済州島での多数の首脳会談開催と海軍基地建設決定は何を意味するか?

●麻生外相の空自機利用批判＝韓国メディア 　時事通信　2007/06/03

　【ソウル３日時事】韓国の通信社・聯合ニュースは３日、日中韓外相会談に出席した麻生太郎外相が、航空自衛隊のＵ４多用途支援機で済州島入りしたことを「自衛隊所属機が『平和の島』済州に入ったことは注目される」と批判的に報じた。麻生外相は民間の航空便を利用できない日程のため、同機を使用した。
　聯合ニュースは「自衛隊機が韓国に入った前例はほとんどない」としている。しかし、日本の歴代首相ら要人は航空自衛隊に属する政府専用機で韓国など世界各国を訪問している。
　また、韓国政府高官も「（Ｕ４は）多用途輸送機で旅客機と似ており、会談出席のための利用だ」と指摘し、問題視しない考えを示している。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007060300217





●韓日外相が済州島で会談、核問題などで意見交換　　YONHAP NEWS　2007/06/03


【西帰浦３日聯合】外交通商部の宋旻淳（ソン・ミンスン）長官は３日、済州島で日本の麻生太郎外相と会談し、北朝鮮の核問題などの懸案について話し合った。
　両外相は、マカオの銀行バンコ・デルタ・アジア（ＢＤＡ）の北朝鮮資金送金問題により停滞している６カ国協議のプロセスを進展させるための方策について意見を交わした。また、韓日自由貿易協定（ＦＴＡ）交渉再開問題、両国間の海洋境界の画定と海洋科学調査問題などについても話し合った。

　宋長官は冒頭発言を通じ「昨年に外交通商部長官に内定してから麻生外相と会うのは７回目。兄弟よりも多く会っているようだ」と場を和ませるとともに、韓日間で外相、局長、課長級など多様な協議が行われていることを評価した。これに対し麻生外相は、兄弟より多く会っているという宋長官の言葉に相好を崩し、「実務会議が頻繁に行われるのはよいことだ」と答えた。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2007/06/03/0400000000AJP20070603001600882.HTML




●ＥＥＺ、歴史研究の月内協議で合意・日韓外相会談　日本経済新聞　2007年6月3日
　【済州島＝堤和彦】麻生太郎外相は3日、韓国・済州島で宋旻淳外交通商相と会談し、排他的経済水域（ＥＥＺ）の境界画定交渉の局長級協議を6月17、18の両日ソウルで、歴史共同研究委員会を23日に東京で開くことで合意した。
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070603AT3S0300U03062007.html



●韓国船の調査活動を日本が問題提起、対立再燃か　　YONHAP NEWS　2007/06/02


【ソウル２日聯合】韓国と日本がそれぞれ自国の排他的経済水域（ＥＥＺ）と主張する水域で韓国の調査船が海洋科学調査を実施したことに対し、日本が問題提起した。両国の海洋境界をめぐる対立が再燃する可能性も指摘されている。
　外交通商部が１日に明らかにしたところによると、韓国海洋研究院に所属する「イオド号」は先月３１日、韓日漁業協定で済州島南部の中間水域に当たる済州島南方約１３２カイリの地点で海洋科学調査を実施し、日本は翌１日に外交ルールを通じこれを問題提起した。韓国船舶が日本のＥＥＺ内で調査を実施したという趣旨での問題提起だったようだ。

　これに対し韓国の外交当局は、調査活動のあった海域は韓国のＥＥＺのため、韓国政府はこの海域で海洋科学調査の実施に関する権利を持つという立場を日本に示したという。

　昨年４月、日本が独島付近で海洋科学調査計画を進めたことから、韓日間に海洋境界をめぐる対立が引き起こされている。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/relation/2007/06/02/0400000000AJP20070602000200882.HTML





●国防部「戦闘機大隊の済州島配置はない」 　2007年6月1日　朝鮮日報


　国防部は31日、済州島に「戦闘機大隊を配置しない」との約束を書面を通じて保証する、と明らかにした。


　国防部資源管理本部のチェ・グァンソプ部長と海軍本部のキム・ソンチャン戦力企画参謀部長、空軍本部のキム・ヨンホン戦力企画参謀部長らは同日、済州道庁で記者会見を行い、済州海軍基地反対対策委員会が提起している各種の疑惑について説明した。


　まず、国防部は「戦闘機の大隊配置疑惑」について「空軍南部探索救助部隊に戦闘機大隊を配置するという計画はなく、これを明確にするためにこの内容を書面化し、済州道であれ国防部であれこの内容を任意に変更できないようにする」と明らかにした。


　次いで「空軍が保有している高性能最先端航空機の速度や航続距離などを考慮する場合、本土からの済州南方海域への戦闘機の投入は短時間内に行えるようになった。従って、国防改革に伴い戦闘機の機数を減らされたこともあり、済州島に基地を確保する必要がなくなった」と述べた。


　また、「海軍基地協定書（MOU）案をめぐり事前に秘密裏に交渉していた疑い」についても立場を明確にした。


　国防部は「協定書案について済州道庁と話し合ったことはなく、あくまで国防部が単独で作成したもの」とし、「済州テレビ主催の合同シンポジウムなどで、国防部の履行意志を盛り込んだ文書を公開することも考えたが、済州道庁側と話し合っていない内容であるため、一方的に公開するのは適切ではないとの判断から、内部的に保留していた」と説明した。


　その上で、「済州道議会の行政調査を通じ、この問題が速やかに解決されるよう期待している。議会の要請があれば、関連資料はいつでも提供する」と話した。
http://www.chosunonline.com/article/20070601000028





●済州路線航空便を大幅増便、航空券購入難を解消　YONHAP NEWS　2007/05/15

【ソウル１５日聯合】大韓航空とアシアナ航空の済州路線に５月の１カ月間、臨時便が投入される。建設交通部が１５日に明らかにした。最近の済州旅行客の急増に対応するもので、先ごろ開催した航空会社、仁川国際空港公社ら関係者との対策会議で決定した。
　大韓航空は仁川～済州路線に３３便、金浦～済州に１６５便、釜山～済州に４便を増便する。アシアナ航空は仁川～済州が５３便、金浦～済州が８便、麗水～済州が６２便の増便となる。

　また政府は、航空便の分散に向け国内線定期便のみ７０％減免している仁川空港施設使用料を、臨時便についても５０％以上減額することを検討している。このほか、済州路線の運航と座席供給状況を随時点検するため、建設交通部、航空会社、韓国空港公社、仁川空港公社、航空振興協会などで構成された特別作業班を設置する。

　政府は３月にも済州道関係者と対策会議を行い、３～４月の臨時便追加投入を行っている。済州路線は平日でも予約率が１００％に迫るなど購入が難しく、建設交通部関係者は保有する旅客機の台数不足が原因と説明している。中長期的には低価格航空会社を積極的に育成し役割を強化する計画だ。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2007/05/15/0200000000AJP20070515000500882.HTML





●済州を国際自由都市に、特別自治法改正案議決へ　YONHAP NEWS　2007/05/15


【ソウル１５日聯合】政府は１５日、盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領の主宰で閣議を行い、済州特別自治道の国際自由都市発展を目指す、済州特別自治法改正案を議決する。
　改正案によると、済州特別自治道に開設された医療機関は、国民健康保険の適用を受けない海外在住韓国人や外国人患者を紹介・あっせんしたり、呼び寄せることが可能となる。また、済州先端科学技術団地に進出している会社や済州投資進行地区に設立されている会社の株式を取得または所有する場合、出資総額制限企業集団に属する企業でも、その制限適用が免除される。

　さらに、外国教育機関及び外国人学校の誘致活性化に向け、外国教育機関の設立基準と手順を道が自主的に決定できるようになる。済州投資振興地区の指定・解除・開発に関する審議権を済州国際自由と市総合計画審議会に移管したり、土地利用と都市計画、開発などに関する権限を済州道知事に大幅移譲するなどの内容も盛り込まれている。

　このほか閣議では、済州及び全国の経済自由区域への外国教育機関誘致促進に向け、「経済自由区域及び済州国際自由都市外国教育機関設立・運営に関する特別法」の施行令改正案も議決される。これまで外国教育機関が国内で大学院大学を設立する場合、建物の一部だけを賃貸し校舎として利用することは認められていなかったがこれを許可するほか、最少面積を学生定員２００人基準から１００人基準に緩和する計画だ。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/Politics2/2007/05/15/0900000000AJP20070515001300882.HTML






●済州への海軍基地建設、道知事が同意の意向示す　YONHAP NEWS　2007/05/14


【済州１４日聯合】済州道の金泰煥（キム・テファン）知事は１４日に緊急会見を開き、政府から公式な要請があった済州道への海軍基地建設に同意する考えを示した。基地建設をめぐっては道民の間でも賛否が分かれていたが、金知事は「道民全体の世論と該当地域住民の意見を優先し、『平和の島』との両立の可能性と地域経済への波及効果などに立脚して総合的に判断した」と説明した。

　金知事によると、専門会社に依頼して道民１５００人を対象に実施した世論調査では、賛成が５４．３％、反対が３８．２％となり、賛成意見のほうが多かった。


　また候補地とされている３地域で、それぞれ１０００人を対象に調査を行ったところ、西帰浦市大川洞では５６％が賛成し、南済州郡安徳面の４２．２％より１３．８ポイント上回り賛成の割合が最も高かった。このため大川洞が海軍基地建設の最優先対象になった。道は基地が建設される地域には大幅な行政的・財政的支援を行う考えだ。
http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2007/05/14/0200000000AJP20070514004600882.HTML






【私のコメント】
2006年7月1日に済州島は特別自治道に指定され、外交、司法、国防を除くすべての権限が国から委譲されている。また、今回の日中韓三カ国外相会談だけでなく2004年7月の日韓首脳会談などの多数の首脳会談が何故かこの島で行われていることは、韓国の外交機能の一部が済州島に移転しつつあるとも考えられる。

済州島への韓国海軍基地建設が決定したことも注目される。日本の横須賀・大湊・舞鶴・呉・佐世保、米国のサンディエゴ・ノーフォークの例を見ても分かるように、日米両国の本土地域の主要海軍基地はそのほとんど全てが本土に建設されている。これは補給や整備のためには交通の便の良い本土に母港を置くことが有利であるからだと想像される。韓国が済州島に大規模な海軍基地を建設するのは日本で言えば種子島や伊豆大島、佐渡島などに海軍基地を建設するようなものであり、決して合理的とは思えない。

最近になって本土と済州島の間の旅客輸送が急増しているという話も気になる。一次産業と観光関連産業の他に見るべき産業のない済州島への旅客の大部分は観光客と想像され、週末や祝祭日には混雑が想像されるが平日は閑散としている筈である。しかし、現実には平日でも予約率が100%に近いという。ウォン高の現状から観光客の多くが外国に流出している韓国で、海外より割高な済州島への観光客が増加するとも思えない。何か秘密があるのだろうか？