、自分で何もできない時に出てくる理屈のよく似ている。
 消費税を上げる政府に言ってやれ
<税収が35兆、支出が100兆、消費税で、改善できるのか>
 それに対して<税と社会保障の一体改革>と抗弁するのと同じである。
 朝鮮人を知らない人の見方に過ぎない。
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kenjiへ (princeofwales1941)
2012-04-05 19:17:30
↑のコメントの文面はどう見てもkenjiのもの。

kenjiにこの掲示板から去ることを命令する。
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