国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

日中露三国志時代の始まりと米英の衰退

2006年09月17日 | 中国
●日中首相の握手写真、ASEMのHPに…中国の要望で (2006年9月13日3時10分 読売新聞)



 小泉首相が出席したヘルシンキでのアジア欧州会議(ASEM)首脳会議の公式ホームページに、首相と中国の温家宝首相が会場内で笑顔で握手した瞬間をとらえた写真が11日、掲載された。
 両首相は、靖国神社参拝問題をめぐって関係が冷え切っているが、10、11両日の会議期間中は場内で非公式に何度か軽くあいさつした。各メディアは握手の瞬間を撮影していなかった。
 ところが、11日は、中国政府の公式カメラマンが至近距離で両首相の握手の瞬間を撮影していたという。ASEM議長国のフィンランド政府によると、同日午後、中国政府から「日本の首相との握手の写真を撮ったので、ASEMホームページに掲載してほしい」と写真提供があり、掲載を決めた。同日、フィンランド政府からヘルシンキ市内で連絡を受けた日本政府筋は「日本との関係改善に意欲を示す中国からの明確なメッセージだと受け止めている」と語った。
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060913i501.htm



●反日系中国紙が日本絶賛 冷却ムード改善狙う? (産経新聞09/15 23:28)

 対日批判記事が多いことで知られる中国紙、環球時報は15日付紙面で、日本の社会、文化などを8ページにわたり現地リポートした「日本特集」を掲載し、日本を「あらゆる面で発達した社会」などと持ち上げた。中国紙が日本を正面から評価するのは極めて異例。次期首相の就任を前に、日中の冷却化したムードを改善したいとの中国政府の意向を反映しているとみられる。
 日本特集は、東京の様子について「高層ビルだけでなく、地下街も発達している」「都心は緑一色。都市開発と環境保護のバランスの良さを実感できる」と報道。東京での取材を通じ「日本経済は再生したと感じた」とも伝えた。
 ただ靖国神社については、侵略戦争を美化しているとして「憤りを隠せない」と批判。また「大多数の庶民は歴史に無関心だった」と不満を述べている。(共同)
http://www.sankei.co.jp/news/060915/kok019.htm



●<プーチン露大統領>北方四島の領土問題解決を希望 (毎日新聞) - 9月12日8時55分更新


 【モスクワ町田幸彦】ロシアのプーチン大統領は9日、モスクワ郊外で開かれたロシア研究者・専門家との会合で日露平和条約締結交渉に関連して「(焦点の)領土問題を解決したいと思っている」と述べた。同会合に参加した袴田茂樹・青山学院大学教授が11日、明らかにした。袴田教授によると、大統領は日本の北方四島返還要求に対して「双方の努力と妥協が必要だ」と強調した。
 大統領は平和条約問題で「ロシアの姿勢が厳しくなっているとは思わない」と言明。「領土問題は以前、日本で国内の政治ゲームに利用されたが、今の日本は本気でこの問題解決を望んでいると理解している」と語った。また2年前に中露国境画定交渉が妥結したことに言及した。
 大統領には小泉政権後をにらんで日露関係に前向きな意思を示す狙いがあったとみられる。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060912-00000020-mai-pol



●北方領土問題 露大統領、退陣前の解決に意欲  (産経新聞 09/12 23:37)

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領が9日、日米欧の有識者をモスクワ郊外の公邸に招いて懇談し、北方領土問題について「双方に受け入れ可能な妥協によって解決したい」と述べ、2008年の退陣前に領土問題を解決し、対日関係を改善したいとの意欲を示した。日本から出席した青山学院大の袴田茂樹教授によると、対アジア政策を質問された大統領は自ら進んで北方領土問題に触れ、「すぐに解決できるとは思っていないが、平和条約締結の道を探す必要がある」と述べた。
 さらに、大統領は、2004年に画定した中露間の国境について「歴史的な偉業である」と自画自賛。ロシア側が、1956年の日ソ共同宣言を順守する姿勢を示し、歯舞、色丹の2島引き渡しで日本とも最終決着したい意向を示した。
 大統領の発言は、今月末に誕生する日本の次期政権を視野に入れ、政治交渉を促す意図があるものとみられるが、袴田教授は「日本漁船銃撃事件などで日露関係が悪化する兆しをみせる中、意識的にバランスをとろうとしたのだろう」と指摘している。
http://www.sankei.co.jp/news/060912/kok015.htm



【関連投稿】
●日中露三国志時代の始まり
http://blog.goo.ne.jp/princeofwales1941/e/90ef00542aa08e247a5e649dd840ee08



【私のコメント】
 小泉首相の退陣が近づくとともに、関係が悪化していた日中関係・日露関係が急速に改善の兆しを見せている。1970年代の日中関係改善がソ連の軍事的脅威に対抗するためのものであったことを考えると、中露両国と日本の関係が同時に改善に向かうというのは第二次大戦後初めてのことである。

 第二次大戦前の日本が勢力下に置いていた朝鮮半島・満州などの大陸の領土は敗戦によって全て失われた。そして、東アジアはランドパワーのソ連・中国・北朝鮮とシーパワーの日本・台湾・韓国に分断され、その境界線では鉄のカーテンの東アジア版とも言うべき厳しい軍事的対立が設定された。このような東アジアの分断体制は、欧州の分断と同様に、第二次世界大戦を主導した米英の支配層、あるいはユダヤ金融資本=イルミナティが決定したものであったと考えられる。その後、韓国や中国は日本企業の進出で停滞から脱し始めたが、政治面では日本は悪、韓国と中国は善という東京裁判史観がユダヤ金融資本=イルミナティから押しつけられ、冷却した関係が継続していた。また、日露関係も、ゴルバチョフが北方領土返還を日本に提案したが実現しなかったことに象徴される冷却の時代が続いた。ロシアが返還するというのに何故それが実現しなかったか、と考えれば、ユダヤ金融資本=イルミナティが強硬に反対し、日本を脅迫したからであるとしか考えられない。

 現在起こりつつある日中・日露関係の改善は、小泉首相の退陣と時期が重なるために小泉氏の政治姿勢と関連づけて分析されることが多い。しかし、本当の理由は小泉首相の退陣ではないと思う。ユダヤ金融資本=イルミナティの世界支配が崩壊し、中露両国との関係改善を希望する日本を脅迫して関係改善を断念させる力を彼らが失いつつあることが理由であると思われる。

 1989年のベルリンの壁崩壊と共に東西ヨーロッパの対立が解消されたのと同様に、今後急速に日中・日露関係は改善することであろう。前にも書いたが、日中・日露関係は貿易等で競合が少なく相互補完関係にある。そして、貿易等で競合の多い日韓・中韓関係は急速に悪化することであろう。その結末は韓国の滅亡と北朝鮮への吸収合併ではないかと私は以前から予測している。

 また、ベルリンの壁の崩壊後にソ連=ロシアの経済が破綻した様に、近い将来に米国・英国の経済は破綻を迎えるであろう。膨大な金額に膨れ上がった米英金融機関のデリバティブは、LTCMの様に破産させることでその損失をFRBを通して米国国民に負担させることの準備である様にも思われる。




【関連情報】

●株式会社ジパング : 短期集中連載「デリバティブピラミッド」

9月11日の標的はワールドトレードセンター上層階にいた国債トレーダーだったと言われている。世界の金融デリバティブの90%が、この米国国債のトレーダー達によって、支えられていた。
キャンター・フィッツジェラルドだったと思うが、米国国債を主に扱う約800人のトレーダーは、これで全員消えた。外資系証券会社の会長だったA氏は、当時、

「松ちゃん、うちのデリバティブの残高が、これで解からなくなった。壮大な損失飛ばしでは」
と教えてくれた。
その頃、大手インベストメントバンクのデリバティブ残高は、各行ゆうに1000兆円を超えていた。その損益も残高も詳しく解からなくなった。最低でも5年の時間はかかる、いや10年かな・・・。
あれから5年取引明細が解からない中でデリバティブ問題はどう処理されたのか闇の中である。米国議会は先日フセインとアルカイダの間に関連性はなかったと報告している。いいがかりの戦争か?9・11は米国自作自演によるによるデリバティブ隠しではなかったか、とその疑問は深くなる。
最近最大手のゴールドマンサックスのデリバティブ残は兆を超えて京の単位になったと業界の人が教えてくれた。LTCMのデリバティブ残が400兆円だった。肝をつぶすばかりの天文学的数字。現在、その量の何百倍もの取引が行われているというのだ。
そんな巨大なデリバティブの残高では一日で数千億円の損益が振れるに違いない。頭の良いエリートが、数学の専門家、NSAの宇宙工学の専門家がロケットの軌道修正技術や最先端の数理分析技術を用いて作ったデリバティブピラミッド。山高ければ谷深し・・・。
それらは全てが完璧にヘッジされているという。しかし、LTCM天才ドリームチームの、Jメリーウェザー達も完璧な技術で世界の中央銀行まで出資者になったのに破綻した。
1873年のバブル崩壊でも世界最大の生命保険会社が当時の最先端の運用者のテクノロジーで繋いでいる。
時代は同じあやまちを繰り返している。今回の米国の株式市場の暴落もまた、こんな専門家のうぬぼれや、単純ミスによるのではないかと思う。犠牲者に心より冥福を祈る。(2006年9月12日)
http://www.jipangu.co.jp/ir/flight/serial/serial029.html



●株式会社ジパング : 短期集中連載「NY株にサイン」

今週のNY株は4日連続上げて再び9月5日高値10500ドルに迫った。NY株の暴落をウォッチする僕はこの高値トライ失敗でいよいよ下落トレンドが決まったと見ている。
  NY株の直近の上昇の中で、RSIといわれるテクニカル指数は下げている。これをベアリッシュダイバージェンスと呼び大きなトレンドの変化が起きた事を確認することが出来る。時間とタイミングは約2ヶ月で10813ドル(48日平均標準偏差の下値)を目指す。
だが銀行、金融株の状況次第ではもっともっと早くなると思っている。



GSR、ブリッシュコンセンサス、他のジュニア株式市場の大暴落、短期金利の低下、商品市場の反転等等、NY株の暴落はいよいよ追い詰められて来ている。後は10813ドルを待つだけとなった。日本株も先日テクニカル上のデッドクロスを迎えた。





100%の確率ではないが、デッドクロスは大きなトレンドの変化を示す。2002年、のように日本株も円安になりながら下げていくパターンになるのではないか。

円も118円と6ヶ月振りの円安、インフレロング、ドルショートの反転はドル円ではジワリと円安トレンドを見せている。10月中旬に122円台になれば・・・なると思うが、米国株が暴落しながら、ドル高円安のトレンドが定まるのではないか。神戸の大地震の時、円安ではなく、円高になった。
国内における大事件は、日本では円高、米国ではドル高になる。例えば米国企業のデリバティブ破綻はドル高になる。破綻があれば、それは必然的に、ドル買戻し需要の増加でドル高になると思っている。
金価格はかなり大きく振れたが、先々週まで185だったリアルゴールドプライスが先週には198に回復した。原油の下げがリアルゴールドプライスを上昇させている。この上昇は金鉱株の上昇を約束してくれる。しかし今週181まで低下。金鉱株の受難の日々はまだ続くのか。
2年以内にこのリアルゴールドプライスが倍になる可能性は高い。であれば、金現物より、金鉱株、特に探鉱株の急上昇が待ってる。市場は日々変化している。6月29日に、今までの下げを打ち消すラリーが起こると書いた。このラリーが高値トライ失敗をした・・・。
変化をよりモディファイするテクニカルを眺めるとNY株もいよいよの秋(とき)を迎えている。
(2006年9月15日)
http://www.jipangu.co.jp/ir/flight/serial/serial031.html

【私のコメント追記】
確かにデリバティブは天文学的に積み上がってるのは確かだね
しかしあのビル一カ所だけにしかデータがないなんて事はないでしょ(笑)
買い手がいて売り手がいるんだから


こんな分析もあります。まあ、常識的に考えて別の場所にデータのバックアップはあるでしょう。

もっと注目すべきなのは
『今回の米国の株式市場の暴落もまた、こんな専門家のうぬぼれや、単純ミスによるのではないかと思う。犠牲者に心より冥福を祈る。(2006年9月12日) 』
という部分ですね。来るべき米国株式市場の暴落は専門家達の緻密な共謀作戦であって、断じてうぬぼれや単純ミスではないでしょう。
『犠牲者に心より冥福を祈る』なんてよくもまあそんな心にもないことが言えるな、と言いたくなります。

金融業関係者の発言の多くは詐欺同然なのですから、決して全てを鵜呑みにしてはいけません。



【9月18日追記】
今日の覚書、集めてみました:今日のロシアの覚書
MOSNEWS (Russia) / 2006-09-18 14:59:36


Official Warns of Possible Radical Change in Russian Foreign Policy
(当局、ロシア外交政策の急進的転換の可能性を警告)
MosNews:17.09.2006


Russia's diplomacy could undergo certain adjustments, Alexander Kramarenko, the Foreign Ministry's Foreign Policy Planning Department director, said in an interview with Interfax.
ロシア外務省の外交政策計画部Alexander Kramarenko局長が、インターファクスとのインタビューの中で、ロシアの外交に或る調整が行われるかも知れない、と語った。
6月に大使や常任特使と開いた会議でプーチン大統領が発した命令につき、外交政策分析報告が発表された後、ロシアの外交に調整が加えられるかも知れない、と彼は語った。

「だが、この外交政策の個々の要素に対する調整は分析によるものとなりそうであり、これは2000年の外交政策戦略の変更を意味するものではない」。

"What is meant here is in an adjustment to our line in individual, specific aspects and issues, with due account taken of Russia's enlarged capabilities, the current international situation and verified forecasts for the further evolution of the geopolitical situation," the Russian diplomat said.
ここで示されているのは、拡大したロシアの能力、現在の国際情勢、そして地政学的状況の更なる進化について実証された予測を根拠にした、個々の特定の要素や課題における我々の路線への調整の中にある」
とこのロシア人外交官は言った。

Energy diplomacy is likely to be fine-tuned and "foreign policy instruments are to be diversified to include more intensive dealings with the country's political-scientific community and with civil society institutions," Kramarenko said.
エネルギー外交は微調整されそうであり「外交政策のツールは、同国の政治科学コミュニティや市民社会機構とのより密接なやりとりを含むべく、多様化される」。


【私のコメント】
この「ロシア外交政策の急進的転換」とは、ユダヤ金融資本=イルミナティの世界覇権崩壊に伴うものと考えて良いだろう。ひょっとすると、北方領土返還がその目玉になっているかもしれない。ロシア極東の人々にとっては、この記事の冒頭の日中首相の握手の写真は悪夢であり、「日本を中国から引き離してロシアの味方にする」という理由は、愛国的なロシア人に北方領土返還を納得させる根拠になりうるだろう。

私は昨年9月以降、ロシアによる北方領土返還を予測してきた。実際には返還は実現していないが、私は将来の返還は十分あり得ると考えている。ひょっとすると日中両国首相の握手が引き金となって近い将来に返還が実現するかもしれない、と言うと私は狼少年扱いされてしまうだろうか?
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1 コメント

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Unknown (あるかいだ)
2006-09-20 23:06:22
うちのプログへいらっしゃったようで

どうもです

でも、何でかな~よく見つかったなあ

一日の訪問者 50人にも満たないのに
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