国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

韓国にだけ謝罪し、中国には謝罪しなかった日本

2010年08月28日 | 韓国・北朝鮮
●日韓国会議員会議 慰安婦など補償など韓国要求エスカレート 日本側に反論なく 産経新聞 2010.8.19

 日韓両国の国会議員が、日韓併合100年にあたり菅直人首相が発表した首相談話や両国関係について議論する会議が19日、国会内で開かれた。韓国側は談話の内容は不十分だと指摘した上で、日韓併合条約は無効だとして慰安婦問題などへの補償を要求。日本側は押されっぱなしとなり、首相談話が日韓の歴史問題に区切りをつけるどころか、逆に解決済みの話を蒸し返し、韓国側の要求をエスカレートさせている実態を浮かび上がらせた。

 日本側は民主党の斎藤勁、石毛●(=金へんに英)子両衆院議員、社民党の福島瑞穂党首ら民主、社民、共産3党など左派・リベラル色の強い衆参両議員14人が参加。韓国からは8人が参加した。
 韓国側は元慰安婦や原爆被害者問題に関する補償の追加協議や、在日韓国人への地方参政権付与を求める要望書を土肥隆一衆院議員(民主)に手渡した。
 首相談話をめぐっては、韓国側から「韓国国民から見れば全然足りない」などとの意見が続出。談話で「意に反して行われた」と記された日韓併合に関しては「本当に歴史に率直であるならば、日韓併合条約の不法性を認めなければならない」との指摘もあった。
 これに対し、日本側は特に反論せず、福島氏は「談話は不十分」と同調した。今野東参院議員(民主)は「談話はよく出したものと評価している。ほめてもらうことで(日韓関係も)調子がよくなることもある」と苦しい釈明をした。
 韓国側はさらに、元慰安婦などの補償問題について「法的論理をふりかざすのではなく友好親善の視点に立つべきだ」と主張。日韓基本条約で「完全かつ最終的に」決着済みの補償問題についてもさらなる取り組みを求め、元慰安婦や在サハリン韓国人問題、文化財返還などについて国会議員同士で取り組む委員会の設立を提案した。
 それでも日本側から反論はなく、石毛氏は「(日本では)日韓の歴史を反省することに反する動きが見過ごせない波になっている」と述べ、自虐史観に批判的な世論を批判した。
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100819/plc1008192249018-n1.htm





●・菅談話で早くも補償を要求し始めた韓国議員 ~予想通り村山談話を超えた最悪の談話となる~|アジアの真実 2010年08月22日

 多くの与野党議員から批判を受けた菅談話が発表された際、当Blogでも、村山談話から大きく踏み出し、一方的な歴史観のもと、補償問題に発展するような含みを残した談話の罪は極めて大きいと指摘しましたが、その予想は早くも現実のものとなってきたようです。
 当Blogで、最も問題だと指摘 していた「意に反して行われた」という部分ですが、やはり韓国側は予想通りこの言葉を取り上げ、日韓併合の無効性を追求してきました。さらに、補償問題を当然のように切り出し、それを議論する両国の委員会の設立まで要求していつばかりか、どさくさに紛れて在日韓国人への地方参政権まで要求してくる厚顔ぶりです。談話のおかげでまるで水を得た魚のようになっています。
http://ameblo.jp/lancer1/entry-10626831565.html





●【緯度経度】ワシントン・古森義久 国家は簡単には謝らない 産経新聞 2010.8.21

 菅直人首相の日韓併合に関する談話で日本国はまた韓国に謝罪した。「植民地支配がもたらした多大の損害と苦痛に対し、改めて痛切な反省と心からのおわびを表明する」というのである。
 朝鮮半島を日本の領土として認めた日韓併合条約が当時の国際規範に沿った正当な取り決めとされた事実と、その条約の結果を悪と特徴づけ、ひたすら謝る菅政権の態度との間には、明らかに大きな断層がある。だがその菅政権の歴史認識のゆがみや矛盾はひとまずおいて、このように国家が他の国家や国民に謝罪を続けること自体の是非を米国からの視点で考えてみよう。
 人間集団の謝罪を専門に研究するハーバード大学のマーサ・ミノー教授は一連の論文で「国家対国家、あるいは国家対個人の謝罪という行為は1980年代以前は考えられなかった」と述べる。主権国家の政府は戦争で降伏し、非を認めて賠償を払いはしても「おわびします」とか「すみません」と心情を表明することはなかったというのだ。
 だが同教授によれば、民主主義の強化で状況が変わり、国家が自国の国民に非を謝るようにはなった。レーガン大統領や先代ブッシュ大統領が第二次大戦中の日系米人の強制収容を謝り、クリントン大統領は米国のハワイ武力制圧を謝った。だが米国が他国に謝罪した例はきわめて少ない。米国がフィリピンを武力で植民地にしたことは明白でも、謝罪はしていない。日本への原爆投下も同様だ。
 他の諸国に目を転じてもイギリス政府がインドやビルマの植民地支配を公式に謝罪したという話は聞かない。フランス当局がベトナムやカンボジアの植民地統治自体を正式に謝ったという記録もない。
 米国ウェスリアン大学のアシュラブ・ラシュディ教授は「罪ある時代の謝罪と忘却」という自著で、「クリントン大統領が1998年にルワンダ大虐殺に対し米国が阻止の行動をとらなかったことを謝罪したが、その謝罪自体はその後の各地での虐殺阻止にはなんの役にも立たなかった」と書いた。謝罪の実効の不在である。同教授は「謝罪は相手の許しが前提となり、心情の世界に入るため、そもそもの原因となった行為の責任や歴史の認識を曖昧(あいまい)にしてしまう」とも論じた。
 日本の謝罪については米国オークランド大学の日本研究学者ジェーン・ヤマザキ氏が2006年に出版した自著「第二次大戦への日本の謝罪」で詳しく論考している。ヤマザキ氏は1965年の日韓国交正常化以降の日本の国家レベルでの謝罪の数々を列挙しながら「主権国家がこれほどに過去の自国の間違いや悪事を認め、外国に対して謝ることは国際的にきわめて珍しい」と述べた。そして米国はじめ他の諸国が国家としての対外謝罪を拒む理由として以下の諸点をあげた。
 「過去の行動への謝罪は国際的に自国の立場を低くし、自己卑下となる」
 「国家謝罪は現在の自国民の自国への誇りを傷つける」
 「国家謝罪はもはや自己を弁護できない自国の先祖と未来の世代の両方の評判を傷つける」
 さらにヤマザキ氏の分析は日本にとり最も深刻な点を指摘する。それは日本の国家謝罪を外交手段とみるならば、それがいままでのところ完全に失敗しているというのだ。
 「日本は首相レベルで何度も中国や韓国に謝罪を表明してきたが、歴史に関する中韓両国との関係は基本的に改善されていない。国際的にも『日本は十分に謝罪していない』とか『日本は本当には反省していない』という指摘が多い」
 これらが謝罪が成功していない例証だというのである。そしてヤマザキ氏がとくに強調するのは以下の点だった。
 「謝罪が成功するには受け手にそれを受け入れる用意が不可欠だが、韓国や中国には受け入れの意思はなく、歴史問題で日本と和解する気がないといえる」
http://sankei.jp.msn.com/world/korea/100821/kor1008210743001-n1.htm




●日本は中国に薄情、なぜ?―「韓国には謝罪」で新華社が論説 2010/08/22 [サーチナ]

 新華社はこのほど、「日本は歴史問題の『お詫び』で、なぜ韓国に手厚く、中国には薄いのか?」と題する論説を発表した。菅直人首相が「首相談話」の形式で10日、韓国併合(植民地化)にかんして謝罪の意を示したことで、中国国内では「わが国をないがしろにした」などの不満の声が噴出したことを受けた。
  新華社の論説はまず、2010年が日韓併合条約締結100周年に当たることを指摘。日本政府は、何らかの考えを表明せざるをえなかったと、政治的タイミングの問題があったと説明した。さらに、6月に韓国国内で行われた民意調査で、日韓関係の最大の障害は「教科書や従軍慰安婦など歴史問題」と考える人が34.8%で最多だったと紹介。日中間で「歴史問題は完全に解決されたわけではないが、現在のところ、両国間で最も緊張していて、最も解決が必要な問題ではない」との専門家の見方を示した。
 新華社は、韓国併合にかんする表現で、条約を「日中合併条約」と「併合」を中国語で分かりやすく直訳しただけの表現とした。同条約の有効性については触れず、「植民地化」の用語も使わなかった。
 日本が韓国だけに「謝罪」した理由として、中国が日本を追い越すまでに成長してきたことも挙げた。「GDPが日本を抜いて世界第2位に」、「世界第1のエネルギー資源消費国に」、「空母建設で、海に拡張」などのニュースがあふれ、日本人は中国を脅威と考えるようになったとの見方を紹介し、強大になりつつある中国に、謝罪したいとは思わない人がいると解説した。
 最後に、菅首相が「談話」の中で、日韓両国が「民主主義や自由、市場経済といった価値を共有」と述べたことに注目。朝日新聞も社説で「アジアにおいて、日韓両国は最も手をたずさえて、パートナーシップを構築すべき2カ国だ。中国の勃興(ぼっこう)、地球温暖化など世界規模の問題を前にして、日韓両国は協力関係を強化せねばならない」と論じたことに注目。日本は歴史問題で中韓を「分割して治める」ことで、中韓の協力を妨げる意図があると主張した。
 中国のインターネットで「日本は中国には薄情だ」と憤る(いきどおる)声が噴出したことに対しては、日中間にも「従軍慰安婦、強制労働、遺棄された化学兵器」などの問題が残っていることを指摘した上で、「口頭による謝罪より、日本の実際の行動が重要」として、事態を冷静に見つづけることが必要との見方を示した。(編集担当:如月隼人)
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0822&f=politics_0822_006.shtml




●岡田外相「文化財引き渡し、これで決着をつけたい」 朝鮮日報 2010/08/26

岡田外相「文化財引き渡し、これで決着をつけたい」
文化財庁「条件を付けるなら受け入れられない」

 朝日新聞が25日付で報じたところによると、日本の岡田克也外相は24日、韓国への文化財引き渡しの問題に関し、「これで決着をつけたい」と発言したという。
 同紙は、岡田外相が民主党政策調査会の外交分野の会議に出席し、このように述べたとした上で、「これは、韓国へ引き渡す文化財を、朝鮮総督府を通じて入手した文化財に限定し、それ以外の要求には応じないという考えを表明したものだ」と報じた。なお、菅直人首相は今月10日に発表した談話で、引き渡しの対象となる文化財の範囲について、「総督府経由で流出し、日本政府が保管している、『朝鮮王室儀軌』(朝鮮王朝時代、王室や国家の重要な行事の内容を整理した記録)など朝鮮半島由来の貴重な図書」と説明している。
 これに対し、韓国文化財庁のイ・ギョンフン国際交流課長は、「(引き渡しの対象を)朝鮮総督府が持ち出した文化財に限定するとか、これで決着をつけたいなどというのは言語道断だ。日本が文化財の返還交渉に際し、そのような条件を示しても、受け入れられないというのが韓国政府の意向だ」と語った。また、同庁の朴英根(パク・ヨングン)文化財活用局長は、「まず日本側が、返還の対象とする文化財の目録を作成し、韓国側へ示してくれれば、両国の専門家らが共同で詳しく検討し、適正性の有無を判断するとともに、韓国側が返還の対象について新たに要求して、返還する文化財の具体的な目録を作成する」と話した。
http://www.chosunonline.com/news/20100826000025




●【日韓併合談話】日本の謝罪などいらない 韓国保守派の嘆きと憤慨 産経新聞 2010.8.28

 日韓併合100年にあたっての菅直人首相の談話について、日本統治時代を知る元韓国空軍大佐の崔三然氏(81)がインタビューに応じ、「これは日本の首相としては失格だ。かえって互いの信頼を失う結果になる」と危惧の念を表明した。主なやりとりは次の通り。(聞き手 軍事ジャーナリスト・鍛冶俊樹氏)

 --8月10日に菅首相が日韓併合100年にあたっての談話を発表しました。これについての考えは
「これは日本の首相としては失格ですよ。日本人としての立場を弁えていない。併合から100年、戦後65年も過ぎたのに、今さらどういうポジションでああいうことをしゃべっているか、さっぱりわかりません。もうこれは日本の終末ですね」

 --内容的には1995年の村山富市首相談話の繰り返しだとも言われるが
「いやもっとひどいですよ。村山談話は単なる謝罪であって、そこから共生を目指すともいえる。菅談話は、その次に出て来るものは日韓基本条約の無効ですよ。そもそも植民地というのは15世紀から始まりました。近現代史というのは人類における植民地時代だともいえる。世界中至る所、植民地だらけでした」

 --確かに世界史の地図帳を見るとその通りですね
「アフリカなどは植民地時代が終わっても貧困からなかなか抜け出せない状態です。では植民地から近代的な経済発展を遂げたのはどこですか。韓国と台湾ですよ。ともに日本の植民地だった所です。他に香港とシンガポールがありますが、ここは英国のいわば天領でした。インドは英国の植民地として代表的ですが、インフラが整備されておらず、なかなか経済発展ができなかった。今、インドは経済発展しているといわれますがそれでも1人当たりのGDPは890ドル、識字率も64%に過ぎません」

 --韓国と台湾は日本統治時代にインフラが整備されていたと
「戦前、鉄道、水道、電気などの設備は日本国内と大差なかった。これは諸外国の植民地経営と非常に違うところです。諸外国は植民地からは一方的に搾取するだけでした。日本は国内の税金を植民地のインフラ整備に投入したのです。だから住民の生活水準にも本土とそれほどの差がありませんでした」

 --教育はどうでしたか
「私は日本統治時代の教育も受けました。当時、日本国内で行われていた学校教育と差がありませんでした。また日本の陸軍士官学校には朝鮮人の入学を認めていました。当時の諸外国では自国の陸軍士官学校に植民地の人間の入学を認めたりしませんでした。つまり日本は教育においても差別をしていなかった。当時の諸外国は本国と植民地を明確に差別していました。植民地とは搾取の対象として経営するものであって差別されて当然でした。日本は差別をしないように併合したわけで、いわゆる諸外国の植民地支配とはまったく違っていた」

 --諸外国こそ謝罪すべきなのに日本ばかりが謝罪しなければならないのはどういう訳でしょうか
「今ごろになって植民地だとか侵略だとか言っていますが、これには中国の戦略が背景にあるのです。中国の戦略は日本の再起を不能にし、日本が韓国や台湾と連携するのを阻止することです」

 --そういえば日米同盟や米韓同盟はあるのに日韓同盟や日台同盟はありません。日韓などは米軍基地の位置関係からみれば事実上同盟国といっていいほど近接しているのに同盟条約は結ばれていません
「日韓同盟こそ中国や北朝鮮が最も恐れている同盟です。だからこれを抑制し妨害するために中国は全力を挙げています。それに対して日本は対応を誤っていると言わざるをえません」

<中略>
「中国はとにかく日本を孤立させようと躍起です。ああいうやり方は結局中国のためにもならないと思いますが、中国は外国を抑え込むことばかり考えていて、自国を改革しようとはしません」

<中略>
「金正日の父親の金日成は戦前、満州人として育ったのです。本名は金聖柱、朝鮮語よりも中国語の方が堪能で、匪賊として荒らしまわっていた。1945年に朝鮮北部を占領したソ連軍によって、すでに抗日の英雄として伝説になっていた金日成将軍に仕立て上げられたのです。つまり偽金日成です。本当の金日成将軍は私たちが少年時代に朝鮮北部でうわさを耳にした人物ですが、当時33歳の若造だった金聖柱のはずはない。本当の金日成は日本の陸軍士官学校を21期で卒業して後に独立運動に転身した金光瑞だといわれています」

 --旧ソ連が抗日英雄伝説を利用したわけですね
「中国にいたチンピラみたいのが今の北朝鮮を支配しているのです。だからまともな政治などできるわけはないし、経済はメチャメチャです。ところが韓国の今の若者の中には北朝鮮にだまされて正しい政権だと信じている者が少なくないのです。嘆かわしい限りです」

 --親北派ですね
「そうです。世論の動向次第では親北派が主導権を握り北朝鮮中心の南北統一もありうる情勢です。もしそうなったら大変なことです。これを阻止するためにも日韓は連携を強めなければいけないと思います」

 --今日はありがとうございました
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100828/plc1008280701006-n1.htm





●3731.小沢日本は親米破棄へ 2010.08.28 国際戦略コラム
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/220828.htm





【私のコメント】
菅直人首相は「首相談話」の形式で8月10日、韓国併合に関して謝罪の意を示した。謝罪が韓国に対するものだけであり中国が含まれなかったことに中国が反応している。新華社通信の論説はこれをとりあげ、まず、2010年が日韓併合条約締結100周年に当たることを指摘し、日韓関係の最大の障害は「教科書や従軍慰安婦など歴史問題」と考える韓国人が多いことを挙げた。第二に、強大化する中国に謝罪したくない感情が日本人に存在すること、第三の理由としては歴史問題で韓国を味方に付けて中韓の協力を妨げる目的を挙げている。

産経新聞の古森義久記者が記事で触れているように、植民地支配に対する国家の謝罪は他に例がない。また、謝罪が成功するには受け手にそれを受け入れる用意が不可欠だが、韓国や中国には受け入れの意思はなく、歴史問題で日本と和解する気がない。例えばシンガポールは英国人の手先となって植民地時代にマレー人を間接支配した華僑が日本占領期間中に弾圧されたことから反日感情が強かったが、先進国化して経済水準が日本と並ぶと共に急速に反日感情が消滅している。恐らく、韓国・中国の反日感情も、両国が経済水準で日本と並ぶまでは消失はしないだろう。そして、両国が経済水準で日本と並ぶことは、上海・香港などの沿海大都市が分離独立した状態を除いてはあり得ないだろうと私は考えている。案の定、菅首相の謝罪は韓国の反日感情に火を注いだ。岡田外相の文化財引き渡し問題も国際的に見て異例の申し出であり、韓国民は「我が国の貴重な文化財が日本に奪われていた」と考え反日感情を強めることだろう。

日本政府がこのように韓国に謝罪したり、文化財返還を申し出たりするのは、歴史問題で韓国国民の反日感情を煽って韓国を敵に回し、韓国の中国への属国化を促進することが目的であると私は考えている。新華社通信の分析とは逆の見方である。米国の経済力・軍事力は揺らいでおり、近未来の東アジアからの撤退は避けられない。朝鮮半島近隣の4大国のうちで半島に死活的利益を有するのは日中両国のみであり、米軍撤退後の韓国は軍事面で日中のどちらに付くかという重大な決断を迫られることになる。ここで、反日感情により日本に付くことが不可能になれば消去法的に中国に付くしかなくなる。その先にあるものは、北朝鮮主導の半島統一と李氏朝鮮的な中国の属国への道である。

これまで中韓両国に謝罪し続けてきた日本が今年、韓国のみに謝罪して中国に謝罪しなかったことは注目すべきである。中国人の反日感情を煽るべきでないと日本政府が考えている様に思われる。日本と中国は軍事的に敵対関係にあったが、これが友好関係に変化したのではないかというのが私の想像である。日中両国は近未来の米国の東アジアからの撤退を念頭に置いていることだろう。また、中国の開発独裁体制は限界に達しており、近い将来に分裂や内乱を含めた国内混乱は避けられない。このような現状を踏まえて、日中両国は朝鮮半島・東シナ海・台湾などの勢力圏設定に関する秘密協定をごく最近に結び、敵対関係から友好関係に転じたのではないかと私は妄想している。

1905年7月の桂・タフト協定では、米国は朝鮮における日本の支配権を確認し、交換条件として日本は米国のフィリピンの支配権を確認した(この協定は1924年まで秘密であった)。1907年7月30日に第1次条約が調印され、1916年7月3日に第4次条約が調印された日露協約は、秘密条項で日本はロシアの外モンゴルにおける権益、ロシアは日本の朝鮮における権益を認めた。1905年の第二次日英同盟では、イギリスのインドにおける特権と日本の朝鮮に対する支配権を認めあうとともに、清国に対する両国の機会均等を定めた。大国は勢力圏を確定するために周辺大国との協定を必要とするものなのだ。日本は漸く米国の属国から抜け出して大国として振る舞い始めたのだと私は想像している。

民主党代表選に出馬した小沢一郎氏は鳩山氏を味方につけて優勢となっている。もし小沢政権が誕生した場合親中・反米政権になるのではないかと国際戦略コラムのF氏は危惧している。私は、小沢政権は(もし誕生すればだが)米国の衰退による米軍撤退への対応と、日中両国の友好的提携による東アジアの管理を目的としているのではないかと考えている。










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8 コメント

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Unknown (ウタリ)
2010-08-28 14:05:35
案の定管内閣は談話を発表しそれに刺激されて南朝鮮が(日本政府の)予想通りのリアクションをとっています。
しかし日本のヘロデ王と揶喩されるほどアメリカに金を貢いでいた小沢氏が反米派の最右翼になるなんてなんとも皮肉ですね。
そこら辺、親米派からイスラム過激派に転向したビンラディン氏と被る所があります。

ところで話は変わりますが、日本に於ける国際金融資本勢力はどのような概要なんでしょうか?
彼らさえいなければこのような事をしなくても済むのに。
返信する
Unknown ()
2010-08-30 02:10:55
>歴史問題で韓国国民の反日感情を煽って韓国を敵に回し、韓国の中国への属国化を促進することが目的であると私は考えている。


これは考えすぎでしょう
そもそも管のそれまでの行動を見れば明らかに分かります

私は韓国は一時期は中国側につくとも考えてましたが
必ずしもそうではなく複雑な国内事情もあるのか
やはり米中の間でふらふらしつつ進んでいくのではないかと思います
これは強国にはさまれた小国が状況によってあちこち付くのと同じですね
ただ現在の問題として北朝鮮でしょう
北朝鮮が滅びた時に中国が一部の領土を狙いに行くと当然に韓国と領土対立が発生します
そうなると自然と韓国は米国との同盟を選ぶでしょう
中韓が対立すれば日本にとっても幸運です
次に北朝鮮領を韓国がすべて引き継いでも中国という大国と領土を接するのは脅威に感じると思います
韓国としての立場は中国の顔色を見ながら米国と接近する感じでしょうか
北朝鮮の情勢は東アジアの情勢を一変に変えると思います。
そして韓国と中国が対立的な状況になると考えれるのではないでしょうか?

返信する
Unknown (たかちゃん)
2010-08-30 04:58:05
今の異常な円高を日本は放置してます。1$120円から85円は韓国の日本からの資材輸入コストが約1.5倍になります。輸出利益は完全に円高で溶けます。秋には$建赤字国債の償還が来ます。外貨不足の韓国を再デフォルトに追い込むために、管談話を出し反日化させ、円高放置かな?と。韓国に取られた世界シェア奪回には韓国丸ごと叩き潰す、と妄想してます。で、韓国弱体後ですが、北主導の統一はないと予想。統一するなら北が破綻し、なし崩しに統一かなと。日米中と戦い続けたのは我々だ、韓国は日米中の犬じゃないか、犬が朝鮮民族を率いるのか?と叫んで経済的には弱者の北朝鮮が政治的に韓国を飲み込むと。それは日本が北を支援して阻止すると思います。日韓基本条約で韓国だけを半島政府と認め、北に残したインフラまで放棄し、北の分まで賠償金を支払ってるからです。韓国が消滅した場合、再度北に賠償金を支払うはめになります。これは低成長期の日本にはキツい。また今後は世界経済が生産力過剰の停滞期に入ります。日本の賠償金で半島が安い労働力を使い再度生産力をつけるのは、日本には不都合。上記の円高放置も半島の生産力破壊と考えてますから。北が本当にヤバくなったら、拉致被害者と農水省が貯めている古々米をトレードするんじゃないかと予想してます。マスコミは90年代には古々米を非難してましたが、ここ10年話題にもしてません。北がヤバいとされながら、何故か10年持ちこたえてます。微妙に時期が一致します。ひょっとしたら古々米を廃棄処分したと見せかけ、経済封鎖の裏で密かに中国経由で支援してるかもしれません。賠償金から比べれば古々米のほうが安上がりですし。で、中国には北主導の半島統一の日中のデメリットを伝えてるんじゃないかと。また半島を反日化させるには一つの朝鮮より二つの朝鮮のほうがやりやすい。片方を怒らせると、もう片方もつられて反日化します。反日させるネタも二つのほうが作りやすいですし。中国も二つの朝鮮のほうが支配しやすいと思います。一つのデカい朝鮮は嫌でしょうし。米軍撤退後の南ベトナムが北ベトナムに統一されましたが、統一ベトナムは中国に逆らいましたから。日中には統一朝鮮は不都合ですので、米軍撤退後の半島は日中による分割支配になると予想してます。
返信する
Unknown (たかちゃん)
2010-08-30 06:20:15
追記です。
二つの朝鮮の日本のメリットはもちろん、日本の再軍備です。反日国家が間近に一つより二つのほうが、都合がいいからです。

中国に謝罪しなかったのは、単に併合100年で中国は関係ないからかな?と。今後、満州事変100年、南京100年、重慶空爆100年と色々ありますが、どうでしょう?日本が何か欺きたい時、中国を反日化したい時、仕掛けると予想します。

韓国も日本も米国に頼れなくなると予想します。米国は財政と失業率が悪すぎる。軍事費削減して雇用対策せざるを得ないと。事実、50兆円の軍事費を30兆円まで削減予定と日経がスクープしましたし。軍は抵抗するでしょうが、失業率の高さゆえ、国民に押し切られると予想します。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-08-31 15:52:56
毎年この時期ですね。

鳩山氏の支持を立候補の条件として、最初から辞退の伏線をはっているところを見ると、今回の代表選挙によるゴタゴタも、福田・麻生総理などの辞任の背景にあると噂されている、300兆円の回避と関係あるかもしれませんね。

検察審議会を控えて、小沢氏には幹事長よりも入閣がありそうな気がしますね。
返信する
韓国も同じ (竜吉)
2010-09-01 10:29:01
こんにちは。

北朝鮮の本質が旧日本陸軍の亡命政権だとすると、韓国も同じではないでしょうか。
韓国の右翼や庶民の間には素朴な反日感情をもっている人も多いでしょうが、韓国国家の最奥部ではそんなものはどうでもよく、時に手段として反日を演じて見せるだけでしょう。
対日協力者の財産没収などをやって見せるのも、スケープゴートを作って目くらましをしているのです。

そもそも、中国からして、辛亥革命には日本が深く関わっていて、中華民国は日本の兄弟国のようなものであり、ゆえに、日中戦争になっても蒋介石軍には本気の抗日意識がなかった。
戦後の日台癒着でも分ります。
中国共産党にしても、せいぜい国民党の仲の悪い弟で結局出自は同じです。
日本敗戦後の国共内戦において、日本軍兵士が共産党と国民党の両方の側について戦っていたのも保険のようなものだったのでしょう。

半島~大陸にまたがる旧日本陸軍の亡霊のようなものは、いまでも何かの実体として存在していると思います。
返信する
Unknown (ななし)
2010-09-20 13:46:44
だって日本の政界=清和会や民主陵雲会、松下政経塾系やマスゴミを操ってるのは鮮人どもなんですものw
統一教会(KCIA)や創価と言ったカルトもね。
奴らの背後にはまちがいなく米ユダヤ人脈が控えてます。
また植民地を間接支配するのに異民族系を使うのは欧米の常套手段です。
東南アジアの華僑がそうですね。
愛国心や同胞意識が無いから実に操り易くて都合がいい。
しかも名前を日本風にしちまえば見分けがつかない。
尖閣ではやたら強気で騒ぐのに竹島では実効支配を許してる。
北方領土に関しても同様です。
日本に取って大事なのは明らかに中国やロシアの方なのにね。
市場を考えても天然資源を考えても明らかです。
国益を考えれば韓より中露なのは小学生でも分かります。
逆に半島視点から見れば日中、日ロの接近は悪夢そのものだと思いますね。
つまりはそう言う事なんですよ。
メディアや政治を日本人の手に取り戻す必要があるんですね。
その為には奴らの後ろ盾になってる米国からの脱却が必要です。
彼らが異常なほどアメリカべったりなのはそう言う訳なんですね。
だから病的に小沢を嫌います。
返信する
バカ中国 (カッチャン)
2010-10-22 00:01:13
あんぽんたん中国、腕力ばかり強い中国、尖閣諸島は日本!!最近になって?バカ?それを日本では、クルクルパァーって言うの!黙って体力だけ使っとけ、それと大学生も小学校から出なおせよ!日本は中国の先人達を助けたお礼を、はっきり聞いてないから、お礼を言え!弱小中国!わかったか!ばかが!
返信する

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