【私のコメント】
日本企業は安価で熟練した労働力を求めて中国に多数進出している。しかし、これらの進出先を見ると偏りが目立つ。黄河流域以北の畑作地帯への進出例は少ない。その一方で、上海近辺・広州近辺には多数の進出企業が見られる。上海は揚子江、広州は珠川の河口デルタに存在し、いずれも稲作に非常に適した場所である。これに対して、北京周辺には多数の高等教育機関を背景としたIT産業の立地は見られるが、加工貿易型の製造業の立地は少ないように思われる。
中国以外の工場立地地域を見ても、韓国・台湾・ベトナム・タイ・マレーシア・最近ではバングラデシュなど、稲作地帯ばかりである。インドは多雨地帯では稲作、少雨地帯では畑作と分かれているが、IT産業で有名なバンガロールは乾燥地帯ではないものの、デカン高原西方の西ガーツ山脈で雨が降ってしまいデカン高原はやや少雨な気候であり、どちらかというと畑作地帯ではないかと思われる。先進工業国としての長い歴史をもつ日本を含めて、加工貿易型の工場は稲作地帯に集中的に立地している傾向があるのだ。
世界の農業地域は、耕作に適さない乾燥気候の放牧・遊牧地域、やや湿潤な畑作地域、湿潤な稲作地域に三分される。加工貿易型の産業の労働者としての適性は、稲作地帯>畑作地帯>放牧・遊牧地帯であると考えられる。稲作には、工場労働者としての適性を磨く何らかの要因があると思われる。
稲作(水稲)と畑作の最大の違いは、灌漑用水の有無である。水田では多量の水が必要となり、天水のみで不足する場合は河川から灌漑用水が取水され、各水田に供給される。この灌漑用水の工事や灌漑用水の管理が工場労働者としての適性を磨いている可能性があると思われる。また、田植え等の集団作業の経験が関与している可能性もあるだろう。
ただ、東南アジアや南アジアのモンスーン地帯では、乾期と雨期の差を利用した天水に頼る稲作も行われている。これは、エジプトのナイル川流域での農業(ナイル川は増水期と減水期がある)と類似している点で注目される。
私は農業の専門家ではないので、これ以上の分析は差し控えたい。しかし、モンスーンアジアの稲作地帯には工場労働者としての適性を磨く何らかの重要な要因が存在するように思われる。この考えが正しいならば、中近東・北アフリカのイスラム圏やサハラ以南のアフリカは永遠に低開発地域としてとどまるのではないかと考えられる。また、稲作地帯と畑作地帯に分裂した中国・インドの二つの超大国は今後更に発展するとしても国内に大きな格差を抱えた不安定な状態になると想像される。
↓↓↓ 一日一回クリックしていただくと更新の励みになります。
日本企業は安価で熟練した労働力を求めて中国に多数進出している。しかし、これらの進出先を見ると偏りが目立つ。黄河流域以北の畑作地帯への進出例は少ない。その一方で、上海近辺・広州近辺には多数の進出企業が見られる。上海は揚子江、広州は珠川の河口デルタに存在し、いずれも稲作に非常に適した場所である。これに対して、北京周辺には多数の高等教育機関を背景としたIT産業の立地は見られるが、加工貿易型の製造業の立地は少ないように思われる。
中国以外の工場立地地域を見ても、韓国・台湾・ベトナム・タイ・マレーシア・最近ではバングラデシュなど、稲作地帯ばかりである。インドは多雨地帯では稲作、少雨地帯では畑作と分かれているが、IT産業で有名なバンガロールは乾燥地帯ではないものの、デカン高原西方の西ガーツ山脈で雨が降ってしまいデカン高原はやや少雨な気候であり、どちらかというと畑作地帯ではないかと思われる。先進工業国としての長い歴史をもつ日本を含めて、加工貿易型の工場は稲作地帯に集中的に立地している傾向があるのだ。
世界の農業地域は、耕作に適さない乾燥気候の放牧・遊牧地域、やや湿潤な畑作地域、湿潤な稲作地域に三分される。加工貿易型の産業の労働者としての適性は、稲作地帯>畑作地帯>放牧・遊牧地帯であると考えられる。稲作には、工場労働者としての適性を磨く何らかの要因があると思われる。
稲作(水稲)と畑作の最大の違いは、灌漑用水の有無である。水田では多量の水が必要となり、天水のみで不足する場合は河川から灌漑用水が取水され、各水田に供給される。この灌漑用水の工事や灌漑用水の管理が工場労働者としての適性を磨いている可能性があると思われる。また、田植え等の集団作業の経験が関与している可能性もあるだろう。
ただ、東南アジアや南アジアのモンスーン地帯では、乾期と雨期の差を利用した天水に頼る稲作も行われている。これは、エジプトのナイル川流域での農業(ナイル川は増水期と減水期がある)と類似している点で注目される。
私は農業の専門家ではないので、これ以上の分析は差し控えたい。しかし、モンスーンアジアの稲作地帯には工場労働者としての適性を磨く何らかの重要な要因が存在するように思われる。この考えが正しいならば、中近東・北アフリカのイスラム圏やサハラ以南のアフリカは永遠に低開発地域としてとどまるのではないかと考えられる。また、稲作地帯と畑作地帯に分裂した中国・インドの二つの超大国は今後更に発展するとしても国内に大きな格差を抱えた不安定な状態になると想像される。
↓↓↓ 一日一回クリックしていただくと更新の励みになります。
個人的にはアジア諸国は反日でいてくれたほうがいいですね。
畑作地域で水を大量に消費するとアラル海みたいな問題が発生しそうだし。
ちなみに中国北部、黄河流域で起こっている環境破壊はアラル海消滅に匹敵するものだと思っています。
あれだけ黄河の断流が起こっていれば、もし渤海が内海ならアラル海の二の舞になっていたでしょう。
とはいえ、気づかずに病状が進むというのはこれは怖いw
21世紀末には黄砂に塩分が混じることになるかもしれませんね、アラル海周辺と同じように。
タイやインドネシアには、日本企業のライバルになるサムスン・ヒュンダイなどの現地企業が存在しません。従って、少なくとも近い将来には日本がタイやインドネシアと対立することはないと思います。
それはかなりの部分、正しいと思います。工場には工業用水が必要ですから。
ただ、中国の天津にトヨタの工場があり、鄭州に日産の工場がある。両方とも黄河流域近辺で水資源は豊富ではないところです。従って、少なくとも自動車産業に関する限りは水資源は極端には重要ではないと思われます。また、天津・鄭州の工場はともに輸出向けではなく中国国内向けであることにも注目すべきだと思います。私は、少なくともモンスーンアジアに限って言えば、やはり稲作地帯には畑作地帯にない何かがあるのではないかと思っています。
この大恐慌で結果が出る。今後10年以内で。
多分崩壊する。
亜細亜は工業化は無理だろう。下駄をはかせているものがなくなれば、後はグライダーになる。
近代工業は普遍的なものかそれとも西洋キリスト教圏だけのものか。もしくはその援助がアジアに来て、初めて亜細亜は工業化ができるか、それとも自力でできるか?
自然科学は西洋キリスト教が生み出したものでその精神がないところでは一時的にはいいだろうが、ドン図まりへ行けば、多分だけだろう。
いずれにしても後10年で多分結果が出る。
その結果はかならずしもアジアにとっていいものではないだろう。
したがって、稲作文化が工業化にとって重要な条件であり、工場労働者としての適性を決定的に左右するとはいえないと思います。
もちろんどんな真理にも例外はありますが、産業革命の発祥地であるイギリスが例外にあたるというのは、致命的だと思います。