ネオコンのクラウトハマーがイスラエルの不甲斐ない戦いを激しく批判、「滅亡したくないならば独力でヒズボラを殲滅せよ」と脅迫。マサダの悲劇の再来か?
●今日の覚書、集めてみました:イスラエル死刑宣告ですか?@ワシントン・ポスト 8月4日
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/45be6034d89c74dc378fb53f919a8ee2
Israel's Lost Moment By Charles Krauthammer Washington Post:August 4, 2006
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/03/AR2006080301258.html
●Charles Krauthammer - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Krauthammer
【私のコメント】
ネオコンの思想的指導者の中心の一人であるチャールズ=クラウトハマーが8月4日のワシントンポスト紙で「Israel's Lost Moment」と題する論説を寄稿している。イスラエルが南北二正面作戦を仕掛けた後ヒズボラ相手に苦戦し、レバノン住民の被害を米英マスコミが大々的に報道してイスラエルが国際的批判を浴びている現状で、イスラエルの右翼政党であるリクードを支持してきたクラウトハマーがイスラエルに対してどの様に発言するか、非常に注目される。「今日の覚え書き」で紹介されている文章は要約すると以下の通り。、
1.イスラエルは米国の中東政策に関して重荷となっている、米国の国益に反しているとの批判が現在高まっている。
2.ヒズボラはかつて多くの米国兵士を虐殺しており、米国の宿敵である。イスラエルはヒズボラを殲滅して、イランの野望をくじき、米国の国益に貢献せねばならない。米国のイスラエル支持は、イスラエルの国益のためではない。イスラエルは米国の支援に頼らず、独力で、米国の国益のために、ヒズボラを殲滅せよ。
3.レバノンでヒズボラにイスラエルが敗北することは、イスラエルの対米関係を破滅させる。イスラエルには失敗は許されない。
4.オルメルト首相のこれまでの指揮は指導力不足だ。イスラエルが生き残りたいならば、米国の信頼が必要不可欠だ。楽な勝利を求めず、苦しい戦いに挑め。
全世界でイスラエルの戦いへの批判が高まっている状況で、ネオコンだけは「イスラエルの戦いが不十分である」と逆の方向から非難している。しかし、この苦境でイスラエルは米国の支援なしに独力でヒズボラを殲滅せねばならず、失敗は許されない。イスラエルはもはやヒズボラに勝利することは困難であり、国益を考えるとヒズボラやパレスチナに譲歩して和平の道を探るのが最も望ましい。しかし、ネオコンはその退路を断つと宣言したのである。これでイスラエルの滅亡は事実上確定した。「今日の覚え書き」で「イスラエル死刑宣告ですか?」と題しているがまさにその通りである。
米国の保守陣営はネオコンとリアリストに分裂し激しく対立しているように見えるが、これはイスラエルを罠にはめて滅亡させるための壮大な劇であるように思われる。ネオコンとリアリストは、米国がイスラエルを軍事的・経済的に支援すべきでないという点で一致している。建国以後最大の危機に瀕した状態で、頼みの綱のネオコンに支援を拒否されたイスラエルは茫然自失状態だろう。
米国の保守陣営の俳優たちはイスラエルを煽るネオコン役とイスラエルを批判するリアリスト役に分かれ、イスラエルを思い切り煽って対立を深化させたあとで梯子を外し、イスラエルを激しく批判する世論を流してイスラエルを孤立化させながら、イスラエルの撤退・和平は許さないと脅迫する。イスラエルにはもはや、玉砕覚悟で周辺国と激突する以外の道はなくなった。そしてその戦いは必ずやイスラエルの敗北に終わるだろう。紀元73年のマサダの悲劇が再び繰り返されることになると予測する。
●マサダについて
紀元70年、将軍ティトス率いるローマ軍によってエルサレムは陥落し、エルアザル・ベン・ヤイルに率いられた、967人のイスラエルの防衛者である熱心党員は、2年以上、最後まで、400mの山頂マサダで戦いつづけました。
異教徒に苦しめられ、自分や自分の家族が奴隷としてローマに連れて行かれるよりは、自決をと、リーダーに説得されました。歴史家ヨセフス・フラビウスの「ユダヤ戦記」によれば、家長はその家族を殺し、そして10人のグループをつくり、1人が9人を殺し、又、10人グループのうち1人が9人を殺し、最後の一人は自害しました。
紀元73年、967人のうち、7人の女子供だけがこの時、隠れていて、ローマ軍がマサダに入ってきた時に捕まった、ということです。彼らが、この時のことを話して、後にヨセフスが書き残した、ということになります。
現在マサダでは、イスラエル軍の入隊式が行われます。それは、二度とユダヤ人の全滅を繰り返さない、「ノー・モア・マサダ」という決意を持つためです。 ところで、「ユダヤ戦記」を書いたヨセフスの本名は、ヨセフ・ベン・マティティヤフ(マタイの子ヨセフ)で、67年のガリラヤでの戦争でローマに捕らえられて(自分から寝返ったのでは?)ローマに移動し、名前をギリシャ名に変えたという経緯があるユダヤ人で、正統派ユダヤ教徒をはじめ、一部のユダヤ人に、売国者として今でも嫌われています。 その訳は、長く複雑な歴史の中にあります。
<以下省略>
http://asiamessia.ld.infoseek.co.jp/umjc2003/masada.htm

写真は死海のほとりにそびえる岩山状の砦「マサダ砦」。一世紀にユダヤ人勢力がローマ軍によって滅ぼされた場所。
【関連情報】
イスラエル・ユダヤ
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/c/5cd19ff2e88cddd64287d7db5ec2e263
イスラエルロビー批判論文
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/c/1b69900c82ac358bba454e40e83ce46d
●今日の覚書、集めてみました:イスラエル死刑宣告ですか?@ワシントン・ポスト 8月4日
http://blog.goo.ne.jp/kitaryunosuke/e/45be6034d89c74dc378fb53f919a8ee2
Israel's Lost Moment By Charles Krauthammer Washington Post:August 4, 2006
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/08/03/AR2006080301258.html
●Charles Krauthammer - Wikipedia, the free encyclopedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Charles_Krauthammer
【私のコメント】
ネオコンの思想的指導者の中心の一人であるチャールズ=クラウトハマーが8月4日のワシントンポスト紙で「Israel's Lost Moment」と題する論説を寄稿している。イスラエルが南北二正面作戦を仕掛けた後ヒズボラ相手に苦戦し、レバノン住民の被害を米英マスコミが大々的に報道してイスラエルが国際的批判を浴びている現状で、イスラエルの右翼政党であるリクードを支持してきたクラウトハマーがイスラエルに対してどの様に発言するか、非常に注目される。「今日の覚え書き」で紹介されている文章は要約すると以下の通り。、
1.イスラエルは米国の中東政策に関して重荷となっている、米国の国益に反しているとの批判が現在高まっている。
2.ヒズボラはかつて多くの米国兵士を虐殺しており、米国の宿敵である。イスラエルはヒズボラを殲滅して、イランの野望をくじき、米国の国益に貢献せねばならない。米国のイスラエル支持は、イスラエルの国益のためではない。イスラエルは米国の支援に頼らず、独力で、米国の国益のために、ヒズボラを殲滅せよ。
3.レバノンでヒズボラにイスラエルが敗北することは、イスラエルの対米関係を破滅させる。イスラエルには失敗は許されない。
4.オルメルト首相のこれまでの指揮は指導力不足だ。イスラエルが生き残りたいならば、米国の信頼が必要不可欠だ。楽な勝利を求めず、苦しい戦いに挑め。
全世界でイスラエルの戦いへの批判が高まっている状況で、ネオコンだけは「イスラエルの戦いが不十分である」と逆の方向から非難している。しかし、この苦境でイスラエルは米国の支援なしに独力でヒズボラを殲滅せねばならず、失敗は許されない。イスラエルはもはやヒズボラに勝利することは困難であり、国益を考えるとヒズボラやパレスチナに譲歩して和平の道を探るのが最も望ましい。しかし、ネオコンはその退路を断つと宣言したのである。これでイスラエルの滅亡は事実上確定した。「今日の覚え書き」で「イスラエル死刑宣告ですか?」と題しているがまさにその通りである。
米国の保守陣営はネオコンとリアリストに分裂し激しく対立しているように見えるが、これはイスラエルを罠にはめて滅亡させるための壮大な劇であるように思われる。ネオコンとリアリストは、米国がイスラエルを軍事的・経済的に支援すべきでないという点で一致している。建国以後最大の危機に瀕した状態で、頼みの綱のネオコンに支援を拒否されたイスラエルは茫然自失状態だろう。
米国の保守陣営の俳優たちはイスラエルを煽るネオコン役とイスラエルを批判するリアリスト役に分かれ、イスラエルを思い切り煽って対立を深化させたあとで梯子を外し、イスラエルを激しく批判する世論を流してイスラエルを孤立化させながら、イスラエルの撤退・和平は許さないと脅迫する。イスラエルにはもはや、玉砕覚悟で周辺国と激突する以外の道はなくなった。そしてその戦いは必ずやイスラエルの敗北に終わるだろう。紀元73年のマサダの悲劇が再び繰り返されることになると予測する。
●マサダについて
紀元70年、将軍ティトス率いるローマ軍によってエルサレムは陥落し、エルアザル・ベン・ヤイルに率いられた、967人のイスラエルの防衛者である熱心党員は、2年以上、最後まで、400mの山頂マサダで戦いつづけました。
異教徒に苦しめられ、自分や自分の家族が奴隷としてローマに連れて行かれるよりは、自決をと、リーダーに説得されました。歴史家ヨセフス・フラビウスの「ユダヤ戦記」によれば、家長はその家族を殺し、そして10人のグループをつくり、1人が9人を殺し、又、10人グループのうち1人が9人を殺し、最後の一人は自害しました。
紀元73年、967人のうち、7人の女子供だけがこの時、隠れていて、ローマ軍がマサダに入ってきた時に捕まった、ということです。彼らが、この時のことを話して、後にヨセフスが書き残した、ということになります。
現在マサダでは、イスラエル軍の入隊式が行われます。それは、二度とユダヤ人の全滅を繰り返さない、「ノー・モア・マサダ」という決意を持つためです。 ところで、「ユダヤ戦記」を書いたヨセフスの本名は、ヨセフ・ベン・マティティヤフ(マタイの子ヨセフ)で、67年のガリラヤでの戦争でローマに捕らえられて(自分から寝返ったのでは?)ローマに移動し、名前をギリシャ名に変えたという経緯があるユダヤ人で、正統派ユダヤ教徒をはじめ、一部のユダヤ人に、売国者として今でも嫌われています。 その訳は、長く複雑な歴史の中にあります。
<以下省略>
http://asiamessia.ld.infoseek.co.jp/umjc2003/masada.htm

写真は死海のほとりにそびえる岩山状の砦「マサダ砦」。一世紀にユダヤ人勢力がローマ軍によって滅ぼされた場所。
【関連情報】
イスラエル・ユダヤ
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/c/5cd19ff2e88cddd64287d7db5ec2e263
イスラエルロビー批判論文
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/c/1b69900c82ac358bba454e40e83ce46d
こちらには初めてお邪魔いたします、喜多龍之介です。
またお足を運んで頂きありがとうございます。
私の役目はアチコチとんで材料を集めてくる事ですから、光栄な事です。
読みづらい部分もあろうかと存じますが、どうかご容赦下さい。
マサダの悲劇については、ここ数日間あちこちで言葉は見かけていたのですが、調べるに到っておりませんでしたので、貴エントリーの解説には大変助けられました。ありがとうございます。
個人的には、大東亜戦争をなんとなく連想してしまいます。
当時の史上最強帝国、ローマを相手に奮闘し、最後まで戦ったユダヤ人は、今でいう、地球上で史上最強部隊の一つであるイスラエル軍に抗するパレスチナ人です。
今も昔も悲劇の対象は同じで、それに対する周りの同調も、歴史の大国の前に崩れ去るのでしょう。